(旧)アリナレコード〜光と闇の小夜曲〜 作:選ばれざるオタクⅡ
今回、人が死にます
グロ耐性が無い方は覚悟の準備をしておいてください
……まぁ、私が未熟なせいで思ったよりも凄惨に描写する事が出来ませんでしたから
もしかしたら、ハーメルンで見慣れている読者の皆様方からすると物足りないかもしれませんね
食べるの大好き様、誤字報告ありがとうございます!
★☆★☆★☆
〜3月11日 午後13:45〜
風見野市 中央街
とある街中のショッピングモール、駐車場へと向かう人気のない連絡通路に複数の足音が響く
発生源を探せばとある親子……両親と幼い少女である事がすぐにわかるだろう。
緑色のツインテールを揺らす少女は両手で両親と手を繋いでおり、とても仲睦まじい様子に見える。
しかし、それにしてはどうにも両親の表情がぎこちない。
まるでなにかを嫌々させられているのを顔に出さないように抑えているかのような表情だ。
少女のほうも少女のほうでその笑顔はわずかに引きつっている。
だが、そんな多少の違和感なんてものは道行く無関係の人からみると大差ない違いである。
危険なサインには全く気づかずに微笑ましい親子を見たと勘違いしたまま通り過ぎる事だろう。
他人というモノは得てしてそういうものなのだ。
外側から入ってくる情報の中から自分に都合の良いコトしか見ないし、見えない。
故に少女の助けを求める瞳や、その両親から漂う
だから、決して気づけていない何も知らない通りがかりの一般人達の事はどうか責めないで欲しい。
知らなければ彼らの良心が痛むこともないのだから。
この少女、「千歳ゆま」は既に小学5年生である。
年齢に見合わず身長は130cm、明らかに小学校低学年程の身長しかない。此処ではない別の世界の千歳ゆまは本当に低学年だと間違われた事がある。
それは生まれつきそういう体質なのか、それとも別の理由があるのか……いや、この痩せ具合から見て明らかに栄養失調のせいであろう。
きれいな緑色を少したツインテールだが、その裏の額には痛々しいタバコの火傷痕が残っている。
今更このご時世で根性焼きとでも言うのだろうか?それに、ロクに処理もされていない。
もちろん、この怪我については両親も知っている。
いや、無関心な父親は知らないかもしれないが、少なくとも母親は知っているハズだ。
明らかなる虐待である。
児童相談所に連絡させてもらいますね。
だが、それは出来ない。
この母親は児童相談所に通報された場合、自棄になって娘に当たり散らす。
万年栄養失調気味の非力な少女の身体では母親が取り押さえられる前に命を散らしてしまうだろう。
母親の風上に置けないどころか、母親ですらない正真正銘のクズである。
虐待するようになったのは何か理由があったのだろうと思われる方も多いだろう。
事実、母親が虐待を始めたのには理由がある。
少女の父親は不倫をしていた。
母親にとってそれは信じられないことであり、許せない事だった。
日々父親と不倫の事を追求する母親。しかし、父親は「自分は悪くない」といった姿勢を全く崩さない。
話はいつまでも平行線を辿り、それによって溜まったストレスを父親は不倫を繰り返す事で発散した。
当然、更に怒る母親。いくら言っても話が通じない父親に父親の比では無い量のストレスが母親に溜まっていく。
しかし、母親は専業主婦。日々の大半を変わり映えのしない家で暮らすのだ。父親のように新たな出会いがあるわけでもないし、そもそも不倫という行為そのものに嫌悪感…いや、一種のトラウマのようなモノを持ってしまった母親は自分も不倫をして意趣返しをすることもせず、また相談できるような相手を見つけることも出来なかった。
そんな母親がストレスのはけ口に選んだのが最も身近に居た少女だった……という
クッソ胸糞悪い話である。
現にこの夫婦は未だに会話をしていない。
だが、民生委員の方から娘の事で自宅訪問が行われた以上、近所に虐待を行っていないと示さなければならない。
