(旧)アリナレコード〜光と闇の小夜曲〜   作:選ばれざるオタクⅡ

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 ついに無印おりマギ一話に本格的に介入していきます
 ……と言っても前話と同じで、ほとんどがほむ杏時々ゆまちゃんとなりますね。
 うるせぇ!!そんな事よりほむ杏ちゅっちゅだ!!


ほむら編その10『分体達と契約』

★☆★☆★☆

 

 さて、無事に魔女を倒してショッピングモールへに帰ってきたわけだが

 

 「ん、喰うかい?」

 

  杏子が懐から棒付きキャンディを2つ取り出してこちらへ差し出してきた。

 この感じだと、さっきの戦闘でかなり信頼度を稼げたみたいだな。

 

 「あら、ありがとう」

 

 差し出されたのはリンゴ味とコーラ味。ここはコーラ味を選ぶ

 包み紙を外し口に入れてガリッゴリッと噛み砕くと、安っぽい人工甘味料と香料で作られた駄菓子でよく使われるコーラ味。不思議と懐かしいあの味が口の中に広がっていく。

 うん。飴はどうにもチマチマ舐めるより噛み砕いた方がうまい。

 

 「おいおい、せめて味わって食えよ」

 「食べ方ぐらい、好きにさせなさい。私はわりとせっかちなのよ。」

 

 それに、球体は案外完全に噛み砕くのは難しいんだぞ?

 勿論魔法少女の力ならあっという間に粉々に噛み砕けるけど、流石にそれは風情が無い。

 こういう時はわざと力を入れず一般人レベルの方が楽しめたりするんだよな。

 ちなみに本体がこういう棒付きキャンディを咥えたら端から煙が出る。

 ものすご〜くレロレロしてるから煙が出るんだとか

 某白髪天パの侍がやってる国語教師と同じ原理らしい。しらんがな。

 残ったリンゴ味の飴を咥えた杏子は数回口の中で回転させると魔法で端に火を付ける。お前もか。

 

 「タバコに憧れてるなら、本物使えばいいじゃない」

 「うっせぇな……一回吸ったけど、あんなもんとてもじゃねぇが人が吸うモンじゃねぇ」

 

 顔そむけて赤面してるわ。別に吸えないなんて恥ずかしい事じゃないだろうに…

 

 「で?()()()()()()ってのは?風見野の魔法少女サン?」

 「…アナタ戦闘中はちゃんと『ほむら』って呼んでたわよね?」

 「雰囲気作りは大事だろうが」

 

 だとしたら、その棒付きキャンディ……あ゛ぁ゛しゃらくせぇ!!いちいち棒付きキャンディなんて名前使ってるとむず痒くなるわ。こんなんチュッパチャップスで良いだろ!ったく…

 んで、そのチュッパチャップスを咥えてタバコのマネするのも雰囲気作りだってのか?

 まぁ、見滝原来た時は展望台に登ってわざわざ双眼鏡作って見渡すぐらいだからな……わりと手順を踏むというかロマンチストというか何というか…

 

 「はぁ……じゃあ私の家にでも来る?少なくともシリアスな雰囲気はバッチリだと思うわよ」

 「逆にシリアスな家ってどんな所に住んでるんだよ……?」

 「まぁ、色々と訳ありでね」

 

 と、まぁなんだかんだ締まらない。

 これじゃあまるでグダグダとまるで同級生とダベりながらの下校みたいじゃあないか。

 いや、あながち間違ってもいないな

 まぁどっちも学校に通ってないし、これからも通う予定も通わせる予定もないけど

 あぁ…でも『暁美ほむら』は学校に通うか

 

 無人のショッピングモール内を談笑しながら進む二人。出口を目指して角を曲がった先には

 

 

 「……」

 

 

 血溜まりの中に浮かぶバラバラの死体と、その前に座り込む幼女がいた。

 

 おっと、今回のもう一人のターゲット「千歳ゆま」だな

 どうやら、あの淫獣(インキュベーター)は結界崩壊の際にちょうど良い場所に出してくれたみたいだ。

 特にこちらからは指示していなかったんだが……こういう時は有能なんだよな。ソレ以外が壊滅的だけど

 

 

 「…おいガキ」

 

 いつもどおり、杏子が声をかけに行った。

 この状態で杏子がそのままスルーする事象は今の所発見されていない。いわば確定イベントみたいな感じだな。

 まぁなんやかんやあったが、ここまでくればもう大丈夫。あとは勝手に杏子が拾ってくれるだろ。

 

 「災難だったね

  でも、現実なんてこんなもんさ」

 

 というか下手に干渉すると杏子がヘソ曲げて拾わなかったりした時にリカバリーが出来ないだろ。

 勿論本体なら「短縮ポインヨが見つかるかも」とか言って色々試すんだろうが、あいにく私はそこまでやるつもりはない。

 

