流し流され   作:熱くないヨーグルト

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私と怪物と鮫と

 私は転生者である。前世の私の名前は覚えているが今の性別に合わないので名乗ることはないだろう。

 

 神なんて存在に合うこともなければ自分が死んだ記憶もない。が、気が付くと怪物だらけのテーマパークで目覚めた。勿論テンションなんて上がらず、怪物から死に物狂いで逃げ、運よく食べ物を手に入れても食べ物に中って1日中腹を下したりと酷い目にあった。が、人は適応する生き物だということもあり暫くするとテーマパークでの生活に慣れた。

 

 慣れてからは、手足が生えたまりもっこりを殴り倒し、爆発するウンコを飛ばしてくる見えない鳥を地上に叩き落し、山のような触手の怪物は捥いで倒せるようになった。後は地面を泳ぐ鮫を殴り殺し、空を泳ぐ鮫を殴り落とし、何度殺しても復活する鮫をネギトロめいた物体になるまで殴ったり、雷と一緒に突っ込んでくる鮫を殴り返せるようにもなった。

 その頃から食べ物に中ることもなくなり、怪物の毒も効かなくなるほど丈夫になって人間離れが加速してきた。これが若者の人間離れか。

 

 そんな私が野生に戻りそうになった時おっさんに会った。おっさんは私が持っている物を興奮気味に指差し、よくわからない言葉で話していた。言葉はわからなかったが、おっさんの声で怪物が来るのも困るので一度黙らせた。

 

 黙らせた後は頑張っておっさんに人がいる方向を道中拾った便利アイテムと引き換えに、身振り手振りで教えてもらった。が、おっさんと別れた後真っ直ぐ進めば問題はなかったのだがそうは問屋が卸さないとばかりに怪物共に襲われたせいで道に迷った。

 迷っているうちにどうやらテーマパークを1周してしまったのか、おっさんに再会してしまった。その事を伝えると呆れた雰囲気をされた。解せぬ。

 これではキリがないということもあり、またアイテムをおっさんに幾つかあげて海辺まで送ってもらった。

 

 その後そこら辺の木で作った船で人のいる場所を目指したが、最後っ屁とばかりに海から鮫の尾ひれが船に向かって追跡してきて私は思わず感動してしまった。

 

 

そう!鮫が!海から!襲って!きた!

 

 

 海以外から襲ってきた鮫が海から襲ってきた。意味不明だが当たり前の事に感動していると、鮫の顔が水面から出てきた。

 それは鮫と言うにはあまりにもゲテモノすぎた。上半身は鮫で下半身はタコ。それは正にアサイラムだった。

 

 で、鮫のパチモンに愕然としていると船が破壊されてしまった。騙された!チクショー!と叫んでいると、今度は藤壺によって生み出された大渦に巻き込まれてしまった。

 が、後に私はこの海だと思っていたものが海ではなく湖だということを後程ハンター協会の人間に教えられ、騙されたと叫ぶ日がくるとはまだ知らなかった。

 

 その後無事?に藤壺とタコ鮫?鮫タコ?をネギトロめいた物体に変え、波にどんぶらこどんぶらこと流された。泳ぐ気力が失せたので3ヶ月くらい流されていると、どこかの島に辿り着いた。

 海から上がり、歩を進めると懐かしい照明器具の明かりが見えた。文明の明かりに喜んでいると、なんだなんだと人が集まってきて注目されていた。騒ぎすぎたかな?と思っていると今度はケータイで写真を撮られ始めた。

 どういうことだ?と改めて自分の姿を見てみると私が裸だということに気づいた。渦潮に流された時に服にしていた謎の皮が流されてしまったようだ。そして私が所持しているのは紐で括り付けた武器とあのテーマパークで拾った便利アイテムを詰め込んだ皮袋しか残っていなかった。…悲しい。

 それに気づき、有り金を溶かしたような顔をしていると警官っぽい人達がやって来て毛布を被せられドナドナされた。ドナドナされる途中、遠くに建築基準法を無視した高い建物が見えたがここは地震が起きないのだろうか?という的外れな考えがよぎった。

 

 取調室みたいな場所で女性警官に衣服を渡された。数百年ぶりにまともな服を着れる事に少し感動してから着替えた。

 着替え終わったのを見計らってか警官がやってきて取調べを受けたがいかんせん、おっさんの時と同じように言葉が通じなかった。だが無意味ではなかった。

 途中警官の一人が持ってきたケータイが私の言葉を彼らにわかる言葉に変換された。それからケータイを通して話してみるとここはパドキア共和国の港町パパマらしい。

 そして、私が話している日本語は彼らが言うにはジャポン語らしい。もしかしてここはなろう世界の舞台はフランスかと考えていると、何故裸で町にいたのかと聞かれた。そこは正直に海を泳ぐ鮫とタコが合体したようなゲテモノ怪物に船が破壊され流されたと説明し、そこから前の記憶は曖昧だと嘘も混ぜて説明して納得させた。

 

 荒唐無稽な話に何故納得したのだと聞くと、どうやらこの異世界はそういった存在を魔獣と呼び、それを討伐する「ハンター」なる存在がいるらしい。だから頭のおかしい奴と言う表情ではなく運がなかったんだなと言われた理由がわかった。

 

 取調べが終わった後、言語が通じないのは不便だからとケータイをくれた。ラッキー

 

 と思ったものの、今度は金が必要になってきた。なんてことだ、金が必要だとは…。流石に一文無しで生活は…出来てたな。

 だけど野生児時代に戻るのはもう勘弁してほしい。これからはソシャゲでガチャを回して友達とおりゅ合戦をする文明的な生活に戻りたいんだ。

 

 と言っても金がなくては始まらないので、ケータイの翻訳を頼りにすぐさま金が手に入る仕事がないか探した。だがこの地方での言葉が話せない、わからない事もあり私が求めているような仕事は見つからなかった。一応、あるにはあるのだがアダルティな方面だったのでそれは最終手段にしたいしやりたくない。

 最終的には、この国での伝統行事みたいなもので稼げる事がわかった。この国にある天空闘技場ではジュース一本から1000万以上の金が手に入るとポイ捨てされたパンフレットに書いてあったのを発見した。

 

 光の速さで天空闘技場の受付にエントリーし、自分の番が来るのをソワソワしながら待った。途中知らないお爺さんに話しかけられが、ケータイが充電中というのもあって何を言っていのか全然わからなかった。

 

 その後事前に受付で言葉がわからない事を伝えたので、係員の人に出番を教えてもらった。

 いよいよテーマパークで鍛えられた私の腕っ節を見せる時がきたということか。




負けます
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