東方白宙道〜Hundreds of Millions Wax PTERA〜   作:プルプルマン

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最近驚いたこと
森の中を歩いていたら、なんか馬がいたこと


イカロスは舞い降りた

高度を上げ、白い竜巻の元へと辿り着いた霊夢と魔理沙、そこで2人が見たものは…

『何事かしらね…これ…』

『うちの玄関に着けてあるランプにも結構飛んでくるが…これだけいるのは見たことが無いな…』

大群で白波の様にうねって飛ぶ純白の蛾…

どういうわけか彼等は皆体から仄かに光を放っており、その不気味や不吉などの蛾という存在が持つイメージを通り越して驚嘆するしかない光景に霊夢と魔理沙は包まれていた。

例え真夏の入道雲の中や大雪の降った年の山でもこれほどの白は見られるまい、そう思わずにはいられないほどどこを見回しても純白であった。

2人はその群れが移動していく様子をただ呆気に取られてしばらく眺めていたが、程なくして霊夢が我に帰り辺りを見渡す。

どうやら、群れはその全員がある一定の方向へと向かって飛んでいる様だ。

そして、その方向は現在霊夢と魔理沙の2人が向かうこの空の道のはじまりがあるであろう西であった。

霊夢はそれを確認すると、未だに流れて行く群れをポカンと眺めている魔理沙の目の前に手をかざし、呼びかける。

『おーい、起きてる〜?』

『起きてるよッ!』

『そう、なら良いわ。アレを追いましょ。幸い、この道の源流にも続いてるみたいだし。』

魔理沙はこくりと頷き、2人で白いうねりの中を西に向かって飛び始めたのであった。

道中の喧騒っぷりが嘘のように静かで、大量の蚕が羽ばたく音だけが繰り返していた。

霊夢と魔理沙のどちらもが一言も言葉を交わすこともなく飛んでいく。

というのも、西へ西へと飛ぶにつれて前方から流れてきている力がだんだんと強く濃くなっており、さらには周囲の蚕たちの放つ光もより一層強まってきていたからである。

その場には緊張感が張り詰め、どこか息苦しいほどであった。

確実に近づく力の原点、後50…40…30メートル…

その時、一斉に蚕たちの群れは離散し、視界が開けた。

 

 

 

 

 

 

 

『あれ?ここってまだ幻想郷なの?いや、でも外の世界にもいるのかしら?巫女と魔法使いって。』

魔理沙が突然開けた視界の眩しさに細目になりながらも言葉を発した相手を確認する。

段々と見えてきたその姿は、白髪の子供と言える見た目の裸足の少女であった。

襟元や袖口に蚕の繭のような玉があしらわれ、一定の丈ごとにフリルのついた純白のブラウスと同じデザインのスカートを身につけ、そこに両端を長く垂らしたほぼ同色の飾り帯を巻いている白づくしのファッションや右手に持った青々とした葉が残る桑の枝も印象的ではあるが、なによりも目を引いたのはそのどれでもない。

彼女の頭に着いた鳥の羽の様な触覚、そして背中に生えた二対の白い翅、なにより左手の上から生み出された細い糸が徐々に太さを増して眼下の道へと繋がっている点であった。

『魔法使いはどうか知らないけど、巫女ならいるんじゃ無いかしら?早苗とか外の世界から来たらしいし。』

霊夢は既に相手を見据えていた。

『へー、そんなもんなのね。でも、魔法使いもいるということはここはまだ幻想郷なんでしょ?折角結界を破れたと思ったのになぁ…』

『ちょっとちょっと、今何か物凄く物騒な文言が聞こえた気がするけど…あんた、何をやらかすつもりなの?』

純白の少女は明るい声で答える。

『私ね、もう一度外の世界に行きたいのよ!私って元々外の世界で生まれたんだけど、そのときの記憶が曖昧で…気づいたらこっちに居たのよね。それに…』

『じゃあ勝手に出りゃあ良いじゃ無いか。攻城戦じゃああるまいし、何もこんな馬鹿でかい道を浮かべて結界に突撃しなくても、マミゾウあたりにでも聞けば方法を知ってると思うがな。』

『残念だけど、そうもいかないのよね〜それができれば一番良いんだけど、この子達もみんな連れて行くとなると結構強引じゃないとだめなのよね。』

もしや、この子達とは周りを飛ぶ蚕のことだろうか。

だとすれば大事だ。

これだけの巨大な質量が一気に移動するとなれば幻想郷の結界にも多少の影響は出るだろう。

それも強引な方法ならば尚更である。

博麗霊夢は考える。

幻想郷の守護者としてそんなことを認める訳にはいかない。

なんとしてでも食い止め、やめさせなければならねば。

それはそれとして、一つ疑問が残る。

これだけのものを作り出せる程の力を持つ妖怪ならば、なぜ今まで彼女を知らなかったのか?

特別広いわけではない幻想郷、人妖問わず強い者の話は瞬く間に広がり、周知となるはず。

それに、阿求の幻想郷縁起にもこんな奴はいなかった。

それらを全て込め、霊夢は目の前の少女に問いかける。

『なるほど、あんたのやりたいことはわかったわ。ところで、あんたは、何者なの?』

質問を兼ねた宣戦布告に、彼女は気付いているのかいないのか、素直に答えた。

『私は

虫織 桑子《むしおり くわこ》、

あ!桑子って名前だけど、クワコじゃなくてカイコの妖怪だからね。そこのところ間違えないでよ。』

昼下がりの雲一つない青空に眩しすぎる程白が輝いていた。




もうすぐ誕生日で無性にウキウキするこの季節

登場人物

早苗
守矢神社の風祝
自機おめ

虫織 桑子
(むしおり くわこ)
詳細は次回以降にでも
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