バカと嫌われと元ニート   作:Argo(不定期更新)

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 どうもです、思いの外書けたのでもう投稿しちゃいます。前回の作品でアンケート採ってるのでよかったら答えてってくださいな。
 先に言っときますけど、私は明久が嫌いじゃないです。むしろ好きです。
 ・・・・・・嫌われって難しいな。


『目を背けたくなる話』

 さて、どこから話しましょうか。あ、名取さんはお時間大丈夫ですか?今日はオフ?そうですか、なら最初から話しますかね。

 あ、要らないとこは省きますから安心してくださいね。長くなってもいい?・・・ありがとうございます。じゃ、始めますね。

───全ての始まりは

 

 

「春というには少し暑い日のことでした」

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

「転校生・・・?」

「らしいのう。お陰様で皆騒がしいのじゃ」

 

 『落ち着いて本も読めやしない』と肩を竦めながらその騒々しさに秀吉は眉を寄せる。

 

「まぁまぁ、そう言わずにさ。ほら、もうすぐチャイム鳴っちゃうよ?」

「むぅ・・・」

 

 着席を促すと顔を少ししかめたまま、秀吉は席に戻っていく。それを苦笑しながら送り出すと僕は、まだ見ぬ転校生に思いを馳せた。

 

「皆、知ってると思うが、転校生だ。」

「初めまして、俺は久根(ひさね)畔戸(くろと)だ。皆、これからよろしくな。」

『よろしく~』『かっこいい~』

 

 簡潔に自己紹介を済ませた転校生・・・、久根はクラスから拍手を受けながら教師に指定された席へ着く。

 

「よろしく」

「あ、うん。よろしくね!」

 

 その席は明久の隣だった。席に着いた久根に手を差し出され、快く握る。明久には痛いくらいの握手だったが、明久はそれを顔に出さずにニコニコと挨拶をするのであった。

 

 

「あやつ、あまり良い予感がせぬな・・・」

 

 少し離れたとこから転校生の様子を伺っていた秀吉は昼に明久に相談しようと心に決めた。

 

 

─_─_─

 

「どうしたの?秀吉、そんな難しい顔しちゃってさ。折角のお昼なんだからもっと楽しく食べようよ!」

「ん?ああ、少し気になることがあっての。

そういえば、朝、明久は大丈夫だったか?

手、かなり強く握られたじゃろ?」

「あ、まぁね。でも、彼も悪気があったわけじゃないだろうし、大丈夫だよ!」

「そうか?」

「・・・・・・もしかして、何か気になることでもあった?」

「ん、そんなところじゃ。あやつの目、どこか濁っておった。念のため、気を付けるように言っておこうと思ってな」

「そっか。秀吉は人を見る目があるからね、それなら気を付けておくよ。心配してくれてありがとうね」

「気にするな、親友の為じゃ。それと、手が痛むようじゃったら、保健室にいくのじゃぞ?」

「分かってるよー!」

 

─_─_─

 

 

──それから、1ヶ月くらいは何もありませんでした。僕はいつも通り皆の手伝いをして過ごしたし、秀吉の言ったことを思い出しながら彼と接してました。それでも何か危害が加わるようなことは起きなかった。

 だから、油断してたんです。このまま何事もなく卒業できるって。秀吉の勘が珍しく外れたな、って。今思うと、甘い考えでした。

 異変は梅雨頃に起きました。

 

「あれ?傘がない・・・」

「どうしたのじゃ?明久」

「いや、傘がなくって」

 

『可笑しいな』と傘置き場をしばらく探して、どこにも見当たらないので秀吉の傘に入れてもらって帰ることにしました。大方、誰かが勝手に借りパクしたのだろう、と。

 学校で傘が無くなる、なんてよくあることじゃないですか?柄物だとあんまり無いかもですけど。よくあることだとしても、母が送ってくれて大切に使ってたものだったのでかなり落ち込みましたね、借りパクするには不向きな傘だから尚更。運が悪すぎる!って。

 そこからがスタートでした。最初は細かいものから無くなりました。消しゴム、シャーペンの文房具類。その次は私物の本やストラップ。どんどん、無くなるものは大きくなっていきました。

 

 いくら鈍い僕でも、これは可笑しいことに気付きました。もしかして、自分は知らず知らずのうちにこんなことをされる要因を作ったのかと。誰かに何かをしてしまったのかと落ち込む僕を見かねて、秀吉と優子さんは3人で遊ぶ計画を立ててくれました。

