ガールフレンド(仮)青春ver.   作:胡蝶天下

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初めまして。
ハーメルン様では初陣となります胡蝶天下です。
どうしてもこの作品が書きたくて思わず登録してしまいました(笑)
どうぞ読んでやってください。


第一話

 季節は春。

おおよそほとんどの学校と名の付く施設においては、年度最初の大イベント時期といえる。

そう、入学式だ。

ただ、現在の時刻は8時40分。

式の開始が9時、ということを考えれば、いまなお窓から流れ込んでくる桜の香りの混じった心地好い風に当てられ、欠伸をしながらバスで登校中の僕は完全に遅刻と言えよう。

しかし、僕に遅刻だ、という焦りは皆無だった。

理由は新入生ではないから、というのが1つ。

もちろん新入生ではないからといって在校生であるなら当然、式の準備やら、その他諸々の事情で新入生より前に式場へ集まるのが基本だ。

ということで在校生でもない。

同じような理由で教師であることも否。

そもそも僕の歳は16。ついでに名前は暁聖士(あかつきせいじ)。

 

さて、唯一残っているだろう選択肢は転校生のみだろう。

ということで長くなってしまったが僕は転校生だ。

そしてそんな僕の集合時間は理事長先生から指定された9時30分。

 それまでに理事長室へ来るように、ということだった。

すでに目的地のバス停が目の前であることを考えれば、十分間に合うだろう。

ざっと計算しても15分前には到着できる。

ん? バス停から理事長室まで時間かかりすぎ? それは致し方ない理由がある。

とにかくやたらと広くそして大きいのだ。

何が? とは言わなくともわかるだろう、学園がだ。

僕が通う学園は・・・ああ、ちなみに学園の名前は・・・『間もなく聖櫻(せいおう)学園前、聖櫻学園前』・・・そう、それが僕の通う学園だ。

 

 聖櫻学園、それは多分同年代でなくともほとんどの者が名前くらい聞いたことがあるのではないか、というほど有名な学園だ。

 ニュースなどで取り上げられるのは最早当たり前だし、スポーツや勉学、その他いろいろな面でも全国トップレベルである。

 そんな学園に、つい最近まで地方の普通の高校へ通っていた僕がどうして編入許可を得られたのか。

 一言で表すならまぁ、コネ、というやつだ。

 もちろん僕のじゃない。親のだ。厳密に言うなら母親の。

 別にせがんだわけではない。

 半ば強制的に決められてしまったのだ。

 なんでも僕の母親は聖櫻学園の卒業生らしい。

 しかも現理事長先生とは同級生で親友らしいのだ。

 正直驚いた。

 でももっと驚いたのは母親が生徒会長で、さらに理事長先生は副会長だったそうだ。

 どの辺に驚いたか、つまり単純に母親は学生時代において、理事長先生より立場が上だったということ。

 正直16年間一緒に暮らしてきた僕が見てきた母親は、少なくとも生徒会長なんて役職が務まるとは到底思えない。

 気まぐれで、いい加減で、子供っぽくて、面倒くさがり。そんな印象だ。

 そもそも今回の引っ越しも、父親が新聞記者の仕事のために海外へ1~2年ほど単身赴任するのをいいことに突然、「よし、私たちも引っ越そう」などという気まぐれで何の計画性もなく決まったようなものだ。

 もちろん尊敬できる部分もちゃんとあるので嫌いというわけではない。

 

 対して理事長先生はとんでもない人だ。

 はっきり言ってしまえばこの学園は理事長先生の所有物である。

 もともと理事長先生の曾御爺さんが聖櫻女学院という女子高を建てたのが始まりで、代々的に子供が受け継ぎ、現在の理事長先生が受け継ぐ際に新校舎設立と共学化をしたのが今の聖櫻学園だ。

 そして、校舎の設計から体育館などの設備、その他諸々全てが理事長の意向の下で作られている。

 現在僕はバスを降り、正門を通って校舎へ向かっているのだが、目の前の本格的な陸上トラックも、その奥の野球場も、サッカー場も、テニスコートも、理事長先生の一声で設置されたそうだ。

 はっきり言って競技だけならこの学園でオリンピックすら開催できるだろう。

 そんなすごすぎる理事長先生が、母親の「息子を編入させてほしいな♥」という軽いお願いを二つ返事で受け入れたというのだから驚くのも無理はない。

 もともと、聖櫻学園は一度は通ってみたい高校ランキングでぶっちぎりの1位だ。

 故に、一部を除いて10年の間、途中編入を認めていない。

 一部というのは学園にとってメリットのある生徒、早い話が特待生かあるいは留学生かのどちらかである。 

 つまり僕は例外中の例外というわけだ。

 正直それなら断ってくれればよかったのにとさえ思ってしまう。

 だからといって別に嫌というわけではない。

 勉強も一生懸命やれば何とかついていけるだろう。

 ただ、この学園は僕にとって少々厄介である。

 まぁその厄介ごとを解消するために、満を持して通うことを決意した節もあるので文句は言えないけど。

 

