(旧)アリナレコード〜光と闇の小夜曲〜   作:選ばれざるオタクⅡ

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⚠WARNING!!⚠WARNING!!⚠WARNING!!⚠WARNING!!


 この小説はマギアレコードの二次創作であるにもかかわらず、エヴァ要素が膨大に含まれています。
 特にこの回からはほぼエヴァ小説といっても過言では無い程にエヴァエヴァしています。
 アレルギーをお持ちの方は今すぐに回れ右をして帰る事をオススメします。

 「大丈夫だ、問題無い。」「その程度のカオス、我々には造作もない事だ。」
 という方は同士です。美味い酒が呑めそうですね。


























 本当に大丈夫?


ほむら編その5『VS第一の魔女ADAM』

★☆★☆★☆

 

《美国織莉子の日記より》

 

 

 3月11日 土曜日 (先勝)

 

 私達の世界はたった一人の来訪者によって全く別のモノへと変えられてしまった。

 今まで信じてきた私の使命は意味を無くし、自分自身でこれからの道を切り開いていくのだ。

 そんな目まぐるしく変化し続けていくであろう私……いや、私達の世界を整理し受け入れる為に、

 今日から日記を感想と共に書き留めようと思う。

 

 

 

 事の始まりは昨日の午後

 キリカと共に葬式から帰っている最中に見えた『予知』だった。

 「黄色をした道化師の魔法少女が魔女を従え、他の魔法少女と戦っている」そしてその直後に見えた

 『私の家に何者かが襲撃し、私を殺す』という二つの予知。

 襲撃の予知から彼我の力量差を理解した私は、直ぐにもう一つの予知で見えた魔女使いの魔法少女――優木沙々と同盟を組んで対抗する事にした。

 さくっと優木沙々の問題を解決し、私達は早々に準備に取り掛かった。

 彼女の家(レンタル倉庫)に置いてきていた魔女を回収し、グリーフシードを全員に分配し、綿密に作戦*1を立てた上で襲撃者を待ち伏せし、こちらが最大限有利な立地で戦った。

 

 

 

 結果は、惨敗

 

 私の『予知』は尽く通用せず、『速度低下』込みのキリカと沙々の操作する魔女の挟み撃ちも、全て軽く捻られてしまった。

 しかし、彼女は『予知』とは違って私達を殺そうとはしなかった。ただ攻撃には攻撃を、言葉には言葉を返すのみ。

 そこに一筋の希望を見出し舌戦に持ち込んだが、やはり私は敗北した。

 彼女の背負っている物は私達が理解するにはあまりにも()()()()()

 彼女の成し遂げようとする事はどうしようもなく()()()()()だった。

 彼女の精神は私達なんかよりもよっぽど()()()()()

 私達が彼女―――『暁美ほむら』に勝てない事は当たり前のことだったのだ。

 

 

 

 その後、色々あって魔女結界が崩壊した後

 キリカにグリーフシードを使っている暁美さんの背後をとった優木沙々は洗脳魔法を使ったが、跳ね返されていた。

 今思い返すと、彼女の規格外さを間近で見たばかりの私は「暁美さんならこの程度大丈夫だろう」とすっかり思いこんでいたのかもしれない。

 沙々が動いているのを見ても特に危機感を感じなかったのはそういう事だろう。

 

 その後、暁美さんにもミスがある事が判明した。

 跳ね返した洗脳魔法の強度を強くしすぎてしまい、優木沙々が永遠に彼女の下僕となったのである。

 いくらド畜生で小物で性悪な優木沙々だとしても、一人の少女の人生を壊してしまい慌てふためく*2暁美さんの姿からは

 『彼女は絶対の神等ではなく私達と同じ人間である』事がありありと伝わってきた。

 この事件が無かったら私達は彼女を崇拝していたかもしれない。

 

