闇の風来坊 黒鎮守府へ   作:干梅

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出逢い

ジャグラー「いてぇなァ... あぁ...生きてはいるようだな...」

ジャグラーはゆっくりと立ち上がる。魔人態は解け、人間態に戻っていた。

ジャグラー「てかここ何処だ?海岸...?あぁそうだ、ブルトンに飲み込まれて... てかブルトンって他のやつを変な時空に飛ばせる能力があるんだってな....やれやれ、また俺は時間旅行って訳か。」

ジャグラーは歩き出し、海岸から離れる。

ジャグラー「しかしまぁイヤな空気がするな。ん?なんだァありゃ...」

ジャグラーは近くの方に、大きな謎の施設を見つける。

まぁ御大層な建物なこった...とジャグラーは心の中で呟いた。するとそこへ、犬の散歩中であろう老人が、犬を連れて海岸の方へ歩いてきた。

ジャグラー「なぁあんた...あの建物はなんだ?」

老人「はい...?」

ジャグラー「あの建物はなんだ。」

老人「あんちゃんまさか...あの建物...鎮守府を知らねぇのか?」

ジャグラー「ちん...じゅふ?」

老人「そうだ。ここであの建物を知らねぇ人間はあんたくらいだぜ。まぁ知ってどうこうなる訳じゃないがな。」

老人は去っていった 老人はやたらと暗い顔をしていた。

ジャグラー「なんだ、いけすかねぇな」

ジャグラー「鎮守府...ねぇ...ちょっと行ってみるか。しかしまぁなんか気に入らねぇなぁ。」

 

場所は変わり 鎮守府

提督「は?また遠征失敗?一体何度俺様が言ったら気が済むの?なぁ?」

白軍服を着て、太った男は酒を飲みながら怒鳴った。並んだ6人の少女達は何も声を出さず、それに耐えた。

提督「お前達は所詮俺たち人間様に抱かれるための兵器なんだよ。分かるか?代わりなんているんだよ。それを優しい俺様がわざわざ使ってやってる訳 このことに感謝しろよ?なぁ!」

男は飲み終わった酒のビンを、1番左端に並んでいた女性に投げつける。女性の頭に直撃し、頭から血が流れる。だが、女性は立ったまま、男の罵倒に耐える。

提督「あっ それと旗艦。この後俺の部屋ね。大事な大事なお姉様達を助ける為だもんな?」

「はい...」

男は奇妙な下衆な笑みを浮かべた

 

 

 

その頃、ジャグラーは鎮守府のすぐ前まで来ていた。

ジャグラー「近くでみても馬鹿でけぇな。入口はどこだ?」

鎮守府はあまりに大きく、入口を見つけるのは簡単じゃなかった。

 

すると、彼のすぐ近くに、割烹着を着た小柄な女性が、頭を抱えながら歩いていた。

それを見たジャグラーは、チャンスとばかりにその女性に声をかけた。

 

ジャグラー「よう、美しいお嬢さん。すみませんがここの建物の入口を教えて頂けないでしょうか。って...大丈夫ですか?」

その小柄な女性は、今にも倒れそうな表情だった。 疲れているのだろうか。

その瞬間 女性はフラフラと倒れ込みそうになった。

その時ジャグラーは、女性が倒れないよう、女性を支えた。

???「す、すみません」

ジャグラー「いえいえ、恩に着ることなど。 偶然ここに用があったものですから。すみません、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「け、軽空母の鳳翔と申します。」

ジャグラー「ありがとうございます それでは幾つかお聞きしてよろしいでしょうか?」

鳳翔「はい、どうぞ。」鳳翔は若干困惑気味だったが、首を縦に降った。

ジャグラー「ここの...鎮守府?でしたっけ ここは一体どう言う施設なのか教えて頂けますか?」

 

 

鳳翔「えっ?」

鳳翔「ち、鎮守府をご存知ないのですか?」

 

ジャグラーは少し笑いながら 「残念ながら」と答えた

 

