東方白宙道〜Hundreds of Millions Wax PTERA〜   作:プルプルマン

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いつの時代も空を飛びたがる天才(奇人)はいるもので、古くはレオナルド・ダ・ヴィンチなんかが有名どころでしょうか?
あの髭もじゃもじゃのおじさんです、はい。


ここからが本当の異変だ…!

まんまと敵の掌の上で踊らされ、水木との戦いでかなりの時間を浪費してしまった霊夢と魔理沙。

彼女達の当初の予想は一反木綿が黒幕となって何かを企んでいるのではないか、というものだったが実際に弾幕を交えて判明した事実は全く違うものだった。

その後、2人はすぐに真犯人を追求するため、超巨大一反木綿…もとい天空に敷かれたシルクロードをさらに奥へと分け入って行くのであった。

 

『さて、こうなるとこの道を行った先で本当に異変を起こした奴が待ち構えてるのかも怪しくなってきたな。』

『無理も無いわね。私だって、まさかさっきの一反木綿が全然関係ない赤の他人だったなんて、はっきり言って想定外だもの。…それでも、今回ばかりは辿り着ける気はしてるけど…』

『本当に信用していいのか、それ?そりゃあお前の勘は頼りになるけどよ、今日ばっかしは寄り道しすぎだぜ?最初の妖怪の山に一反木綿との戦い、次はいよいよ迷いの竹林にでも入り込まないだろうな?』

「失礼ね。人を疑う心は暗鬼を生むだけよ。ちゃんと私の百発百中の勘を信じなさいな。』

取り敢えずは魔理沙もその方針に納得し、霊夢に従ってシルクロードを飛び続ける。

果てなどないように見える長い道ではあるが、確実に少しずつ細く、一点に収束しつつある。

その終着点には、何者が待ち受けているのだろうか?

一瞬、自分達の行く手にいるであろう強大な力を持った黒幕の気配を感じた気がして、魔理沙の箒を持つ手に自然と力が込められるのであった。

が、霊夢と魔理沙をからかうように、張り詰めていた緊張感を破壊しつつはしゃいだ妖精たちが周辺の雲の中から現れて、此方に向かって鱗弾をばら撒いてくる。

例えどれほど根源に近い場所に居ようとも、そのことに気づくこともなく悪戯、暴動に命をかけている。

妖精とはそういうものであり、だからこそ妖精だとも言えるのかもしれない。

そんな、いつもと変わらない妖精たちの暴れっぷりに、少々苦笑いをしながらも一抹の安心感を覚える魔理沙であった。

『どんな時でもあいつらは変わらない…いや、変わらなさすぎるな…』

『妖精なんだからそれでいいのよ。異変の真っ最中に彫刻みたいなポーズで考え事なんかしてる妖精がいたとしたら、それこそ真の異変だわ。』

それもそうか、と納得した様子の魔理沙であったが、その隙だらけにみえる背後から近づいた妖精の弾幕を軽くいなし、反撃の弾幕をお見舞いする。

『不意打ちなんてお前たちらしくもないな。少なめの脳味噌を使うよりも、頭からっぽで突っかかってくるのが筋ってもんだぜ。弾幕はパワーだからな。』

魔理沙の口癖がバッチリと決まったところで、霊夢もお札を取り出し戦闘態勢をとる。

こうして、本日何度目かのVS妖精戦が幕を開けたのであった。

 

この近辺にいる妖精の弾幕は、どうやらてんでバラバラの方向から飛び出して好き勝手に鱗弾を撒き散らすだけの様だ。

しかしながら、いつもの異変と同じく強い。

今までに起きた異変の傾向として、理由は不明だが黒幕に近い場所にいる妖精や霊魂ほど強い力を持っており、避けにくい密度の濃い弾幕を張ってくるというものがある。

今回の異変もその例に漏れず1個体ごとの弾数が多く、弾速の速い強者(あくまで妖精たちの中で)が集まってきていた。

しかも、そんな集団が一斉に弾幕を放ってきているので方向もバラバラなら密度もムラがある。

そういうものは隊列を組んで規則正しい攻撃を仕掛けてくるよりも、ある意味で厄介だ。

対応するには常に全感覚をフル稼働させ、空を裂く稲妻よりも速く適切な判断を下さなければならない。

だが、今日のほんの数時間だけで何度も戦い、感覚が研ぎ澄まされた2人がその程度の弾幕でどうにかなる筈もなく、霊夢は宙返りや急上昇・急下降などを組み合わせて不規則且つ複雑な弾幕を潜り抜けている。

一方の魔理沙はチマチマと避けるのが面倒になったらしく、弾も妖精も追いつけないほど高速で蛇行しながら飛び回り、あらゆる攻撃を振り切っている。

運悪く雲の中から飛び出たその瞬間に目の前を紙一重で魔理沙が掠めた妖精はそのまま吹き飛ばされ、なにも出来ず目を回して落ちていった。

『ん?今何か聞こえたような…まあいいか、それより今度はこっちの番だ!』

魔理沙の周囲で球状に魔法陣が並び、その一つ一つから鮮やかな原色のレーザーが放出される。

その様子は虹色に輝く栗のイガをイメージさせるものであり、美しさは申し分無い。

もちろん有り余るパワーも健在で、あたり一面を素早く飛び回っては逃げ遅れた妖精たちを撃墜していく。

『いい勢いだぜ!このまま一気に突っ切るぞ、霊夢!』

『強引ねぇ…でも、ここにいる妖精全部の相手をしてると時間がかかるし、それが上策かしら。』

魔理沙が無理矢理に突破したあとにできた道を通り、霊夢も妖精たちを無視して駆け抜ける。

 

…辺りを見渡すと、先程の妖精たちがいなくなっている。

どうやら追跡などはしてこなかったらしい。

ほんの1・2分で離脱できる数で幸運だったといえる。

急ブレーキをかけて魔理沙が停止し辺りを確認する。

『さてと…霊夢は…』

『ちゃんといるわよ、わざわざ心配していただかなくともね。』

霊夢の声が聞こえた方を振り向くと、魔理沙の上で腕を組んだ霊夢が前方をじっと見据えていた。

『おいおい、話ぐらいこっちを見てしろよな。』

しかし霊夢は前方を見たまま答えない。

その時、魔理沙も妙な気配を感じとり、霊夢の見ている方向に目を向けると…

少し離れたその場所には、何か白くヒラヒラとしたものが待っていた。

第一印象では、さっきの一反木綿の残党かと思われるが、それにしてはおかしな形をしている。

2人は目くばせで合図をすると、その物体に向かって両脇から接近を試みるのであった。

 

 

 

その頃、霊夢と魔理沙の向かう方向の先では、1人の少女がふわりふわりと浮かんでいた。

体の前に合わせられた手の中から白く細い糸の様なものが幾筋も伸びており、それらは全て少女の真下にある白宙道の先端へと繋がっている。

『ああ、楽しみだわ。後ほんの少しで手が届く。あの、誰のものでもない青空に…』

そう呟いた少女は「道」を紡ぎ続けていた。




韓国海苔が美味しいお年頃でございます。
話は変わりますが、今回の異変の真犯人に近づくほど雑魚敵が強くなる、というのは私のオリジナル設定ですのでご了承いただけると幸いです。
でも、一面より六面の敵が強いってことありません?

登場人物


ウニっぽいもの
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