(・・・ええー、地下って・・・)
「聖士くん、どうかしたのかしら~?」
地下の存在に固まっている僕に向けて望月先輩が尋ねる。
「いえ、この学園、地下まであるんですね」
「あるわよ~、それがどうかしたの~?」
どうかしたのって・・・、普通ありませんよ地下なんて・・・。
あれ? ないよね? 前の学校が特殊だっただけ?
と、少し心配になった僕はひとまず「いえ、どうもしません」と答え、階段を降り始めた。
階段を降りたところで再び扉の前、というよりどちらかと言えば玄関である。
何を以て玄関と例えたか、それは扉の左側に玄関には必ずと言っていいほどの確率で存在する、あれが取り付けられていたからである。
「あの、なぜインターフォンが?」
「あら当然よ~。だってここは~彼女たちの自宅の様なものだもの~。お家にインターフォンがあるのは当たり前よ~」
自宅!? つまりここに住んでいると!?
確かこの学園には寮があったはずだけど・・・。
いや、今更色々疑問に思っても仕方ない。
そもそもこの学園を普通の学校と同じに見てはいけないのだ。
と、無理やり自分を納得させ、なるようになるだろうと、僕はインターフォンを押した。
そしてすぐにスピーカーから返事が届く。
少しすると扉が開けられ、1人の女性に迎えられる。
「いらっしゃいませ。おや? あなたはどなたですか? 学生名簿の照合によると一致する生徒が存在しませんが・・・」
迎えてくれた女性は僕を見るなりそんなことを言う。
照合? どういう意味だろうか?
というかこの人が天才高校生なのだろうか?
正直顔までは覚えていないが、テレビで見たときはもう少し明るいイメージだった気がする。
「やっほ~クロムちゃん、お久ぁ~」
「望月先輩・・・、ということはあなたは新聞部の方ということでよろしいですか?」
「あ、はい、そうですね」
「なるほど、了解しました。そういうことならマスターに窺っています。どうぞ中へ」
そういって僕らは中へ免れた。
しかしいいのだろうか? 望月先輩の話からすると、ここは一応自宅なのでは?
いくら新聞部とはいえ見ず知らずの男子を簡単に招くのはまずいんじゃないだろうか?
まぁ、あまり気にするのはよそう。
それにしてもマスターっていうのはいったい・・・。って
「ひろっ!?」
室内はあまりにも広かった。
ざっと見てもテニスコート位のフロアである。
さらに扉がいくつか見えるのでまだ奥があるのだろう。
まぁただ、あちこちに機械の部品と思われるものが散乱しているのでそれだけが少し残念ではあるが。
そしてさらに奥の扉の中へと案内される。
「ん~やっぱりこれがないと調子が出ないよ。おや? クロムさん、お客さんかい?」
中へ入ったところでちょうど別の部屋、というより台所から出てきたと思われる女の子が尋ねてくる。
どうも僕と同じ二年生のようだ。ついでに言ってしまえば最初に迎えてくれた子も二年生である
見分け方はスカートの色である。
三年生は赤を主体としたチェック柄。
同じように二年生は青、一年生は緑となっている。
ちなみに男子も同じである。もちろんスカートじゃないよ?
しかしこうなるとこのマスターと呼ばれる女の子が天才高校生なのだろうか?
それともほかにまだいるのだろうか?
っていうかここ思いっきり人の家にしか見えないんだけど・・・。
「はいマスター。どうやら新聞部の方と・・・」
「げっ!? 望月先輩!」
「げってなによ~、お姉さん傷付いちゃうわよ~来夢ちゃん」
望月先輩を見るなりあからさまに態度が変わった来夢と呼ばれる女の子。
「いやぁ、まさか望月先輩まで来るとは思っていなかったのでねぇ。こりゃ失敗したかなぁ、はははー」
手に持っていた真っ赤な液体に浸かったパックで顔を隠すようにしながら彼女は答える。
持っているのは漬物だろうか? しかし真っ赤な漬物ってあったかな?
そして初めに迎えてくれた女の子の提案でひとまず客間へ移動した。
客間は予想を反して普通の和室だった。
いや、ここが地下でありさらに掘りごたつ式となっていること考慮すれば普通ではないかもしれないが。
テレビまであるしね・・・。
「さて、確か取材だったね。今日は何を聞きたいんだい?」
手に持っていた真っ赤な何かを、あらかじめ用意されていた大皿に移し替えながら僕に尋ねてくる。
しかし、僕はこれと言って取材内容を聞いていないので何について聞けばいいのかわからない。
おそらくこの対応から彼女が取材対象であることはほぼ確定しているだろう。
何を聞こうか? あるいはまだお互いに名前を知らないのでまず名乗るべきか?
