東方白宙道〜Hundreds of Millions Wax PTERA〜   作:プルプルマン

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最近、また昔のようにアクアリウムでも始めようかな…とぼんやり考えております。
ずっと家で暇になると思いますし、何かしてないと脳味噌が蕩け落ちちゃいます。


原始の翼

霊夢側も魔理沙側も戦闘にひと段落がつき、それとほぼ同時に2人の間を遮っていた大量の使い魔の壁も取り除かれた事により、2人は実に数分ぶりに再会を果たしたのであった。

『よう、随分とさっきぶりだな。3分ぶりぐらいになるか?』

『そのぐらいじゃないかしら。まことに残念ながらね。』

再会を喜び合っている…とは言えない2人の間をリグルかラルバのどちらかが放ったのであろう弾が撃ち抜き、それを躱して目を見合わせる。

『それじゃあ引き続き向こうを頼んだわよ、魔理沙。』

『お前こそキッチリと片付けておけよ、霊夢。』

そう言うと、2人はもう一度1VS1の戦いに赴くのであった。

 

『ええい!もう許してやらないわよ!妖精の本当の恐ろしさを思い知らせて、えーっと…おくばガタガタにしてやるわ!』

『物騒ねぇ、永遠亭でも歯の治療とかやってるのかしら?』

 

擬蝶「アゲハ弾幕擬き」

 

スペルカードの宣言と共にラルバの周囲から避け切ることが困難に思えるほどの大量の黒い蝶弾が放たれる。

その密度は霊夢の視界が黒一色に染まるほどであり、少し離れた魔理沙のいる場所あたりから見ればおそらく漆黒の球体の様に見えたことだろう。

しかし、当の弾幕を受ける側の霊夢は目の前の圧倒的な弾密度に驚くどころか少々悠長に思えるほどに考える。

あの弾密度…避けられない?まさか弾幕ごっこのルールを忘れたわけじゃ…いや、妖精脳ならそれも否定できないわね…

弾が自身へと到達するまでのほんの数秒の間に考え、霊夢が導き出した結論は…その場を動かないことであった。

当然のことではあるが、そのまま彼女は大量の黒蝶に飲まれ姿が見えなくなっていった。

が、しかし!博麗霊夢は倒されてはいなかった!

ラルバの放った蝶弾は霊夢の目前で忽然と霧散し、それがただの目眩しであったことを伝えている。

『良かった良かった、いくら妖精でも弾幕ごっこのルールに乗っ取らないなんてことは無かったわね。もし、そんなことがあったら、こっちもルール無用でやらなきゃならないところだった。それにしても、ニセモノばっかり…ホンモノは…これね!』

霊夢が首を横に傾けると、そのすぐ横を赤い中弾が高速で貫いて行く。

『まぁ、妖精にしては良く考えた弾幕だわ。これならチルノぐらいとならいい勝負になるかも…あ、あいつも妖精か…』

なんだか、最近妖精全体の力が強くなっている気がする。(特にうちの床下のとか)

そんなことは兎も角、タネさえ割れてしまえばこういう弾幕に臆することはない。

霊夢は一切の迷いなく黒蝶の吹雪とすら言える中に飛び込み、中心にいるラルバに向かって突進していくのであった。

一方、自身の弾幕がどういうものかを見抜かれたなど露ほどにも考えていないラルバは、得意げにふんぞりかえっていた。

『いくら巫女でも避けられない弾幕の前には尻尾を噛んでにげるしかないわね!また一つ私のぶゆーでんも増えてしまったってところね。』

『悪いけど、そうもいかないのよね。』

突然、油断しきっていたラルバの目前に霊夢が現れ、その額をピシリと大幣で小突いた。

『痛っ!』

『後、尻尾は噛むものじゃなくて巻くものよ。これに懲りたらもう私達の邪魔なんてしないことね。ま、妖精が懲りるなんてそうそうないでしょうけど…』

その時、魔理沙VSリグルの戦いの方面から、強烈な閃光が迸った。

向こうもそろそろ終わったのだろうか。

 

 

 

時はほんの少し遡り、エタニティラルバがスペルカードを宣言したころのこと。

魔理沙もまたリグルのスペルカードに備えていた。

『さて、どんなのが飛んでくるかな。見どころがあったらグリモワールに書き留めてやらんこともないぜ。』

『その必要は無いわ。1分もしない内に2度とペンを持てなくしてやるからな!』

 

蟲符「ホタルガブクロ」

 