両親と手を繋いだ少女は、一見すれば中の良い3人家族に見えるだろう。
しかし少女からすれば繋がれた手は自らを繋ぎ止める手錠でしかない。
脱走を阻止する為の拘束具でしか無い。
命令されたから必死に笑顔を保っているが、恐怖の元凶の元で笑顔をつくるというのはどれほど辛い事だろうか。
だが、少女はお出かけが好きだった。
自分が笑っていれば外では両親は喧嘩をしないのだから。
自分が笑ってさえいれば何も痛い事をされないから。
そんな親子を見つめる影が一つ。
腰まで届く長い黒髪に、肩が出てる黒のセーター、膝上5センチ程の黒のスカート、黒のタイツ、黒のブーツ、黒の肩掛けバッグ、サングラス、真っ黒なマスク……という、上から下まで真っ黒のコーディネート。
誰が見ても明らかな不審者である。
そんな不審者が延々と親子の後ろを一定の距離を空けてつけているのだ。
なんとわかりやすい事に壁や柱の影に身を隠しながら…である。
おまわりさん、コイツです。
しかしそんな真っ黒な
周りの客も気づかない。
いや、気づけない。
昨日、隣町でこの街の少女達が死んでしまった以上この街には彼女に気づける存在はいない……
いや、一人いた。
つい先程この街に辿り着いた赤髪の少女。
だが、
駅前からここまではそう離れていない。
いずれ彼女は誘われたようにこの場所に来るだろう。彼女の今最も欲しているモノを手に入れるために。
はいよ、暁美ほむら3号(仮)だ。
日頃から恨んでいる
私の仕事は『千歳ゆまの契約の確認と補佐』そして『佐倉杏子との接触』だな。
織莉子のヤツが魔法少女になっている以上、千歳ゆまの情報が
今は神浜関連の調査及び各地の魔女不足の対処の為に数いる個体の内の大部分を投入しているらしいから元々魔女の数が多かった見滝原、風見野周辺にはこの一体しかいない。
だから千歳ゆまにはさっさと契約してもらわないと、総合戦力も増えないし、ゆまが居ないとこの先不安定な部分が増えるし、アイツが来ないからまどかが契約出来ないし、ついでにさやかも契約できないし………
ハッキリ言って今のこの状況は私達「暁美ほむら」にとって百害あって一利無しなんだ。
だから、本当はクッソ嫌だけど
はぁ……帰りたい
黒の少女は脳内で誰かに喋りかけながら…いや、喋りかけている訳ではない。
ただ記録ログに書き込んでいるだけだ。後で自らの主人が1つの物語にまとめる際にわかりやすいように。
実は私は他の分体とは違って、本体から現状たった1つしかない魔力コンデンサーを渡されている。
入ってるのは普通の魔法少女と同等程度の魔力だけ。限界ギリギリフルチャージでコレだ。
まぁ
必要以上に興味を持たれて粘着されたらこの先困るからな。
窓の外に白い謎の動物が現れる。
ソイツは黒の少女とアイコンタクトを取ると、頷いてどこかへ跳んでいってしまった。
その間、少女は能面のように顔を変化させていなかったが(そもそもグラサンとマスクで隠されている)内心ではずっと眉間に力が入っていた。
それほどインキュベーターは彼女達にとって憎むべき存在なのだ。
だが、協力体制をとる以上「暁美ほむら」の固有魔法についても自ら開示している。
いやバカ正直に真実は話さないぞ?「分体」をさも固有魔法かのように話しただけだ。
どうせコイツらは意識を共有してる群体生物なんだ。どこかで二人以上の「暁美ほむら」が同時に観測されたらすぐにバレる。
なら、逆にコチラから信頼の証()としてさっさと開示した方がよっぽどガバしなければ「時間操作」にたどり着かれないからうま
「私は別の平行世界からこの世界に飛ばされてきた」
ただし、
ついでにこれが終わったら見滝原に住むことと、見滝原に
フへッ…本当にコイツは操りやすいな。人間とは違って感情を持たず、合理的判断でしか行動しないから余計にわかりやすい。
――どうしてボクに協力するんだい?――って聞かれたが、「千歳ゆまも鹿目まどかも美樹さやかも佐倉杏子も、向こうの世界で共に戦った戦友だから」って返した。間違ってはない。
あ?戦友なら魔法少女にするなって?
