最強ノ一振り   作:AG_argentum

11 / 44
ある意味蛇足です。ただ(蛇足といいつつ)今後のこの作品の核のようなものも入っているので読んでいただけると幸いです

ー追記ー
いくつかの点を修正しました


宇佐美栞①

夢を、描いた。アタシたちの部隊とあの人達、最強を擁する部隊と雌雄を決する。そんな夢をいつか描いた。

 

うってぃーときくっちーが大変だろうけど周りを撹乱して。我らが隊長が最強に挑み、長い長い死闘を繰り広げ、斬り伏せ、そして勝利する。

 

あの時、風間さんと彼に見せてもらった時以上の熱い戦いを最も近くで、そして勝利をともに分かち合える。そう思っていた。

 

だけど夢は夢のまま終わった。せっかく登りつめたというのに目当ての人はそこに居なかった。

 

別に、風間さんは気にした様子はなかった。ただ淡々と。そうか、と一言。彼が居なくなった時そう呟いただけだった。だけどアタシはそこまで大人じゃなかった。どうして、となんで、の言葉の渦。口には出さなかったがそれだけが胸を埋め尽くした。 

 

彼のいた部隊。名前は変わり、宿しているエンブレムもまた変わった。

 

変わらなかったものを挙げるとすれば、一つ。動くたびにその主を追うかのようにはためく黒のコート。噂で聞いた話だが部隊設立当時、隊長であった彼はその隊服を渋々とだが着ていたらしい。

 

何が言いたいかと言うと、彼がそこに居た。と言う証はほぼ消え去ってしまったということだ。

 

 

颯爽とカレーを食べ終えたアタシはレイジさんに後は任せます、と一つお辞儀をしてからカレー皿をテーブルに残し、静かにその場から立ち去る。

 

残念ながら来栖さんにも気づかれた。せっかく美味しそうに食べていたのに水を差すような真似はしたくは無かったのだが気づかれた以上仕方がない。やはりカメレオンがなければそう簡単に隠密行動はできはしないというもの。もっとも、トリオン量が最低値しかないアタシにはそもそもセットできないので意味がない想像だ。

 

夢中に頬張る陽太郎を写真に収めたいとも思うが今はそれよりこちらを優先だ。

 

階段を登り、支部長(ボス)の執務室の前まで来て歩みを止めた。

 

先に食べ終えていたはずの迅さんがここにいないということは。つまりはこの扉の向こうで待っているということだ。

 

何を、この扉の先で言われるのだろう。わかっていることは軽々しく口外できる類ではないということ。

 

だってアタシは。アタシを含むボーダーの隊員は。今の今まで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と聞かされていたのだから。病院で昏睡状態だっただなんて一度も聞かされていない。

 

だから恐らくこれから聞かされるかもしれない話はボーダーでもごく一部しか知らされていないものなのかもしれない。今思えば、ひょっとしたら風間さんはこのことを聞かされていたからあれほどまでに淡白だったのかもしれない。予測に予測を重ねてしまう。

 

それに記憶のないあの人をわざわざ呼び戻すということは。彼の強さが必要な未来があるということだろう。

 

できれば早く来栖さんには記憶を取り戻してほしい。強さ云々もそうだし何より彼の周りにいた人々の為にも思い出してほしい。

 

そして叶うならば。

 

「失礼します、宇佐美です」

 

アタシは、夢の続きを見たいのだ。

 




新たに解釈違いが生まれそう。
ただ2つ前の話はこんなかんじのが書きたくてあげた節もあるから許してください。
次回、やっとだけど戦闘描写あり。頑張ります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。