釛は警察に連れて行かれた。
お手柄だったと褒められる。
僕にはそれが、褒めるという行為に思えなかった。
釛と僕は、別に仲がよかったなど言える関係ではなかった。
それでも…あいつが連れて行かれて、酷い喪失感に教われたのだ。
何故…何故こうも…言葉に出来ない感情が溢れるのだろう。
目的を見失い、自分のことも分からず、生きているかも分からないこの体を持って、一体何をすればいい。
「……違う。」
自分のことなんてどうでもいい。
目的なんてなくていい。
死んでいたって構わない。
「あの子達が…待ってるんだ。」
自分よりも子供を優先するのが、親なのだから…
―――――
「……ただいま。」
「……おかえり。」
唯一事情を知る光希君が玄関で出迎えてくれる。
僕達の性格では、こんな時に泣きながら抱き合うなんて感動シーンにも出来やしない。
簡素な挨拶。
たった四文字の、いつも通りの台詞。
光希君はそれだけ言って部屋に戻って行く。
何も聞くことはないと言うように。
「…ありがとう。」
―――――
それからはいつも通り。
皆で…胡桃ちゃんも含めた全員で食事を摂り、騒がしくゲームで遊び、皆眠る。
違ったのは、胡桃ちゃんが新しくこの家に来たこと。
こうした普通が…普通の日常を、僕はやっと手に入れたんだ。
―――――
「釛はどうなったんですか?」
「ああ…親戚とは言え同じ血の通った人物なんだ。お前には言いづらいんだが……」
「お願いします。あいつがしてきたことは…とても赦されることじゃない。どんな罰を受けていても、俺が悲しむことも、あいつを憐れむこともない。」
「…そうか。悲しいな…お前、もう実の家族は…一人もいないんだろう?親戚も繋がりがなくて、唯一の繋がりが今はムショだ。酷い運命持ったもんだ。」
「……そうかもしれません。でも…僕には、あの子達がいますから…」
「違いない…釛は…このまま行けば、少なくとも死刑か無期懲役は免れない。もう永遠に会えないと思った方がいい。」
「そうですか…」
「館を調べたらな、想像以上に溢れてきやがった。余罪が止まらねぇよ。あんなのが普通に生活してたとは…もはや尊敬するよ。」
「………」
「…お前さんにはこれ以上は必要ないな。」
「…ありがとうございます。…満足しました。これで…僕は進めそうです。」
「…これからも、いくらでも頼ってくれていいぜ。」
そう言って話しを切った流人さんは、そのまま帰っていく。
心の中で深々と感謝して、僕も家へ帰る。
やっと本当の意味で手に入れた平穏な…普通の日常に。
僕の居場所へ…
最終回ではないですよ?日常系のもので日常から外れたまま最終回向かえられますかい!まだ続くよ~
12/22追記:apexランク変更前滑り込みのため時間なかったです。バイトのシフトも増えて本当に時間なかったので今週更新なしです。ごめんなさい。