海の猫   作:Byaraku

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狩り

 あれから、二週間はたった頃。僕は相変わらずマリンフォードのグラウンドでゼファー先生と組手をしていた。

 

「ピトー、今日が新兵訓練期間の最終日だ。教えたこと、忘れるんじゃねえぞ。特に敬語な。」

 

 そう、今日が訓練期間の最終日。明日から実働部隊に配属され、戦闘に駆り出される。訓練期間、僕は三週間が経った頃。ゼファー先生に基礎訓練は必要ないと言われ、ずっと戦闘訓練をしていた。特に、剣や銃などの武器の扱いを重点的に。それから、覇気についても教わった。武装色の覇気、見聞色の覇気、まだ僕は武装色しか使えないが。

 

「了解しまし、教官殿。」

 

 僕はゼファー先生をはじめとした、沢山の上官、教官から刷り込まれた敬語で答えた。

 

「よし、これで訓練を終了する。各員解散!」

 

 続々とグラウンドから海兵たちが、流れ出す。

 

「行こ、チャズカ。」

 

「うん。」

 

 

 

 

 海軍本部の一室、そこにはセンゴクやガープ、ゼファー、ツルに三大将、他にも数々の将校が集まっていた。

 

「では、クザン中将、モモンガ中将、おツル中将の部隊は以下の内訳で配属させていただきます。」

 

 そこでは准将ブランニューを司会に、近々実戦に配属される新兵をどの部隊に配属するかという会議が開かれていた。

 

「次は、ネフェル・ピトー三等兵の配属先についての議題映らせていただきます。」

 

 ブランニューは、慣れた口調で続ける。先日入隊した新兵のなかで今、一番注目されているのがピトーだった。彼女に関しては、是非我が部隊へとの要望が多く。他の新兵とは、別件で決めることになったのである。

 

「今のピトーの実力については、俺が説明する。」

 

 一ヶ月間、訓練の相手をしていたゼファーが言う。

 

「六式は使えないが、身体能力は俺と同等かそれ以上。覇気はまだまだ荒削りだが、武装色が使える。それと、悪魔の実の能力者ではないと思う。水泳訓練に参加してたしな、と言うのもピトーには人を治療する特殊能力がある。」

 

 ゼファーはそう言って思い出す、銃の扱いを指導していたとき新兵の一人が銃の不備で誤爆し大怪我を負ったとき不気味な人形で治療していた時のことを。

 

「悪魔の身以外の特殊能力ねぇ、ガープあんたが新世界から連れてきたんだろ。何か知らないのかい。」

 

 何か考えるように、おツルはガープに聞く。

 

「ピトーが言うには、オーラがどうとかいっとったがよくわからん。」

 

「全く、機会があったら私が聞いとくよ。乙女には秘密の一つや二つあるもんだ、それにあの見た目に新世界出身だと来たもんだ。また、随分と大層な者を連れてきたもんだよ。」

 

 呆れたように言うおツル。

 

「そうじゃのう、ぶわはっはっは!」

 

「しっかしぃ、ゼファー先生と互角にやり合うなんてすごいねぇ〜。是非うちに欲しいよ〜。」

 

「いやわしんとこじゃろ!」

 

「最近、骨のある奴が少ない思っとった所じゃ。わしのとこにも欲しいのぉ。」

 

 ガープ、ボルサリーノ、サカズキが声をあげる。前々から予想されていたことではあるが、その場にいた将校たちはこりゃあ長くなると腹をくくった。

 しかし、将校達の予想に反し会議は早めに終わることとなった。

 

「静かにしな!お前たち!大の大人が、みっともないよ!」

 

 見るに見かねたおツルが声を上げた。

 

「その娘の配属先はあらかじめ期間を決めて、その上で希望のあった者の所に順番で配属させれば良いだろ。本人はそれなりの実力者だ、すぐに昇進してそのうち自分の部隊も持つようになる。そうなってくりゃ、本人の希望も通ることだしね。センゴクもそれで良いだろ。」

 

「う、うむ。」

 

 勢いにたじろぐセンゴク、他のものも納得している様子だった。議題に関係ない将校は、おツルに大変感謝したという。

 

 

 

 

「はあ、はぁ、はあ、くそ、くそ。」

 

 茂みの中を、一人の男が走っていた。走るたびに地面に赤い雫が落ちる。

 

「くそ、くぞ、いてぇ、いてぇ。」

 

 右手で左の肩を必死に抑えている、肩からは止めどなく血液が流れている。そして、肩から先がなくなっていた。

 この男、懸賞金1億7000万ベリーのそれなりになのある海賊で少し前まで街を襲い奪いそして次の島に行きまた街を襲う繰り返しをしていた。その時は、自分が負けるはずないと思っていた。この男が海賊として海に出てから、戦った海軍には傷を負うことはあっても負けることは一度も無かった。

 それが今、こうして無様に敗走している。

 

「くそ、仲間はどうなった。」

 

 仲間はこの島に逃げ延びてからちりじりになってしまった、複数あった船もこの島に着いた頃には一隻になっていた。

 茂みは次第に深さを増し、木々の影により暗くなっていった。その様はまさしく今の男の状況をありありと映しているようであった。

 その時、男の目の前に突如として白いコートを羽織っている人物が現れた。

 

「ねぇ君、投降するなら殺さないであげるけど。」

 

 その人物は海軍の白いコートを羽織り、腰に軍刀を下げ、猫のような耳、黄金の瞳、青みがかった白髪のショートヘアをしている異様な出立ちの女であった。口に浮かべている感情が読みづらい薄い笑みは、猫らしさと薄気味悪さを見る者に同時に与えている。

 

「な!?くそ!海軍か!一体どこから!ちぃ、死ねやぁ!女ぁ!」

 

 男は腰に下げていたサーベルを突然現れた海兵に向かって振り上げる、左肩からから勢い良く血が吹き出すがお構いなしだ。サーベルが海兵に当たるかと言う瞬間、刃は彼女の後ろに飛んでいった。

 

「はぁ?」

 

 間抜けな声をあげる男、飛んでいったサーベルには男の腕がついていた。簡単な話であった、男は切る寸前に腕を切断されたのだ。直後、蹴飛ばされ倒れる男。

 

「ギィヤ!がっは、た、助けてぐれ!わ、悪かっ」

 

 助けを求める男、両腕から感じる激痛にのたうちまわりながら命乞いをする男。しかし。

 

「にゃは。」

 

 無慈悲な刃が振り下ろされた。

 

 

 

 

 

 




ピトーをピトーらしく不気味に書きたい。

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