東方白宙道〜Hundreds of Millions Wax PTERA〜 作:プルプルマン
それは、集落を中と外に分けることで外敵を防いでいた。
巨岩に塞がれ、妖怪の山を目前にして立ち往生せざるを得なかった霊夢と魔理沙。
霊夢が厄介な巨岩の突破方法を考えている一方、魔理沙はせっかく岩が降ってきたのだから、という理由で魔法薬や錬金術に利用できそうな鉱物を集めてまわっている。
『お!上等な辰砂があるじゃないか!こっちのは………瑪瑙か!水鉛もちょっとあるみたいだな…儲けた儲けた。』
独り言のうるさい奴だ。
霊夢にはあまりよくわからなかったが、魔理沙の顔色と声色から察するにきっと中々手に入らないレアな代物なのだろう。
まあなんにせよ、お気楽な魔理沙を見ていると、進路を塞ぐ巨岩を突破する方法をなんとなくではあるが、思いついた。
これでダメならば、山は後回しにして別の怪しい所に殴り込みを掛けるとしよう………天人とか天邪鬼とか。
『魔理沙〜ちょっと来てくれない?』
材料の採取から戻ってきた魔理沙に、思いついた巨岩突破の策を耳打ちする。
『なるほど…そいつはいいと思うぜ。じゃあ私は「アレ」をすればいいんだな?』
『ええ。頼んだわよ。』
そう言うと、魔理沙の箒に霊夢も腰掛ける。
『よ〜し、トップギアだッッ‼︎』
魔理沙が箒を全力で発進させる。
そして、いよいよ最高速度に達しようとする瞬間に、魔理沙は大量の弾幕を展開し、しばしの間あたり一面が純白の光に包まれる。
そして、次の瞬間‼️
二人の姿は跡形も無く消えていたのだ‼︎
これに驚いたのは、榎に座っていた謎の少女であった。
『‼️ あれ?さっきまで確かにあそこにいたような…?』
辺りを見回すと、なんと 博麗の巫女たちはいつの間にか巨岩の障害をくぐり抜け、少女のいる場所に向かって来ているではないか。
榎少女は仕方無くスペルカードを携え、弾幕ごっこに出向いた。
時は少しだけ遡り、魔理沙が弾幕を放ち二人が光に包まれた時、霊夢はすかさず亜空間を通るための結界を作り、出口を巨岩の向こうに設置することによって、巨岩の障壁を無視できるワームホールを開けたのだった。
霊夢は巨岩の妨害が山の意思によるものではなくどこかに隠れてこちらを窺う何者かの仕業であると予想し、目眩しの発光とともに亜空穴を併用することで安全に巨岩を突破することを試みたのだ。
その作戦は成功し、見事に二人揃って難所を越えたが、まだ肝心の巨岩を出現させた敵が残っている。
『此方は良い道では無いぞ』
霊夢と魔理沙に話しかけてきたのは、丁度魔理沙の箒から柄を取ったような見た目の何者かだった。
箒お化けはそれだけを話すと、すぐに弾幕を放ってくる。
『なんだか今日は妙な奴と出くわしてばかりね。』
『異変の時ならいつもの事じゃないか?』
『そうね、特に迷いの竹林とかかしら?』
『悪かったな。特に妙な奴で。』
箒お化けの弾幕は、何本ものレーザーがお化け自身を軸にして回転するというもので、しかも中々のスピードだ。
動きを見ていた限りでは、どうやらレーザーはニ本で一対のようだ。
軌道が先読みできるので躱し易い弾幕ではあるが、油断していると後ろから迫り来るレーザーにたちまち轢かれてしまうだろう。
霊夢も魔理沙もレーザーの隙間を飛び回り、ショートウェーブや針の弾幕で攻撃する。
箒お化けはなんとか結界のようなもので、攻撃を防いだようだ。
続いて箒お化けが、次は自分の番だと言わんばかりにスペルカードを宣言する。
道符「茨の道」
箒お化けからグニョングニョンに伸びるレーザーより、茨がトゲを飛ばしているかのように米粒弾が放たれ、ゆっくりと迫ってくる。
レーザーの軌道が予測しづらく、時間がかかるほど自分の周囲の弾数が増え、まさしく「茨の道」となっていく弾幕なのだろう。
だが、そういうのはわりとよくあるタイプの弾幕である。
彼女らならばどうということはないだろう。
霊夢はレーザーを肌で感じるほどのギリギリで躱し、弾幕で応戦する。
一方、魔理沙はかなり強引な手段で箒お化けの弾幕を防いでいく。
なんと、茨の茎に見立てられているレーザーを、自身のレーザーで断ち切っていたのだ。
『どんなもんだ‼︎オバケヤロー‼️』
魔理沙の弾幕が箒お化けに掠り、体を覆う藁が燻り出した。
『アチチチチ!火達磨にならん内に撤退だ〜!』
箒お化けはそう叫んで逃げていく。
『あ!こら!待ちなさい‼︎』
霊夢が呼び止めた時には、既に箒お化けの姿は無かった。
魔理沙が思わず口に出す。
『あいつ………ちゃんと喋れたのか……』
『ええ、最初にちょっとだけ喋っただけだったものね……』
『ああ、私はてっきり前に早苗が言ってた、3年に一回しか喋らない獣の親戚かと思ってたぜ。』
箒お化けの正体を訝しがりながら、二人は再び有象無象の妖精たちを蹴散らしながら、妖怪の山を目指すのであった……
いつの間にやら、もう既に山桜の咲き誇る紅色の景色が近づいてきていた。
………『入れないじゃないの 妖怪の山に…』
なんと、妖怪の山周辺に不可視の強力な壁があり、目的地を目前にして霊夢と魔理沙は立ち止まる事を余儀無くされているのだ。
『そんなに通っちゃ不味い事してたかしら?』
『う〜ん 心当たりが多過ぎてわからないな!』
魔理沙は別として私が入れないのは納得がいかない。
仮にも幻想郷の調停者に立ち入り禁止というのだからそれなりの理由が山側にあるか、あるいは…。
『いるんでしょ!姿を見せなさい‼︎』
霊夢が叫ぶ。
この時、霊夢には確信があった。
このとうせんぼうには、大天狗のような山の上層部は関わっておらず、個人…しかも先程出会った箒お化けが独断で行った事だという確信が。
根拠は勘である。
『おやおや、勘づかれてしまったか。』
そう言って姿を現したのは、ほぼ霊夢の予測通りの藁で編んだ蓑を着たお化け…ではなく、少女であった。
どうやら霊夢の勘は99%しか当たっていなかったらしい。
引っ越した 寒い
次回 二ボス登場
登場人物
天邪鬼
いうほど弱者ではない弱者
早苗
外の世界のちょっと昔のマンガにやたら詳しい
3年に一回しか喋らない獣
21エモン参照
著者自身も記憶が曖昧ですが…
大天狗
妖怪の山を何人かで統治しているらしい
原作でも名前だけ…であったが、まさかの虹龍洞にて1人登場ですってよ
箒お化け
スペルカード
道符「茨の道」
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蓑を着た少女
詳しくはまた次の話にでも