食堂
鳳翔「あら、提督」
ヘビクラ「よぉ鳳翔 今全員分のカレー作ってんだって?」
鳳翔「ええ、まぁ」
ヘビクラ「良かったら俺にも手伝わせてくれよ こう見えて俺、料理には自信あんだぜ」
鳳翔は最初は遠慮していたが、ヘビクラが頼み込み、最終的に「じゃあここの人参を全部切って下さい。」と頼まれた。
ヘビクラは、蛇心剣を扱うかの如く、器用な手つきで人参を切っていく。そして5分もしないうちにあれだけあった人参は全て綺麗に切れていた。 なおその中の一つにヘビクラは悪戯心で三日月状に切った人参を1切れ入れていた。
ヘビクラ「出来たぜ。鳳翔」
鳳翔「あら、随分と器用なんですね。こちらも準備は出来ましたので順に入れていきましょうか。」と言い、カレールウの用意をし始めた。
そこへ 航空母艦 蒼龍がやってきた
蒼龍「あの、あなたがヘビクラ提督...だったよね。」一応全員の入渠が終わったよー!」
ヘビクラ「おお、もう終わったか。よし じゃあ全員を食堂へ誘導してくれ。」
鳳翔「提督、こちらは私がやっておきますので 提督はみなさんの様子を見に行ってあげてください。」
ヘビクラ「あぁ、そうするつもりだ。」
そう言って蒼龍とヘビクラは駆け出した。
鳳翔「よいしょっと これで全部かしら」
そういった途端 恐らく100人はいるであろう艦娘達が、食堂へやってきた。先程ヘビクラが見たような傷だらけの子はもういない。しっかりと入渠して傷を癒してきたのだ。そしてちょっと遅れてヘビクラも来た。
ヘビクラ「あー お前らよそい次第もうカレー食っていいぞ。おかわりもある。」
とヘビクラが言うも、艦娘達はもう既にカレーをよそい、食べ始めているものがほとんどだった。その光景は、先程までの凄惨な光景とは程遠いものだった。笑顔でカレーを食べているもの、久しぶりのカレーに涙するものなど ここには温かい笑顔が溢れていた。
ヘビクラ「満足に食ったやつから今日はもう休め。」ヘビクラはそう指示した。
ヘビクラ「さてと、俺も腹減っちまったな カレー食うか。」
そしてヘビクラはカレーをよそい、カレーを食べ始めた。
心の中で「俺の切った三日月の人参、誰が食ったんだろうな」と呟きながら。
そして数時間後
ヘビクラ「ふー 食った食った。」
大淀「カレー、美味しかったですね!」
ヘビクラ「そうだな。あ そうだ この近くに買取業者や鉄骨回収の店はあるか?あったら明日にでも呼んできてくれ。」
大淀「ありますけど...どうなさるんですか?」
ヘビクラ「あぁ、この部屋の趣味の悪い金銀家具にはご退場いただく。そして2階のあの部屋の物も退場だ。」
2階のあの部屋...ヘビクラが初めて鎮守府を訪れた時に一瞬見えた部屋で その部屋は 拷問室。大淀から聞いた話だと、遠征に失敗したり、演習で敗北したりすると、艦隊全体連帯責任であの部屋行きになったという。
大淀「あの部屋にトラウマを持ってる子も多いことですしね...分かりました。明日さっそく呼んでみます。」
ヘビクラ「頼んだぜ。さてと、今日も遅い事だ。大淀もゆっくり休んでくれ。」
大淀「はい、分かりました!」
翌日
ヘビクラ「おはよう 大淀。少しは休めたか?」
大淀「ええ、この通りですよ」
大淀は目の周りの隈がだいぶ減っていた。
ヘビクラ「さて、朝食のときに一応艦隊のみんなに挨拶しとく必要があるな。大淀 8時までに全員集合の号令をかけておいてくれ。」
大淀「了解です 提督」
食堂
大淀「全員揃ってますね。提督 どうぞ 」
ヘビクラ「あーあー えーもう知ってる奴は多いと思うが昨日付でこの鎮守府の新しい提督になった ヘビクラショウタだ。みんな よろしくな。まぁ自己紹介がこんだけってのも締まらねぇがな。それじゃあ自己紹介はここまでにして じゃあ飯前の挨拶でもしとくか。」
全員「いただきます!」
食堂もきちんと妖精さん達によって修繕され、ちゃんとした朝食が並んでいる。昨日の夕食の後、ヘビクラは鳳翔に、自分の持ってる全額を渡し、食事費にして欲しいと頼んだのだ。そして鳳翔は食材を買い込んできたということだ。
ヘビクラ「ふぅ 美味かったな。そう言えば買取業者達はいつ来る?」
大淀「はい、この後9時半から来られるとの事です。」
ヘビクラ「よし、そうか。それまで準備しとくか。」
ヘビクラは食器を返却口に預け、自室へと戻った。
熊野「ねぇ鈴谷」
鈴谷「んー?どったの熊野ー?」
熊野「新しい提督なんですけど...鈴谷はどう思われて...?私は前の提督よりはいい人だと思っているんですの...」
鈴谷「実は...あの人めちゃくちゃタイプ」
熊野「!?!?話したこともないですのに!?」
鈴谷「だってー あの人ってさ...あの服の着こなしはめちゃくちゃ凛々しいししかもさ、昨日の入渠の時だって誰よりも一生懸命だったじゃん...