もう私達がこの時間軸に辿り着いた時点で魔法少女になる運命に固定されてるからなぁ……知らん所でヘンな願いで契約されて
窓の外の白い謎の動物……インキュベーターが去って数分後、目の前の親子含む世界がぐにゃりとネジ曲がり、イバラと花が支配する摩訶不思議な空間へと変貌した。
決して離さないように手を繋いでいた手はこの空間の歪みの前ではあまりにも無力
親子三人はバラバラに分断されてしまった。
おっと、そんなこんなで千歳ゆまの両親が魔女に襲われてるな。ヘッ……いい気味だ。
コイツらは自分たちがうまく行かないのを娘に八つ当たりして、それを黙って見ていたクソ野郎どもだからな。助ける価値なんてあるわけがねぇ
母親はイバラによって作られた四方八方を4メートル程の高さの壁で囲まれた小部屋の中で目を覚ました。
「……んっ・・・・・・うん?……はぁ!?な、……何よここ!!なんなのよ!!ちょ、冗談じゃないわ!」
母親は突然の出来事に理解が及ばずにヒステリックに叫んでいる。いや、コイツの場合いつもヒステリックか。
ガリガリと頭を掻きむしり辺りを見回す。
「しかも少しずつ狭くなってるじゃない!!」
このイバラの壁にぐちゃりと潰された自分の姿が頭の中に投影された母親は、なんとか逃げる為に壁の上に届かないかと助走をつけてジャンプをする。
だが、ヒールを履いた専業主婦に4メートルを越える跳躍など出来るはずもなく、棘だらけの壁に身体を叩きつける。
見たところイバラの棘は若いサボテンの棘のように柔らかく、母親も危険は無いと判断した為ジャンプを試したのだ。
しかし、この世界では現実の常識は通用しない。
壁のイバラの棘は母親が叩きつけられた瞬間―――
ザシュッ
「ガ………あ?」
―――硬く、鋭く、そして長く、変化する。
熟練の鍛冶職人が手掛けたレイピアの切っ先のような細さ、切れ味、頑強さを兼ね備えた一本の棘。専業主婦の身体程度ならば容易く貫ける。
真正面から身体を叩きつけたのだ。針が飛び出せばあっさりと心臓や肺、大動脈、はたまた目からの脳みそを貫いて即死なんて未来は想像に難くない。
しかし、イバラはあえてそれをしなかった。
母親が感じたのは皮肉にも
イバラから飛び出した棘は今も帝王切開の後が残る下腹部を貫いていた。
さらに、イバラの棘は先程までの滑らかな形状から一転、約5センチ程の凶悪な返しが棘の表面に生成されガッチリと咥え込む。
人間の身体がそんな一点で支えられるわけがない。
しかも貫かれたのは下腹部だ。その上には約1キロの重さを誇る肝臓や他の臓器、さらには頭蓋骨と脳などが存在しており、明らかに下半身との重量が釣り合わない。
次の瞬間、一部の直径10センチもあるイバラが触手のように動き出し、母親の腰を横から強打した。身体の回転と共に天地が逆転する。
下腹部に突き刺さっている棘を基点に半回転させられたのだ。当然棘の表面についている返しが下腹部の組織をズタズタに傷つける。
「ギャああアァあああああ嗚呼嗚呼嗚呼あぁぁああaAAaaaaaああああぁアァ嗚呼アァ!!」
ここまで約1秒の出来事。
母親の人生で経験したことのない壮絶な痛みが下腹部で発生し神経を伝って脳へと信号を送る。
いや、本当に経験したことはないのだろうか?
確かに下腹部を突き刺されそこを起点に半回転させられることなんて普通に生きていたらありえないが、その痛みの発生位置は経験があるはずである。
まぁだからといって慣れているわけでもないし、出産の痛みは慣れる事が出来るよううな生っちょろいモノでは無いだろう。
少なくとも男性が耐えられない痛みだという話はよく聞く。
でも、女性全員が耐えられるわけじゃないし、誰だって積極的に痛みだけを与えられたいとは思わないだろう。実際にこの母親はゆまを産んだ際に「もう出産は懲り懲りだ」と言っている。
だからだろうか?
母親の脳裏に当時の光景が再生される。
今は見る影もない、まだ優しかった夫と共に子供の名前を考えた日々。
夫の名前……「
男の子なら「さくま」、女の子なら「ゆま」
わざと漢字は当てなかった。夫には「ひらがなの方が可愛いから」と言ったが、本当は自分の漢字がキライだったから。
そして妊娠、陣痛、出産の痛みを耐え抜いた後の、生まれてきた我が子を抱いて胸の中に希望が満ち溢れたあの頃。
思えば、どこからこの道が狂ってしまったのだろうか?
夫が初めて浮気をしてきた時だろうか、
いや、違う。そのときには既に夫婦の仲は冷めきっていた。
それじゃあ夫の不注意で幼稚園の保護者会の日程を間違えて大喧嘩をしたときだろうか?
それとも夫が昇進して帰りが遅くなってから?
もっと前からでは……それこそ、ゆまが生まれてすぐの授乳期間。
夜泣きでほとんど眠る事が出来ない自分の隣でぐっすりと眠り微動だにしない夫
その時に抱いた失望こそが、全ての始まりだったのではないだろうか?
あぁ、あの頃に戻れたら。選択を間違っていなければ。
しかし、今となってはどうしようもない。考えることすら意味のない夢想である。
それは、走馬灯だったのだろうか。
気がついたら母親……「千歳眞子」は逆さに吊り下げられた状態で気を失っていた。
未だジクジクと下腹部の痛みは収まらないが、再起動したおかげか、もしくは夢想をしたおかげか、頭の中はスッキリと晴れ渡っていた。
「………ゆ、…ま」
口から娘の名前が零れ落ちる。
まだ幸せだった頃に夫と考えた我が子の名前。
思えばこれまで何度もこの名を呼んできたが、笑いながらこの名を呼んだことは何回あっただろうか。
そうか、この痛みはきっと今までの罰なのだ。今までの罪を認めて、償って、ゆまに許してもらえたら、この痛みから救われるんだ。
そうに違いない。なんせゆまは私の子供なんだ。子供なんだから親を助けるのも当たり前のはずだ。
なら、まずはゆまを探そう。そのためにはここから動かなくてはいけない。
棘から身体を抜くために目の前のイバラの壁を腕で突き放すように押し出す。
返しによってすぐには引き抜けないが火事場の馬鹿力によって回転した時を越える激痛が走るが、返しが食い込んでいる体組織ごと引きちぎる。
数分、数十分、それ以上か?
