東方白宙道〜Hundreds of Millions Wax PTERA〜   作:プルプルマン

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最近、ワンピースを結構読み直す機会がございました。
そのせいか、日常生活の中の会話が黄猿っぽくなってきて困ります。
怖いねェ〜


VS井上 琴姫

琴姫が念じると共に彼女の右前方からは青い米粒弾が、左前方からは緑の米粒弾がそれぞれ出現し、待ち構える霊夢と魔理沙に向けて放たれる。

両サイドから押し潰そうと迫る弾の中に彼女達は躊躇なく飛び込んで行った。

妙に逃げ腰になって弾幕の交点付近をウロウロするよりも一塊の弾幕の中を突っ切る方が活路を見出せることもある。(極めると変態避けと呼ばれて尊敬を集めるとか)

幸い比較的広い隙間もあるように見えるので、どこかしらのタイミングで攻撃に転じることもできそうだ。

と、思いきや、気づけば弾幕の第二波が既に目の前に迫っている。

そこに攻勢に転じる隙は無かった。

箒の柄をしならせて迫りくる弾幕を回避する魔理沙であったが、一息もつかせぬ間に次の弾が向かってきている状況は良いとは言えない。

さながら鳥が何度も羽ばたくように連続する弾幕を躱す度に琴姫との距離が離れていく気がするのは気のせいだろうか?

『ぐぬー、あんまり続けてるとこっちの箒が折れちまいそうだな。あいつめ、私ばっか狙いやがって。』

事実、琴姫の注意と弾幕はかなりの割合が魔理沙に向けられていた。

実はこの琴姫、弾幕ごっこ開始前の会話で、紛い物と煽られたことをそれなりに根に持っていたのだ。

そういった感情は中々理屈で説明できるものでも無く、また人妖共通で抑え難いものでもあるので仕方がない。

だがしかし、彼女はそれゆえに弾幕ごっこ中は特に最も目を離してはならない存在を忘れていた。

そう、御存知無慈悲な妖怪巫女、博麗霊夢をである。

『魔理沙を狙うなら結構だけどね、一応2vs1だってこと忘れない方がいいわよ。』

『なっ…!』

いつのまにか琴姫の真上に陣取っていた霊夢の放ったお札が油断しきっていた彼女を包み込み、着弾とともに小さく爆ぜた。

『それとも…あんたも鳥頭なのかしら?もしくは鳥目。』

ひらりと魔理沙の方へと移動する霊夢、箒に鞭打って青竹のようにしならせていた魔理沙は礼を言いつつその肩を叩く。

『いや〜悪い悪い、ちょっと手間取ってたから助かったぜ。』

『そう思うんなら相手に恨まれないようにしなさいな。次は放って置くわよ。あ、そうそう、あいつって口じゃアレコレ言ってたけど、多分荒事の経験はそんなに無いと思うわ。』

『そうなのか?中々に手強い弾幕を使う奴だが。』

『ええ、弾幕はね。ただ、それはあの妙な形の楽器?で強化されてるだけの話、動き方なんかはどっちかというと素人寄りかしら。』

煙の中から姿を現した琴姫が自身の回りを飛び回っている竪琴を天に掲げると、それは強烈な光と音、そして魔力を放ち彼女はそれを享受する。

 

一翼「バードストライク」

 