リグルがスペルカードを宣言すると、彼女の両サイドから紫色の中弾が放たれ、魔理沙を包み込んで追い詰める様に迫って来る。

『これでお前も袋のネズミだ!何もできずに死ぬがいい!』

『そりゃあおかしな話だな。ネズミが虫けらに負ける道理はないぜ。』

魔理沙はすぐさま中弾の隙間から包囲を潜ろうとして、ふと立ち止まる。

それは、説明できる理屈っぽい理由ゆえでなく、歴戦の勘とでも言うべきものが、突然警鐘を鳴らしたからであった。

何か妙な感覚、そういうものが生きることもある。

その瞬間、魔理沙の目の前をナイフ弾が交差し通り抜けて行った。

勿論、それはあとほんの1〜2メートルも彼女が前にいれば回避困難であったかもしれない軌道である。

『あぶないあぶない、今日は勘が冴えてるぜ。にしてもいつの間に…』

魔理沙が辺りを見回すと、数こそ少ないものの現在魔理沙が居る位置を確実に捉えるように飛んで来るナイフ弾が目に入る。

『吸血鬼のメイドにでもなるつもりか?あいつは。ま、どっちだっていいがな。それより…』

後ろに飛びのき、ナイフ弾を回避する。

直後、回避前の位置を5本の弾が貫いて行った。

『ちょっとだけ、面倒なことをしてくれるじゃないか。』

魔理沙は先程見回した一瞬で既にナイフ弾の出処を見つけ出していた。

しかし、それは厄介なことに中弾の通った軌道からであったのだ。

魔理沙を挟み込むように詰め寄る中弾、そしてその軌道に近づけば飛び出すナイフ弾、狭いスペースで交差する弾幕を避けなければならない緊張感が張り詰める。

正直に言えば驚きであった。

あの永遠の夜に轢いた有象無象妖怪の1人としてではなく、リグルが自分自身が異変を起こす側の妖怪であるという自覚を持って挑み掛かってきていることが伺えた。

だが、霧雨魔理沙は圧倒的に経験豊富であった。

蜻蛉だって真似できないほど上下左右に飛び回り、ナイフ弾を掻い潜ってリグルに接近していく。

魔理沙が接近すればするほど、動ける範囲は限られ、弾幕も濃密になる。

そんなことは意にも介していないように接近しつつある魔理沙にリグルは焦り益々躍起になって弾幕を放ち続けるも、その弾は精々スカートや帽子を掠める程度であった。

『おかしな表現だが、お前らが真っ当に異変をやらかそうとしてるってのは十分にわかったぜ。それなら、こっちも正攻法で叩きのめしてやるのが礼儀ってもんだよな。』

静かに八卦炉が構えられ、中から数えきれないほどの星弾が溢れ出す。

『う、うわーー!』

リグルの視界は光に覆われ、やがて彼女自身もそれに飲み込まれて行った。

『さて、本気は伝わったがナイフの方は言うほどでも無いな。まぁ妖精メイドの頭ぐらいにはなれるんじゃないか?』

その時、霊夢VSラルバの戦いの方面でチラホラと見えていた黒い球の様な弾幕が散ってゆくさまが見えた。

向こうもそろそろ終わったのだろうか。

 

 

 

 

 

霊夢にデコピンを受けた後、白宙道の上に墜落したラルバであったが、疲れたしもう帰ろうかなんて考えていると、上からリグルも落ちて来るではないか。

額が結構痛かったが、そんなことに構ってなどいられない。

急いで駆け出し、リグルを受け止めにかかる。

まぁ、彼女も非力な妖精なので危うく押し潰されかけたのであるが…

『ねぇ、リグル〜もう帰らない?あんなカイブツ2人に勝てるわけないじゃない。』

『うん…でも、ここで動かなきゃ私達は昆虫界の恥だと思うのよ。確かに、霊夢も魔理沙も怖いぐらいに強いけど…あの子に協力するって決めたのは私達だし、ここで踏ん張らなきゃいつ頑張るの!ラルバ!』

『おお!なんかこういうのって熱いわね!よーし、こうなったら、一回休みになるまで一緒に頑張ろ〜!』

『いや、一回休みで済むのはラルバだけでしょ…』

『え…じゃ、じゃあほどほどに頑張ろ〜!』

2人はもう一度飛び上がり、霊夢と魔理沙に再び戦いを挑むのであった。

『まてぃ、その首置いていけ〜!』

ラルバが既に先へと向かおうとしていた霊夢と魔理沙を呼び止める。

2人はすっと振り向くと、まるで再びリグルとラルバが立ち向かって来ることがわかっていた様に構えをとった。

その反応から自分たちが軽んじられていないことがわかり、少し嬉しくなってしまう。

『『これで、ホントのホントに最後だ!無様に落ちろ、正義の味方よ‼︎』』

 