詳しい時間はわからないが、しばらくの後に眞子の身体は下腹部周辺を犠牲に棘から抜け、自らの血溜まりに頭から落ちた。
さほど高い位置から落ちた訳では無いが、鼻を打ち付け骨折したせいで顔面は酷い有様になっている。
眞子は痛みに耐えながら立ち上がろうとするが、下半身の感覚が無い。
さっきまで突き刺されていたイバラの棘の返しは眞子の想定よりも遥かに下半身を傷つけていたようだ。
いや、そもそもこんな状態で意識を保って動ける方がおかしい。
それはひとえにここが魔女結界だからだろうか?
しばらく必死に動こうとしていた眞子だが、どうにも全く動けない下半身が邪魔で腕の力で這いずるにしても動きづらいことこの上ない。
どうしたものか、とアドレナリンをキメている脳みそで考えていると、傷跡の中に光るモノを見つけた。
痛みを堪えてその光るものを引き抜くと、5センチ程度の刃渡りの刃、棘の返しとしてついていたモノだ。
現状、下半身が邪魔にしかならないのならば、置いていくしか無い。
「うっ・・・・・・グァァッ……
い……や、…ま…だま……だァッ!!
ハァ…ハァ……、絶対、死んで……やる、、もんですか……!」
ゴリッ………ヌチャッ………
汗と血と肉の油で刃を握る手が滑る。
股関節が堅くて思うように断ち切れない。
いくら火事場の馬鹿力があるとはいえ、かぼちゃを切る時みたいに全身の力を使えないのがこの作業を長引かせている。
その間も傷は塞がっていないのだ。血溜まりはどんどんその嵩を増やしていく。
どう見ても1リットル以上血が出ているというのに出血性ショックで気絶していない。
魔女結界の中という異常な環境の中だとしても流石に異常すぎる。もはや人間の限界を超越し過ぎだろう。
ようやく下半身を切り離した眞子は腕二本で器用にも前に進んでいく。
いつの間にかイバラの壁の一部は消えており、その先に新たな空間が出来ていた。
それは、新たな死地へと誘う悪魔の罠か。それとも、眞子の覚悟に魔女が称賛を示したのか……
どちらだとしても、眞子には前に進むしか道は無かった。
ほとんど死にかけなのだ。もう、何も怖いことは無い。
その先で眞子は夫の死体を発見した。
とてつもない力で強引にねじ切られた身体は6つにバラバラにされており、その虚ろな目がコチラを眺めている。
普段の眞子ならば発狂するような光景だろう。もしくはザマアミロとでも思うだろうか?
だが今の彼女の心はピクリとも動かなかった。
あぁ、死んだのね。ご愁傷さま
その程度の、なんとも思っていないような反応。
それよりも、だ。
この空間に巻き込まれる前に一緒だった夫の死体がここにあるのだ。
なら、ゆまもこの近くにいる可能性が高い。
眞子は何事もなかったかのようにまた娘を探して身体を2つの腕で持ち上げ前に進む。
…………その背後から化け物が迫っているとも知らずに
★☆★☆★☆
数分の気絶から幼い少女が目を覚ました。
「すごーい
ヘンなお花が咲いてるー」
幼い少女は今まで見たことのない幻想的な光景にしばし呆然と立ち尽くす。
これは何なのだろう?不思議の国のアリスのように別の世界へと迷い込んでしまったのだろうか?
