(旧)アリナレコード〜光と闇の小夜曲〜 作:選ばれざるオタクⅡ
ほむら編その1
☆★☆★☆★
「また、救えなかった……」
もはやここが実家なのでは無いかと錯覚してしまう程見慣れた天井を見ながら、私、
もう、すっかり涙は枯れ果ててはいるが、まどかの最期の姿は瞼の裏にくっきりと焼き付いて離れない、
今回のまどかの最期の言葉を反芻していると、喉の奥から熱く不快な物がこみ上げてくる
ゴミ箱の前まで移動し、中身の無い胃液を吐き出す
何度も何度も幾度となく経験してきたこの時間遡行だが、やっぱりまどかを救えなかったこの感覚は慣れたもんじゃあ無い
私は沢山のまどかを見殺しにしてきた、沢山のまどかを殺してきた、
私が戻れば戻る分、まどかは死んでいる
私がまどかを救うなんて、おこがましいのでは無いか
こんなにも血で穢れてしまった腕で、まどかは笑ってくれるのだろうか
少し、弱音を吐いただけで今までソレを溜め込んでいた堰は決壊し、自己嫌悪が体中を焼き尽くす
これは必要な事だ
そもそも時間遡行など本来はあり得ない
そんな物を扱っている以上、その罪は常に忘れてはいけない
私のワガママで振り回してしまった数多の世界、数え切れぬ程のまどかを忘れてはいけない
これは私の咎だから
だからといって、いつまでもくよくよしては居られない
こうやって吐いている間にもこの世界のタイムリミットは迫っている
だから、私は心を切り替える、
胃液が垂れる口元を拭い、間延びした独特のイントネーションでこの言葉を口にする
「はーい、よーいスタート
魔法少女の運命その他諸々からまどかを救うRTAはーじまーるよー」
それは、始まりの合図、
かつて、こことは違う時間軸の、死んでしまった「
さて、いつもの儀式が終了したあとは、パッパと行動していくわよ
マイナスの感情は最初に出来るだけ出し切る、その後もスキを見て適度に吐き出しておかないとあっという間にソウルジェムが濁ってしまいますので気をつけましょう(0敗)
まずは魔力を使って視力を矯正、着替える時間ももったいないので魔法少女姿に変身して病院の窓から抜け出す
いつも通りに自衛隊の詰め所に潜入、
私の固有魔法「時間停止」を使ってハンドガンにサブマシンガン、ショットガンや狙撃銃等の銃火器をわんさか拝借する
地対空ミサイルやC4と呼ばれるプラスチック爆弾、
勿論、弾や燃料等もゴッソリ貰ってきた
この一連の武器調達によって何人かの自衛隊の方たちの首が飛んだりするのだけれど……
まどかを助ける事は世界を救うことになるので、そのための命と思えば安いものでしょう
おっと、これだけは忘れてはいけない
さて、一通り武器調達がすんだら学校が始まるまで魔女退治に専念ね
ここの魔女の配置パターンで今回の周がどんな世界かがあらかたわかるわ
ほんの一例だけれども初っ端芸術家の魔女にあった場合は私の最初の周に近いパターンの世界ね
さ、とりあえずいつものアパートを借りに行く道すがら魔女を狩りましょうか
〜一時間後〜
「……おかしい」
私は何の問題もなく借りれたアパートの一室を魔法で改造しながら思考する
いくらなんでも一時間もあって一度も魔女に遭遇しないなんて不自然極まりない
ありとあらゆる試走で確認できた魔女の結界の位置は全て訪れた
が、結果はハズレ
魔女どころか使い魔の気配さえ無かった
「なにより、私の1万を超える統計にはそんなパターンは一度も無いはz…………ッ!!」
その時、
思わず手に持っていた飾り付けの写真を床にバラまいてしまったが、そんなことを気にしている場合じゃない
私はバカか!?
何故
『魔女が普段よりも少ない』
それすなわち
…それは、かつて私がまだメガネをつけていた頃、一度だけ体験した不思議な時間軸
「環いろは」という少女の契約によりその妹と二人の天才が契約によってインキュベーターの権限である『回収』『変換』『具現』を奪い、
『回収』が暴走をし始めたタイミングに「アリナ・グレイ」が間に合った時間軸
唯一、あのワルプルギスの夜を討伐できた時間軸
結局、その後なんやかんやあった後の、プロミスドブラッドとの戦いの最中、まどかは「観鳥令」を庇って死んでしまったから私は諦めて時間遡行したのだけれども……
まさか、またもやそんな奇跡的な時間軸に巡り会えるなんて!!
こうしちゃあいられない!!