 「震えたって泣いたって死んだ両親は帰ってこないよ。

  生き残った幸運に感謝するんだね」

 

 「……」

 

 「フン……いくぞ、ほむら」

 「ふぅん……」

 「んだよ、その眼は。こんなヤツ、この世界じゃ珍しくないだろ」

 「別に、アナタがいいんなら、それでいいわよ。」

 

 返事を返さず血溜まりの前で固まったままのゆま

 結局痺れを切らして杏子は無視して先に行ってしまった

 一見、非情にも思えるけど、その実さっきのゆまの表情がバッチリ脳内に残ってたり既に死んでる妹と重ねちゃったりしてたりする。

 杏子のこういう所、私はかなり好きだ。もしかしたら”私”が”3号(仮)”として生まれたのは杏子と最初に接触する「暁美ほむら」だからなのかもしれないな。

 まぁ運命なんざ行動次第でどうとでもなっちまうもんだから宛にならないんだが……

 さて、そろそろゆまから数十メートル程離れたわけだが、だんだん杏子の顔が曇ってきた。

 

 「チッ………スマンほむら。忘れもん取ってくる。」

 

 結局ゆまの所まで戻って連れてきた杏子

 ホント、この場面だとチョロいね

 

 「…へぇ」

 「うるせぇ、そんな目で見るな」

 「別に?女児誘拐犯として通報してやろうかと思っただけよ」

 「とりあえず飯食わせるだけだ。腹膨れりゃ、後は大抵一人でなんとかしていけるだろ」

 

☆★☆★☆★

 

 「あぐはふもぐもぐごっくんもぎゅもぎゅ」

 

 さっきの魔女に両親殺されたやつだが、仕方ないからハンバーガー奢ってやってる。

 特に金も持ってねーみたいだし、あんなにデカい腹の音鳴らされたら無視出来ない。

 しっかしよく食べるこって、全く。

 普段ならこんだけ気持ちよく食べてくれるとなると奢りがいがあるってもんなんだが

 はぁ…アタシもまだまだ甘いな

 

 「いいか、それ食ったらどっか行けよ」

 

 ほむらのやつにも無理言って待ってもらってるわけだし、魔女の犠牲になったヤツなんて腐る程いるんだ。

 コイツだけに肩入れするなんてバカバカしい。

 そういうのはどうしようもない馬鹿のやることだって、つい最近も言ったばかりなのにな

 

 「あと、お前はもうちょっと遠慮しろよ!?何でアタシがほむらの分まで奢らなきゃなんねーんだ!正当な報酬云々は一体何処行ったんだ!?」

 

 コイツを挟んだベンチの反対側には一人で約2人前に相当する量のハンバーガーやらポテトやらチキンナゲットやらを平らげているほむらがいる。

 

 「うるさいわね…今日はお昼ごはんまだだったのよ。魔女狩り後ぐらいお腹いっぱい食べさせなさいよ。」

 「じゃあ自分で払えよ…」

 「それはそれ。コレはコレ」

 そういって新たなバーガーにかぶりつく。澄ました顔して一口がデカい。

 

 「うぐ」

 ほむらのヤツを一回ぶん殴ってやろうかと考えてると拾ったコイツが喉に詰まらせて苦しみだした。

 あぁもう、そんなに急いで食べるからだろうが……

 「はい、飲み物」

 「んぐんぐんぐ…っぷはぁ」

 

 ほむらがどっかからお茶のペットボトルを取り出して渡した。

 ごくごくと詰まった食べ物をお茶で流し込むコイツを見てるとある事に気づく。

 ハッキリ言うとハンバーガーにはコーラだ。

 だからいつもどおりコーラを買ったんだが、コイツが炭酸飲めるかわからない以上お茶の方が無難だった。

 こりゃあ、この缶コーラはアタシが飲むしかないな。

 

 「お前がっつきすぎだろ、ちゃんと飯食ってるのかよ」

 「ふへ…」

 

 だいぶ落ち着いたと思うんだが、まだちゃんと話せる状態じゃあないらしい。

 さっさと話すこと話して、どっか行って欲しい。

 

 「……体型からして典型的な栄養失調児ね。」

 ぺろりと食べ終えたほむらがコイツの腕やら腹やらを観察しながらそう言う。

 栄養失調……だから、モモの姿がちらついてたのか。

 似てる……と言えば確かに似てるかもな

 

 「そして、コレ……」

 ほむらがコイツの髪をかきあげると、そこには丸い火傷の跡が残っていた。おそらく、タバコを押し付けた跡だ。

 

 「……親、か」

 「でしょうね」

 

 気がつくと、さっきまで止まらないで喰い続けてたコイツの手が止まっている。

 身体もカタカタ震えて目も見開かれて顔面蒼白だ。

 あ〜……どうしよ、ほむら。

 だが、ほむらは目を閉じてゆっくり首を横に降る。

 クソッ…責任は自分でとれってか?