無防備なその姿はいかにも襲ってくださいと言っているようなものだが、周りのイバラはピクリとも動かない。
これ以上考えても何もわからない事から少女はこの世界の事を一旦頭の隅に置いておくと、とある事を思い出した。
「パパとママはどこだろ…」
気絶する前、確かに一緒に歩いていたハズの両親。
日常的に少女に虐待を行ってきた両親だが、こう何も頼れるもののない世界にいきなり放り出されたとなればいささか寂しくなり、つい助けを求めてしまう。
幼い少女が両親を探すため歩き出したその時、ズルリとなにかが落ちた音がした。
「ママ?」
視界の端に写った長い髪から母親だと判断する少女。
たしかにその判断は正しい。しかし、もうそこには少女が知っている母親の姿は無かった。
「ひはっ
ひ…ひぃいたい
たす…け……」
鼻の骨は折れ、右目は抉り取られ、顎は外れ、至る所を血で濡らしている亡霊の如き双眸
上半身だけになって無様に助けを求めるその姿はいつかのテレビで見たゾンビそのものだった。
母親……いや、千歳眞子は……いや、もはや彼女は千歳眞子でも無い。
ただの少し意識が残っている程度のゾンビに過ぎないのだ。
這いずり、手をのばす。
もう少し、あともう少し。
少女は後ずさる。当然だ。この手に掴まったら自分もこうなる。本能的にそう感じた。
だから逃げた。
母親はまた這いずり、手をのばす。
先程よりも近くなった。
少女は恐怖で動かない足でなんとか後ろに下がる。
あと一歩…あと一歩で娘に手が届く。
しかし背後から太いイバラが残った上半身の切断面に突き刺さる。
「う…ぐぅ………」
もうゾンビには叫ぶだけの体力も残っていない。
そのまま突き刺されたイバラによって後ろへと引き戻され化け物によって身体の内側にイバラを送り込まれる。
どんどんと膨らんでいく身体。
そして、皮が耐えきれなくなり、ビリビリに引き裂かれ中に入っていた血が飛沫となって飛び散った。
大きな目玉の化け物は母親だったモノをあらかた破壊しつくすと、幼い少女を一瞥する。
目の前で自らの母親を殺した化け物に睨まれ、何も出来なくなる少女。
しかし、化け物は面白くなさそうにぷい、と横を向くと
奥へと進んでいった。
後に残された少女は、逃げることも、泣くことも出来ず、ただ瞳を開いて目の前の血溜まりを見つめ続けるしかなかった。
☆★☆★☆★
その様子を一人、常人では見えない程の上空から見ていた存在がいた。
お、父親に続いて母親の方もやられたか
どうだ? 痛いか? 苦しいか? 怖いか? 恐ろしいか?
だがなぁ、お前はこれ以上の恐怖をゆまに対して毎日のように浴びせてきたんだぞ?
本来なら安心できる場所であるべき自宅がッ!
絶対安全であるべき両親の膝下がァッ!!
テメェらは自分勝手な責任転嫁でそれらをゆまから奪い続けていたんだぞ!?
そんなテメェらが今更助けてくれだぁ?
バカも休み休み言いやがれッ!!
テメェらがやってきた事は明るみに出れば確実に社会の制裁を受けていただろう。
だが、私は寛大だからな。そんな罰からテメェらを逃してやったわけだ。
勿論、行き先は地獄だがなぁッ!!
………無事、最大限の苦しみを味わいながら事切れてくれた。
工事……完了だ(穢れの無い澄み切った瞳)
さてと、あとは他のショッピングモールの客に被害が出る前にサクッと雑魚掃除しておくかな
全てを見届けた黒の少女――暁美ほむら3号(仮)は、スッキリした顔で頭の中に書き込むとブレザーのような魔法少女衣装に変身し、左腕についている小型の盾から
そうして幼い少女を置いたまま3号はこの魔女結界の浅い層へと移動していった。
走り、探知し、襲われている利用客を助け出し、無事を確認したら忘却剤を注入してまた走る。
彼女は赤の少女……佐倉杏子が来るまで出来るだけこの魔女結界を維持しながら被害者を少なくする必要がある。
そのためには一般魔法少女並の魔力しか入っていない魔力コンデンサを節約しつつ行動する必要があったため、一発で結界ごと壊せるような暁美ほむら本来の超高火力魔術は使えず、仕方なく歩兵スタイルでちまちま掃除していくしかなかった。
だが、幸いインキュベーターからの連絡で佐倉杏子がここ周囲に来ている事はわかっている。
あとは、ひたすら耐えて耐えて耐え忍ぶだけだ。
☆★☆★☆★
「風見野〜風見野〜落とし物、お忘れ物にご注意ください〜」
路面バスから降りて伸びをする赤髪の少女
彼女の名前は佐倉杏子
つい先日、師匠と呼べる存在と仲違いし見滝原を去る事になった魔法少女である。
「しっかし、やっぱりこの街にも魔女の気配はねぇな〜」
一通り辺りを見渡すと彼女は焼き鳥の串を咥えながら一人愚痴る。
「大体、見滝原自体がここら一体でトンデモナイ穴場スポットだったはずだ。
それであの状態なんだから他はもっと悲惨なのは、まぁわかってたんだけれどねぇ」
最期に見た時は相当に参っていた師匠を思い出す。あの様子でグリーフシード不足の中やっていけるのか……