 

─_─_─

 

 

 

「いやー、参ったね。雨がここまで酷くなるなんてさ。」

「そうね、降水確率は50%だったのに・・・」

「しかも、じめじめして気持ち悪いのじゃ。

ん?あれは・・・・・・」

「どしたの?秀吉」

「なぁ、明久。お主の傘ってここら辺では珍しい傘じゃったよな?」

「??、うん。母さんが前に海外製の丈夫なの送ってくれたから、無くさないように皆に不人気な《おしるこーら》の海外限定ストラップと人工の恐怖と名高い《紅鮭ちゃんSP(スペシャル)磯の香り》の特別バージョンのストラップを付けてたよ。あれなら借りパクする気も失せるかな?って、まぁ、結果がこれなんだけど・・・」

「それがどうしたっていうのよ?」

「いや、あれ。」

 

 秀吉が指差した方向には何の偶然か、一月前に転入してきた《久根畔戸》。

 その手には──

 

「あ・・・、僕の、傘」

「えっ?」

 

 それは紛れもなく、明久の傘だった。彼の母が贈った傘自体も。レアものの、おしるこーらのストラップと紅鮭ちゃんのストラップはもちろん、使っていて付いたキズもどれも見覚えあるものだった。

 呆然と傘を見つめる明久の視線に気付いたのか、久根は顔を上げる。パチッと明久と目が合った久根は口元を歪めてわざとらしく笑った。そして、『見ちまったなァ?』と口を動かした気がした。

 

──その次の登校日から、明久の周りに不可解な現象が起き始めた。

 

 

☆★☆

 

 

 ここまでで何か質問は?盗まれたもの?

当時、友達だった人と撮った写真やプリクラとか、お揃いのストラップとか色々です。

 

 他に無いですか?そうですか、じゃあ再開しますね。

 

 

☆★☆

 

 

 

 不思議な現象なんて言いましたが、そこまで勿体ぶるようなことでもないんです。今まで人知れず僕がしていたことが久根畔戸の手柄になってたり、反対に僕に一切覚えのない悪行が僕のしたことになっていたり。

 手柄はどうでも良かったんです。褒められたくてしたわけじゃなかったし。それに、先生たちは久根畔戸の手柄になったことが本当は僕がしたこと、って知っていたみたいでいつもみたいに接してくれてました。悪行だって、質の悪い噂だから気にするなって言ってくれてました。

 

 問題は生徒でした。僕のことをよく知ってくれている一部の人や以前手助けした人は先生達と同じように変わらずに接してくれたけど、今まで少し関わっただけだったりした人は僕を疑う?か嫌悪する視線を露骨に見せ始めたんです。

 一週間も経てば噂には尾ひれや背びれが付き始めて『吉井明久が人の物を盗んだ』だとか『吉井明久が誰々を殴った』とか。

 それがどんどんエスカレートしていったある日のことでした。

 

 

 ̄─ ̄─ ̄

 

 

「おい、なんだよコレ!!」「ふざけんな!」「嘘でしょ・・・!」

 

 登校した僕を待ち構えていたのは秀吉を除いたクラスメイトから、学年中からの敵意でした。各教室がぐちゃぐちゃにされていたんです。教卓も椅子も机も、皆が置きっぱにしていた教科書も全部綺麗にぶちまけられていて、一部のものは壊されてもいました。

 その中で異質だったのは、たった1つだけ綺麗に並んでいた机でした。僕の机です。

 皆は僕を疑いました。先生のものも、生徒のものも、等しく台風が通ったかのように荒らされた中、何一つ変わることない僕の机、ロッカー。自分たちの物は勝手に触られ、ゴミのように床に散らばっているのに、最近悪評の酷い吉井明久()のものだけはそのまま。

決定的だったのは、梅雨の時期に盗まれたストラップ、プリクラ、写真が壊され、破られ、明久()以外の人間の顔を塗り潰された状態でゴミ箱に捨てられていたこと。これまで、辛うじて僕の側にいてくれた人も、僕の話を聞かないまま離れていきました。疑うにも、憎むにも、十分な要素を僕は持ってしまったみたいでした。

このあと、先生が来て取り直してくれたけど。それからは今までと比べ物にならないくらいの地獄が待っていました。

 

