蘆屋道満の子孫ですが呪術師をしています   作:妖精絶対許さんマン

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このすばの方が詰まったのと呪術廻戦の単行本まとめ買いしてハマったので投稿。


原作前
蘆屋道正と禪院家


「ここが御三家の一つ・・・・・・禪院家本邸」

 

御三家。呪術界において長い歴史と絶大な権力を持つ五条家、加茂家、禪院家の総称。そんな御三家の一角、禪院家に俺こと蘆屋道正(あしやみちまさ)は招待というか呼び出しを受けた。俺の産まれた蘆屋家もそれなりに歴史はあるが御三家には及ばない。力関係で言えば向こう(禪院家)が上、俺の家(蘆屋家)が下だ。縦社会は辛いな。

 

「えーと・・・・・・インターホンは」

 

そもそもこんな古い屋敷にインターホンがあるのか自体が疑問ではあるけど。インターホンの場所をしばらく探していると閉じていた門が一人でに開いた。開いた門の向こう側には小学生程の女の子二人が並んでお辞儀していた。

 

「「ようこそおいでくださいました、蘆屋道正様」」

 

頭を上げた二人は姉妹なのかそっくりだった。禪院家の給仕なのか?さすがに子供に給仕の真似事をさせるのはどうかと思うが。

 

「「御当主様がお待ちです。ご案内させていただきます」」

 

「えーと・・・・・・よろしくね、二人とも」

 

こんなに年の離れた子達に敬語使われて敬われてもいい気なんてしないな。子供は子供らしく外で元気に走り回れば良いのに。

 

(・・・・・・空気が重い)

 

二人は職務に忠実なのか門から一緒に歩いているのに会話らしい会話の一つも無い。いや、会話するのを禁じられてるのか?

 

「あっ・・・・・・」

 

前を歩いていた片方の女の子が足を止めた。前方には首がやたらと長く頭が小さい呪霊が体育座りしていた。

 

「おい、真依。なに止まってんだよ?遅れたら爺が煩いからさっさと行くぞ」

 

「い、いや・・・・・・前に黒いのがいるもん」

 

足を止めた子は真依っていうのか。こっちの子は視えてるみたいだけど、もう一人の子は視えてないぽいな。それより・・・・・・御三家の本邸なのに四級以下の呪霊だろうけど放っておくのはどういうつもりだ?

 

「えーと、真依ちゃん?はあの黒いのが視えてるんだよな?なら、少し待ってな」

 

懐に手を入れて一枚の札を取り出す。取り出した札は呪力を流すことで爆発するようになっている特性の呪符だ。その呪符を呪霊の小さい頭目掛けて投げる。

 

「オイ、オオイイ、オイ、デムグゥ」

 

「誰が行くか」

 

指をパチンと鳴らすとボオンッと呪符が爆発して呪霊の頭部を吹っ飛ばした。呪霊は頭部を吹き飛ばされて残った部位は塵になって消滅した。

 

「す、すごい・・・・・・」

 

「おい、真依。居なくなったんならさっさと行くぞ」

 

「う、うん。あの・・・・・・あ、ありがとうございます」

 

真依ちゃんは頭を下げてお礼を言ってきた。その頭を雑に撫でる。

 

「子供が一々こんなことで気にすんな。それに、俺たち呪術師は視えていても祓えない人たちの代わりに呪霊・・・・・・真依ちゃんが視えていた黒いのを祓うんだ。感謝されるようなことじゃない」

 

流石に五条家の『六眼』と『無下限術式』両方持って生まれた規格外みたいなことは出来ないけど、今の俺なら二級、相性次第で準一級の呪霊は祓える。

 

「・・・・・・は、はい」

 

真依ちゃんは撫でた場所を両手で押さえて顔を赤くした。思春期の女の子の頭を不躾に撫でたのは不味かったか?