いやいや、そんな事アタシは知らねぇ。
マミのヤツがどうなろうと関係ねぇ。
アタシはアタシの為に生きるんだ。
とりあえず、魔女は人が多い場所に集まる。
まずはここらへん食べ歩きしながら気楽に探していくか
「おっちゃん!コロッケ6つ!」 「あい、まいどありぃ!」
コロッケ片手に街を歩いていると、まぁ、大体の事がわかる。
ここらへんはどんな店が並んでいるかとか、どんな奴らが歩いてるかとか、路地裏にはどのぐらいゴミが落ちてるかとか
そういう気にも止めないような情報から、魔女が近くにいるかどうかがわかったりする。
一口に治安が悪いって言っても魔女による治安の悪さと素の治安の悪さは違うんだ。そこらへんを見極められねぇと、魔法少女としては半人前だろうな。
ちょうどコロッケを全て食べ終えたころ、魔女の魔力を感知した。
場所はおそらく目の前の大きなショッピングモール
全体から魔力を感じる以上、余程の大物だって事がわかる。
「ヒヒッ、こりゃあ随分ツイてるんじゃーねーの?」
コロッケの包み紙をクシャリと潰すと親指で弾いて前に飛ばす。
それと同時に走ってショッピングモールの自動ドアを開け、結界に巻き込まれると同時に身体は宙を舞った。
目の前にはさっきとばした包み紙が同じようにふわふわと舞っている。
くるくると縦回転で落ちていきながら頭の中をカチリと戦闘に切り替えると、一度着ていた服は魔力の粒へと変わり炎へと変換される。
包み紙を燃やしながらその炎は身体へと纏わりついていき、赤いチャイナドレスのような魔法少女衣装へと変貌する。
相棒であるいつもの槍を生成して着地をキレイに決めると、あたりにいる使い魔を蹴散らしながら禍々しい魔力の方へと駆けていった。
★☆★☆★☆
お、ついに杏子のヤツが来たか。ったく、遅すぎるんだよ
あらかた使い魔を自衛隊基地から奪ってきた89式5.56mm小銃で片付けていた3号。
もちろんそのままでも使い魔や魔女は攻撃できるが、彼女のは暁美印の改造済みだ。
必要最低限の魔力を流すだけで通常の約50倍もの威力を叩き出す魔法弾を打ち出す特別製。
弾数は魔力が尽きるまで。リロードの必要はない。
接近戦の時は内部に折りたたまれて収納されている銃剣が飛び出す。魔力でエンチャントされてるので折れないし大体なんでも斬れ、さらに追加で魔力を流すことにより形状変化可能。
そんなバケモノ突撃銃で視界に入る全ての使い魔を一撃で粉砕していた。
いくらグリーフシードのストックが前の時間軸からの引き継ぎのおかげでたくさんあると言っても、流石にずっと同じ作業を繰り返していると飽きてくる。
そこに待ち望んでいた佐倉杏子の登場だ。
今、3号にはあまりの精神的疲労で杏子の事が女神様に見えている。アンタ達の女神様は別人だろ。
魔力反応を見るに、どうやら今まで一部の使い魔を誘導して作っていたモンスターハウスへと向かってくれているようだ。
その数は一般的な魔女結界内部にいる使い魔全て集約してもまだ足りないほど。いくら杏子でも多すぎて苦戦するハズの数だ。
さっさと合流して、共闘して、ゆまを回収して、ワルプルの情報教えて、グリーフシードでも報酬に出して協定を結んで、あとは帰って風呂に入る!
そのための、最期のひと踏ん張りだ。いっちょ頑張りますか。
3号は杏子の魔力反応へ向かって走っていった。
☆★☆★☆★
「チッ…たくぅ………」
使い魔を屠りながら愚痴をこぼす佐倉杏子
「いくら……ッ」
槍の一振りで目の前の軍勢に扇形の穴が生まれる。
「なんでも……ッ!」
後ろから迫ってきた使い魔を魔力結界の盾でせき止める。
「多すぎじゃねぇかぁッ!?」
体制を整えるとすぐに結界を解除し、雪崩込んできた使い魔をたたっ斬る。
それでも見渡す限り使い魔使い魔使い魔使い魔
数えるのも億劫になるほどに群がり蠢く使い魔の大群
幸い、一匹一匹は大した事が無いのだがどうにも数が多すぎて突破する事も全ての攻撃をガードする事も出来ない。
そして大部屋の真ん中ほどに誘導されたせいで撤退もままならない。
このままではイタズラに体力を消費していってジリ貧になる。
そんな最悪の想像が頭に浮かび、冷や汗が垂れる。
「チッ……こんなところで死ぬのなんてゴメンだね!」
使い魔はイバラの塊みたいなやつが多い。
幸い、毒などは無いのだがチリのようなダメージも積もれば再起不能になる。
どうにかして撤退の道を作らなくては……
頭の中で何か良い案は無いか考えながら目の前の使い魔を斬る。
そのとき、ゾクリと嫌な感覚が全身に走る。
戦闘に特化した魔法少女としての機関、生存に特化した人間としての機関、そのどちらもが警鐘をガンガン打ち鳴らす。
咄嗟に頭だけでもその方向に向けると、すぐ目の前で新種の使い魔が今にもその鋭い
もう既に槍は振り抜いてしまっている。ここから強引に引いたところでコイツの牙が首に届く方が早い。
(まっず!)