 あぁもう、面倒くせぇな…

 

 「、ハァ…。おまえの両親を殺したのは、魔女っていう化けモンさ。」

 「まじょ…?」

 「まぁ、簡単に言えば人間を食べちゃう悪いやつらって事ね」

 

 アタシの端的な説明にほむらがガキにもわかりやすいように補足してくれる。

 さっきアタシに押し付けたコイツがこんな風に口出ししてくるとは思わなかった。

 んだよ、手伝ってくれるんじゃねぇか。

 テレパシーでそう送ると《貸し1よ》と帰ってきた。

 クソ

 

 「そんで、アタシ達はそれと戦う魔法少女ってやつ」

 「………!」

 

 コイツの目が少し輝きを取り戻す。やっぱし、ガキだな。

 悪者に立ち向かうヒーローなんかにめっぽう弱い。

 とんでもなくひねくれてるやつじゃなければ大抵のガキはヒーローに憧れてるもんだ。

 

 「まるでマンガみたいだろ?

  でも、マンガみたいに愛と勇気に溢れてるわけでも

  救いがあるわけでもない。」

 「おまけに最近は魔女も減ってきて、明日を生きれるかどうかもわからない状態。

  酷いところでは魔法少女同士で争う始末」

 「そんで、魔女に殺されて居なくなっちまった家族も戻ってきやしない。

  ま、お前にとっちゃありがたいかもしれないがな。」

 

 ふっ…とコイツの瞳からまた光が消えた。

 しくったな……親の話題はまだ駄目だったか。

 

 「…だから、食い物だってこれからはお前一人で「…ゆま」

 「あん?」

 「『お前』じゃなくて、『ゆま』」

 

 このガキ……いきなり遮ってきてなんだ?名前で呼べってか?

 ったく…名前なんて、知るだけ苦しいだけなのによ。

 どうせ死ぬんなら何処其処(どこそこ)(なにがし)かなんて知らねぇ方が500倍マシだ。

 

 「ふぅん……本名、『千歳ゆま』風見野市立第2小学校所属5年3組…ね」

 隣から聞こえた呟きにゆまが驚いてほむらの方を見る。

 あたりまえだ。アタシだって驚いた。

 というかどっから持ってきたんだよそのノートパソコン(空中投影持ち運び型、2号と同じモノ)

 

 「おい、てめぇなんでそんな事知ってるんだ?」

 「児童相談所のデータベースにハッキングしたのよ。そうすれば一発。」

 自慢げにパソコンの画面を見せてくるが、それ犯罪だからな?別にアタシが言えるような事じゃあないけど。

 

 「すごーい、そんな事もわかるんだ。」

 食べ終わったコイツ……ゆまがベンチから立ち上がってクルリと回ってアタシらと向かい合う。

 「ねぇ、おねえちゃん達は正義の味方なの?」

 「は?そんないいモンじゃねーよ」

 「まぁ、そうね。ロクでもない存在よ。私達は」

 

 冗談はよしてくれ。

 だが、ゆまのやつは聞く素振りを見せない。

 

 「じゃあ、わたしもたたかえるかな」

 「はぁ?」

 思わず呆れてしまう。何言ってるんだコイツ

 さっきから冷や汗が止まらねぇ

 

 「わたしも魔法少女になって魔女と戦いたい!」

 

 だからガキはキライだ。……ちょっとキツく言うか

 

 「くだらないこと言ってんじゃねぇよ…!」

 「だってパパとママも死んじゃったもん!

  わたしもうどこにも行くとこないもん!!

 

 だが、ゆまは間髪入れずに反論してきた。

 心の内側を吐き出すようなその主張には、ゆまの必死な感情が乗っている。

 

 「ねぇ…どうしたら魔法少女になれるの!!

  私()()()()()()()()!」

 「ん?今何でもするって「ほむらは黙っててくれ」……すまないわね」

 ちゃちゃを入れてきたほむらに槍を突きつけて黙らせると、アタシは立ち上がる。こんなやつに付き合ってらんねぇ

 

 「はぁ……甘ったれるな

  文字通り命懸けなんだよ。」

 

 そうだ、もう戻れやしないんだ。

 こんな他人を蹴落として安全を確保するような世界じゃ、命なんざあっという間に消し飛ぶ。

 

 「同じ命を懸けるなら

  まっすぐ生きることに懸けな」

 

 まだ、お前にはそれが出来るだろ。

 アタシ達魔法少女なんてのはお手本にしちゃいけないんだ。

 そのまま、背を向けてどっかに行ってくれ。

 

 うぐ……とぐずる声が後ろで聞こえる。

 ……知らん知らん!アタシはコイツに教えてやった。間違った選択してもコイツの責任なんだ。アタシは関係ねぇよ

 