 その後、落ち着いた暁美さんはキリカの傷を完全に修復させると、今回の彼女の目的を話してくれた。

 曰く

 『見滝原を襲う災厄の魔女「ワルプルギスの夜」の討伐』

 『最強の魔女とも言える「救済の魔女」の誕生の阻止』

 この二つを成し遂げるために私達と協力関係を結ぶ事が主な目的だったと言う。

 それは奇しくも私達の目的と同じモノだったが、私達は鹿目まどかを暗殺しようとしていたのに対し、暁美さんは鹿目まどかを守ろうとしていた。

 彼女には鹿目まどかを生かしながらも魔女化させない手立てがあるらしい。…が、何処でインキュベーターが聞いているかわからないこの状況では詳しく話せないという。

 ちなみに、私の予知が効かなかったのは彼女が並列思考をして私の予知を誘導していたからだそうだ。

 それも一般的な無意識を利用する並列思考では無く、『二つの全く別の事を同時に思考する』という化け物じみたモノ

 (やっぱり暁美さんは人間を止めているのでは?と思ったが、そもそも私達魔法少女は人間を止めていた。)

 最初の襲撃の予知も並列思考によって誘導されたモノだったらしい。

 つまり、私達は暁美さんの手のひらの上で踊らされていたに過ぎなかった。

 

 ――こうして私達3人は暁美さんをリーダーとしたチームを組む事になった。

 

 

 

 戦いの後、私の家でざっくりとした今後の活動方針*3を聞かされた私達は、

 「その前に、あなた達はその疲れた身体を癒やしなさい」

 と言われたので今日は丸々一日を体力回復と英気を養う為に費やした。

 学校は勿論全員サボって、キリカと一緒に買物をしたり、

 キリカの家から持ってきたゲーム機(ゲームキューブ)で四人で対戦ゲーム(大乱闘スマッシュブラザーズDX)をしたり

 (結局三人で束になっても暁美さんのスネークには勝てなかった)、

 ただただ昼間から惰眠を貪ったり……と、気の赴くままのんびりと過ごした。

 おかげでキリカはいつも以上に元気になり、沙々はすっかり身も心も暁美さんの物となり、私も心なしか身体が軽くなったような気がした。

 

 また、暁美さんには『ソウルジェムの調整』とか言う施術もしてもらった。

 なんでも、直接戦えない魔法少女が編み出した技術らしくて、調整屋とか言う商売が成り立っているらしいが

 彼女のはその技術を盗み見た情報だけで研究、習得したらしい。

 その調整のおかげで基礎的な身体能力や魔力の循環が上手くいくようになったし、

 常時発動故に燃費が悪かった私の『予知』もなんとか任意発動させられるようになった。

 キリカも調整のおかげで今まで弱点だった『一撃の軽さ』がある程度緩和され、そこそこ重い攻撃を今までと変わらないスピードで放てるようになった。

 沙々さんも燃費が上がったり、洗脳のクオリティが上がったりしたらしい。

 

 しかし、この『調整』は副次効果として施術者に記憶が流れ込んでしまう。

 結果として私達の過去を知った暁美さんは、何か言いたいことを無理やり飲み込んだような顔をしてアドバイスをしてくれた。

 『弱さと幼さと何かにすがる事は全く違う事よ。そこを混同してはいけないわ。』

 『人は自分をさらけ出せる他人が居ないと生きていけない生き物なのよ』

 なるほど、確かに私の過去を見たらしい言葉だった。

 キリカの願いもわかったようで、『私に相応しい自分に変わり続けたい』という願いだった。

 まさか、キリカと魔法少女になる前に出会っていたとは……

 『たとえ、過去がどうであっても今の貴方達は私の大事なチームメイトよ。それだけは忘れないで。』

 最期はそう言って私達二人を抱きしめてくれた。

 暁美さんの腕の中はとても暖かかく心地よかった。

 

 

 と、まぁ今日起こった事はこんなところだ。

 正直これから私達の世界がどう変わっていくのかは見当もつかないが、少なくとも以前の世界よりは素敵な世界になっているように未来の自分を信じようと思う。

 

 

 3月12日 土曜日 (先負)

 

 

 

 3月13日 日曜日 (仏滅)

 

 

 

 3月14日 月曜日 (大安)

 

 酷い目にあった。

 まさか三日三晩戦い続ける事になるなんて……

 

 

★☆★☆★☆

 