頭の中で悪態をつくも、もう遅い。新種の使い魔はその首…そして首元で輝く真紅のソウルジェムに向かってその牙を振り下ろし……
たった1つの轟音と共に使い魔に大穴がその牙ごと大穴を開けられ、ぐちゃりと汚い床のシミへと成り果てた。
驚きながらも既に振り抜いていた槍で前方にいた使い魔を薙ぎ払い即席の空白地帯を作り出すとすぐに音のした方を伺う。
それはこの大部屋にいくつか立っている用途不明の柱のような物の上にいた。
身の丈程あるスナイパーライフルを構えている黒髪の魔法少女
彼女は左腕の小型ラウンドシールドにそのスナイパーライフルをしまうと中から小型の重火器を二丁取り出すと空中へと身を躍らせた。
「なんだぁ…?アイt『ドゴォンドゴバゴドッカーーン』
しかしその呟きは次々と巻き起こる轟音によって遮られた。
視線を周囲に走らせると至るところの使い魔が複数まとめて吹っ飛ばされている。
どうやら、あの銃身が太い拳銃のような火器はグレネードランチャーのようだ。
しかし、その弾速は先程のスナイパーライフルと遜色なく、また威力も申し分ない。
使い魔の軍勢を全滅させる程では無いが、跳躍から着地までのたった数秒の間に杏子の周り十数メートルの使い魔は綺麗サッパリ消えてしまった。
黒髪をバサリとひるがえし杏子の隣に着地した彼女は武器を変えながら提案する。
「苦戦してるようね。一時共闘と行きましょう?」
「あぁん?誰だか知らねぇが先に見つけた以上、獲物はアタシのだぞ」
競争ならまだしも、魔法少女が共闘とか笑わせやがる。
確かにちょっとヤバかったのは事実だが魔女から手に入るグリーフシードが1つだけな以上、アタシは譲るつもりはない。
キッと睨みつける杏子。
それに対し、アサルトライフルに装備を変えた黒髪の魔法少女は表情を変えずに懐からグリーフシードを取り出すと次の瞬間には杏子のソウルジェムを浄化していた。
まるで反応出来なかった。だが、
純粋な速さの違いだ。
確かに杏子には反応出来ない速度だったが、魔法少女特有の動体視力はキッチリと彼女の手がソウルジェムを杏子の首から取り外す過程を
「全く……流石に穢れを溜め込みすぎよ。ハイ、コレは前払い。
依頼内容はこの魔女の討伐までの共闘関係、
報酬はこの結界のグリーフシードと
アナタにとって、悪い話じゃあ無いと思うけど?」
ストックはまだあるから。
そう懐から10を越える数のグリーフシードを見せる黒髪の魔法少女。
あまりのグリーフシードの多さに思わず絶句してしまう杏子。
昨今の魔女不足の状況下でこのグリーフシードの量、そして先程の戦闘力、杏子は目の前の彼女こそがこの風見野を縄張りにしている魔法少女だと理解した。
そして、少なくとも自分よりも力を持っている強者だということも。
「…アンタこの街の魔法少女なんだよな?それにしては余所者のアタシに随分と大盤振る舞いじゃあないの」
だからこそ、そう問わずにはいられない。何故、ここまでするのか?
漂わせている雰囲気からどう考えても『
「別に、お人好しだとかそういうんじゃあないわよ。
私はアナタの戦いを見て高い戦闘力を評価した。
純粋に欲しいと思った。
だからこそ、こうして協力を依頼した。
そして、正当な働きには正当な報酬を。当然でしょ?」
コテンと無表情のまま首をかしげるこの街の魔法少女
当たり前の事を何言ってるんだろう?といった顔だ。
「へぇ……そうかい。」
コイツは良い。
実力、常識が揃っていてマトモな思考回路をしている。
そして、おそらく現実を見据えている。
浮かれて周りが見えなくなっている『ヒーロー気取り』の奴とは大違いだ。
コイツは確実に生き残る。
雇用主として信頼に足る人物だ。
「まぁ返事は後でもいいけど、とりあえずコイツら片付けちゃいましょう?」
見るとさっきまで遠くにいたハズの使い魔の軍勢が周囲を囲っていた。思ったよりも敵の動きが速い。
咄嗟に黒髪の魔法少女と背中を合わせる。
「そうだな、だがその前にアンタの名前聞かせちゃくれないか?