 「あぁ……その事なんだけれどね」

 あぁ?なんかほむらが申し訳無さそうに言い出した。

 「何だ?」

 《やぁ!僕の名前はキュウべぇ。千歳ゆま、キミにはそこの二人と同じように魔法少女の素質があるよ》

 「…うん、?……わあ!ぬいぐるみが喋ってる!!」

 

 聞こえてきた神経に触る声を聞いて振り返ると、キュウべぇの野郎がベンチの上に乗ってゆまに話しかけていた。

 

 「…ごめんなさい、もう見つかってしまったわ。」

 「バカやろっ…テメェッ!!!」

 

 突然出てきたキュウべぇに再び槍を取り出して突きつける。

 いつもより気持ち長めの槍だ。ちょうど刃先が瞳にギリギリで突き刺さっている。

 「オイ、ガキに余計な事吹き込むんじゃあねぇよ」

 《やれやれ、杏子。キミは最近魔女の数が減ったからって気が立っているんじゃないかい?キミらしくない》

 あぁ、確かにアタシらしくないだろうな。他人(ヒト)の為にナニカするなんざ、昨日のアタシに言えば笑われるだろう。

 だがアタシは引くつもりなんか無いね。

 「うるせぇ、今すぐその汚ぇクチ塞がねえとたたっ斬るッ」

 《まったく……そんな事しても意味なんて無いのに、どうしてキミたちはこうボクを毛嫌いするんだい?》

 

 こんな最悪な場面でコイツが出てくるなんて、今日は厄日に違いねぇ。

 するとほむらがアタシの肩に手を乗せて首を横にふる。

 「杏子、こうなってしまった以上、インky……ん゛ん゛っ

  …キュウべぇはゆまが魔法少女になるまで付き纏うわ。それこそ、地の底まで。

  アナタも感じるでしょう?ゆまの中の強大な魔力を

  キュウべぇがこんな子を逃すはずが無い」

 

 あぁ?だったらほむらは諦めるってのかよ!?

 

 「うぜぇッ!だったら、コイツをこの場で轢き殺すだけだろうが!」

 

 《だから意味が無い、と言っているだろう?この個体が消えるだけさ。この風見野周辺に新しいボクが配属されるだけだよ》

 「あぁん!?何わけわかんねぇ事……」

 「いえ、キュウべぇが言っているのは本当のことよ。

  キュウべぇは世界中に複数の個体が存在していて相互に情報を共有している…

  非情に腹立たしいことだけれども、コイツから逃げるのは不可能なのよ」

 はぁ?なんだ、そのチート生物…

 「テメェら………キュウべぇって何なんだよ!!」

 

 《やれやれ、あんまり気乗りしないけどキミたちはエントロp「流石にそれはゆまには早すぎるわ。今日のところはさっさと帰りなさい」

 

 ブスッ

 

 《ん?》

 「え?」

 「はぁ…?」

 

 キュウべぇの目が赤一色から急激に薄まり真っ白になっていく。

 しばらくフラフラと歩いたキュウべぇだが、ピクリと身体を震えさせたのを最期にそのまま動かなくなった。

 ゆまがツンツンと指でつついてみたが、反応がない。

 

 「まじかよ……コイツ、刺しやがった。

  何のためらいもなく…注射器をさしやがった」

 「わぁ〜キュウべぇがぬいぐるみになったぁ!おもしろ〜い!!」

 

 きゃっきゃとゆまが喜んでいるが、そんな事言ってる場合じゃねぇだろ、コレは。

 コイツ、自分で無駄だとか言った後に殺しやがったぞ!?

 

 「ん?別に殺してないわよ。ちょっと眠ってもらうっただけ。

  まぁ、ちょっち細工はさせてもらうけどね」

 

 アタシの視線から心の中でも読んだかのように答えたほむらは、また虚空からノーパソを取り出す。

 しかし、さっき使っていたものとは異なり、尖端にUSB端子がついているコードに繋がっていた。

 なんだ…?何かとてつもなく嫌な予感がする。

 具体的にはそのノーパソから何故か禍々しい魔力を感じる。

 だから、アタシは近くにいたゆまの側へと移動する。何が起こってもなんとかできるように。

 そんな謎の機械を手にしゃがみこんだほむらは、そのUSB端子をキュウべぇのケツにブッ刺した。

 

 

 ………() () () () () () () ()

 

 

 「……」

 

 絶句だ。

 なんも言葉が出ねぇ。

 咄嗟にゆまの目を塞ぐことが出来たのは奇跡だったとしか言えないだろう。

 ケツにUSBをブッ刺されたキュウべぇはビクッと跳ねた後、力を完全に抜いた。

 瞳はなぜか真っ黒になり、そこに無数の白い文字がどんどんと表示されていく。

 ほむらがノーパソで何かを打ち込む度に増えていく文字から考えるに、キュウべぇをハッキングしている…のか?