 おはようございま〜す(早朝寝起きドッキリ)

 よしよし、織莉子達はちゃんと3人川の字になって寝ていますね

 ねぼすけさん達にはこの催涙スモークグレネードランチャー(無反動砲ver.)をお見舞いしちゃうゾ

 「最初からクライマックス!なRTA、はっじま〜るよ〜!!(クソデカ目覚まし)」

 

 前回は無事(?)に織莉子とキリカ、そして本チャートの主人公『優木沙々』を仲間にした所まででしたね。

 まぁ、前回と言ってもあの一戦から既に一日程時間が経っています。

 その間は彼女達と友好を深めたり調整してあげたりしてました。いわゆる事前準備というヤツですね。

 

 「ゴホッゴホッ……って暁美さん!?いきなり早朝に何かしら!?」

 「んにゃー……あと5分…」

 「ほむら様!?敵襲ですか!?!?」

 

 やれやれ、まだ寝ぼけているようですね。

 昨日までは散々甘やかしましたが、今日からのんびり日常パートもおしまいです。

 ここからは果てしない強敵との連戦となるので、さっさと準備して出発するぞ!!

 

 「遠足の時間よ。各自おやつは300円まで、準備が出来たら中庭に集合しなさい。」

 「?」「?」「?」

 

 質問される前にさっさと部屋を出てしまいましょう。こういう時は有無を言わさない強制力が必要です。

 

 中庭には既に用意していたVTOL機があります。

 ハイ、エヴァでゲンドウとかが乗っていたアレですね。

 勿論、こんなモノ自衛隊の基地などにはあるはずがないのですが……

 

 無いのならば作ってしまえば良いでしょう?

 

 という訳で過去に全ての分野の大学をそれぞれ主席卒業している私の技術にかかれば、この程度のジェット機は一日で建造できました。

 やっぱり一番大事なのは労働力(分体)なんやなって……

 さて、準備を終えて中庭のVTOL機を見た皆の反応ですが、三者三様ですね。

 織莉子は絶句しています。目がこれでもかと見開かれ、顎が外れそうな程口を開けて固まっています。

 自分の家の庭に昨日には影も形も無かった乗り物が突然現れて信じられない…といった所ですかね。そりゃそうだ。

 織莉子とは対象的に、キリカは目をキラキラさせながら興奮してVTOL機をペタペタ触っています。

 この反応は…もしやキミ、エヴァを知っているな?

 昨日もガギエル初めて見た時興奮してたんじゃない?

 そして、沙々ですが……うん

 そんなモノには目もくれずにVTOL機の搭乗部に立っている事でガードが薄くなった私のスカートを覗き込んでます。

 キミは本当にブレないね(元凶)

 まぁキミをこんなにしてしまった事に負い目を感じてる部分もあるので指摘はせずに好きなだけ見せてやりますか…

 さて、残念ながらこれRTAなのでリアクションしている時間なんてロスでしかないんですよね。面白いんですけども。

 特に今から戦いに行く相手はとにかく耐久が凄いので時間がかかります。

 じゃけん、早く出発しましょうね。

 

 「さ、目的地までコレで行くわ。皆、ちゃんとシートベルトを締めて座りなさい。」

 「は!?ちょっ…暁美さん正気なの!?こんなので出ていったらご近所さんに迷惑どころか警察がくるわよ!?」

 「問題無いわ。光学ステルス迷彩に加えて認識阻害魔法も組み込んである。ダメ押しにアンチバリアの機構も備えてるから、たとえ相手がアメリカ軍でも魔法少女でもバレる心配は無いわ。」

 「アンチバリアって……このVTOL機もそうだけどほむらってアニメの世界にでも行けたりでもするの?」

 「確かに発想の元はそうだけれども、基本は全部私が開発したものよ」

 「えぇ……(困惑)」

 織莉子が遠い目をしていますが、こんなのはまだまだ序の口なんだよなぁ……

 さて、皆がシートベルトを締めたのを確認してから出発するようにしましょう(1敗)

 「キリカーーっ!!」

 「くふふふっwwキリカさーんw?大丈夫ですかーw?」

 いっつつつ……どうやらシートベルトをつけてなかったキリカが私の後頭部にダイブしてきたみたいですね。痛い…(涙目)

 「キリカ?そんなに落ち着けないのなら貴方には副操縦士を任せようかしら?」

 「ふへっ!?やるやるやる!!」

 そんなこんなでキリカに操縦方法を教えながらの出発になりましたが、許容範囲です。

 むしろ私が居なくても飛ばせるようになるのはうま味ですかね。

 それでは大海原に向けて出発(しゅっぱーつ)!!