そしてジャグラーは知ることになる。現在、この世界では深海棲艦という怪物が蔓延っており、人類は制海権を奪われていることを。そして、世界を救う為に、少女の姿をした、「艦娘」という戦闘兵器が開発された事を。なんでも彼女らは、昔起きた大戦争の際に建造された艦の魂を宿している事を。そしてこの鳳翔も、同じ艦娘だと言うことを。その艦娘を管轄下に置く拠点が、この鎮守府であるという事を。

そしてジャグラーは気づく。

ジャグラー「まさかあんたらみたいな少女達が戦場で兵器として扱われてんのか?」

鳳翔「はい...今のところここの鎮守府では...」

ジャグラーは鎮守府の方を睨み、呟いた。

「おいおい、いくら何でも性格悪すぎんだろ」と。

 

そうこうしているうちに、鎮守府の入口前に到着していた。

鎮守府の入口から、鎮守府を見渡すと、ジャグラーは1つ気になる点を見つけた。

ジャグラー「あれはなんですか?」

ジャグラーが指さしたのは、「食堂」と書かれた場所だった。

施設はまるでボロボロで、誰もいる気配はなかった。

鳳翔「あれは食堂です。まぁ今は私ともう1人の人以外立ち入り禁止なんですけどね。」

ジャグラー「立ち入り禁止?じゃあどこで飯を...」

鳳翔「私たちは出撃、遠征以外で鎮守府の寮からは出られないんです。出撃で怪我をしても治すことは許されず使い物にならなくなったらまるで盾かの如く使われて...提督に気に入られたら毎晩毎晩提督のお部屋で体を使われるだけで...」

ここまで行って、鳳翔は泣いてしまった。

ジャグラーは固く拳を握りしめた。

ジャグラー「鳳翔さん。失礼ですがその 提督 という方はどこにふんぞり返っておられるわけです?」

鳳翔「まさか貴方...提督に直談判を...?待ってください!そうしたら貴方の命も...」

その会話を遮るかのように

「おい、何をしてる。」

鎮守府の入口の方から声が聞こえてきた。

 

そこには白軍服着て、太った男が立っていた。

鳳翔「提督...」

提督「何してる鳳翔。俺の酒が切れた。早く代わりの酒を2瓶持ってこい。」

鳳翔「も、申し訳ございません!直ぐに準備を!」

提督「まったくこれだから兵器は...」

ジャグラー「アンタが提督ってやつか。」

ジャグラーは今度は男の言葉を遮った。提督はジャグラーの姿を見て、一瞬動揺のようなものを見せたが、すぐ直り、

提督「誰だ貴様。おい鳳翔...勝手に入らせる権利なんか与えやがって!」と鳳翔に対して手をあげようとするが、ジャグラーがそれを手で止めた。

ジャグラー「俺がここに来たのはアンタに用があるからだぜ。提督さんよぉ。」

提督「随分と生意気な奴だな。よし。提督室に案内する。付いてこい。」

ジャグラーは提督について行こうとした

鳳翔「ま、待ってください!最後によければ貴方の名前を...」

ジャグラーは一瞬動きを止め、鳳翔の方を振り返り、

ジャグラー「そうですねぇ ヘビクラ・ショウタとでも名乗りましょうか。」

鳳翔「ヘビクラ...さん...」

提督「何をしてる。早く来い。」

ヘビクラ「はいはい、失礼。」

 

提督室前

 

提督「ここだ。入れ。」

提督はヘビクラを提督室に入れる。

そこには眼鏡をかけた髪の長い女性が座り、書類の処理をしていた。

目にはクマができている。そう、この提督は、提督執務を全てこの大淀 という艦娘に押し付け、自分は酒を飲むか、癇癪を起こして艦娘に

当たるかぐらいしかしないのだ。

ヘビクラ「やあお嬢さん。私の名はヘビクラと申します 少しここで失礼しますね。ちょっと貴方の上司様とお話をする事になっておりまして...」

大淀「は、はぁ...了解です...」

提督「大淀、席を外せ。」

大淀「ヘビクラさん...か...」そう呟くと、大淀は提督室から出ていき、提督室には 提督とヘビクラの2人だけになった。 2人だけになると、これまでどこか余裕の表情を見せていた提督は、ヘビクラに銃を向けて言った。