 そんなワケのわからない事になっているキュウべぇだが、ほむらの方もほむらで負けず劣らず訳のわからない事になっている。

 ちょっと目を離したスキにさっきのノーパソが変形してキーボードが3つ……いや、さらに足元にも3つ増え、ディスプレイが8つに増えた。

 どこにそんな質量が収納されていたのかわからないが椅子まで完備されており、ほむらは靴を脱いで足でもキーボードを叩いている。

 汚い、という事は無い。

 キーボードも空中投影型なのだから。

 確か、去年の冬頃発売された画期的な新製品だとかなんだとか言って電気屋には発売日の深夜からとんでもねぇ行列が出来たとかなんだとか。

 ともかく、ほむらは二本の腕と二本の足で3つのキーボードを叩いているのだが、残る2つのディスプレイにも絶えず何かが入力されていた。

 これは何処で操作しているのか……と観察しているとその2つのディスプレイ上を絶えず眼球が動いている事に気づく。

 目の動きで入力しているらしい。

 化け物か? 

 もう、ワケがわからねぇ。

 なんだ・・・なんなんだこの光景は……

 アタシは悪夢でもみているのか…?

 

 「あっ…くっ………っだぁぁ駄目ね。強引にシャットアウトされた」

 

 しばらくほむらはその人外じみた作業で奮闘していたようだが、キュウべぇの方が一枚上手だったようだ。

 大量の文字列が表示されていたディスプレイとキュウべぇの瞳はまたたく間にまっさらに消去されていく。

 そしてパソコンが真っ赤に熱せられると、爆発してしまった。修理しても二度と使えないだろう。

 結局、何がなんだかわからないアタシはゆまの目を塞ぎながら抱きかかえて爆発に巻き込まれないように逃げる事しか出来なかった。

 ため息を吐いたほむらはブチッとUSBを外すとキュウべぇの尻尾を掴みグルグルとぶん回した後思いっきり空の彼方へと遠投する。

 魔法少女の強肩でキュウべぇだったものはキランと輝いて消えてしまった。

 アニメみたいな事って本当に起こるんだな。バイバイキーンってか?

 そんな風に現実逃避するぐらいしか出来ない。

 

 「ま、他の個体との情報共有する機関にウイルスを仕込む事は出来たから、しばらくは大丈夫でしょう。」

 

 「ワケがわからねぇ」

 

 口から率直な感想が漏れてしまったが、仕方ないだろう。

 明らかにアタシが知らない世界だ。

 というか、この地球上全ての人類も魔法少女も知らない世界だと思う。

 懐から双眼鏡を取り出してキュウべぇが飛んでいった方を眺めてるほむらを見ながら、アタシはこれからコイツと活動するのか…と一抹の不安を覚えたのは仕方がないことだろう。

 

 

☆★☆★☆★

 

 「で、ゆまの事だけど、アナタこれからどうするつもり?」

 

 今、アタシ達は銭湯に来ている。

 ほむらオススメの場所で、滅多に客が来ないのにキレイに整備されている不思議な雰囲気の店だ。

 魔女狩り後でちょっと汗もかいてたし、ゆまも身体についた返り血は拭いてやったが全身気持ち悪いだろうからな。

 脱衣所ではゆまの全身から色んな傷跡が見つかって今更ながらに死んだ親に対して殺意が湧いた。何やってるんだろうな。一回死んじまったらもう二度と殺せるわけないってのに。

 傷跡はほむらが治した。コイツ、別に回復系の願いじゃないらしいけど、やたらと素の魔力での回復うまいんだよな。

 ゆまは初めて入る銭湯に大はしゃぎで、風呂の中で泳いで遊んでいる。

 まぁ、他に客はいないし止める理由もないからそのままだ。そのうち疲れて出てくるだろ。

 で、アタシとほむらはサウナの中だ。

 3畳もないような狭っちい空間にほむらと二人で汗を垂らしている。

 アタシは髪をゴムでまとめているが、ほむらはそのままだ。

 ただ汗を流すだけなんて何が楽しいんだか、ジジくせぇ……と思っていたが

 やってみると中々にハマってしまった。

 水風呂に入った時の身体がキュッと締まる感覚が特に良かったな。

 …で、今は二週目なんだが、焼石に水をかけながらほむらが言ったのが、さっきの言葉だったわけだ。

 アタシ相手だったから聞き取れたが、それ他のヤツにやったら水が蒸発する音で聞こえないと思うぞ?

 

 「どうするつもりって言ったって、魔法少女にさせるわけにはいかねぇ。」

 

 まぁとりあえず、これだけは譲れねぇな

 魔法少女になっちまったら全部がパァなんだから。

 

 「だが、アタシと一緒に暮らすのもナシだ。」

 

 ゆまのガキさ加減は短い間だがよくわかった。

 魔法少女のアタシと暮らしてたらいずれ魔法少女になりたいって言い出すに決まってやがる。

 

 「だから、一人で生きる方法を教えてやったら、後はサヨナラだ。

  それが、ゆまにとっても、アタシにとっても一番いいだろ。」

 

 サウナの中でもゆまがばしゃばしゃと泳いでる音が聞こえてくる。

 どこにあんな元気があるんだか

 ……いや、動いてないと落ち着かないのかもな。

 

 

 「そう……」

 

 ほむらは目を閉じて黙り込んでしまった。

 いや、顎に手をやったり首を傾げたりしてるから悩んでいる?

