色んな騒動、過去の因縁、家族も一人増えてから早一月。
あれから胡桃ちゃんは、正直茜ちゃんと同じ感じに閉じ籠った。
いや籠ったというより、まだ少し警戒されている。
…僕だけ。
「そりゃ叔父に当たる人警戒しないわけないよな。」
「だけど…やっぱりちょっと寂しいかな…」
僕以外には普通に接してくれるんだけど…
―――――
「…あっ胡桃ちゃん…」
「ひっ…!」
「あ…」
―――――
(あれ結構来るんだよな…)
小動物に逃げられる感覚。
この場合『お父さん嫌い!』と言われた父親感覚かな。
一月あって会話はほぼなし。
食事時も胡桃ちゃん一人部屋で食べる始末。
そろそろどうにかしないといけない…
―――――
「そう思っていたというのになー……」
「………そろそろ部屋ないぞ?」
胡桃ちゃんが来て一月。
新しい子がやって来ました。
しかも今回は会話すら出来ない。
何故なら……赤ん坊だからだ。
「それで…今度は何で連れて来たんだ?」
「可愛いぃー!」
「(小さい…)ふふ…」
「ああ…うん…実は――」
―――――
「……」
僕は光希君のお世話になったおじさん達と交流があった。
だから時々おじさん達の元へ行き、お酒と食事を少し持っていっていた。
勿論光希君の方がよく来る。
おじさん達は『別に気を遣わなくていい』って言ってくれるけど、手土産くらい必要だろう。
「ああそうだ…育さんや、一つ頼みがあってな。」
「?何でも言って下さいよ。」
「いや…結構頼っててすまないんだが…一人…赤ん坊を引き取ってくれないか?」
「…赤ん坊?」
「ああ。」
この人達の誰かの子供だろうか。
いや、そんな無責任な人達じゃない。
じゃあ可能性は…
「仲間の一人が山で茸採りしててな。その入り口付近に…この箱に、紙とこの子が入ってたんだと。」
「えーと…」
『この子を拾って下さった方へ。私にはこの子を育てるだけの暮らしの余裕がありません。親は居らず、子が出来たと判った途端に私を捨てた夫。私にはもう、自分一人でさえ生きることが苦しいのです。無責任にこんなことをしたこと、許してほしいとは思いません。ですが、どうかその子だけでも、助けてあげて下さい。』
それからも手紙には懺悔の言葉が数々と。
そしてこの子の名前と、元々の住所と親の名前。
「……」
「酷ぇ話しだよな?育てられないからって山の入り口に捨てるなんて…」
「…自分が捨てたことを、拾った人以外にはばれないようにしたんでしょう。でも…本当は、こんなことしたくなかったように思います。」
「確かにな…文字が掠れてるってことはインクも少なかったんだろうし、この子が抱えてた車の玩具。これも唯一の贈り物だったんだろうな。」
「わざわざ自身の名前も、住所も書く必要はありません。この人は、本当に大変な現状なんでしょう。」
「たく…この子の父親はとんでもねぇ奴だな!」
「……この子…引き取ります。」
「おお…!ありがとうな!赤ん坊に生きられる環境じゃないからなここは!本当に助かるぜ!それじゃあ悪いけど任せた!」
「はい。」
―――――
「てことがあって…」
「……相変わらずだな。」
「可愛いからよし!」
「わ、私がお世話します!」
以外に受け入れが早い。
その様子を聞いて、胡桃ちゃんもリビングに来た。
「……赤ん坊?」
「うん…ちょっと色々あって…」
「……可愛い(小声)」
胡桃ちゃんもお気に召したようで。
しかし赤ん坊を抱えているのが僕なので、近づくこともなく遠巻きに見ている。
こうしてまた、新しい家族が一人増えた。
まだ続ける。けどまぁ…十話も続けないと思います。気分投稿は終わりに迷うんですよね~…
追記:諸事情により来週投稿なし。ごめんなさい。