とりあえずキュウべぇの排除は後回し
最悪、まどかが魔法少女になっても問題ない
このタイミングなら既に神浜での自動浄化装置は完成しているハズだから……
それよりも、今現在問題なのは
「《まどかスレイヤー》こと…美国織莉子ね」
まずは彼女とコンタクトを取らなくては何も始まらない
神浜に行っている最中にまどかが殺されていたら本末転倒なのだから
ただ、この周の彼女は話を聞いてくれると良いのだけれども……
と、その前に、
キュウべぇを殺さない√なのだから、巴マミの元へ菓子折り持って挨拶にいかないと
もしかしたら、佐倉杏子とまだ仲違いしてないかもしれないしね
☆★☆★☆★
幕間
「暁美ほむら」
・「魔法少女まどか☆マギカ」本編でも、叛逆の物語でも、しまいにはマギアレコードでも救われなかった悲しきほむら
(一応)この作品の準主人公
現在、周回数は驚異の15000回以上!!(エンドレスエイトかよ)
精神年齢は『元々の14歳』+(『一ヶ月間』×15000)
=14+(15000÷12)
=14+1250
=1264歳以上となる(なんだこのバケモン)
もう、ベテランや成人なんて通り越して妖怪……いや、神霊の領域に片足突っ込んでいる状態
ちょっとでも信仰得られたら、多分神霊になることが出来ると思う(ならないけど)
原作ほむらは魔法少女としての力はあまり強くなく、使える魔力量もさほど多くはなかったが、
ここまで魂が成長すると勝手に妖力やら神力やらを保有するようになる
よってそこらへんの力で補填した結果、魔力総量やら魔法技術やらカリスマやらがやたら高い
(震えるほどチート)
・また、その妖力やら何やらの力が混じったせいなのか、時間遡行で戻れる時間も増えている
今回は半年前スタート
学校は春休みの時期(あぁ……短縮出来るイベントが見える見える……)
・原作では盾の中の砂時計を使って時間を止めていて、その砂が落ちきると時間停止は使えなくなっていたが、
その砂を使わなくとも魔力を使って時間を止めることが可能
ただし、ソウルジェムがマッハで濁っていく
やったね!これで気兼ねなくドッペル連打殺法が使えるよ!!
・勿論、ここまで周回しているのでまどかの因果量も大変おかしな事になっている
歴代最強魔法少女
まだ魔法少女の真実を知らない時期に契約するのでアルまど様にはならない
・また、まどか程では無いにしても多く関わってきた見滝原勢の魔法少女達の因果量も若干上乗せされている
(原作でも上乗せされてたけども、微々たるものなのでわからなかった、というこじつけ)
おめでとう!!ホーリーマミ戦が更に過酷になるよ!!(白目)
・数多の並行世界のまどかをとっかえひっかえしてきたので趣味がおもしろい事になっている
キャンプや登山等のアウトドアもイケるし、花や、昆虫、爬虫類なんかも大丈夫
特に漫画やアニメ、ラノベや配信者、アイドル等のサブカルチャーの類はありとあらゆるジャンルを網羅しており、
かりんちゃんとマジキリトークを繰り広げることも出来るし、
レナちゃんとももこさんと一緒にライブに繰り出すことも出来る
(別にマギウスが結成されない普通の世界線でもさゆさゆは活動してましたので…)
スポーツは一通り経験したし、なんなら武術は戦闘にも役立った
ちなみに今までで一番好感度の上がり幅が大きかったまどかはミリオタだったらしい
一緒に自衛隊の基地に忍び込んだりしたとか
よって、個性の強い神浜の魔法少女達の趣味嗜好ほぼ全てについていく事が出来る
(流石にみたま’sクッキングや、かのこのファッションセンス等は無理だが)
・その中でも特に人格に大きな影響を与えたのが
「ジョジョの奇妙な冒険」と「biim兄貴リスペクトのRTA動画」であることは言うまでもない
テンション上がった時とか一人の時とか、同じ趣味の者同士の場合、勝利ポーズとしてジョジョ立ちしたり
時間遡行を繰り返している自分をRTA走者と認識しており
もう、完全に吹っ切れちゃっていてまどかを救う人生を楽しんでいる
(それでも、毎回まどかが死ぬのでやっぱり辛い)
・周回で溜まりに溜まった負の感情は最初に全て吐き出す(物理)事でその後のソウルジェムの濁りを軽減するという方法は、
約3000回目ぐらい(精神年齢約264歳相当の頃)に編み出したらしい
勿論、一族の血に恥じぬ屑運やガバを起こすこともある(大抵はそれが原因で失敗している)
・Q.もうコイツ一人で良いんじゃあ無いかな
・A.(ガバって再走するハメになるので)ダメです
・Q.淫夢要素は?
・A.(あまり積極的には入れ)ないです。苦手な方もいるのでね。
ただ、biim兄貴リスペクト好きとしての体裁を保つためには致し方ない事も
作者自身が語録に慣れていないのであまり期待しないで下さい。
あと、ちょいちょいならまだしも、流石に語録しか言わないほむほむとか嫌でしょ?…え?そうでも無い…?