 それにしても、どうにも頭がぼんやりするような感じがするな…暑さのせいか?アタシは暑さ如きでやられる程脆いヤツじゃない筈なんだがな。

 しばらくすると、ほむらは一つ頷いて目を開けた。

 

 

 「二人共、私の家に住まない?」

 

 

 「いや、アタシの話聞いてたか!?」

 

 思わず立ち上がってしまったが、アタシは悪くないだろう。

 まさかここまでヒトの話を聞いてなかった奴がいたなんてな。

 頭にかけてた手ぬぐいが床に落ちるが、んな事は関係ねぇ

 今アタシは魔女に向ける睨みと同じモノをほむらに向けているだろう。

 だが、ほむらはソレを意に介さずおもむろに軽く握った拳を上げた。

 

 「3食手料理付き

  ベット完備

  風呂トイレ別

  駅まで徒歩5分

  家賃タダ」

 

 一つ条件が提示されるたびにその拳に一つずつ指が立っていき、手のひらが開いていく。

 提示されたのはかなりの好条件だった。

 正直、ホテルに泊まるのも何日もとれる手段じゃねぇからこれはかなりありがたい。

 そして、完全に開かれた手の中から出てきたのはグリーフシードだった。

 

 「なにより、このグリーフシードの心配が無くなるわ。

  向こう一ヶ月は魔女狩りをしなくても生きていける量のストックはあるから」

 

 そう言うと自然な動作で口元へと持っていき、ちゅっと口づけをする。

 何やってるんだコイツ。

 あぁ……つまりアタシの分まで工面してくれるって事か?

 これが魔女結界で言っていた『正当な報酬』というヤツだろう。

 コチラも破格の条件だ。破格すぎる。

 この魔女不足の中、グリーフシードの提供なんてされたら誰だって喜んで契約するだろう。

 しかし、最初からずっと抱いていた違和感がある。そこをハッキリさせないと、受けるにしても断るにしても判断がつかない。

 いや、そもそもアタシはゆまと別れるつってるじゃねーか。

 

 「ほむらがアタシの力を欲しいってのはわかったよ?

  けど、アンタの力なら一人でもやっていける筈だ。そのグリーフシードだって自分の為に使えば死ぬこた無いだろ。

  そんなにまでしてアタシを求める理由がわからねぇ。それと、ゆまの事も。

  なぁ、アンタ何を急いでるんだ?」

 

 思ったよりも、スラスラ言葉が出てきた。

 だが、肝心の部分が聞けてない。

 アタシはゆまと別れるって言ってるだろうが。なんでその事言えなかったんだ?

 これもこのサウナの効果なのか?そういえばさっきよりも頭がぼうっとするが…

 汗が垂れて口に入った。しょっぺぇ。

 

 

 「……このままでは、あと半年後にワルプルギスの夜がこの日本を襲う」

 

 

 ふーん…そう

 ん?

 ハァ!?!?

 とんでもねぇ事を言いだしたぞコイツ

 今なんつった?

 ()()()()()()()()

 サウナの中だっつうのに全身が冷えていく感覚がする。

 魔法少女じゃなかったら倒れてたかもな。

 

 『ワルプルギスの夜』

 流石にアタシでも聞いたことがある

 全てを破壊しゼロへと戻す舞台装置

 歴史の最終章を司る存在

 物語の終焉を齎す存在

 悠久の歴史の中で幾度も魔法少女が徒党を組んで挑んだが、全て打ち負かされた伝説の魔女

 通った後にはぺんぺん草も生えないどころか、再び文明が築かれるまで数年から数十年、はたまた数百年かかっても再生されなかった場所もあると言われている災厄の王

 かつての師匠がすこし興奮しながらも語っていた伽話のような本当の話だ

 

 「オイ、そんなの初耳だぞ。んでそれを先に言わねぇんだ!!」

 

 そんな存在が日本を襲うなんて、逃げ場がねぇじゃんか

 一人や二人でとてもじゃないが敵う相手とは思えない。

 思わずほむらの肩を掴んで前後に揺さぶっていた。

 がっくんがっくんほむらの頭と共に髪も揺れてめっちゃ目に入ってくる。

 湿ってるから割と纏まってて痛い。が、そんな場合じゃないだろ。

 

 「聞かれなかったもの」

 