提督「何故...何故貴様がここにいる...ジャグラスジャグラー...!」

ヘビクラ「ほう...俺の正体を知っているのか 」その瞬間ヘビクラも蛇心剣を抜刀し言った。

ヘビクラ「ナニモンだ。てめぇ」

提督「ふふふ...知られてねぇとは困ったもんだなぁ...そうだよ。アンタの言う通り。俺は人間じゃねぇ。」そして提督は姿を現す。そう、提督の正体は、暗殺宇宙人 ナックル星人だったのだ

ヘビクラ「やっぱそうか。宇宙人。」

ジャグラーも魔人態を現す。

ナックル「まあまあ楽しくやらせてもらってるよ。ブルトンの取引中に

変な時空に飛ばされた時は驚いたがな。今ではもうこの金銀家具に囲まれたまさしく王者だ。」

ジャグラー「チッ なんて趣味がわりいんだ」

ナックル「だがな、貴様がこの時空にいる事が気に入らん!」

ナックル星人は数発発砲したが、ジャグラーは慣れた手つきでそれをかわしていく。そしてその発砲音は鎮守府中に聞こえていた。

艦娘達「なになに?」「発砲?」「提督室からっぽい?」

 

そして小競り合いの末、ジャグラーはナックル星人の構えた銃を切り落とし、ナックル星人の首元に蛇心剣を構える。

ジャグラー「ゲームオーバーだ。お前の理想郷は。」

ナックル「く、くそおおおおおお! グアアアアッ!」

ナックル星人は留めを刺され、地面に倒れ込んだ。事態を受けた大淀が部屋に入ってくる。それと同時に、ジャグラーは魔人態の変身を解いた。

大淀「へ、ヘビクラさん...?何をなされてたんですか...?」

ヘビクラ「なぁに これを見てください ここの提督はどうやら宇宙人だったようでしたな。」

大淀「逃げるなら今のうちですよ。ヘビクラさん」

ヘビクラ「逃げる?なんのこった?」

大淀「ここの提督が宇宙人であろうと、どれだけ酷い人であろうと、提督という立場には変わりありません。民間人が提督という立場の人間に手を挙げたとなれば、大本営から追っ手が来ます。もし逮捕されれば少なくとも死刑は免れないでしょう。」

???「いや、逃げる必要はない。」

ヘビクラ「あぁ?誰だ? ってあの時の...」

大淀「へ、へ、へ、ヘビクラさん!なんて事を...今すぐ謝罪してください!この方は海軍トップの菅沼龍太郎元帥です!あわわわわわなんて事を...」

菅沼「いや、気にしてはいない。それよりもヘビクラ君だっけか。君に頼み事がある。ちょっと来てくれないかな。大淀君、すまない 席を外してくれ。」

大淀「わ、わかりました...」バタン

大淀は外に出る。

大淀「ヘビクラさん...か。あんな人が提督だったらなぁ...」

提督室

 

菅沼「ここの提督の悪事については以前からホシはつけていた。だが、圧倒的な証拠がなかった。それを一気に暴いてくれた君には感謝する。」

ヘビクラ「それで、話はなんだ?それだけじゃないんだろう?」

部下「おい!長官になんてことを!」

菅沼「まぁまぁまぁ、それで話っていうのは 君にここの提督になってもらいたいんだ。」

ヘビクラ「提督ねぇ....はっ!?!?」

菅沼「ここの鳳翔君から聞いたよ。君が話を聞いてくれたってね。そんなちゃんと艦娘達と接せられる君に、ここの艦娘たちのメンタルケアなどもやってもらいたいんだ。」

ヘビクラ「(メンタルケア...か)まぁいいでしょう その話、お受けします。」

菅沼「よし決まりだ。ヘビクラ・ショウタ 君をこの鎮守府の提督に任命する! 詳細は追って連絡する。」

ヘビクラ「はっ」

菅沼達が去り、大淀が再び提督室に入ってくる。

大淀「どうでした?何か変なことは...」

ヘビクラ「あぁ...俺な、ここの鎮守府の提督になったんだぜ。」

ヘビクラは自慢げに提督証を大淀に見せる。

大淀「へぇ 提督ですか....ええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?」

 

こうして、ジャグラスジャグラー ことヘビクラ・ショウタは提督になったのである。

 

 

 

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