琴姫が自身の周囲に数個の燕弾を出現させ、二羽は霊夢と魔理沙をそれぞれ追尾、ほか数羽は特に決まりの無い方向へと放つ。

2人を追尾する弾は頼りないフラフラとした軌道で、その他の弾も当てもなく直進するばかり。

一見、こちらが不安を抱くほど隙だらけで、そこいらの妖精が放つそれにも劣るような弾幕に見える。

何か罠でも仕込んでいるのか、そう疑った魔理沙は星弾を琴姫に向けて放ってみるも、彼女はそれをただ躱しただけであった。

どうも何か企んでいるようではあるが確信が持てない。

兎に角、ずっと付き纏ってくるその弾からなるべく距離を取って…

一方こちらは琴姫サイド、彼女の思惑通り2人の敵は妙に簡単な弾幕を警戒してか、接近戦を仕掛けてこなかった。

漸く飛んできた攻撃も様子見兼牽制だと思われる小規模なものだった。

『そろそろ頃合いか…今ッ!』

琴姫がギュッと前に突き出した拳を握りしめて力を込めると、霊夢と魔理沙を追跡或いは直進していた燕弾が小刻みに震え出した。

一瞬の間をおいてその全ての弾は爆発し、内包したエネルギーとカケラの小弾を広範囲に撒き散らした。

まるで夜空が絨毯爆撃にあったかの如く一気に爆発が広がり、幻想郷の夜空は一時真昼のような明るさへとなったのだった。

『ふぅ…中々危なっかしい弾幕だったな。あそこまで爆風が広がるとは。私じゃなきゃ見逃しちゃうね。』

『はいはい…でも、あれを避けられたのはラッキーだったわね。いくらなんでもあんな爆発に巻き込まれたくは無いわ。』

『ええ、コンテニューもできませんもの。』

言い放った琴姫の後ろには、既に次の燕弾が控えてこちらを見下ろしていた。

これは、とてつもないエネルギーを秘めた弾をハイペースで作っているわけだが、あの竪琴のパワーを利用しているのだろうか?

なんにせよ、この力押し弾幕をなんとかせねば…

『もうタネは割れちゃってるし、今度は手早く参りましょうか。』

琴姫が燕弾を放つと同時にそれらは震え出し、爆発も待ったなしといった様子だ。

『あんまり調子に乗るなよッ!』

 

魔符「ミルキーウェイ」

 