 そう言うとほむらはアタシの両手首を掴んで力ずくで肩から外した。勿論アタシは抵抗したが、全く歯が立たない。

 コイツ……なんつぅ馬鹿力持ってんだ。自慢じゃねぇがアタシだってそれなりに力には自身があるんだが……

 完全に頭に血が登ったアタシは思いっきり膝を叩きつけるが、まるでわかっていたかのように間に足を差し込まれて膝蹴りそのものが防がれる。

 そして壁に押し付けられる形で拘束された。すぐ目の前にほむらの顔が迫る。

 ただでさえクソ暑いサウナだ。

 突然動いたせいでお互い荒かった息を更に荒げてる。心臓がいつも以上に仕事して酸素を運ぼうと全身に血が駆け巡るのがわかる。

 ほむらの吐息が直接かかって更に(あち)い。

 サウナ室は最低限のスペースしか確保されていないから、暴れると自然とそういう形になる。

 だから、こんなにも全身が茹だったように熱いのはサウナの熱と、ほむらの熱と、何も出来ずに拘束された屈辱と怒りで震えているからだ。そうに決まってる。そうであってくれ。

 しばらくそのまま何も言わずに睨み合っていたが、ふっとほむらが手を離してそのままベンチへと戻った。

 

 「落ち着いた?」

 

 そんな事を言って挑発気味に笑ってやがる。

 

 「ハァ!?ん、んな事されて落ち着くも何もねぇだろうが!!」

 

 そもそもコイツがアタシの話しを聞いてないような提案をしてくるのが悪いんじゃねぇか!

 だから、ここでアタシが怒ってんのは正当な怒りのはずだ。

 まだ顔が熱いままだが、それだってこの怒りのせいにすぎない。

 ちょっと口がもつれたのだって、……アレだ。そもそもコイツの突拍子の無い行動に驚いたからにすぎない。

 が、そんなアタシの様子をみてほむらはクスクス笑ってやがる。

 クッソ……癪に障るやつだ。

 なにより、アタシの力じゃどうあがいても勝てない所が心底(いや)らしい。

 ここで飛びかかってもまたさっきの光景の焼き直しか、それとも今度は床に押し倒されるか、はたまた流石に怒ったほむらに首を掴んで持ち上げられるか……

 ……ハッ!?こ、コレはあれだぞ?相手がどう動くかのシュミレートだぞ!?

 そうだ、どうやったら逃げ出せるかのシミュレートだ。そんで、どのシミュレートも失敗してる。

 だからアタシはここで反撃しない。たぶんコイツは不意打ち食らっても余裕でカウンターしてくるだろうという確信がある。

 まぁ、ともかくコイツの話しを聞かない限り進まなそうだ。

 アタシはムカつく笑みを浮かべてるほむらの隣に座る。

 ちょっと、乱暴にドカッと座ったのはあくまでも納得出来てないという意思表示だ。

 わざと壁の方に顔そむけて目を合わせないのも納得できてない意思表示だ。

 意思表示なんだ。

 

 「まぁ、ゆまに関してはアナタに一任するわ。

  契約させてワルプルギスとの戦いに備えるも良し、契約させずにキュウべぇから守り続けるも良し。

  頼まれればキュウべぇから守る手伝いだってやぶさかではないわ」

 

 そういう事なら、別にコイツの家で住むっつうのも…まぁ、今の所否定材料は……無い。

 んだよ、ちゃんとアタシの話も聞いてるんじゃねぇか。

 なんでそれを先に言わねぇのかな。

 そうすれば、こんな無駄な事しなくても……いや、なんか嫌だな。

 なんだこの気持ち。知らん知らん。

 

 こんどはほむらがおもむろに立ち上がり、くるりと回ってアタシに前に立つ。

 ちょっと前、外でゆまが見せた子供らしいターンとは違った、スタイリッシュなターンだ。

 無駄のない洗練された無駄な動きと言えるだろう。

 だが、回った際にほむらの髪がアタシの身体に当たってむず痒い。

 しっかし、コイツはアタシとは違って一つ一つの所作がキレイだな。

 そこらへんも妙に癪に障る。

 というか、アタシが座ってすぐに立ち上がるとかじっと出来ないのか?

 あくまでも自分が上だとでも言いたいのか?

 

 「私の目的はただ一つ

  ワルプルギスの夜を打倒する事」

 

 ほむらの声から一種のおちゃらけた雰囲気が消える

 

 「その為には沢山の強力な魔法少女の協力が必要

  それも、3人や4人なんて数じゃない。

  最低でも数十人、欲を言えば百人二百人至ってまだ足りない」

 

 とんでもねぇ事を言いだした。

 思わずそらしていた顔を元に戻してほむらを見てしまう。

 正気なのか?コイツ

 そんな数の魔法少女なんて、全国各地を回らないと集められないんじゃないか?