あの凛々しさとかもいいよね...」
熊野「言われてみれば...そうですけど...」
鈴谷「今日この後せっかくだから会いに行ってみようよ!お近付きになれるチャンスじゃん!」
熊野「あー分かりましたわ...じゃあ後で執務室に行くとしましょう」
鈴谷「よーし決まり!」
こんな話をしているのは 重巡洋艦 熊野と鈴谷 彼女らも昨日の入渠の際に、ヘビクラ提督に助けられた艦の1人であった。
執務室
業者「これらですと査定額は...ざっと5000万...かその辺ですね...」
ヘビクラ「はい 分かりました では回収の方に...あっこちらの器具の方も...」
そして業者は去っていった。
ヘビクラは現金の入ったトランクケースを机の上に置いた。
大淀「提督...すごい現金ですね...一体いくらで査定が出来たんですか?」
ヘビクラ「ざっと5000万 って言ったらどうする?」
大淀はあまりにも衝撃が大きすぎて、倒れそうになってしまった。
大淀「ゴ、ゴセンマン...」
ヘビクラ「さてと、この金で...」ニヤリ
大淀「この金で...」ゴクリ...
ヘビクラ「鎮守府の寮の改装でもしようと思うんだ。もう妖精には頼んである。」
妖精さん達「マカセテー」
ヘビクラ「じゃ、頼んだぞ。」
ヘビクラ「駆逐寮とかあまりにも狭すぎただろ? だからさ。」
大淀「は、はあ...」
ヘビクラ「しかしあいつらの部屋にゃ家具も全然なかったろ。今日はちょっとその家具買いに街まで行ってみるか。」
コンコン 「提督ー!入れるー!?」
ヘビクラ「おーういいぞー」
鈴谷「初めまして、かな。私は重巡洋艦の鈴谷と」
熊野「妹の熊野ですわ。以後よろしくお願いしますね。」
ヘビクラ「俺は新しい提督のヘビクラショウタだ。てか言う必要ねぇな これ。」
ヘビクラ「そういや熊野 鈴谷 お前ら今から暇か?」
鈴谷「暇だけど...何かあるの?」
ヘビクラ「いや、寮を新しくもうちょいでかく改装しようと思ってな。でもお前らの部屋って何も無いだろ?」
熊野「前のヤツが資金を私たちに全然使わなかったものですからね...」
ヘビクラ「だからこそ今日家具を買いに街へ出かけるんだが...一緒に来るか?」
鈴谷「お!出かけるのー!?私も行くー!」
熊野「す、鈴谷が言うなら 私も行きますわ!」
ヘビクラ「よし決まりだ。10分後に正門の前に来てくれ。」
鈴谷「はーい ヘビちゃん 待ってるねー!」
ヘビクラ「おう」
ヘビクラ「ヘビちゃん?」
10分後
ヘビクラ「じゃな、大淀 行ってくるぜ。」
大淀「ええ、あなたも昨日の疲れを十分癒してきてくださいね。」
正門前
ヘビクラ「すまんな お待たせ」
鈴谷「あ!ヘビちゃんやっと来たー!」
熊野「早く行きますわよ!」
そして3人は市街地へと歩き出す。その様子はさながら3人デートだった。
そして3人はデパート等に赴き、布団などの様々な家具を取り揃えた。