 

 「そういえばほむらー。さっきから凄いスピードで海の上進んでるけどコレ何処に向かってるの?」

 「そうね。そろそろ行き先を教えてもらえるかしら?」

 出発からだいたい2〜3時間程経ちました。

 初めこそ自作VTOL機のインパクトに流されて乗ってくれたものの、

 そろそろ彼女達もおやつや携帯ゲーム機だけでは不安になってきたようです。

 まぁここまで来ればもう帰るなんて選択肢は消えたので教えてもいいでしょう。

 「あ、そういえば言ってなかったわね。南極よ」

 「そう…南極ね。

  え?南極??

 織莉子が信じられないような物を見る目でこっちを見てくる。

 うん。まぁそうなるよね。だから伝えずに乗せた訳だし。

 「そう、南極。」

 「ほ…ほむら……?このVTOL機に南極ってもしかして…」

 お、キミのような勘の良いガキは好きだよ。(話が早いから)

 「えぇ…おそらくキリカが考えてる通りであってるわ」

 「ハ…ハハ……嘘でしょ?」

 ギギギ…と壊れた機械のように首を動かしてこちらを見てくるキリカ

 「残念、本当です。」

 満面の笑みで答えてやりましょう。

 私の笑顔とかかなりレアだぞ?(自分で言うな)

 おっと、ソウルジェムが濁りそうですね。

 危ないなぁ(元凶)、ほい、浄化完了。

 「ちょっと!暁美さん!?南極ってどういう事よ!?

  キリカもキリカで何があったの?」

 織莉子はエヴァを知らないので話に付いてこれないようですね。

 仕方ないのでちゃんと説明しましょうか。

 「南極に行く理由は第1の魔女『ADAM』を捕獲する為よ」

 「うーわぁ……大丈夫だよね?セカンドインパクトとか起きないよね??」

 キリカがガッチガチ歯を鳴らして震えてる。

 大丈夫だいじょーぶ。よっぽどの事が無い限り起こらないから。

 

 お、ちょうど南極大陸が見えてきましたね。

 それではアダムを起こしましょうか。

 おっはよーございまーす

 「発射ァッ!!」

 「いや発射って何!?」

 後ろで織莉子がうるさいですが気にしない気にしない。

 躊躇なく対地攻撃ロケットランチャーのボタンを押しましょう。

 もちろん、対象はあの一際デカイ氷山の中の魔力反応だ!!

 

 ドドドドドッカーン

 

 燃える〜燃える〜氷山が燃える〜

 中から〜出てくるは〜光の巨人〜〜♪(作詞作曲:暁美ほむら)

 

 「さぁ、神殺しの時間よ」

 

☆★☆★☆★

 

《美国織莉子の日記より》

 

 正直に言うと、私は生きて帰れた今でもあのVTOL機に乗った事を後悔している。

 思えば暁美さんは最初からわざと目的地を伏せていた。

 初めに遠足だと言ったのも、わざわざあのVTOL機を中庭に置いたのも、全て私達の注意を他に惹きつける為。

 うーん…確かに今回の作戦は今後の為に必要だったとはいえ、やっぱり一言相談してほしかった。

 

 暁美さんがVTOL機からミサイルを撃ってから、私達は地面に降り立った。

 当たり前だが、広がっている光景はどこもかしこも雪、氷、吹雪、クレバス。

 

 と、言うことは無かった。

 いや、それどころか今まで見えていたハズの南極大陸すら無くなっていた。

 その代わりに見えたのは……毒々しい魔女結界と、その奥に佇む真っ白な光の巨人

 

 うん……うん?