 それに魔法少女なんて基本同業他社だ。

 そんな数の協力者なんて得られるはずも無いだろうし、そもそもそんな数の魔法少女なんて一種の組織だろ。

 

 「勿論、こんな計画ともいえないようなモノ馬鹿げているわ。

  でもアナタは今日一日そんな馬鹿げた事をしてきた私を見ているでしょう?」

 

 それは…まぁ、確かに

 正直キュウべぇハッキングのインパクトが強すぎて他何があったかほぼ忘れたけど

 確かに馬鹿げた事成功させてたな。キュウべぇのハッキング。

 

 ほむらは右手を胸にあてる。

 

 「私はワルプルギスの夜を越える。

  でも、今の私には力はあっても仲間が足りない。

  アナタにはそんな私の最初の仲間になってほしい」

 

 そして、その右手をアタシの目の前に差し出してきた。

 ふわふわと周りを魔法陣なり魔術式なりが漂っている。

 この手を取った時、アタシはコイツの仲間とやらになるんだろう。

 

 「ダメ……かしら?」

 

 んぁぁぁ……その表情は反則だろうが!?

 ん?何が反則なんだ?

 うるせぇ!ともかく、反則だ!

 そんな顔されて断れるやつなんてこの世にいるのかよ。

 心の中で頭をがしゃがしゃと掻きむしる。

 むしゃくしゃして、頭の中がぐちゃぐちゃになってきて、ついでにサウナの熱で頭の動きもクソになってて

 あたしは、気がついたらその手をとっていた。

 

 「じゃあ、契約成立……って事でいいのね?」

 

 コイツの笑顔は腹立つが、ぐっと我慢する。

 

 「フン……アタシも死にたくは無いんでね。

  しかたねぇから協力してやるよ。

  あ、ゆまは魔法少女にさせねぇからな!?」

 

 正直、仲間…しかも事実上傘下に入ったようなモンだなんて、

 普段のアタシが聞いたら卒倒しそうな内容だが、

 もはや、なりふり構っていられねぇ。

 ワルプルギスの夜打倒

 これしかアタシ達が生き残る術はねぇ。

 なんせ、日本中を蹂躙していく化け物っつう話だ。

 どこにも逃げ場所なんてない。

 

 だから、アタシはコイツの仲間第一号になってやる。

 

 そうだ。

 こうするのが、アタシに一番都合が良いんだ。

 客観的に見ても、それは一目瞭然

 他の感情なんざ一ミリも入っちゃいない筈だ。

 

★☆★☆★☆

 

 ところで、サウナから出たらドアの前でゆまが鼻血垂らしてたのは何だったんだろうな?

 まぁのぼせたんだろうけどさ。アタシらが出てきたらビクって逃げてって……本当に何だったんだ?




 そうだよ。ほむ杏ちゅっちゅだよ。
 個人的にまだ最初の頃にマミさん落としてて、その頃の描写力というか話の構成力が貧弱すぎて、クソみたいな内容だったのでリベンジといった所ですかな
 でも、初見さんが読むのは最初からなんだよなぁ……
 後で直しておきましょ
 いつになるかはわからんけど
☆★☆★☆★

・暁美ほむら(本体(オリジナル)
 織莉子の家の風呂はクソ広かったらしい。
 コイツの脳内が割とピンク色のせいで、分体も単独行動するとそっち方向に流れる。やっぱり分体はチーム運用じゃないと機能しないな。


・暁美ほむら3号(仮)
 キュウべぇハックは分体に支給されてる(この時間軸の)最新ノーパソ(に偽装した暁美印の魔改造スーパーコンピュータ)で本気出せば出来る。
 勿論、キュウべぇ側の拒絶反応も物凄いのでどのぐらい操作できるかは分体自体の練度しだい。
 今回、こんな事したがキュウべぇとの繋がりは切れてない。ハックしてる最中に「これは敵対行動では無い」って書き込んだので、*13号が一人っきりになれば普通にキュウべぇが話しかけくる。そして、ゆまを契約させる事も諦めてない。



・佐倉杏子
 ほむらのやたら高いAPPにやられた犠牲者のウチの一人
 なお、別に本気で好きになったわけでは無い。
 あくまでもほむらを好意的に見るようになっただけ。
 サウナの中っつうシチュエーションに流されただけで、後々冷静になってからほむらに近づいたが特に何も感じなかった。



・千歳ゆま
 ドアの窓から覗いてた。
 他の場所のサウナのドアがどうなってるか知らんけど、この銭湯のサウナには窓がついてるんじゃい!
 至近距離で覗き見るほむ杏ちゅっちゅの破壊力は凄まじく、鼻血が出たらしい。
 この年齢で尊さの波動を感知できるようになった。大変良い素質を持っている。
 コレが今後どう関わっていくか……

 なお、あんなに言われても魔法少女になりたいって考えてる。



・インキュベーター
 《やれやれ、ほむらには困ったものだよ。いきなり*2挿入してきたかと思ったらそのまま *3ぐちゃぐちゃにして、そのまま何も言わずに中に*4出していくだなんて…》

*1
岸辺露伴みたい

*2
USBを

*3
設定を

*4
ウイルスを


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