ヘビクラ「ぁぁぁぁぁ何でだよ!何なんだよ鈴谷...少しは荷物持ち手伝えよ!」
鈴谷「ふふふ 頑張れヘビちゃんw」
熊野「ちょっと休憩していきません?」
熊野はその先にあったカフェ 「カフェ★ブラックスター」を指さした。
ヘビクラ「あぁ、そうだな...あー疲れた...」
ヘビクラ「あっ そうだ ここのコーヒー美味いんだぜ」
鈴谷「? ヘビちゃん 知ってるの?」
ヘビクラ「い、いや昔ちょっとな...」
熊野「ってええええええ!?!?メ、メニューがコーヒーだけって...えええええええ!?」
鈴谷「でもヘビちゃんが言うには絶品らしいよー 飲んでみたら?」
熊野「そうですわね... すみませーん!コーヒー3つー!」
ブラック店長「はいはい、コーヒー3つですね....」
ブラック店長はどこか懐かしげな表情でヘビクラを見る。ヘビクラも店長を見返す。
熊野「提督と店長ってお知り合いですの?」
その一言でヘビクラは我に返り、
ヘビクラ「いや、赤の他人だよ」
と言った。
ブラック店長「お待たせしました。」店長がコーヒーを運ぶ。
鈴谷「ん〜!美味しい!流石ヘビちゃん コーヒーのセンスあるねぇ!」
熊野「コーヒーだけってのも悪くないですわね...」
ヘビクラ「結構いい趣味してるだろ?俺って」
熊野「自分で言ってますわ...」
しばらく3人は昼過ぎのコーヒーを飲みながら談笑していた。
鈴谷「ねぇ ヘビちゃん」
ヘビクラ「んー?」
急に鈴谷が声のトーンを落とす。
鈴谷「私、今日ホントに楽しかった。今までずっと前のクソ提督のせいで窮屈な生活してたの。暴力は振るうし...でもね。ヘビちゃん...いや、ヘビクラ提督がここに来てくれたおかげで昨日もみんなすっごい笑顔だったし 今日もこうやってみんなで笑えたの。 ありがとうね」
そう言い
鈴谷はヘビクラの頬に口付けをする。
ヘビクラ「あ...いや...その...」
熊野「すっ すすすすす 鈴谷ったら はしたないですわー!!」
鈴谷「なんか言ってよヘビちゃん」パシッ
そう言ってヘビクラの頭を叩く
だがヘビクラは急に口付けをされた混乱からか、半分放心状態である。
だが、そんなどこか甘酸っぱい空間を裂くかのように、ヘビクラの電話が鳴り響く。
携帯電話「ファーファーファファファー」
ヘビクラ「はひ...はい ヘビクラです あぁ大淀か。どしたー?」
ヘビクラは一瞬噛んでしまった。顔も赤い。
大淀「提督。先程海の観測をしていた所 鎮守府近海において、不審なエネルギーの逆流が見られました。この流れは 怪獣です。直ちに提督達は鎮守府へ帰還してください。」
ヘビクラ「何? わかった。すぐ戻る。」
ヘビクラ「鈴谷 熊野 ちょっと今非常事態らしい。すぐ鎮守府へ戻ってくれ。」
熊野「非常事態?」
鈴谷「なんかあったのー?」
ヘビクラ「詳しい説明はあt...」ドオオオオン!
