やはり俺が呪いに関わるのはまちがっている   作:りおん

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第3話

「五条、自分が何言ってるのか分かってるのか?呪力が無限?ついに頭が可笑しくなったのか」

 

「失礼だなぁ。僕は本当のことしか言ってないよ。とはいっても突拍子も無いことを言ってる自覚はあるかな。こんな体質、どの文献でも見たことがない。人類史上初、もしくは赤子の頃に呪霊に殺されて情報が残ってないとかそんなとこだろうね」

 

呪力についてはさっきの時間で習っている。たしか術式を使うときとか、単純に身体強化とかに必要な力のはずだ。

それが無限となると。

 

「五条さん、もしかして俺って強かったりします?」

 

「いや、全然」

 

さいですか。前代未聞みたいな話するからちょっと期待しちゃったじゃねえか。

 

「八幡の場合は呪力出力、身体能力、術式理解などなど足りないことが多すぎる。呪術師から呪霊が発生しないのは知ってるよね?」

 

「はい、それくらいは」

 

「呪術師は自分の生成した呪力を自分の中で巡らせることができるから呪霊が発生しない。八幡は呪力どころか呪力に変換できない悪意そのものが体から漏れだしてる。つまりは、集めてる悪意に対して呪力出力が圧倒的に足りない。これは鍛えない限りどうにもならないね。」

 

なるほど、ただ呪力が尽きないだけでそれ以外は非術師と同じってことか。なんなら、呪力を感じることすら出来ないからな。

 

「先生、呪力に関しては分かったわ。では術式に関しては?彼は生得術式を持っているの?」

 

「…………持ってるよ。これもまた類を見ない術式だね。触れているものに対しての身体強化と呪力の供給。あ、身体強化に関しては自分にも付与できるよ」

 

「呪力の供給!?それが本当なら呪術界の均衡が乱れるわ。御三家も喉から手が出るほどほしい人材でしょう」

 

今日は驚かれてばっかりだ。話には全くついていけないし。ていうか御三家って何だよ。ポケモンかな?

 

「まあ、無限の呪力を全部渡すことができるならそうなんだけど……如何せん出力が弱い。今のところはすっからかんの呪術師が、あ、ちょっと回復したなって感じるぐらいだよ」

 

「なるほど、あとは触れなければならない事によって使い勝手が相当悪くなってるな。……ところで今何時だ。」

 

「8時40分よ」

 

東堂が泣き崩れた。何やってんだこいつは。高田ちゃんと呻いているところを見るにさてはアイドルオタクだな。似合わなすぎるだろ。

 

「今日はもう結構遅いし、質問がないならこれでお開きかな」

 

誰も質問はなさそうだ。俺に至っては話があまり理解できていないせいで質問も何もない。今日は疲れた、家に帰って早く寝たい。

 

「うん、無さそうだね。じゃあ、八幡は友達とかに別れの挨拶済ましておいてね。来週から京都の呪術高専に通ってもらうから」

 

「は!?いや、意味分かんないんですけど」

 

「君、いつ呪霊に襲われて死んでも可笑しくない状態だよ?最低限自分の身を守れるようにならないと。あ、歌姫良いよね?」

 

「お前はまた勝手に……。はあ、そっちは宿儺の器で手一杯か……。死ぬのを見過ごすわけにはいかないしね。御家族の方には此方から話させていただくよ」

 

良いよね?と確認をとられて渋々うなずく。あんなのを見た後じゃ何も冗談に聞こえない。俺が今生きてるのも何らかの幸運が重なっただけで、これからも生きていけるとは限らない。今日実際に死にかけたし。そして、何よりもあいつらに危険が及ばなくなるなら京都に行った方が良いだろう。

 

「じゃあ、けってーい。なにも連絡がとれなくなる訳じゃない。そんなに悲観しなくても大丈夫だよ。八幡」

 

 

 

 

 

あの事件から3日が経った。俺が京都に行くことに対して両親からはすぐに了承を貰えた。小町は結構渋っていたが庵先生がなんとか説得してくれた。そんなに俺と離れるのが嫌かと聞いたら、「違う、そんなんだからごみいちゃんなんだよ」と言われた。これが決め手になってないよね?そうだったらお兄ちゃん泣いちゃう。

 

雪ノ下たちには呪霊の事も話して納得して貰えた。絶対に生きて帰ってくることを約束させられたが……。ぼっちの帰巣本能なめんなよ?もう今からでも帰りたいまである。

 

長々と回想したが、今は京都に向かう電車の中だ。隣に庵先生が乗っている。最初は女性ということで緊張したが、話しているうちに平塚先生と同じ雰囲気を感じた。いわゆる残念美人というやつで緊張も解れた。ホントに誰か貰ってやってくれよ。

 

「比企谷、呪力はしっかりと見えるようになった?」

 

「はい、操作の方も大分慣れてきました」

 

この3日間なにもしてなかった訳じゃない。基礎中の基礎である呪力を感じることや、その操作について庵先生から学んだ。もともと呪霊が見えていたこともあり、見ることに関しては難しくなかった。問題は操作の方で今も慣れただけで上手くなった訳ではない。術式も相当に精神力を使ってしまう。

 

「習って3日でそれだけ出来たら十分だよ。むしろ飲み込みは速い方だ」

 

「そうなんですかね。まだ、あの時の呪霊とは戦える気がしませんが」

 

「それはそうだ。あの呪霊は2級……いや術式を使っていたから準1級か。呪霊の中でも相当に強い方だよ」

 

笑いながらそう言われた。庵先生によると呪術師はほとんどが2級または準1級で頭打ちになるらしい。庵先生は準1級で東堂が1級だそうだ。あいつそんなに強かったのか、パンチ2発にも頷ける。ちなみに五条先生は特級らしい。強さに想像もつかない。

 

「そろそろ京都につくよ。あ、そうだ、京都高は3年が3人、2年が3人、1年が1人だ。みんな良い子達だから仲良くできると思う」

 

「……まあ、そうですね」

 

「……ねえ、ひとつ聞きたいことあるんだけど、いい?」

 

「何ですか?」

 

「…………総武高校に友達はいた?」

 

「まず、どっからどこまでが友達か教えてく」

「うん!わかった!京都では友達出来るといいね!」

 

友達がいないことのどこが悪いことなんだ。だから庵先生、そんなに必死に取り繕わないで!むしろ惨めになっちゃうから。ほんとやめて!

 

 

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