東方白宙道〜Hundreds of Millions Wax PTERA〜 作:プルプルマン
4面ボスのテーマ曲は
【幻想ファタ・モルガーナ】です
どんな曲かは皆様の思い思いで
声が発された方向に霊夢と魔理沙が目を向けると、虚空から灰色の靄が集まり、その中に人型のシルエットが浮かび上がる。
『なんだ、さっきのやつか。そろそろ顔を出してくれてもいいんじゃないか?なんやかんやでもう2回目なんだからな。』
『これは失礼。そうですね、もうあなた方に隠し続ける意味もありませんし。』
そう言い終わらないうちに灰色の靄がここにあった街に2人が迷い込んだ時のような突風に吹き散らされて、敵の姿がほとんど顕になった。
その姿を一言で表すとするならば、「妖」
洋服の裾や袖、襟に蛤の殻を糸で通したアクセサリーであしらい、スカートの生地には平安時代の絵巻物チックな煙とも雲とも霧ともとれる柄が描かれている。
さらに、靴の踵から飛び出た管のような造りも目を引くものながら、最も注目すべきは彼女の背で靡くマントであった。
それは、若干桃色を混ぜた灰色のようにも見える代物で、裏地は真珠のような光沢を持っており、なによりも目立っていたのはマント自体が腿の場所まで到達する前に、背後の靄と一体化している点であった。
『先程までは姿を隠して、礼節を欠いてしまいましたね。今、あなた方が見ているものが正真正銘私の真の姿です。』
『いえいえ、こちらとしてもやっと御尊顔を拝することができて畏れ多い限りですわ。さて、問うぜ、お前は何者だ?今回の異変の首謀者なのか?』
『…これは申し遅れましたね。私の名は
八代 浮舟《やつしろのうきふね》。
貴女方のような強者とは比べものにもならぬ矮小な蜃でございます。そして、私などには異変の首謀者など荷が重い。私の役目はただ、あなた方を少なくともこの異変を完遂するまではある1人の者に会わせないように食い止めることです。』
『!…蜃だと?ってことはさっきまで散々私たちが飛び回った街は…』
『やっぱり蜃気楼だったってわけね。なんとなく想像はついてたけど…外界にある「海」の妖怪だと思ってたわ。幻想郷にもいるものなのね〜』
霊夢が会話に割り込んでくる。
こういう時はよほど何かを訝しんでいるのか、かなり怒っているのか、もしくは別の何かか…残念ながら、魔理沙はまだまだ霊夢に対しての造詣が浅いらしく、このどれに当てはまるのかまでは把握できなかった。
少なくとも怒っている訳では無いようには思えるが…?
『ちょっと聞いてもいいかしら?』
『聞くだけなら御自由にどうぞ。』
『あんた達は「何」を空に浮かべているのかしら?』
霊夢の質問の何かが核心を突いたのか、魔理沙には一瞬だけ浮舟の表情が曇ったように見えたが、次の瞬間には平常通りの感情が読み取りにくい顔へと変わっていた。
見間違いだろうか…?
『その答えは既にあなた方の目の前にあり続けていたのでは?「一つの道のように見えるほど巨大な一反木綿」たったそれだけのことですよ。』
不敵な笑みを浮かべてそう言い放つ浮舟。
明らかに何かを隠しているが、どうやらこの件に関してはこれ以上情報を引き出せそうにない。
『…じゃあ質問を変えさせてもらうわ。「あんた自身」の目的は何?』
『そうですね…旧い友人に手伝いを頼まれたから、というのが1つ。そして、もう一つの理由ですが、これを言ってしまうわけにはいきません。なにしろ、これを教えてしまえば私達の異変を起こした目的をも伝えてしまうことにもなりかねませんので。』
質問に答えてこそいるものの、肝心な情報は隠したり、わかりにくく胡散臭い遠回しな言い方をしたり、こいつと話していると、どこぞのスキマ妖怪と話しているかのような気分になってくる。
『要するに、これ以上の事は力ずくで聞き出せって事だな?わかりやすくてありがたいぜ。』
こういう時には魔理沙ぐらい理解が単純な方がいいのかもしれない。
少なくとも、話している最中に精神が摩耗せずに済む。
そう考えると、意外と魔理沙はすごい大物の器なのかもしれない。
『力ずくですか。奇遇ですね、丁度私も力ずくであなた方に帰っていただくつもりでしたので。』
「霊夢!いよいよ始めるぜ!さっさとあいつを撃ち落として色々聞きださないとな。』
『魔理沙…あんたのこと、ほんの少しだけ見直したわよ。』
『?…どういうことだ?』
『あの日、海を離れて100余年。幻想が息づくことのできる地で、初めての異変参加…恥ずかしながら高揚も抑え難く…ましてや、100余年前の記憶を掘り起こし、完全に蘇った幻想の海で弾幕ごっこなど…こういうものを夢のような現実、というのでしょうか?』
浮舟の周囲に靄が集まり、感じる力が大きくなってゆく。
『さぁ‼️私の海《げんそう》の中で、ありもしない陸《げんじつ》に縋るがいい‼️』
普段丁寧口調のキャラが荒々しい語気に変わるシーン好き
全く関係ございませんが、最近ヤマメを飼い始めました。
当然といえば当然ですが、魚の方ですよ。水槽の水を冷却する装置がバカ高く付きました。
登場人物
シジミ
淡水が産んだオルニチンの化身
酒宴だらけの幻想郷でもきっと重宝されているはず
蛤
アサリとシジミしか知らないピュアな時代に見た時は、度肝を抜かれましたね。想像の3倍ほど大きかったので…
どこぞのスキマ妖怪
いったい何雲なんだ…
八代 浮舟
(やつしろのうきふね)
海なき楽園の蜃
能力 ありもしないモノを映し出す程度の能力
種族 蜃
スペルカード
幻覚「幻想郷の海」
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テーマ曲【幻想ファタ・モルガーナ】
彼女は、幻想郷設立当時に自らが生まれ育った遠い海から引っ越してきた妖怪の1人であり、幻想郷では数少ない「海」を知る1人である。打算的に物を考える彼女が今回の異変に手を貸した理由は、もう一度海を見る為であり、そのための力を自分が持っていなかったため今回の異変に便乗して結界の外に向かうつもりだったらしい。
しかし、恐らく彼女が焦がれる100余年前の海はもう存在していないだろう。文明開花の時代から現代にかけて、どれほど海の様相が変化したか、蛤やその妖怪たる彼女が住んでいた干潟はもはや姿を消しつつある。ある意味では、異変が阻止され、外の世界へと行くことができなかった彼女は幸せだったのかもしれない。
知らない方がいいことも往々にしてあるものだ。
余談ではありますが、蜃というものは800年生きると蛟、さらに800年生きると龍となる、との伝承が残されていることもあるそうです。
東方虹龍洞発表当時は一番この辺で本家様と正面衝突するのではないか?と、血を吐いてました。