東方白宙道〜Hundreds of Millions Wax PTERA〜 作:プルプルマン
ここまで読んでくださった方には、木陰で休憩でもとることをオススメします
場所は「妖怪の山 麓」をイメージしています
2面テーマ曲は
【万里の道も一歩から】です
どんな曲かは皆様の思い思いで
白宙道2面道中の岩
悪徳亡霊商人を撃破した霊夢と魔理沙は博麗神社に渋々向かう瑠璃橋を見届けた後、今度こそ目的の地、妖怪の山 守矢神社に向かって出発した。
妖怪の山へ向かって、青々と茂る木々の中に、色とりどりの花の色が顔をのぞかせている。
そんな春の林の上を気分良く飛んでいく二人を、榎に座った何者かが静かに見つめていた…
『さて、今日もまた 迷える人間を導いてしんぜようかな。』
彼女がそう呟いた時には、既にどこにも言葉の主の姿は無かった。
いつもの事ではあるが、霊夢と魔理沙が飛んでいると、ついさっきまで姿を消していた妖精たちがどこからともなく現れて、弾幕を展開してゆく。
いくら無謀なことが大好物の妖精でも、ある程度のレベルの者たちの弾幕ごっこに押し入る勇気は中々持ち合わせていないものと見える。
だからと言って、弾幕ごっこが終わった瞬間に来ることもないだろうに。
霊夢は、いつもの光景に半ば呆れながら妖精たちを撃ち落としてゆく。
『魔理沙!ちゃんと手伝いなさいよ‼︎』
『わかったわかった、妖精の二、三人ぐらいは引き受けてやるよ。』
『ふざけた事言ってるとあんたから退治するわよ?』
『おぉ、怖い怖いことで。』
気持ち手強くなった気がする妖精たちの相手をしながら、妖怪の山を目指す二人。
しかし、未だ二人は気付いていない事ではあるが、着々と不思議な違和感がその場を包み込もうとしていた。
「それ」に最初に気付いたのは、魔理沙であった。
『なあ、霊夢。ちょっと妙じゃないか?』
『?……どう言うことかしら?』
魔理沙が妖精たちを指差して言う、
『さっきから湧いて来る妖精どもをよく見てみろよ。妖怪の山方面の奴らだけはしょっちゅう陣形を組んで、まるで壁みたいに迫ってくるじゃないか。』
確かに、妖精にしては理知的な攻め方をしてきている気がする。
『なるほど、言われてみればそんな気もするわね。』
『だろ?そんなに私たちが山に近づくと困るのか?』
そもそも、妖怪の山は幻想郷の中でもとりわけ排他的で、天狗などの妖怪による独特の社会体系を保っている。
幻想郷の他の地域とは異なるシステムと秩序で動いている場所なので、無断で山に入った者をあの手この手で追い返そうとすることはあるだろう。
だが、霊夢と魔理沙は未だ山に入ってすらいなかった。
何も、近くを通るだけのことまでめくじら立てて防ぐこともないだろうに。
そうこうしている内にも、妖精たちの攻撃は勢いを増し、いよいよ壁のように見えてくるほどになった。
オマケに、何やら上空から並の家屋をゆうに超えるサイズの巨岩が降り注ぎ始めた。
さらっと書いたが、中々にデンジャラスな状況である。
『おいおい、いつから幻想郷に岩の雨なんてものが降るようになったんだ?初耳だぜ。』
『またあの天人の奴かしら?もう一回退治しとこうかな…』
言われもなく一人の天人が疑いの目を向けられているが、普段の言動や過去の異変を参照にすると、まあ仕方ないだろう。
巨岩の雨は山へ向かおうとする二人の進路を塞ぐように、悉く正確に落ちてくる。
これでは、余りにも危険で先に進むのは困難だろう。
何しろ弾幕ではなく巨大な岩である。
いくら博麗の巫女、魔法使いであろうとも種族として人間であることは間違いないので、下敷きにでもなったりしたら最早何百年も後に竜骨の類として見つかり、漢方薬の材料にでもなるのがオチだろう。
『どうしようかしら……』
霊夢は早くも訪れた面倒な事態に溜息を吐き、呑気な魔理沙は岩の中に魔法薬に使えそうな鉱物を探し始めたのだった。
落石警報
登場人物
榎に腰掛けた少女
今はまだ正体不明