「同じ…?」
「!ご、ごめんね!痛くなかった!?」
「いえ…それは平気ですが…その…同じというのは…?」
「……あまり気分がいいものでもないけど…君は聞いた方がいいかもしれない。」
釛という人物が、過去にした罪の数々。
現在進行形で犯している悪行。
そのどれも、始まりは僕だった。
「昔の彼は…まあ僕は子供の彼しか知らないけどね。別に悪人でもなかったんだ。中学二年までは。」
それが日を経る毎に、変わっていった。
始まりは虫を潰した程度。
でもその瞬間から、彼の何かが刺激された。
蟻からより大きい虫へ。
やがて動物を意図して殺すようになった。
その対象は、更には人間にさえ届いた。
死に触れた彼の行動は、快楽的殺戮。
殺すことに溺れ、殺すことを悦んだ。
何故捕まらなかったか、簡単な話しだ。
『ばれなかった』ただそれだけ。
彼は持ち前の頭脳を生かして、ひたすらに殺し続けていた。
そしてその殺害現場に、僕の両親が偶然居合わせた。
見つかった彼が何をするかは明白だろう。
口封じ、つまりは…殺すことだ。
しかし彼がやったなど、誰もが知り得ることはなかった。
謎の死を遂げた死体として、両親は発見されたのだ。
僕は保険金などと親戚に世話になったことで生きてきたが、一歩間違えばあの子達のようになっていたかもしれない。
彼も僕も歳だけなら大学生になり、しかしどちらも大学にはいかなかった。
僕は金銭に余裕がなかったから。
そして彼は…充分な金銭と、有り余る『材料』…死体を使い、研究を始めていた。
「その研究…それが彼がはじめから目指していたものだったんだ。」
「研…究…?」
「…そう。彼の家の人も、使用人も、彼にとっては実験台でしかなかったんだ。君も、そして…僕も。」
「その研究って…?」
「……『死への探求』。簡単に言えば、不老不死、死者の蘇生、そういった人間が求めてきた『永遠』の研究だよ。」
「……なんで貴方がそれを…」
「知っているか?そうだね。普通はあり得ない。それはね…僕が実験の成功者だからだよ。」
「…え?」
僕は様々な薬を投与され、およそ一月、意識のない人形として好き放題されていた。
結果的に完成したのは、半永久的な生と、体の半分のつぎはぎ。
「よく見たって、誰にも分からないね。僕の体の半分は、『死体』の切り取りだなんて。」
「…そんな…物語のようなこと…」
「僕にはあった。そしてそれは、彼にも…」
彼の知能、それはまともでもなければ天才でさえ届かない。
生まれつきあったような超能力。
彼にはじめからあったのは、全ての答えを知り、どんな難問でも瞬時に導くもの。
「彼はそれを使って、殺し、隠し、研究してきた。彼が求めているのは、答えのないものへの挑戦。彼はそのためなら、どんな残忍なことでもするだろうね。」
「………」
唐荷島釛が行った悪行の数々は、そのどれもに証拠がない。
故に捕らえることも、例えば改心させることだって出来ない。
止める方法はただ一つ。
「殺すことだけだ。」
「……」
「…僕は彼を止める。やっと決心が付いた。止めていることを願っていたが、もう、帰れない場所まで行ってしまった。」
「…殺人で捕まりますよ…」
「そうだね…僕の全てを置いていくよ。贅沢しなければ、この家であの子達と生活は出来る筈だ。困ったら僕の同僚に頼ってほしい。」
「……貴方は…自分を犠牲にしてでも止めに行くのですね。死ぬかもしれないのに…」
「…そうかもしれない。でも、止めることが出来たのは、僕だけだ。それなのに…止められなかった。その責任を取るだけだよ。」
「…お人好しが過ぎますね…それでも…頼ることしか出来ないんです…どうか…」
僕は部屋を出た。
そのまま玄関まで行き、釛の元へ――
「…育。」
「……光希君…」
「なんとなくさ…俺だけは聞いてたんだ…扉の前で。悪いとは思ってたけど…」
「…そっか。…ねえ光希君。任せたよ。」
「お前も早く帰れよ。」
「うん…」
「……ゲームじゃいつも、お前みたいな立場の奴が最後に勝つんだ。ぶん殴ってこい!」
「…おう!」
柄にもないやり取りを終え、僕は釛の元へ向かう。
居場所は分かっている。
なにせこちらも、ほぼずっと監視していたのだから。
唐荷島に不信感を持った親しい警官の協力で。
「待ってろよ…釛!」
―――――
「せめて生きて帰れよ…育…」
―――――
さてと…育の話しでさえ思いつきでその場その場考えてる辺り自分馬鹿だと思う。育の過去隠しておけば何か使えるかなー…結果これ。完っっ全に最終回むかってる。でも…五人(と一匹)で終わりかは自分の気分次第!てことでではでは~
12/1追記:ネタが思いつかなかったから休みです。ごめんなさい。