昆虫「フライヤーズオリジン」

 

リグルとラルバ、2人の即興合同スペルカードが宣言され、エネルギーが彼女らの両手へと集まって行く。

そして、集められたエネルギーは無数の蝶弾となり撃ち出された。

それは、赤・青・緑・黄・白と、さながら色の付いた吹雪の様に舞い散り狂った様に霊夢と魔理沙に降り注いでゆく。

2人はともに弾幕を引きつけてから回避する戦法を取るが、蝶弾はそれを許さない。

なんと、円を描く様に曲がりかくねった軌道で避けたはずの霊夢と魔理沙を追跡してくるでは無いか。

それも、並大抵のものではなく何度も何度も避けた方向へと切り返して来る。

『『ふふふ、無駄無駄、世界で一番最初に空を制した昆虫に空中戦で勝とうなんて、生意気なのよ!』』

魔理沙のスピードも、霊夢の結界も、その弾幕を振り切るには至らない。

どこまでも追い詰めようとしてくる蝶弾の前に、万事休すかと思われたが、やはり2人は圧倒的に強かった。

霊夢と魔理沙ば突然飛ぶ方向を変え、お互いの方へ向かって飛び始めた。

勿論、そのまま進めば正面衝突、自滅待った無しである。

リグルとラルバも訳がわからない様子でそれを眺めていた。

そして、霊夢と魔理沙がぶつかるほんの少し手前でお互いに向かって弾幕を放ち、阿吽の呼吸で回避する。

すると、お互いの背後に迫る弾幕だけが打ち消されるのだ。

『ぬぬぬ、中々やるわね!ところで、これって不味いんじゃないの、リグル?』

『え…えーと…こうなったらもうヤケだ!撃って撃って撃ちまくれ〜!』

『アイアイサー!…で良いんだっけ?』

今度は二重三重に蝶弾が迫るが、もう霊夢と魔理沙には通用しない。

お互いを追う弾を潰し合い、難なく潜り抜けていく。

『さて、あんたたちもよく頑張ってたわ。普段の姿からは考えられないぐらいだわ。だから…敬意を込めてスペルカードで倒しに行くわよ!覚悟しなさい!』

霊夢が先んじて飛び出し、彼女を蝶弾が取り囲む様な形になった時スペルカードは宣言された。

 

宝具「陰陽鬼神玉」

 

巨大化した陰陽玉は蝶弾を粉砕したのち、そのまま青白く光りながらリグルとラルバに向かって飛来する。

当然、彼女達も精一杯弾幕をぶつけ抵抗するが、無情にも輝く宝具はその勢いを弱めることなく炸裂したのであった。

 

 

 

 

 

白宙道の上に寝そべる人影が2つ、そして立つ人影も2つ…

寝そべるのはリグルとラルバ、立っているのは霊夢と魔理沙である。

『さ、もう邪魔はしてこないのかしら?あと一回ぐらいなら許してあげなくもないわよ。』

『待った待った!これ以上は一回休みになっちゃうわ!こ…こうさんよ!』

『わかったぜ。じゃあ私達がお前らの残った仲間を倒しても文句は言うなよ。

『うぐ〜…あ!』

リグルが空を見て驚きの声をあげた。

つられて残りの3人も空に視線を移す。

すると、そこは奇妙な空模様であった。

竜巻の様なものが複数空に浮かんでうねっているではないか、それも横向きで。

いくら常識はずれなことが日常茶飯事となっている幻想郷でも、こればかりは疑いようもなく異変のせいであろう。

『やったやった〜!間に合ったわ〜!』

ラルバがやたらとはしゃいでいる。

どうやらかなり異変は完遂に近づきつつあるらしい。

『急ぐわよ、魔理沙。』

『ああ…そうした方が良さそうだな。』

2人は空を見上げているリグルと跳ね回るラルバを尻目にその白い竜巻に向かって行くのであった。




誠に遅くなりました

登場人物

吸血鬼のメイド
自機復活おめでとう

妖精メイド
紅魔館でメイドをしている妖精。
いたところで仕事が増えるだけの気もする…

エタニティラルバ
スペルカード
擬符「アゲハ弾幕擬き」
昆虫「フライヤーズオリジン」
その他の設定は前回をご参照ください

リグル・ナイトバグ
スペルカード
蟲符「ホタルガブクロ」
昆虫「フライヤーズオリジン」
その他の設定は前回をご参照ください
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