外は雨が降っている。愛と璃奈が歩夢のいるアパートに向かう。
璃奈「歩夢さん、いるかな・・」
愛「歩夢のクラスメイトが言うには真っ直ぐ帰ったんだとか」
璃奈「・・帰ってきてくれる、よね?」
愛「それは歩夢次第だね・・。でも、アタシはその前に歩夢に聞きたいことがあるよ」
璃奈「栞子ちゃんのこと?」
愛「それもあるよ。でも、それよりも大事なこと」
二人の足音のみが静かに鳴り響く。
そして、歩夢がいる扉の前に立つ二人。
璃奈「ここだよね?」
愛「りなりー、心の準備は?」
璃奈「大丈夫。璃奈ちゃんボード「ムンッ」」
愛「じゃあ押すよ」
歩夢「あれ?上手くいかない・・おかしいな・・私ってこんなに編み物できなかったっけ」
歩夢「何だかしたい事が上手くいかない・・クッキーも焦がしちゃったし。何でだろう」
歩夢「ちょっとネットでもみようかな・・・」
ピンポーン
歩夢「誰だろう。まさか、あの子・・・・?」
歩夢がドアスコープを除くと・・。
愛「歩夢~~!!」
璃奈「歩夢さん!」
歩夢「愛ちゃんと璃奈ちゃん・・。どうしよう・・」
愛「いるのは知ってるんだぞ~!出てこーい!!」
璃奈「愛さん。取り立てみたいで怖いよ」
歩夢「お隣さんに迷惑だよ愛ちゃん!」
愛「あ、いた」
璃奈「えっ?」
歩夢「あっ・・」
愛「歩夢ー!」
歩夢「わ、分かったからあまり大きな声上げないでよー」
愛と璃奈が歩夢の部屋に入る。
愛「いやー、押し掛けたみたいな感じでごめんね」
歩夢「急に来るんだもん。ビックリしちゃうよ」
璃奈「歩夢さんが来なくて私、凄く寂しい」
歩夢「璃奈ちゃん・・私は、もう・・」
愛「早速だけどさ。まず一つ言っとくよ歩夢」
歩夢「何?愛ちゃん」
愛「歩夢が同好会を辞めるのなら止めないよ。それは歩夢が選んだことならアタシ達が止める理由はないからね」
璃奈「あ、愛さん・・」
歩夢「・・・・」
愛「でも、それで友達関係を切るのは違うよ。お互い進む道が変わっても友達なのは変わらないじゃん」
愛「歩夢がアタシ達のことどう思ってるのかは知らないけど愛さん達は大切な仲間だと思ってるからね。例えスクールアイドルから離れたとしてもそれだけは変わらないよ」
歩夢「・・・・」
愛「でも、本音は戻ってきてほしいんだけどね!かすかすなんてあの子だけでなく歩夢も来なくなったから心配で心配でしょうがないって顔してるしね」
璃奈「彼方さんも歩夢さんの膝枕もなくてお料理の見せ合いっこも出来ないから元気ない」
愛「せっつーもカリンも張り合いないってたるんでるよねー」
璃奈「エマさんもしずくちゃんも寂しがってる。でも、私が一番寂しいって言える自信ある」
愛「りなりーはまだまだ根性が足りないなー」
璃奈「りなだけに」
愛「お、気付いたか!さすがー」
歩夢「何だか、ごめん・・。私、皆に凄く迷惑かけてるよね」
愛「謝らなくていいって!・・ん?良い匂いがする・・」
歩夢「あ、クッキー焼いたんだ。これ・・。ちょっと失敗しちゃったけど・・」
璃奈「これで失敗なの?香ばしい匂い・・すき」
歩夢「良かったら食べる?あんまりうまく作れなかったけど・・」
愛「いいの?全然いけるよねこれ!」
璃奈「凄く美味しそう。璃奈ちゃんボード「ポワワワ-」」
歩夢「うん。せっかく来たんだし友達と食べた方が美味しいかなって」
璃奈「歩夢さん・・!」
歩夢「できれば皆も呼びたかったなー。・・あの子も入れてね」
愛「それはボランティア集めが完了してからだね!りなりー、ここはいただこう」
璃奈「うん。いただきます」
璃奈「モグッ・・モグッ・・口の中でとろけて凄く美味しい・・歩夢さんのお菓子すき。また食べたかったから嬉しい」
愛「やっば!さすが、同好会料理部門においてはカナちゃんのライバルだったお方だ」
歩夢「別に彼方さんとはライバル関係じゃないよ~」
歩夢「・・「だった」、か・・・・」ボソッ
歩夢(ダメだよ・・私が今更戻ったって迷惑なだけだよ。それにもう、私にスクールアイドルだなんて・・)
歩夢(これでいいんだよ。私と同好会の皆は友達関係で。むしろ私の事を友達と思ってくれているだけ幸せ者だよね・・)
歩夢(これでいい・・同好会の皆と友達でいられたらそれで十分だよ・・私は皆の様にはなれないから・・・・)
歩夢の迷い。愛は歩夢がスクールアイドルをやめても友達だというのには変わりはないと伝える。璃奈は歩夢の優しさが誰よりもすき。そんな3人の関係