いつまでも”アンタ”呼びじゃあ戦いづらいだろ?」
「暁美ほむら」
「佐倉杏子」
それだけを言うと、二人は同時に駆け出した。
ほむらは慣れた手付きで走りながら
身長の2〜3倍もある大剣へと形状変化させ最前列の使い魔をまとめて斬り払う。
そのまま目の前の使い魔をたたっ斬りながらある程度進むと真上へ跳躍
使い魔の視線がほむらを追って上へと向くと、それをあざ笑うかのように足元で爆発によって飛び散る複数の破片による殺戮の嵐が巻き起こる。
空中で銃剣を元に戻したほむらはそのままの体制で
勿論
分間約700発程度の数をばら撒かれた魔力弾は全て寸分違わず使い魔達の弱点を貫き一発で絶命させる。
ただでさえ空中で足場のない不安定な状態だというのに撃てば撃つほどバタバタと敵が倒れていく様は戦闘ヘリに搭載されているバルカン砲の如き威力だった。
明らかにスペックでは届きようがないはずなのだが、全弾命中とかいう人外じみた射撃精度と、リロード不要という改造が揃うとこんなにも驚異となるなんて、もはや笑うしかないだろう。
杏子の方も魔力を回復したおかげ先程よりもかなり速いペースで使い魔を殺戮してる。
オマケにたまにほむらの援護射撃によって背後の敵が消えている事もあり、安定して戦う事が出来ていた。
しかし、それでも数の差は圧倒的であり、何度か攻撃に当たりそうになる。
「クソッ………アイツ思い出すから使いたくなかっだが、こりゃあ言ってる場合じゃあ無いな。」
ほむらが向こうであんなに頑張っているんだ。流石に本気を出さないとマズイ。
呟きと共に槍に流し込んでいる魔力の流れを少し変える。
パキン、と音がして勢いよく槍の柄が別れて多節棍へと早変わり
更に槍自体の長さもどんどん長くなり攻撃範囲が広がっていく。
もはや真紅の龍とでもいうような姿になった多節棍はまるで鞭のように広範囲をなぎ払い破壊していく。
ほむらに負けずとも劣らない鬼神の如き強さはあっという間に使い魔の軍勢を消し飛ばしていく。
数分後、あれだけいた筈の使い魔は一匹残さず駆逐され二人の魔法少女のみが残っていた。
流石はBlastゴリラ共。
雑魚殲滅能力はピカイチである。
杏子もほむらも、特に何も言わなかった。新たに部屋の中央に出来た結界の扉を見ると確認するようにうなずきあい、二人で扉をくぐる。
その後の魔女戦は、特に言うことは無かった。
まるで前の部屋にわざと使い魔が集められていたかのように魔女の周りには使い魔の影もなく、杏子がマギア一発「
そのあまりの呆気なさに二人の空気が微妙になってしまったのは言うまでもない。
暁美ほむら(オリジナル)
・織莉子の家でぐだぐだスマブラしてたり調整してたりする。
昔自分が撒いた種によってこんな事になってるなんて、織莉子は夢にも思わないだろうなぁ
暁美ほむら3号(仮)
・露骨な傭兵タイプ
今回は雇用主だけど
・作者は銃のこととかよくわからないので、ミリタリー系統の人は突っ込まないでください
あくまでもこの作品はマギアアレコードの二次創作です
現実の事とかよくわからんのです
・かなり千歳夫婦に対してのヘイト高め
当たり前だよなぁ。あんな人間のクズ
佐倉杏子
・クソ強ブラストゴリラ
・今の所固有魔法は封印中
でも割と早い段階で開放される予定
・そりゃあこんな出会い方したらほむらの事を風見野の魔法少女だって勘違いするよ
おりマギ原作でもインキュベーターに聞いて初めて風見野の現状を知ったんだから
・ついこの前マミさんと喧嘩別れして風見野にやってきた
なお、ほむらに会ってしまった以上、マミさんからも逃げられない
ファミレスって所では気をつけな!
千歳ゆま
・勇者で聖人
・格闘も回復もメンタルケアも出来る公式チート
・成長したら更にヤバいと思われ
千歳眞子
・クソ人間
キング・オブ・クソ
吐き気を催す邪悪
ゲロ以下の匂いがプンプンする
・しかし、この世界特有の母親ブースト*1のおかげでなんとか主観視点を手に入れ、
瀕死になりながらも食いしばりでなんとか生き抜いたタフネス
帝王切開云々や、夫との具体的なエピソードはオリジナルです。
少なくともお腹を痛めて産んだ直後くらいは母親しているだろう。してくれ。
じゃないとあまりにも救いがなさすぎるんだから。
・まぁ、それでも許されないんですけどね?
地獄の底で悔い改めて、どうぞ
千歳祐作(ゆまの父)
・名前含めて99%オリキャラ
しょうがねーじゃん。一回も出てきてない設定上の存在なんてどオリキャラにならざるを得ないんだから。
・死に際の描写もされなかった悲しい人
でも、アンタが浮気しなかったらこうはならなかったんやで?
母親の方も悪いけど。同じぐらいアンタも悪いんやで?
・地獄の底で悔い改めて、どうぞ
インキュベーター
・絶対悪
・この世界ではありとあらゆる魔法少女に嫌われる存在。
・コイツらの駆逐もこの小説の最終目標の1つ