海の猫   作:Byaraku

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ピトー大好き。


誕生

 温かい、全身が生温かい水で覆われ、そこを漂っている感覚を覚える。意識が覚醒していくのを感じる。目は見えない、息も出来ない。自然と体を動かし、手足をバタつかせていく。そうしていくうちに、指が何か膜のようなものに触れ一気にそれを破り裂いた。大量の羊水のような水と一緒に自分の体が落下し、地面にぶつかる感覚を覚えた。その瞬間、全身に感覚がしっかりと回っていくのを頭で理解した。それと同時に頭に浮かんだフレーズ。

 

「ネフェルピトー」

 

 口にしたその単語が自分の名前だと言う事を理解するのに、それほど時間はかからなかった。

 

 今、僕がいるのは洞窟のようだった。体は何も着けておらず濡れている。なぜ生まれてすぐ自分の名前がわかるのかわ分からないが、頭に浮かんだこのフレーズが自分の名前という確信のようなものがあった。

「考えても仕方ないにゃ、とりあえずここ出よ」

周りを見回しながら呟く。光と風が僅かながら流れてくる方へと足を進めた。

 

 外に出ると、森であった。洞窟から出てすぐの所は樹々が生い茂り、木漏れ日が差し込んで来る。しばらく歩いていると古びた建物が見えた。石造で苔むしている、随分と古びているらしい。その建物を尻目に足を進めた。

 それから分かったことがいくつかある。まず、今自分の居るところが島ということ。途中で見た建物は古びてはいるが自分が住むのには十分であること。島には様々な動物がいること。産まれたばかりなのに流暢に話せることや島に自分に似た生き物がいないなど。ピトーはそんなことを、先ほど首の部分を爪で切り裂いて仕留めた熊の肉を咀嚼しながら考えていた。

 

(まあ〜、生きるのに必要な情報以外は考えても仕方ないにゃ。)

 

 そんなこんなで、島で動物を狩りながら昼は日向ぼっこをしたり夜は廃屋で寛ぎながら過ごしていたある日。砂浜から見える水平線の向こうから、一隻の大きな船が向かって来るのが見えた。

 

 

 

 「お頭ー、こんな辺鄙な島に本当に財宝なんてあるんですかい。」

 

 一人の船員が声を上げる。

 

 「ああ、間違いねえ。それなりに信用できる筋からの情報だ、お前ら!気合い入れろよ!これから一仕事だ!」

 

 「「「了解!」」」

 

 お頭と呼ばれた男が声を上げる。それに呼応する様に、大勢の男たちも声を上げた。

 この船には風に靡く髑髏マークのついた旗が取り付けられていた、つまりは海賊船である。男たちは意気揚々とマストに登り、双眼鏡で島を確認し、帆をはり、舵を切る。これから、自分たちが手に入れる。財宝の数々を、思い浮かべながら。

 




文書くのって、難しいね。
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