蘆屋道満の子孫ですが呪術師をしています   作:妖精絶対許さんマン

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お久しぶりです。


蘆屋道正と禪院姉妹とショッピングモール

「なんだこれすげぇ美味い!禪院家(うち)で出されるクソ不味い精進料理より美味いぞ!!」

 

「お姉ちゃん!このジュース飲んだら口の中ですごいシュワシュワする!」

 

「なにっ!?ホントか!?・・・・・・ホントだ!すっごいシャワシャワする!!」

 

ショッピングモール内の『M』のマークがトレードマークのファーストフード店で昼飯を食べている・・・・・・食べているのだが、禪院姉妹のおかげで大変目立っている。

 

「二人とも。美味しいのはわかるけど騒ぎすぎだ。他のお客さんの迷惑になるし、なにより目立ってるぞ」

 

「うぐっ・・・・・・」

 

「ご、ごめんなさい・・・・・・」

 

軽く注意したら二人しておとなしくなってフライドポテトを食べ始めた。それにしても・・・・・・この年頃の子供に精進料理とか出すか普通?いや、禪院家ならやりうるな。

 

「美味しいか?」

 

「「すっごく美味しいっ!!」」

 

満面の笑みを浮かべる二人を見ながら俺も注文していたチーズバーガーを食べ始める。

 

 

じゅ・じゅ・つ

 

 

「二人とも。行ってみたい場所とかあるか?」

 

ファーストフード店から出た俺は左手に真依ちゃん、右手に真希ちゃんの手を繋いでショッピングモール内をプラプラとしている。二人とも店を出る前に買ったジュースを手に持っている。余程炭酸飲料が気に入ったらしい。

 

「別にどこでもいい。そもそも道正が連れ出したんだから道正がちゃんとエスコートしろよ」

 

「私もこういう場所は初めてですから道正さんに連れて行ってほしい・・・・・・です」

 

映画は・・・・・・時間的に厳しいか。なら、ゲーセンか。

 

「なあ、二人とも。ゲームってしたことあるか?」

 

「「げーむ?」」

 

お、手応えありそう。二人の手を引いてショッピングモール内の某青いハリネズミがマスコットのゲームセンターに連れてきた。二人はクレーンゲームやレーシングゲーム、さらには音ゲーの筐体を物珍しげに見ている。

 

「なあなあ、道正。あの太鼓がついてるのはなんだ?」

 

「道正さん。あの車の運転席みたいなのは何ですか?」

 

真希ちゃんが興味を示したのは二人プレイも出来る太鼓型の音ゲー、真依ちゃんが興味を示したのは赤い配管工が主人公のレーシングゲーム。

綺麗に別れた。

 

「道正。あのげーむしてみたい」

 

「道正さん。あのげーむしてみていいですか?」

 

ピシリと空気が凍りついたような気がする。真希ちゃんと真依ちゃんが顔を見合わせている。

 

「おい、真依。私が先に言ったんだ、私が先だ」

 

「い、いや・・・・・・っ!」

 

自分の方が先だという真希ちゃんとそれを拒否する真依ちゃん。せっかく楽しんでもらおうと思って連れて来たのに一気に険悪な空気になってしまった。あたりを見回して打開策が無いか探してみる。

 

「二人とも。あのゲームで一番多くお菓子を取った方から好きなゲームを先にプレイすることにしよう。あれなら勝ち負けがはっきりするし、お菓子も貰える。一石二鳥だろ?」

 

「やる!」

 

「やります!」

 

二人に引っ張られるようにして筐体の前に移動する。回転しているお菓子の海の中からアームで掬って落とすタイプのゲーム。これならゲームをしたことが無い二人の差はないはずだ。真依ちゃんに小銭を渡して、真依ちゃんは投入口に小銭を入れてゲームを始める。

 

「えっと・・・・・・これを押して・・・・・・やったっ!道正さん取れました!」

 