「ふう、やっと着いた」

 

 そんなこんなで僕はようやく理事長室までたどり着いた。

 正直疲れた。のんびり歩いていたとはいえ、友達と会話しながらならまだしも、正門からここまで30分近くかかるのは非常につらい。

 まぁ昇降口から正門、裏門までは全生徒共有の自転車が設備されているので、これからはそれを借りるとしよう。

 

 コンコンッ。

 と、一度呼吸を整えた後、理事長室の扉をノックする。

 中からすぐに「どうぞ」という声が聞こえたので扉を開けて中へ入る。

 

「失礼します」

「いらっしゃい。早かったわね。みちるのようにに当然の如く遅刻してくると思っていたのだけど」

 

 そう微笑みながら言うのは、まるでテレビでよく見かける社長席のようなイスに腰掛ける理事長先生こと、神楽坂砂羅(かぐらざか さら)先生だ。

 ちなみに、みちる、というのは僕の母親のことだ。

 まぁ親が親なら子も子だろうというのは当たり前なのだが、正直言って母親と一緒にするのはやめてもらいたい。

 

「いえ、あれは母さんがおかしいだけです」

「ふふふ、そうね。ごめんなさい」

 

 再び微笑むと、右手のソファーへ座るよう勧められる。

 しかし、この人は本当に母親と同級生なのだろうか? 20代と言われても納得してしまうくらい若々しく、そして美人だ。

 まぁ容姿で言えば母親も似たようなものだが、あの人の場合はそこに童顔が含まれているので一緒にするのは理事長先生に失礼だろう。

 そんなことを思いながら腰を下ろすと理事長先生が声をかけてきた。

 

「聖士君はコーヒーでよかったかしら?」

「え? あ、いえ、お構いなく」

「あら、学園理事長の入れたコーヒーが飲めないと言うつもりかしら?」

「い、いえ、ありがたく飲ませていただきます!」

「そう。素直な子は好きよ」

 

 そう言うと、理事長先生は脇に常備されているコーヒーポットを手に取りカップへと注ぐ。

 しかしなんだったのだろうか? さっきの威圧感の様なものは。

 僕は単に礼儀として一度は断りの言葉を言うべきだと思い、ああ言ったわけだが、先ほどの口調からして一度たりとも断ることを許さない、という絶対的な何かが背筋を走った気がした。

 ということで正直怖気づいた僕は、一先ず理事長先生には「はい」から始めることを心の中で誓った。

 

 

 

 それからしばらく、主に入学式が終わるまで理事長先生と会話をしていた。

 どうやら僕は子供のころに一度、理事長先生と会ったことがあるそうだ。

 とはいっても10年以上前のことなので当然覚えていない。

 そもそもその頃は自分の抱える厄介な体質に毎日悩まされ続けていた記憶しかないので、覚えていろという方が無理なのだ。

 そして理事長先生は僕の体質のことを知っているらしい。

 そして、その体質を僕が克服したいと思っていることも母親に聞いて知っている。

 どうやら協力してくれるらしく、早々にアドバイスと言えるかはわからないが案をもらった。

 どうも新聞部に入ることを勧められた。

 それは父親が新聞記者だからですか? と尋ねたら、どうも違うらしい。

 僕はてっきりそうだと思っていたが、どうやら僕の体質を治すのに一番適しているとのこと。

 理由までは教えてくれなかった。

 入部するかどうかは僕の意志だし、僕自身で克服しないといけないからということだそうだ。

 まぁごもっともだろう。

 ついでにもう一つ言うと、新聞部の部長は理事長先生の娘さんらしいのでいろいろと都合がいいのだとか。

 なるほど、と、ひとまず納得した。

 

 

 

 そして入学式も終わり、いよいよ僕もクラスへと移動するため、担任となる先生をその場で待っていた。

 そして・・・。 

 

「初めまして、暁君の担任を務める橘響子(たちばなきょうこ)です! よろしくお願いします」

 

 僕の担任は母親以上に童顔で子供っぽい先生だった・・・。

 

 




お疲れ様でした。
感想等、いつでもお待ちしております。

次回ですが正直、早々に四苦八苦しております。
理由は、同じクラスにどの子を持ってくるか、他クラスにどの子を送るのがベストなのか、まぁそんなことで悩んでます。
まぁすでに確定している子もいるのでそこまで気にすることもないのかなとも思いますがw
それでは次話でお会いしましょうさようなら。
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