 まぎれもなく、アレは魔女だった。

 暁美さんが「ちゃんと封印が解けたようね」とか呟いている。

 でも、明らかに魔女にしてはおかしい。

 勿論、魔女は総じて巨大な姿のモノが多い。中には2メートル程度のモノもいるにはいるが、10メートルを超える魔女はそれなりに多い。

 だが、アレはそんなレベルでは無い。大きいとか小さいとか、そんな低次元の話では無い。

 ()()()()()()()

 ひと目見ただけで体中が竦み上がるようだった。

 暁美さんの説明によるとアレが「第1の魔女『ADAM』」

 得意顔で説明する暁美さんの解説を要約すると、アレはとあるアニメ(新世紀エヴァンゲリオン)が大好きな魔法少女達が魔女になった姿らしい。

 元々のモチーフとしたモノが神のような存在だったのと、願いが組み合わさって強力な魔女へと成長してしまったとかなんとか。

 その性質は『永久機関』今後の計画に役立つので仲間にするとの事。

 沙々さんの洗脳魔法は、魔女相手に使う時は一度瀕死状態にまで持ち込まなくてはならないらしいので、第1の魔女と戦わなくてはいけなかった。

 キリカ曰く「ふざけんな!!生命の実もってるようなヤツに勝てるか!!」

 (ちなみに直後の沙々さんの会話から、暁美さんと戦った時の魔女もエヴァシリーズ(暁美さんがそう言っていた)の魔女らしい。)

 

 

 とにもかくにも、戦闘はこちらの先制攻撃でスタートした。

 私の『予知』、キリカの『速度低下』、沙々さんの『洗脳』による『統率の取れた魔女の軍隊』、そしてチートじみた暁美さんが最初から最後までフルスロットルで戦い続けたのだけれども、

 第1の魔女の凄まじい回復力と無尽蔵の体力、『A.T.フィールド』と呼ばれる特殊な結界(正式名称はAbsolute Terror Filedらしい。)に阻まれてしまい、私達と第1の魔女との攻防は三日三晩続いた。

 幸い、暁美さんが大量のグリーフシードを持ってきていたから魔力の枯渇の問題は無かったのと、沙々さんのガギエルのA.T.フィールドで第1の魔女のA.T.フィールドを中和出来たので攻撃は通ったのだが、だんだんと皆の体力は消耗していく一方。

 ついに蓄積した疲労によって沙々さんが倒れた時、苦々しく顔を歪めた暁美さんは「やってくれたわね……」と憎々しげに第1の魔女に対して呟くと

 私達にVTOL機の中に退避するよう指示して一人戦場に残った。

 なんとか気絶している沙々さんをキリカと二人がかりで引き上げ、キリカの操縦するVTOL機で空に避難した私達が備え付けられていた双眼鏡で下を見下ろすと、

 そこでは初めて会った時と同じ、魔法少女の戦いではありえないトンデモ風景が広がっていた。

 

 「これ下手したら死んじゃうからやりたくなかったのだけどね……

  1200年以上生きてても私は自分の仲間傷つけられて黙ってられるほど人間出来上がってないのよッ!!」

 

 そう言うと暁美さんは盾の中から二つの同じデザインの指輪を取り出して指に装着する。

 宙に浮くオーラを纏った不思議な魔法陣を3つ(青二つ赤一つ)描いたかと思うと、

 何をトチ狂ったか、いきなり肩と背中がさらけ出された青を基調とした奇妙な服に姿を変えた。

 早着替えだとかそういった類のモノではなく、アレはいつも彼女が行っている『調整』によるソウルジェムの改造。

 つまり、今の彼女はアレが魔法少女服なのだ。(後で聞いた話だと、『モード:シャノア』と言うらしい)

 さらけ出された背中は傷一つ無いキレイな肌だったものの、彼女が魔力をその腕と背中に這わせると紅い入れ墨のようなモノが浮かび上がり、これまた奇妙な魔法陣のようなものが出来上がった。

 そして、彼女は浮かんでいる魔法陣を(仕組みはわからないが)その背中の魔法陣に吸いこませる。

 

dominus angor

 

