落ちこぼれと言われ続けた僕は彼女達に何の夢を見るか。 作:べるぬい
「凄い…海だ!綺麗…!」
ライスが感嘆の声を上げる。今僕はマックイーンを除いたメンバーを車に乗せ、海の見える道を走っている。
目的地は、メジロ家の別荘である。夏合宿を行うという事で、メジロ家の方々が快く貸してくれることになったのだ。
「うぇーい!お菓子食べようぜ!」
「僕も食べるー!ちょーだいちょーだーい!」
「え、何そのお菓子めちゃめちゃ気になるんだけど」
ゴールドシップが取り出したお菓子は謎のグミと言う、謎のグミだった。いや謎すぎるんよ。何それどんな味すんのよ。
「ゲホッゴホッ!うぇぇ…何味これ…」
「ん?わさび味」
「ぶぇぇえ」
「あああテイオー吐くならこの袋に!」
危なかった。テイオーが口からグミを吐き出して車が汚れるとこだった。ゴールドシップはなんで普通の顔して食べてるんだよ。おかしいだろ。
「あ、そろそろ着く…よ……?」
「あ、本当で…す…ね…??」
助手席に座るスズカと僕の口があんぐりと開かれる。メジロ家の別荘。めちゃくちゃデカいんだけど。え?豪邸じゃん。僕達が使っていいものなのこれ。
ちょっと緊張しながらも別荘の門の前に行く。門の前に行くってなんだ。凄すぎる。これがセレブって奴なのか。
すると勝手に門が開く。すげぇ…開いた口が塞がらないよ。
「お金持ちって凄いですね…」
「だね…。マックイーン恐るべし…」
◇◇◇
メジロ家。ウマ娘界隈では知らぬものはいないと言われるほど、数多くの名ウマ娘を輩出してきた一門。そのメジロ家の別荘の前に僕達はいる。
車を降り、荷物を降ろしていると所謂執事服を来た老齢の男の人とメイド服を来た女の人達がが近付いてきた。え?召使いってやつ?
本当のお金持ちじゃん。凄いなぁ。スズカなんてさっきから口が閉じてないよ。顎外れちゃうんじゃない?
「ようこそいらっしゃました。チーム【ディーバ】様。私、メジロ家に務める執事でございます」
「あっはい。僕は【ディーバ】の担当トレーナーの
「はい。鴛鴦様ですね。マックイーンお嬢様から聞いてます。とても優秀なトレーナーであると」
「えぇ!?僕がですか!?そんな、僕なんて全然ですよ!」
ほんとほんと。僕なんてまだまだです。あ、と気付けばいつの間にいたのだろうか。スーツを着た男の人達が僕たちの荷物を持っていってくれている。
「では皆様は私に着いてきてください」
「あ、はい。みんな、着いてきて」
僕の後ろにゾロゾロとみんなが着いてくる。珍しくゴールドシップが大人しい。流石のゴールドシップも緊張とかするのかな。てかなんで室内でサングラスかけてんの??
「…む?…!?もしや貴方…ゴールドシップ様でございませんか?」
「ちちち違いますけどー?」
「え?ゴールドシップ様…?」
みんなが困惑している。どういうことだ?ゴールドシップ『様』?
もしかするともしかするのか?
「…あぁぁぁーもうっ!!なんで爺やがいるんだよ!まさか別荘の方にいるとは思わなかったぜ!」
「やはりゴールドシップ様でございますか」
「くそ〜。特に何にもなくやり過ごせると思ったんだけどなぁ…」
「ちなみに御祖母様も来ていらっしゃいますよ」
「はー!?おいおいそれは聞いてねぇって!婆ちゃんはいつも実家の方に居るだろ!?滅多にここ来ねぇじゃねぇか!」
話から察するにまさかとは思うが、ゴールドシップはメジロ家出身ということなのか?嘘だろ??あのゴールドシップだよ?
「後ほど顔を出せと申していました。挨拶に伺うことを推奨しておきます」
「…くそ。どーせアタシは嫌われてるからよぉ…なるべく会いたくねぇんだよなぁ」
結構訳ありなのかな。詮索はよしとこうか。
「…はぁ。トレピッピちゃ〜ん。悪いけどアタシの荷物頼んだわ。じゃ、また後でな!」
「あ、うん」
そう言ってゴールドシップは僕たちとは違う方へと突き進んで行った。しっかし凄いな。家の中で迷子になりそうだよ。スズカやテイオーも落ち着きなく周りをキョロキョロしている。
「こちらが客室でございます。トレーナーさんはこちらの部屋。ウマ娘の皆さんはこちらの部屋をそれぞれお使いください」
「あ、ありがとうございます」
「食事や湯殿の方はこちらで準備をさせていただきます。食事の時間は決まっておりますが、湯殿の方はいつでも解放してますゆえ、ご自由にお使いください」
「あぁ何から何までお世話になります」
食事やお風呂まてま用意してくれてるのか。ありがたいなぁ。後でな!マックイーンにお礼を言わなきゃ。
それと執事さんが言ってた御祖母様って、多分メジロ家の伝説の人だよな。挨拶しとかないと…。
「トレーナー!これから早速特訓の始まり?」
「そうしたいけど、ゴールドシップがいないからね。それに長時間車にいたのもあって疲れてるでしょ?とりあえず一時間は自由時間で。しっかりストレッチとかしておいてね」
「はーい!」
テイオーに旨を伝え、自分にあてがわれた部屋へと入る。一人には寂しいぐらいに広く綺麗な部屋だった。確かにこれぐらい広ければ、テイオー達が全員同じ部屋でも全然大丈夫だな。
でもちょっとこの部屋に一人は寂しいなぁ、なんて思いながら持ってきた荷物をカバンから取り出す。
基本的には砂浜での練習を想定しているので、特に道具は持ってきていない。ハードルや重量を増し増しにした蹄鉄などだ。
これらを使ってどんな特訓をしようか悩んでると、勢い良く扉が開かれる。
「うわっ!?ビックリした…!ゴールドシップか」
「おいトレーナー。婆ちゃんが呼んでる。着いてこい」
「あ、うん。ねぇゴールドシップ」
「あ?」
「良かったら後で君のことをもっと教えてよ。僕は君のトレーナーだってのに、まだ君のこと知らないことばかりだからさ」
「…そうだな」
ゴールドシップと約束を交し、メジロ家の主人の元へと案内されていく。やばいめちゃめちゃ緊張してきた。
何をどう挨拶すればいいんだ!!
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