落ちこぼれと言われ続けた僕は彼女達に何の夢を見るか。 作:べるぬい
ゲーム版でのチームシリウスの先代トレーナーが、北原トレーナーだったら激アツすぎるな…って思ってます。
今、僕はとある個室にある方と2人っきりである。しかも空気が重い。なんてったってお相手はあのメジロ家の主たる人だ。
その名もメジロアサマ。当時芦毛の馬は弱いと言われていた時代で、初の天皇賞を獲った伝説のウマ娘だ。
ウマ娘界隈でこの名を知らない人はいないと言っても過言じゃないと思う。
「…ふぅ。
「は、はい!今日から1週間お世話になります!」
「ふふ、頭を上げてください。貴方の話はマックイーンから聞いてます。とても素晴らしいトレーナーだと」
「いえいえそんな!僕なんてまだまだヒヨっ子です」
執事さんにも言われたけど、お世辞とは言え、こう言われるのは悪くない。むしろ嬉しいとさえと思う。いずれもっと実力を付けていかないと。
「マックイーンはそれは凄かったんですよ。天皇賞・春を優勝できたのはトレーナーがいたから、と。私だけでは絶対に無理だったとね」
「あはは…恥ずかしいです」
「ゴールドシップも貴方にお世話になってるようですね」
「あ、はい。僕が今ここにトレーナーとして立っていられるのは彼女のおかけなんです」
「…そう。ゴールドシップは破天荒で訳の分からないことばかりする子ですけど、実は繊細な心の持ち主です」
「そう…なんですね。ゴールドシップに限らず、僕はまだみんなのことを全然知れてないので、この合宿を機に親しく慣れればと思います」
ゴールドシップ。彼女は御祖母様に嫌われてると言っていたけど、御祖母様は随分とゴールドシップを気にかけていると思う。
「そうね。…実は相談がありまして」
「え?」
「話から察して貰えると思いますが、ゴールドシップは実はメジロ家の血筋でして」
「あ、はい」
「恥ずかしながら私、ゴールドシップに嫌われていまして。貴方と同じで今回を機に仲良くなりたいなと思っているのです」
「なるほど」
ゴールドシップもメジロアサマさんもきっと不器用なんだろうなと思う。それなら僕に出来ることは一つだけだ。
「分かりました!それでは僕が何とか仲を取り持つようにしましょう!」
◇◇◇
なんて大口を叩いた割には何をすればいいか思い付いてない。
どうしようかな…。なんて部屋で考えていたらドアがノックされる。
「トレーナー…さん?いますか?」
「あ、ライス?もしかしてもう時間かな?」
「はい。皆さんは準備が出来てもう玄関前で待ってますよ」
「ごめん!今すぐ行くよ!」
急いで部屋を出てみればライスがニコニコして待っている。何か良い事でもあったのかな?
「どうしたのライス。凄い機嫌が良さそうだね」
「はい!皆さんと合宿、トレーニングもそうですけどお泊まりが楽しみで!」
「そっか。じゃあ目いっぱい力をつけて楽しまないとな」
「はい!」
ライスと玄関へと向かう。普段履いてるスニーカーとは別に持ってきたサンダルを履く。砂浜での練習だからスニーカーは避けとかないと。
「あ、トレーナーやっと来た!」
「おーごめんね。マックイーンのおばあ様とお話してたんだ」
「えっ!?何を話されたんです!?何か私のこと仰ってましたか?」
「あ、マックイーン。いや、特には何も。世間話だよ」
「そうですか…ふぅ…」
まぁマックイーンが僕のことを話してたとしか聞いてないし、嘘は言ってないよね。それよりも気になるのはマックイーン達の格好だ。
「ジャージ上着着てるけど…暑くない?」
「ふっふっふっ!ご覧あれ!」
テイオーが勢いよく羽織っていたジャージを投げ飛ばす。羽織っていたジャージの下には競泳水着を着ていた。
「これがあるから別に暑くないよ!ハーフパンツも脱げちゃう!」
「羞恥心をもっと持ちなさい」
「あははー!海だもん!泳いじゃうもんねぇ!」
テイオーは海で泳ぐ気満々だ。と言うかもしかしてみんな同じ格好?
まぁでも競泳水着でトレーニングも悪くはないか。別に運動性に欠ける訳でもないし。
「と言うかトレーナーさんも下、水着ですよね」
「あ、バレた?」
「ふふ。車を運転していた時とは格好が違いましたので」
「ふーん?ほーん?スズカはトレーナーのことが…?」
「なっゴールドシップ!」
「うぇーい!!」
ゴールドシップが急に駆け出し、それを追うようにスズカも駆け出して行った。さて、トレーニングやりますか。
◇◇◇
メジロ家のプライベートビーチだけあって、人は1人もいなかった。
これなら集中してトレーニング出来そうだ。
今はみんな砂浜でのランニングをしてもらっている。足を取られやすい砂浜での走りは、悪バ場コースの練習になると思う。
勿論ストレッチも入念にしてもらったし、日焼け止めも塗らせたので、熱中症に気を付ければ大丈夫だろう。
「やっぱりゴールドシップさん、ヘッドギアを外すと雰囲気とても変わりますわね」
「ゴルシちゃんが美人すぎるって?いやー参ったな」
「そこまで言ってません!!けど美人なのは認めますわ」
「おぉ?マックイーンが珍しくアタシのこと褒めた?お?お?」
「…ムカつきますわね」
あの2人は特に仲が良いなぁ。2人はメジロ家で面識があったおかげで仲が良いのかな。そう言えばゴールドシップのデビュー戦でメジロマックイーンのことを聞いた時、やけに詳しかったのもそういう事だったのかな。
「トレーナー。ランニング終わったよー。次は何する?」
「ん…そうだな。次は遠泳するか。まずはスタミナを付けようと思ってるからね。行けるか?」
「勿論!僕たちを舐めてもらっちゃ困るよ!ねぇみんな!」
「あったりめぇよ!」
みんな元気がよろしいようで、待ってましたと言わんばかりの速度で海へと飛び込んで行った。僕は水上バイクを借りてみんなの後を着いていく。
アサマさんとゴールドシップ、どうやって仲を取り持とうか考えながら、今晩の食事と今後のトレーニングついて考えるのだった。
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