 次の瞬間、爆発でも起こったかのように彼女の魔力が強大なモノへと変貌していく。その魔力は濃密で、暴力的で、血の匂いがした。

 さながら、恐怖の大王の復活

 支配者たるモノにしか許されない圧倒的な力が、そこにあった。が、その力も代償無しでは使えないようで、身体中から断続的に血が吹き出ていた。

 暁美さんは何も持っていない両手を大きく振りかぶったかと思うと、そこから一瞬で超巨大な青紫色のビームサーベルを生成した。

 

UNION Gryph 「nitens.melior falx『Venus』」

 

 身体の何倍もあるビームサーベルを生成する魔力量や技術も大概オカシイのだが、何よりワケがわからなかったのはそんなバカでかい武器をまるでプラスチックバットのように振り回す膂力。(もちろん魔力で補正しているのだろうけど)

 一撃一撃がATフィールドを切り裂き、魔女の四肢を切断していく

 頭部だけになった頃に沙々さんが目を覚ましたが、魔法を使えそうに無いので暁美さんに(備え付けられていたスピーカーから)相談すると、病み上がりの沙々さんの負担を減らすため私達の二人の魔力を沙々さんに繋げて3人の力で洗脳魔法を使うという解決方法を教えてもらい、私とキリカの力を最大まで使い果たしてようやく第1の魔女を洗脳する事が出来た。

 その後の事はよくわからない。

 暁美さんによるとそのまま私達3人は気を失ったらしいので、暁美さんの魔法によって家まで転送されてそのまま布団に寝かせられていたらしい。

 結局、起きたのは既に深夜だった。

 

 ふぅ……

 まさか日記を書き始めて二回目で一気に三日分溜め込むことになるとは……

 三日分も一気に書くって案外疲れるものね。

 これからはこんな事が起きないように朝一番でその日の予定を聞くことにしよう。

 

 

 

 

*1
戦闘中の『予知』がある以上、柔軟性が非常に大事になってくるので作戦はシンプルなモノにならざるを得ない

*2
本人は隠しているつもりだったのだろうが、バレバレだった。

*3
取り敢えず何をするにもまずは戦力が必要だから、強い魔女を仲間にする




 いや、本当にすみませんでしたァッ!!!!!
 痛ッ…痛い痛い。石投げないでください!

 いや、本当にすみませんでした
 皆さんが言いたい事はわかります
 自分でもまさか一体ずつエヴァシリーズの魔女との戦いを描くつもりは無かったんです
 でも、どうしても私の中の世界に住んでいるほむほむと織莉子達が暴走しちゃって、エヴァシリーズとの戦い一体一体に全部ドラマが生まれてしまったんです
 勿論、こんな事をしていたら『アリナレコード』なのにアリナ編の投稿が遅れることは自明の理ですが、必要になっちゃった以上しょうがない事だったんです。
 なのでここから第18の魔女までずっとほむら編になります(もうほむらレコードなんだが……)
 皆様には私のワガママで多大な迷惑をおかけしてしまう事を深くお詫び申し上げます。

 本当にすみませんでしたァッ!!!(作者渾身の土下座)





