東方白宙道〜Hundreds of Millions Wax PTERA〜   作:プルプルマン

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天体の海っていう概念を最初につくった人を尊敬します。
剛欲異聞がリリースされるまでにどこまで進めるだろうか…


カイドウをゆく

世の中に奇妙奇天烈なことは数あれど、「唖然とする」という表現がこれほど似合っている状況にはそうそう出会えないだろう。

想像していただきたい。

何しろ、超巨大一反木綿の上にある街の大通りの角を一つ曲がると、どこまでも水の中に浸かった街が広がっているのだ。

逆に、いきなりこんな状況に巻き込まれても顔色を全く変えず、眉一つも動かさないなんてことが尋常な人間にできるだろうか?いや、できまい(反語)

仮にそんなことをできるヤツがいたならば、大方よほど肝が座っている豪傑なのか、何も考えてないおちゃらけた道化なのかのどちらかであろう。

『…えーと、どうするんだ、これ…』

『私に聞かれても困るわよ…まぁでも、こういう時にはとにかく一旦戻ってみた方がいいかもしれないわね。さっきの変なモヤモヤしたやつが仕掛けた罠かもしれないし。』

そういって、自分たちが曲がってきた角を再び曲がり、一旦撤退を試みるが…

『なるほど…無難な選択肢なんて取らせてくれないってわけね。』

戻った角の先では既に一面が水に浸かっていた。

そして、いつからだっただろうか。

気づけば、あれほど賑やかで、心地の良かった繁華街の喧騒は静まり、街並みを暖めていた店々の灯りもとうに消えてしまっている。

『えーと、どっちへ行っても変わらないってことでいいよな?そうなったら当然前進あるのみだぜ。』

あたりがなんとも言えぬ冷たい雰囲気に包まれ始める中、2人は滑る様に前方に向けて飛び始めた。

 

どれほど先を見渡しても、変わり映えの無い水没都市が広がる場所。

かといって何も考えていなければ、自分が今どこをどちらに向かって飛んでいる最中なのか、すぐにわからなくなってしまう可能性も大きい。

実際、段々と目に写る建物の本当にあるかどうかもわからない実体はこちらを迷わせ、少しでも時間を稼ぐことが目的であることを隠す素振りも見せず微妙に、しかし確実に、その位置を変え続けている。

最早、この空の上で正確な方角を示す目印となりそうなものは、これすらも虚像ではないならばの話にはなるが頭上で燦々と輝く太陽ぐらいのものであろう。

一反木綿は出現当初からずっと東から西への一方向へと向いていた。

そして現在の時刻は巳の三つに差し掛かった頃であろうか。

と、いうことは…

霊夢と魔理沙は太陽をやや左後方に据えて、勢いよく飛び出した。

しかしまぁ、どれほど太陽のみが確かな目印になると頭で理解していても、やはり不安にはなる。

変わり続ける周りの建物、雲、水面。

それらを目にすると、どうしても猜疑心が湧き出でくるものである。

『霊夢、こっちで多分合ってるんだよな?』

『ええ、多分ね…』

その時、突然2人が飛んでいる場所の直下にある水面が激しく波打ち、泡が立ち上り始める。

先程の若干自信のない会話を聴いて、今なら勝てる!とでも思ったのか、水中から飛沫と共に妖精たちが飛び出し、弾幕を放ってくる。

意外と素潜りが上手だった妖精たちの急襲に対し、霊夢と魔理沙は素早く身を翻して回避し、針と星弾で反撃する。

『ふふん、甘いな、妖精ども。そんな攻撃じゃ狸のように居眠りしてても躱せるぜ。』

『それってつまり眠ってないんじゃあないの?』

ゆっくりする間も無く、矢継ぎ早に他の妖精たちが水面から飛び出し、攻撃を仕掛け続けるも2人は難なく躱し、逆に次々と撃墜していく。

今回ばかりは妖精たちも襲撃する相手……というよりも、襲撃をかけるタイミングが悪かった。

何しろ2人とも、今日は視界の外から来る妖精たちを捌き続けてここに来ている。

木々の梢、鉄屑…もとい三雲のコレクションの裏、繁華街の物陰、今更水中から出てきたところで割ともう驚かない。

最初の襲撃からしばらくは霊夢、魔理沙、妖精たちの弾幕が着水して舞い上がる白い飛沫が日光を受けて煌めいていたが、10分、15分…と、時間が経つたびにその数を減らし、後に残されたのは鏡の様に凪いだ水面と目を回した妖精たちがプカプカと浮いていたり、半分沈みかけて危うく一回休みになりかけている有様のみだった。

 

『まずいなぁ…なるべく長く堰き止めておいてくれって「コト」に頼まれたのになぁ…だいたい、コトってば肝心なところで雑なんだよ。そんなんだから後でしょっちゅう困ったことになってるんだろうに。まぁ、そんな適当な話に乗った私が言えたもんでもないけど…』

「コト」に対する愚痴を漏らしながら、もやに覆われた少女は破竹の勢いで進撃する2人を止める為、スペルカードを携えて自らが戦いの場に赴くのであった。

 

その頃、2人は常に太陽の位置に気を配って戦っていたこともあり、少々疲れたので水面から突き出ている緑がかった石塔の上で小休憩を取っていた。

『しかし、妙な感じね…』

『?…どうかしたのか?』

『そろそろこの変わり映えの無い景色からも抜け出られる予感がするのよね。だから、さっきのもやっとしてる奴の目的が私たちの足止めなら、そろそろ出てきてもおかしくないと思うのだけれど…』

刹那、気づいた時には2人が休憩していた石塔だけでなく、見渡す限り全ての建造物が消え失せる。

『『へ?』』

当然、あらゆる物体が従う重力によって2人は落下しかけるも、慌てて水面ギリギリで体勢を立て直し、高度を確保する。

『結局、こんなところまで来てしまいましたか。』

一息ついた2人の耳に届いたのは、つい20分ばかり前に聞いたばかりの上品に聞こえる声であった。




「コト」…いったい何者なんだ…?
一年過ぎて、平和の祭典が始まった様ですね。今回も東洋の魔女的なアレが誕生するんでしょうか?
まぁそんなコトよりも私としては四連休を楽しく過ごせたので万事OKです。

登場人物


大きな刺激によって動かなくなり、それを見た人間が近づくと急に動き出して逃走する様から、眠ったふりをすることを狸寝入りと呼ぶようになったそうな。
まぁうろ覚えですが…

三雲
もう忘れられているかもしれませんが、3面のボスです。

コト
どうやら今回の異変における黒幕側の1人らしい。どのように異変に関わっているのか、乞うご期待。
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