彼女の話しを聞いた僕は、その父親に怒りを越え、殺意まで抱いていたことだろう。
この子の受けた教育は、自分の子供にする仕打ちではない。
この子の父親を見つけたのなら、とても正気ではいられないだろう。
それ程までの怒り。
光希君と瞳ちゃんから彼女のことを聞かれるが、僕は特に聞かず、家を出てしまった。
その時の僕は、一体どんな顔をしていたのだろう。
―――――
彼女には住所と父親の容姿だけ聞いておいた。
その家に向かっていた。
警察に連絡することは当然だ。
しかしその前に、どうしてもその人に話しを聞く。
もう取り返しの付かないことを、父親はしている。
だからこそ聞くのだ。
娘のことをどう思っているのかと。
だから…見つけた側から声をかけた。
「どこに行くんだ?」
「あ~?」
似合わない口調も出てしまう。
不良のような荒々しい口調。
ずっと抑えていた怒り。
それがその対話を作りだす。
「とっとと警察に出頭しろ!」
「なんだ~?察~?何言ってんだ~?」
「お前だろ?娘を監禁した挙げ句に何件も殺人を犯しているくそ野郎は!」
「あ~?ひひっ…何だよ…あいつの次の男か~?」
男はポケットからカッターを取り出す。
それだけではなく反対のポケットからは何かの道具…話しにあったスタンガンだ。
それがこいつの必勝法なのだろう。
「お前も殺してやるよ~ひひっ…」
男はそれを突き出しながら近付く。
早くもないが遅くもない速さで飛び掛かってくる。
僕はそれを、思い切り殴る。
顔面を強打された男は大袈裟とも言える程吹き飛ぶ。
その拍子にスタンガンを落とす。
それを逃さず、僕は腹に踏み込む。
「がひっ…き…あぁ!」
「ぐっ!?」
奇妙に呻いた男は、そのままその脚にカッターを突き刺す。
そのまま僕を押し倒し、馬乗りになった。
攻守交代とでも言うかのように、奇妙に嗤っている。
カッターとは反対の手で思い切り殴られる。
僕はその時、明確な殺意を感じた。
しかし…それは僕も同じことだった。
馬乗りになられたまま、僕は男の首を締める。
服の左右を逆に引くようにして無理やり締める。
たまらず暴れる男は、そのままカッターも落とす。
どれぐらい経ったのか。
いつの間にか男は意識を失っていた。
殺す直前まで、僕は男の首を掴んでいたようだ。
脚は血だらけになり、まともに歩ける痛みではなかった。
とりあえず警察に連絡をし、その場で待つことにした。
「…はぁ…はぁ……何で娘に…そんなことが出来るんだ…!」
意識のない男に、僕は問いただす。
警察が来るまで、僕は男に問い続けた。
―――――
警察が来た後は早かった。
まず僕は、警察が呼んだ救急車で運ばれた。
男は殺人未遂の現行犯で逮捕され、パトカーに連行された。
その後、何があったか濁しながら光希君と瞳ちゃんに説明することの方が難しかった。
その後僕は取り調べを受けていた。
勿論脚の治療はその前に行った。
早くても二週間は包帯は取らないように言われたが、その程度で済んでよかった。
取り調べは一時間以上続き、夜は更けていった。
帰る頃には十一時を過ぎていた。
モンハン2g久々やってる。楽しい。あ、次の回は取り調べの話しとかします。