ねえ、来栖さん。
ん?
わたしね。3年生になったんだよ。
なんだ、進級できたのか。
ひどいなぁ、来栖さん。わたしのことなんだと思ってるの?
勉強面では、手のかかる子だと思ってるよ。
来栖さん。
おお、出水。
おれも、二年になりました。
そっか。さすがはウチの優等生だ。
優等生、すか?
太刀川とか柚宇に比べれば、京介やお前は十分優等生だよ。
ひどいな〜来栖さん。
鮮烈だったからな。まさか、赤点を3つも取るなんて。俺の周りにはいなかった。
進学校通いの来栖さんの周りには、そういないよ〜。
でも、柚宇さん。最近赤点とってないですよね。
それはまあ。
今ちゃん?
鈴鳴第一のオペ、ですね。
今ちゃんはさ。来栖さんがいなくなってから、きたんだよ。
……ああ、そう、か。
……ねえ、来栖さん。
……なんだ?
わたしたちはさ。頼り、なかった?
…………。
……あの日おれらを置いて一人でいったのは。おれらが弱かったからですか?
…………そんな訳、あるか。…………ただ。
ただ?
俺が、怖がっただけだ。
…………。
迅に言われた、あの日の未来が。俺は怖かった。俺は…………。
俺は、お前らを失う未来なんて認めたくなかった。それだけの意地。それを通すために選んだ。選んで、しまった。
…………。
後悔は、してない。あの日の選択を、俺は後悔してない。お前らに悲しい思いを、させたのかもしれないけれど。
…………。
それでも、『来栖響』の生きる理由は。戦う理由は。お前たちなんだよ。お前たちが、俺をどう思ってようと。
……来栖、さん。
……ああ、もっと。話したいのに。時間が、ない。
眠いの?
……ああ。……なあ、俺は。きっちり守れたか? 守りたいって、思えたものを。あの日。
守ってくれたよ。来栖さんは、全部守ってくれた。
……柚宇。出水。京介。太刀川。
……お前らが、いて、くれたから。俺は、もう一度…………。
……始められ、たんだ。
……だから。今度こそ。全部、守り切る。
ならそれ。おれたちにも手伝わせてください。
うん。わたしたちにも、今度は手伝わせてほしい。
だって
……ああ、そうか。そう、言ってくれるのか。
きっと、太刀川さんも同じこといいますよ。
そうだね。拗ねてるだろうけどきっと言う。
……ああ、そうか。あいつもそう、言ってくれると。いいな。
……悪い。今日は、疲れた。もう、寝る。
うん。おやすみ。来栖さん。
また、ね。
心に刻みたい、お前たちの言葉を。