魔理沙から飛び出す星弾の雨、その鉄砲水のような流れは天の川を遡り、燕弾を飲み込み、琴姫にも届く…

その時、少し離れていた霊夢は見た、琴姫に魔理沙のスペルカードは届いていない。

より正確に言うと、彼女の周囲を膜のようなバリアが覆い、星弾を全て弾き飛ばしていたのだ。

これではどれだけ攻撃しても意味は無いだろう。

霊夢は咄嗟に4枚のお札を「ある場所」へと飛ばし、自身の星弾で見えていないであろう魔理沙に、琴姫のバリアについて伝えようと向かった。

その時、星弾の中を突っ切ってきた燕弾が、ヌルリと霊夢や魔理沙の前に姿を現した。

どうやら高エネルギーが込められているおかげで魔理沙のスペルカードと相殺しなかったらしい。

目の前で爆発したその衝撃からなんとか逃れた霊夢が魔理沙の方を確認すると、彼女も持ち前のスピードで逃げおおせて無事でいたようだ。

『魔理沙、あいつにどれだけボムしても見切られれば効かないわ。だから…』

『なるほどな…言われてみればまあそういう奴等も一定数いた気がするぜ。わかった、その作戦で行こう。』

琴姫は一切の出し惜しみ無く燕弾を放ち続けている、2人が話し終えた時には既にその数は廿を越していた。

魔理沙はその数に動じることなく、八卦炉を琴姫に向けて構える。

先程、効果が無いことを見ておきながらそんな行動を取る魔理沙を訝しく思いながらも彼女はまたバリアを張り巡らせた。

レプリカとはいえ神の琴が作ったバリア、たかだかごっこの弾幕など防げないはずはない。

魔理沙の手元からまたしても無数の星弾が放たれ…すぐに霊夢が貼った結界の中へと消えていく。

意表を突くその行動に琴姫が驚いていると、彼女の気づかぬ内に着物の隙間から霊夢が仕込んでおいた4枚のお札が現れ、背後で出口となる結界を作り出した。

突然背後からやってくる衝撃、猛烈に暴れる星弾は強固なバリアが裏目に出て行き場を失い、内部で跳ね返り暴れ回った。

当然スペルカードは破れ、霊夢と魔理沙の目前に迫っていた燕弾も不発のまま消滅する。

『やっぱ結界って便利だな、私の魔法と組み合わせればもっと面白いこともできるかもしれないし、今度教えてくれよ。』

『嫌よ、めんどくさい。そんなにやってみたきゃ紫にでも頼み込めば?時間だけはあるんだし教えてくれると思うけど。』

『一考の余地はあるな…』

まんまと引っかかって大量の弾幕を受けた琴姫であったが、なんとか持ち直したらしい。

背後に半透明な竪琴の像を浮かべ、本気で攻撃してくる様子だ。

そんな彼女が次に放った弾幕は、最初のそれと同じように青い弾と緑の弾が交差して襲いくるものだったが、今回はそこに放射状に広がる音符弾が加えられていた。

その様子に力強く羽ばたきながら囀る小鳥を幻視する。

だが、所詮は一度見た弾幕、ほんのちょいと弾を足したところで雀…もとい鵲の涙ほどの効果も有りはしない。

振り下ろされる翼をくぐり抜け、霊夢と魔理沙の弾幕が琴姫を挟み込む。

たまらず彼女は隙間を縫って脱出し、少々早めに次のスペルカードを切ったのだった。

 

二翼「鵲の渡せる橋」

 

先程の力押し弾幕とは打って変わって規則正しく整列した燕弾が一定の速度でこちらに向かって来る。

その几帳面っぽい弾幕は霊夢と魔理沙に人里の歴史屋さんを想起させた。

しかしそこはしっかりと別人、燕弾が通ったその跡に霜が降りたかの様に真っ白なクナイ弾が出現し、2人に向けて燦々と降り注ぐ。

さて、その白さを見ると何かを思い出しそうになる魔理沙であったが、どこかに引っかかって中々すとんと出てこない。

結局、思い出せないのであればそんなに大したことでもないだろうと決めて頭の中から取り払ってしまった。

まぁ、それもまたある一種幸福に生きる為の手段ではあるかもしれない。

話を弾幕ごっこに戻すと、燕弾はまぁいいとしてもクナイ弾の方はランダム性が高く、軌道の予測やパターン化が困難である。

故に、所謂気合い避けを強いられるものとなっていた。

どれぐらい気合い避けかと問われれば、風神録のケロちゃんぐらいであろうか。

霊夢も魔理沙も動体視力をフルに働かせ、すんでのところでクナイ弾を見切り、回避していく。

かなりの高密度のクナイ弾を何度も何度もくぐり抜けるのはいささか神経を削るものがあるが、完全に余裕がないというほどでもなく、霊夢と魔理沙の弾幕は一手一手確実に琴姫の逃げ場を奪っていった。

やがて、完全に詰められた琴姫はスペルカードを破棄し、体勢を整えなければならないほどに追い詰められたのであった。

そのまま睨み合い、一呼吸入れる両者。

繰り返す魔力を湛えた琴の音はより透明度を増し、聴く者の思考に入り込んでゆく。

闘いはまだ、序章を出ていなかった。




ここ最近の寒い間まったく更新していませんでしたが、冬眠してたものと思って下さい。

登場人物

井上 琴姫
スペルカード
一翼「バードストライク」
二翼「鵲の渡せる橋」









彼女らの話をこっそりと盗み聞きしてみると、なんとその内の1人虫織 桑子は蚕の妖怪だと言うではないか。
これは良い、渡りにこれほどの大船も中々あるものでは無いだろう。
彼女と関わりを持ち、その糸を譲って貰えたならば、少なくとも今年に天へ納める分は当てができる。
早速琴姫は桑子に接触を図り、彼女の心に秘めた願望を聞き出したのであった。
そして、彼女と一つの約束を取り付ける。
それは、琴姫の協力によって桑子が外の世界へと行くことができれば、桑子と仲間の蚕は琴姫のために糸を紡ぐというものであった。
無論、幻想郷に住みこそしていないが、よく遊びに行く彼女は知っていた。
幻想郷に来ざるをえなかった妖怪がどんな境遇なのかを。
そんな妖怪が再び無理をして外に出ればどういうことになるのかを。
しかし、結局それは桑子の都合、彼女は今年…あわよくば数年間楽ができればそれでよかったのだ。
という経緯で約束した琴姫であったが、幻想郷の結界を貫き、且つ大量の蚕を通らせる手段などとても一小鳥が持ち合わせているわけもない。
軽々しく言ってしまったことを若干後悔したりもしたが、そんなある時友人の八代 浮舟から革命的な意見が飛び出した。
それは、幻想郷の中にも外にも平等に架かり、且つ空を裂く長い長い一本道「エリダヌス座」を利用するというものであった。
Part-2
次回へ続く
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