など、いろいろと考えてはいたのだが、それ以前に、僕は彼女に対してどうしても訪ねなければならない要件ができてしまったので、そちらを優先する。
「あの、それはなんですか?」
僕はテーブルの上に載った真っ赤な何かに視線を落として尋ねる。
もちろん、僕はその答えを知っている。
なにしろ見れば一目瞭然だからだ。
しかし僕は尋ねなければならないと思った。
理由は簡単、それを彼女が至極当然のようにそのまま食しているからである。
「ん? 君はおかしなことを聞くねぇ、見ればわかるだろうに。これが紅ショウガ以外に見えるかい?」
その通りだ。まさしくポリポリと、そう・・・ポリポリと彼女が普通に食べているのは紅ショウガである。
しかしである。紅ショウガとは本来このように、まるでお茶菓子のように食す類のものではないはずだ。
故に僕は尋ねたわけだ。「どうしてそのまま食べているんですか?」と。
「またまたおかしなことを聞くねぇ。そんなの好きだからに決まっているじゃないか。ははは」
いえ、おかしいのはあなたです。
いくら好きでも紅ショウガをおやつのように食べる人は多分・・・あなただけですよ。
とはいえるはずもなく、代わりに彼女の隣に座るクロム、と呼ばれた子が答えてくれる。
「ですが、マスター。この量はさすがに食べすぎです。マスターの身体に影響が出る可能性があるので半分にしておいてください」
「ええー。クロムさんが言うんだから仕方ないなぁ」
そういうと、別皿に半分とりわけ、なぜか僕らの前に差し出してくる。
「どうぞ食べてくれたまえ」
・・・・・・。
僕は無言で望月先輩に視線を移す。
「私はいらないわ~。全部食べちゃっていいわよ~」
いらないよ! っとおもわず叫びたくなるような答えが返ってきた。
そしてクロムさんへと視線をやると「無理に食べなくともいいですよ」っと目で言われた気がした。
ああ、ありがとうクロムさん。
「ところでマスター。学園名簿の修正をお願いしたいのですが」
「おや? 故障かい?」
「いえ、そういうわけではなさそうですが、この方のデータが見当たらないので」
そういってクロムさんは僕に視線を向ける。
僕は彼女たちの会話を理解できないでいた。
「んー? そういえばきみ、同級生のようだけど、どうも見覚えがないねー」
美少女2人に見つめられ、少し戸惑いながらも、ようやく僕が転校生であることを伝える。
もちろん名前も。
「なるほど転校生かぁ。これはこれは、どうも理事長に隠蔽されたようだね。ははは」
「隠蔽?」
「そうだね。現に新入生の情報は理事長から預かったデータをすでにクロムさんにインプットしてある。そのクロムさんがきみを知らないといった。そしてあの理事長がきみの存在を忘れるわけはないだろうから、意図的に情報を提供しなかったと言えるだろう?」
確かにあの理事長先生が何かを忘れるなんて凡ミスを犯すとは思えない。
しかし、僕はそれ以上に前半の彼女の言葉の意味が理解できなかった。
「あの、データとかインプットとか僕には理解できなかったんですけどどういう意味なんです?」
「ああ、なるほど。きみはクロムさんについて何も聞かされていないということかね。1つ聞こうか。きみは私がどういう人間であるか知っていたりするかい?」
「え? はい。一度だけテレビで。たしか人とロボットと共存が夢、と言っていた気がするんですが」
「その通り。まあ正式にはアンドロイドなんだけどねぇ。ちなみにその夢はすでにほぼ現実となっているのだよ」
「ほ、本当ですか? それはすごいですね。いったいどんなアンドロイドなんです?」
と、僕はなにも知らずに呑気に尋ねた。
そして直後、僕は衝撃的な事実を知る羽目になる。
「ははは、きみはどうも鈍いようだねぇ。クロムさんがその、私の作り出したアンドロイドなのだよ」
・・・・・・・・・・は?
「初めまして暁聖士さん。マスター、螺子川来夢(ねじかわらいむ)により生み出されたアンドロイド、ミス・モノクロームといいます。皆さんはクロムと呼ばれますがお好きに呼んでくださって構いませんので」
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「えええええええっーー!!!!!!!」
今度こそ僕は、叫ばずにはいられなかった・・・。
お久しぶりです。
やぁ部活対抗、無事終わりましたねぇ。
相変わらずサーバーは重かったですが。笑
さてさて、今回は上記のお2人が登場したわけですが、もちろんガルフレをご存知の方は気付いたでしょう。
はいその通り。クロムさんは本来、来夢が作ったアンドロイドではありません。
つまりオリジナルです。
なぜこういう設定にしたか、まぁ単に2人が仲良し関係にあったからってだけです。伝わるかな?(笑)
まぁ今回を含め、砂夜様の設定もオリジナルなわけですが、今後もこんな感じでところどころいじっていく予定ですのでご了承ください。
希望があれば受け付けますよ?(笑)
しかし今回は難しかった。
同シーンに女の子3人いるとこうも難しくなるとはw
今後は2対1、1対1での展開を基本にしよう。
じゃないと飽きっぽい作者のやる気が削がれる可能性がーw
それでは感想、その他お待ちしております、さようなら。