(遅くなったな…)
仕事が終わり帰る頃には、既に十一時を過ぎていた。
二人(と一匹)が来てからは早めに帰るよう気を付けていたのだが、当然こういったこともある。
(二人とも平気かな…)
二人が心配な僕は、走って帰ることにした。
―――――
「ただいま…」
「お兄さん!おかえり!」
「………」
「…おかえり。で…こいつなんだけど…」
ソファーに座る二人と…瞳ちゃんの膝に頭を乗せて眠る女の子。
年は高校生程、茶色がかった髪が瞳ちゃんの足を隠している。
「その子は…?」
「…お隣のロリコン。」
「え…?」
「えっと…恵ちゃんのお姉さんです。」
恵ちゃんとは隣に住む瞳ちゃんのクラスメイト。
そのお姉さんが何故ここに…
「んー…ん?あ、おかえり~」
「起きたならいいけど…こんな時間だよ?隣とはいえ帰った方が…」
「んーいやーちょっと恵と喧嘩しちゃって~顔合わせずらいっていうか~…」
「すぐばれる嘘やめろ。」
「あっはっは!ごめんごめん!育さんに会いに来たのに全然いないから…」
「僕に?」
「うん。」
そもそも恵ちゃんに姉がいたことも知らなかったというのに、何の用で来たのだろうか。
「もう!JKを一時間も待たすなんて!そんなんじゃ女の子に好かれないよ~?」
「待たせるもなにも…それで、何の用で来たの?」
「何か淡白だなー…ん、でもとりあえず、改めて自己紹介!私は笹原
「はあ…僕は唐荷島育です。それでこんな時間まで何で家に…」
「そうだった!育さん…正直に言って下さい…」
「何を…?」
一呼吸入れて叫ぶ。
「…恵をどう思いますか!?」
「…はい?」
誰もが疑問に思うだろう。
夜更けまで家にお隣の子がいて、その子は家の子の膝で寝ていて、起きたと思ったら妹をどう思っているか。
はっきり言って意味が分からない。
第一恵ちゃんには二度しか会っていない。
「最近恵が恋する女の子みたいになってるの!それで時々呆けてる時もあるし…学校では瞳ちゃんと一緒のことが多いって聞くからもう育さんくらいしかいないじゃないですか!?」
「…えーと…?」
どう思うかと言われても、娘の友達としか…
「まあ正直寂しいんですよ~大好きな妹がお姉ちゃんに構ってくれない~」
「はあ…」
「何だそれ…」
「恵ちゃんが誰かが好きとか聞いたことなかった…」
「あ、瞳ちゃんでも話さないんだ。」
「……要は恵ちゃんが構ってくれないから、僕達に相談に来たっていうこと?」
「そそ!ここは大人の知恵というものを見せて頂きたいですね~…」
「……そんなこと言われても…」
かなり面倒なことを振られた。
というか僕にどうしろと。
あまり僕の話は参考にならないだろう。
「…ごめんね。僕じゃ参考にならないし…知り合いに連絡するから…その人に相談に乗ってもらえると…」
「むぅ…まあありがたいけどー…」
「とりあえず今日は帰った方がいいよ。もしかしたら恵ちゃんも心配してるかも…」
「おお!確かに!それじゃ今日は帰ります!…恵は渡さないからね~?」
「小学生相手は犯罪だよ…」
「それじゃまたね~!」
そう言って彼女は、嵐のように去って行った。
―――――
「そういえば何でロリコンなの?」
「いきなり瞳に飛びついて鼻息荒くなったから。」
「……」
世の中変な人がいるものだ。