暁美ほむら
・前回時を止めてどうにか落ち着いたつもりだったが、全然そんな事は無かった
・スマブラは基本どのキャラも使えるが、持ちキャラを選ぶとしたら「スネーク」
 眼鏡ほむらの時代に爆弾の扱いをスマブラで練習したとの事
 なお、本家MGSは完全ステルスプレイも虐殺スーパープレイもお手の物
調整屋(ピュエラケア)の技術を”見て盗んだ”ヤベー奴
 それも比較的早い段階(大体400歳位の頃)だったので、本家本元を遥かに凌ぐ精度に成長している
 一応、『魔法少女』としてのほむらは時間停止と時間遡行と盾の中の収納以外の魔法は使えないので、調整屋をやる資格はあったりする。
 ただし、『研究者』としてのほむらは別(あんなんほぼチーターだよ…)
・眠ってる人に笑顔で催涙スモークグレネードランチャー(無反動砲ver.)をぶっ放すド畜生
・個人で軍に配備されている物の数十倍の性能のVTOL機を一日で建造可能
 マジキチ技術力
 魔術系統も組み込んであるので対魔法少女、対魔女でも戦える
 ほむらからするとこんなのはまだまだ序の口らしい
 これがこの小説のほむらなんです。
・氷山にブチ込んだ対地攻撃ロケットランチャーは勿論魔法が込められている特別製
・なんかよくわからんが沙々が倒れた姿を見せられたら一瞬で頭に血が上った。(ニヤニヤ)
・『モード:シャノア』
 「悪魔城ドラキュラ奪われた刻印」というゲームの主人公シャノアを模した姿
 グリフと呼ばれる超魔術を扱う事に特化した服装
 グリフは身体に刻み込んだ魔法陣から出すため、魔法陣がある背中や腕は露出しなければ上手く発動出来ない…という公式の設定があります。だから、着替える必要があったんですね。
 装備した指輪は『デスリング』
 各ステータスを超上昇させるかわりに一撃でも攻撃をもらうと即死する装備
 それに追加で各ステータスを超絶上昇させるかわりに一定時間毎に割合ダメージを受け続ける「ドミナスアンゴル」を装備して更にステータスを底上げし、
「メリオファルクス」と「ニテンス」の合成印術(ユニオングリフ)「ヴェヌス」を打ち込む
 RTAでよく使われる「たぶんこれが一番早いと思います」の方法
 ラスボスのドラキュラとかも通常プレイだろうがなんだろうが、この方法を使えば大体数秒でケリがつくバケモン火力
 ちまたでは悪魔城シリーズの中で最強の火力だとかなんだとか……
 (作者は奪われた刻印しかやったことが無いのでわから)ないです。


美国織莉子
・今回も被害者
・アダム戦では予知をリアルタイムで全員にテレパシーで送って共有していた為、結構消耗していた
・新約おりこ☆マギカの「キリカの家に行ってゲームやってて織莉子のコントローラーが抜けたシーン」が好き
 そのシーンのためだけにゲームキューブを持ち出してきたが、諸々の都合でダイジェストになってしまった(これ以上文字数を増やせるか!バカモン!!)



呉キリカ
・エヴァ好きとか言う謎設定が生えてしまったが、感想欄で好評なのでその方針で行こうと思う
・VTOL機の操縦を憶えた(と言っても、コレはトンデモほむら製だから操縦も超簡単)
・アダム戦ではほむらに次ぐメインアタッカーとして頑張ってくれたが、結果としてダイジェストになってしまった。
・次はキリカ回なので許してほしい……


優木沙々
・いつのまにか割とほむらに大事にされていた
・ほむらのパンツも堪能できたしコイツが優勝では?
・ただ、気を抜くとずっとほむらと織莉子とキリカが喋ってて一人だけ空気になりかねないので作者の技能が問われる
・案の定、今回もほぼ空気になってしまった……捕獲に絶対必要なキーパーソンのハズなんだけどなぁ困ったなぁ
・最期の3人の力をあわせた洗脳魔法はコネクトの応用みたいなモノ



第1の魔女「ADAM」
・自ら南極の氷山の中に封印されている魔女
 別に封印の解除に人の遺伝子をうちこまなくても良いようになっている
・生前は有名財閥のお嬢様で生徒会長、エヴァ魔法少女グループのリーダーをしていた
・常に完璧であれという教えに従い生きてきた為、非常に堅物な少女だったらしい
・どうしてエヴァにハマったのかはチームメンバーからも謎なんだとか
・固有魔法は『永久機関』
 この魔法は「S2機関」を再現したもので、エヴァの作中通り無限のエネルギーを生み出すトンデモ魔法
 最初にこんなモノを手に入れてしまったらただでさえトンデモチート技術のほむらが一体どうなってしまうのやら……
・ちなみに硬化ベークライトで固められてた胎児状態になる事も出来るけどやるメリットがあんまりなかったり…
 せいぜいがゲンドウごっこの遊びに使える程度かな?
・タブリスとは存在からして別人

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