お人好しの不幸な子供育成日誌   作:ジシェ

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予約上手く出来てなかったのに一時くらいに気付いたので、今投稿しました。やはり時間は未定になってしまいすみません。


お買い物

私の名前は柊谷瞳、今年で二年生になる小学生です。

私の家庭はそれは辛いところでした。

何か気に食わないことがあれば八つ当たりをするお父さん。

家のことを(奴隷)に押し付け、パチンコへ行くお母さん。

私はいつか殺されてしまうのではないか。

そういう不安を常に持っていました。

学校でも安心は出来ず、震えて過ごす毎日。

しかしその日々は、一つのきっかけで終わりとなりました。

両親は私を置いて家を出ました。

(ゴミ)を捨てたのです。

お金を稼ぐことも出来ない。

体を売れる年でもない。

見るだけでイラつく存在。

そんな私を、とうとう二人は捨てました。

赤の他人にはとても不幸なことかもしれません。

しかし私は、そんな風に捨てられたことにより、本当に自分を想ってくれる人に出会えました。

(奴隷)に無理に働かせない。

(ゴミ)を捨てようとしない。

(子供)を幸せにしようとする。

この人は、()を見てくれる。

それが、見てくれる(それだけのこと)が、とてつもなく嬉しい。

私はこの人の役に立ちたい。

私はこの人の側に居続けたい。

私は――

大人の人は、この感情をこう呼びます。

『依存』と…

しかし、たとえこれが悪い感情だと言われても、なくなることはないでしょう。

『依存』し続けることが、私を支えてくれる。

いずれは離れるべきでしょう。

でも今は…この想いは、失くしたくない。

私はずっと…(お父さん)の側に――

 

―――――

 

「瞳ちゃん。」

「はい?」

「今日はちょっとお買い物に行こうと思うんだけど…一緒に行かない?」

 

思えば彼女の服は、元々着てた一着と、自分の昔のお古しかない。

そのお古も結構古い。

あまり綺麗な服とも、元々僕の服だったから、女の子の服とも言えない。

女の子はお洒落なものだし、いつまでもそんな格好はさせたくない。

それに食糧もあまりない。

どちらにしろ買い物には行かなければ。

彼女は少し渋っていたが、すぐに行くと言った。

 

―――――

 

僕達は、近所のイオンに来ていた。

 

「何か着たい服とかある?」

「服…?」

「えっと…ほら…学校の同級生の着てたものとか…」

「……私…服なんて平気です…」

「えー…」

 

やはりまだ遠慮が残っている。

服がいらないなど余程無頓着でない限りないだろう。

子供とはいえ女の子だ。

 

「そんなこと言わないでさ…可愛い服とか、興味あるでしょ?」

「…あの…本当にあまり興味ない…です…」

「ん…ゲームとかの方が興味強いかなぁ…?」

「は、はい…」

 

これは結構まずいかもしれない。

うちの子が完全なインドアのオタクになってしまう。

服に頓着しないのは明らかだ。

これでは女の子らしさがなくなってしまう。

かといって女の子の服など僕には分からない。

自分の服でさえセンスがないと言われたのだ。

他人の服を考えるのは無理だ。

 

(どうしたものか…)

「あー…ちょっと…ごめん。電話するから待っててもらっていいかな?」

「電話?」

「うん。知り合いに協力してもらおうと思ってね。」

「………」

「あ、大丈夫!絶対置いていったりしないから!数分電話するだけだしね。」

「…はい…」

 

少し離れるというだけで結構な衝撃を与えているようだ。

かなり依存しているのかもしれない。

会ってまだ三日だというのに…これまでの生活が窺える。

僕は同僚の一人に電話した。

自分は元々今日は休みだったので、電話がかかってきても然程不自然さはないだろう。

確か彼女(・・)も休みだったはず。

 

「………あ、もしもし?」

『育さん!?ど、どうしたんですか!?』

「いや…ちょっと協力してほしいことがあって…」

『何でも言って下さい!育さんのためなら何でも…』

「そ、そこまでは…」

「今どこですか!?すぐに行きます!」

 

彼女は同僚の東雲 (しののめ )杏佳(きょうか)

実を言うと、僕は彼女に告白された。

彼女はとてもいい人柄をしているし、外見も可愛らしい。

ただ僕は、彼女を振った。

振る理由なんてない。

ただ僕は、彼女を作る気にはなれないのだ。

まあ彼女は諦めずにいつもアピールしてくるのだが。

女の子のことを聞くならこれ程丁度いい人はいない。

好意を利用したくはないので、あまり協力を求めるのも気が引けるが、彼女以外の女性とは接点がない。

結局は利用してしまうことは、悪いことかもしれない。

僕は居場所を伝え、瞳ちゃんのもとへ戻った。

 

―――――

 

「お、お嬢ちゃん…ひ、一人かなぁ…?」

「え…?えっと…?あの…?」

 

少し小汚ない男性に絡まれていた。

俗に言うロリコンの類いか。

そう思った僕の行動は早かった。

 

「うちの娘に何か用ですか?」

「お、お兄さん…」

 

少しきつめに言うと、その男性はすぐに逃げて行った。

瞳ちゃんを恐がらせた罪は重い。

 

「大丈夫だった?ごめんね。すぐに来なくて…」

「だ、大丈夫です…お兄さん…戻ってくれた…」

 

余程不安だったのか、瞳ちゃんは人目も憚らずに抱き付いた。

それから十分程待ち、東雲さんが来た。

 

「お、お待たせしました!」

 

黒髪で長髪、身長は小さいくらいで、少し後輩のような雰囲気を纏った職場の同僚が、そこにはいた。

 




予約ちゃんと出来るよう次からは確認します。
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