その瞬間、海の方から轟音が轟いた。
熊野「きゃぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!」
鈴谷「な、なに!?」
そして 海から巨大な生物が現れた。
海獣(カイジュウ) ゲスラ
ゲスラ「グオオオオオオオオ!」
慌てて鈴谷達は店の外に出る。
ヘビクラ「鈴谷 熊野 これから鎮守府に戻る 絶対離れるなよ。」
鈴谷「うん...わかった!」
熊野「もちろんですわ!」
こうして3人は 鎮守府へと帰還した。
ヘビクラ「すまねぇ 遅くなった。状況は?」
大淀「ええ、ただ今、地上から動ける艦娘達は攻撃を開始してます。」
ヘビクラ「よし 今艤装が出せねぇ艦娘は近隣住民の避難 誘導を 出せる艦娘はやつへの地上からの攻撃を継続させろ。」
大淀「了解! って提督 どこへ?」
ヘビクラ「え? あぁ ちょっとそこまで」
地上
摩耶「どうだ!参ったか!」
摩耶を初めとした重巡部隊がゲスラに攻撃を始める。
ゲスラ「グオオオオオオオオ!」
ゲスラにダメージは入っているよう...だが ゲスラは抵抗として 石をなげつけた。
摩耶「くっ 危ねぇなあ...」
鳥海「皆さん!気をつけて!」
だが次の瞬間 同じ重巡である 羽黒に石が直撃しようとしていた。
羽黒「きゃぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!」
足柄「羽黒ぉぉぉぉ!」
ドカーン
妙高「羽黒...嘘...でしょ?」
落石による霧が晴れる。
足柄達は 羽黒のいたであろう地点に駆け寄る。
そこには 謎の刺々しい明らかに人間離れした姿をした者が 羽黒を抱き抱えて羽黒を守っていたという光景だった。
ジャグラスジャグラー「大丈夫かい?お嬢さん。」
羽黒「は、はい...その...ありがとう...ございます...」
ジャグラスジャグラー「そうか ならいい。」
那智「羽黒!良かったな 無事で...」羽黒を抱きしめる
足柄「ねぇ、あなた...羽黒を...ありがとう...」
妙高「あなたは...一体何者なんですか?」
ジャグラスジャグラー「お前らのピンチを救いに来た正義の味方だって言ったらどうする?」
妙高ら「え?」
そう言い残し、ジャグラスジャグラーはどこかへ消えた。
足柄「一体...誰なの...?」
摩耶「てかそうしてる場合じゃねえ!怪獣来るぞ!」
ゲスラ「オオオオオオオオオオオ」
金剛「くっ 私たちの砲撃でも...押し切れないデース!」
一方 工廠の誰も居ない所で
ジャグラスジャグラー「ふっ」
ジャグラスジャグラーは魔人態から人間へと姿を変えた。
ジャグラー「あーあ、こういう事は柄じゃないんだがなぁ果たしてアイツらもいつまで持つか...ん?」
ジャグラスジャグラーは 工廠施設に何者かの気配を感じ 侵入した。外からは けたたましいサイレンと砲撃音が聞こえる。
ヘビクラ「誰かいるのか?」
妖精さん「アッ!ヤベェ!」
ヘビクラ「なんだお前らか 早く逃げろ...って 何隠してる?」
ヘビクラは、妖精さんを少しどかした。
妖精さん「アーミツカッタ...」
そこにあったのは 前の世界でかつてジャグラーも使っていた ゼットライザーにそっくりなものだった。 いや 確実にゼットライザーであった。
ヘビクラ「お前ら これをどこで...」
妖精さん「キュウカチュウニナンカアタマノナカニウカンデキテ...ソシテツクッタラ...」
ヘビクラ「ちょっとこれ 借りていいか。」
妖精さん「ミツカッテシマッタイジョウ モウコレハテートクノモノデイイヨー」
ヘビクラ「助かるなぁ」
ヘビクラは外へ走り出す
外
比叡「くっそ...弾薬ももう残り少ないです!」
霧島「これは相当まずいわ...」
榛名「霧島!危ない!」霧島の近くに落石が降り注ぐ
ジャグラー「ほぉぉ...随分と久しぶりだなぁ この感覚は...血が騒ぐぜ」
その瞬間ゼットライザーがダークゼットライザーに変わり、ヘビクラはそのトリガーを押した。
ビシュィィィィィィン!
ギシュイイイイイン!「ヘビクラ アクセスグランティブ」
ジャグラー「ゼットンさん」「パンドンさん」「マガオロチ」
ダークゼットライザー「ゼットン」 「パンドン」 「マガオロチ」
「お待たせしました 闇の力 お借りします!」
ゼッパンドン!!
ジャグラー「フハハハハハハハハハ!」
ジャグラー「久しぶりの感覚だなぁ...さぁ パーティタイムだ。」
榛名「怪獣が...2匹...」
扶桑「これは...一体...」