「おー、初めてやるにしては一回で取れるなんてすごいな」

 

「えへへ・・・・・・ありがとうございます」

 

「おい、道正。私にも早くやらせろよ」

 

「わかったから服引っ張るのやめてくれ。裾が伸びる」

 

真希ちゃんにも小銭を渡すと真希ちゃんはすぐに小銭を投入口に入れてすぐにプレイし始めた。ただ、真依ちゃんみたいに上手く掬えず、ゲームは終了した。

 

「私の勝ちだねお姉ちゃん」

 

「ちっ、仕方ねぇな」

 

勝負の結果は真依ちゃんが四個、真希ちゃんは一個と真希ちゃんがボロ負けした。

 

「なら、最初は真依ちゃんがやりたがってたゲームからするとするか」

 

そこからは二人と思いっきり遊び倒した。レーシングゲームと太鼓型の音ゲーを堪能したりした。ただ、二人に驚かされたのは真希ちゃんがパンチングマシーンで子供、それも女の子が出せない威力のパンチを叩き出した。もしかしたら真希ちゃんは天与呪縛・・・・・・生まれつき呪力を持たずに生まれて、そのかわりに驚異的な身体能力を得たフィジカルギフテッドなのかもしれない。そして、真依ちゃん。真依ちゃんはシューティングゲームでノーダメージで全ての敵をヘッドショットで倒して、最高得点を叩き出した。それも、初めてやるゲームでだ。同じゲームをやり込んだ人間なら不可能ではないだろうけど、初めての真依ちゃんができるのは異常だ。真依ちゃんには射撃の才能があるのかも知れない。二人とも磨けば光る原石なのかも知れない。

 

「お二人とも寝ておられますね」

 

「今日はよほど疲れたんでしょう。初めての体験ばかりだったでしょうし」

 

助手席越しに後部座席を覗くと二人は肩を寄り添って眠っている。

 

「・・・・・・道奈様とお二人を重ねられましたか?」

 

「別に・・・・・・そんなんじゃないです」

 

道奈・・・・・・蘆屋道奈は俺の妹で『天与呪縛』によって無尽蔵の呪力と構築術式を持って生まれ、その代償に生まれながらに病弱ですぐに体調を崩して、家から出ることが出来ない。体調が良くても数歩歩ければいい方だ。柳木さんが言うように、もしかしたら道奈と二人を重ねて見ていたのかも知れない。

 

「道正様、あまり情を抱き過ぎるのは禁物かと。彼女達は禪院家の者。子供とは言えそれなりの教育はされているでしょう」

 

「わかってます。でも、子供まで疑いたくないじゃないですか。それが術式目当てで政略結婚を狙っている家の子だとしても」

 

 

じゅ・じゅ・つ

 

 

(道正さん・・・・・・)

 

私たちはハニートラップと言われるような事は教えられていない。でも、私は道正さんと会う前の着物の着付けをしている時に何度も言われ続けた。『どんな手を使ってでも蘆屋道正の妻になれ』と。それが、私の存在価値だとも。運転している人も私達を警戒しているのは何となくだけど分かっていった。

 

(呪術師は怖い人ばっかりだと思っていたけど・・・・・・道正さんは違うんだ)

 

私だって女の子だから可愛いお嫁さんに憧れたりする。もし、叶うのなら・・・・・・。

 

(道正さんのお嫁さん・・・・・・)

 

道正さんにははっきりと結婚する気は無いと言われたけど、それは私が子供だからだ。もし、私が結婚できる年齢になって政略結婚とか関係無しに道正さんのことを好きになれたなら・・・・・・道正さんのお嫁さんになっても良いかも知れない。




・ 蘆屋道奈

蘆屋道正の妹。蘆屋家相伝の術式ではなく構築術式を持って生まれた。天与呪縛によって無尽蔵とも言える呪力によって構築術式によって武器好きなだけ作り出せる。失ったのは健康な肉体。
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