 

 

じゅ・じゅ・つ

 

 

「・・・・・・もう一度、仰っていただいてもよろしいですか?」

 

「ん?聞こえなかったか?その歳で難聴とは感心せんな。俺の姪を蘆屋道正、お前の嫁にくれてやる。さっき会ったろ?呪霊が視える方だ」

 

目の前の酒を飲みながら話す爺––––––禪院家現当主『禪院直毘人』の言葉に頭痛がしてきた。あんな小学生の女の子を嫁に?ふざけてんのかこの爺。

 

「真依と真依の姉の真希は禪院家相伝の術式を持ち合わせず産まれ、真希に至っては呪霊すら視えん。そんな落伍者達をいつまでも禪院家には置いてはおけん」

 

「それなら嫁––––––政略結婚による派閥拡大の材料にすると?」

 

「そうだ。真希に比べて、真依は呪霊が視える分まだ子を産ませるだけの価値はある。産まれた子が相伝の術式を持っていれば禪院家の当主候補の一人に、お前の蘆屋家の術式を持っていれば蘆屋家の当主候補にする。それがお前の父親、蘆屋道宗と結んだ協定だ。ゆえに、お前にもましてや真依にも拒否する権利は無い」

 

あのクソ親父・・・・・・っ!どんだけ御三家との繋がりが欲しいんだ!何より腹立たしいのは一人の女の子の人生を左右する話に何の口も挟めない俺自身が腹立たしい。

 

「話は以上だ。別室に真依を控えさせている。気が済むまで話すがいい」

 

爺が手を叩くと襖が開き女中が頭を一礼して入ってきた。

 

「お呼びでしょうか、御当主様」

 

「客人を別室に控えさせている真依のところに連れて行け。丁重にな」

 

「御意」

 

女中の人が一礼して立ち上がって俺の前まで歩いて来る。

 

「ご案内いたします。どうぞこちらに」

 

「わかりました」

 

女中の後に続いて大部屋を出る。一刻も早く爺の前から去りたいから早足で部屋を出る。

 

「おお、そうだ。なんなら真希もどうだ?側室にでも––––––」

 

聞くに耐えない言葉が聞こえてきたので襖を勢いよく閉めて音を掻き消す。権力欲に取り憑かれた老害が・・・・・・っ!

 

 

じゅ・じゅ・つ

 

 

連れてこられたのは本邸から少し離れた場所にある周りを池に囲まれた別邸。客と内密な話をするために建てられたんだろう。

 

「こちらになります。何かご用があれば部屋に備え付けてある鈴をお鳴らしください」

 

「わかりました。ありがとうございます」

 

女中に一礼して別邸の襖を開ける。部屋の中には三つ指をついた女の子がいた。

 

「お、お待ちしておりました・・・・・・蘆屋道正様。禪院真依と申します。不束者ですが・・・・・・よろしくお願いいたします」

 

最初に会った時とは違い薄く化粧をして着物に着替えた真依ちゃんが座っていた。・・・・・・マジかよあの爺。




・蘆屋道正

平安時代の陰陽師、『蘆屋道満』の子孫。『蘆屋道満』の子孫ではあるが『蘆屋道満』とは違い他人の死を悲しみ、義憤することができる。ただし、仕事中は多少の犠牲は許容する。妹が一人いる。

・蘆屋家

紆余曲折あり陰陽師から呪術師に鞍替えした。完全実力主義で蘆屋家の当主は代々、先代当主を殺害することで襲名する。現当主は道正の実父、蘆屋道宗。

・蘆屋道宗

蘆屋家現当主にして蘆屋道正の実父。完全実力主義の蘆屋家当主なだけに歴代当主の中でも指折りの強さの持ち主。御三家との繋がりを得るために勝手に政略結婚を了承した。

・禪院真依

落伍者の烙印を押された少女。相伝の術式を持たずに産まれたので政略結婚の材料にされた。頭を撫でられたことがあまり無いので、道正に撫でられて嬉しかった模様。


蘆屋家の術式はおいおい登場します。
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