 登校すれば、机と椅子は廊下やベランダに押し出されていたり、水が撒かれていたり。授業中は何処からか消しゴムや丸めた紙が投げつけられたり。ロッカーに何か置こうものならバラバラにぐちゃぐちゃに徹底的に痛め付けられて捨てられてました。

 先生が注意しようものなら更にバレにくく、狡猾に、残酷に実行されました。

 

 自分達にしたことと同じことをしてやると言わんばかりに。危害を加えてくる人達に僕がいくら『していない』と言っても信じてくれる人は誰一人としていなかった。

 

 

 ̄─ ̄─ ̄

 

 

 

 そして、最後にして最大の事件が起こりました。いつも通り、靴箱に入れられたゴミを片付けて、教室に行き、荒らされている机とロッカーを整理して。自分の身を守るように、うつ伏せになって朝学活が始まるのを待っている時のことでした。

 久根畔戸が『昼休み、北校舎の2F,3Fの間の踊り場に来い。来なければ木下たちにも危害を加えてやるよ』と言ったんです。

 僕がやられる分には良かったし、我慢できました。でも、こんな状況になっても前と変わらずにずっと一緒にいてくれる二人にまで何をしようと言うのか、怒りも沸いたし、自分のやるせなさに泣きそうになりながら昼まで耐えて、僕は指定の場所に行きました。

 

「・・・なんの用?」

「おっ、来たか。クククッ」

 

 いつかの秀吉が言った通り、邪悪に笑う彼の目は濁ってる気がしました。

 

「俺さぁ、最初見たときからオマエのこと嫌いだったんだよ。良いこちゃんぶって教師に尻尾振ってよぉ、そのくせ、他の連中からは頼りにされてる、ホントに気味が悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くて悪くてなぁ

 思わず壊しちまった。ホントバカみてぇで面白かったぜ、適当にしおらしくオマエに嫌われてるみてぇだって言えばアイツら気を使ったような顔してさ、少しずつオマエにこんなこと言われた~とか訴えれば『嘘だ』とか言いながら、結局オマエを裏切った。傑作だぜ!!ただ、あの姉弟は一度たりとも靡かなかったが・・・・・・、けっ、ホントつまんねぇぜ。ま、今度こそ、テメーの味方はいなくなるだろうがよ」

「ま、待って!何をするつもりなんだ!!」

「あ"?ホント鈍いヤツだ。こうするんだ、よ!!!」

 

 そう言って久根畔戸は階段から落ちに行き(・・)ました。僕は咄嗟に手を伸ばすけど間に合わずに彼は二階へ落ちました。タイミング悪く、僕を元々よく思っておらず、最近の騒動でよく攻撃をしてきた男子生徒Aが通りがかりました。

──そこから先は覚えてないです。ただ、階段には運よく防犯カメラが設置されており、僕が突き落とした訳ではないことを先生達は理解してくれてました。

 

 後は任せて、と背中を押され、教室に戻された僕を待っていたのは暴力でした。

 男子生徒Aが目撃したシーンだけを見るなら久根畔戸を僕が突き落としたように見えたらしかったのです。

 その時、とっくにクラスの輪から外された僕は知りませんでしたが、久根畔戸は高いコミュニケーション能力とルックスからクラスの、学年の人気者となり、中心人物になっていたのです。そんな彼を普段、見下していた人間が傷つけたと思い彼らの怒りはMAXになっていました。

 

『彼を傷つけたのに、何故オマエはのうのうとここにいる!?』『オマエなんかがここにいていいと思ってるのか!?』『オマエが彼を傷つけたんだから俺達がオマエに制裁を加えてやる!』

 

 そこからは徹底的に、今まで以上にしごかれました。顔も鳩尾も腹も全力で殴られて、気絶しようものなら水をかけられて目を覚まさせられる。かわるがわる、日頃の鬱憤を晴らすかのように、僕を痛めつけました。

 ある人は辞書の角で、またある人は上履きで、力の弱い人はそういう道具を使って僕に『制裁』を加えていきました。

 

 

 

 

───これが僕の絶望の(目を背けたくなる)話です。




 うーん、難しい・・・。

味方(上位2)にしたいのは・・・・?【カゲプロ部門】

  • 楯山文乃
  • 木戸つぼみ
  • 瀬戸幸助
  • 鹿野修哉
  • 小桜茉莉
  • 雨宮響也
  • 九ノ瀬遥
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