俺がカイドウの息子…?   作:もちお(もす)

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いざ、情熱の国へ

 

「なんだと!?

じゃあ、ドレスローザに待機させてた奴らは全員やられたってのか!!?」

 

驚きに声を荒げるシキに部下は怯えた様子で必死に頭を下げる。

 

 

「も、申し訳ありやせんシキの大親分!

ですが…青キジの奴の侵攻を止めるにはあっしらじゃ力不足で…」

 

部下の言葉にシキが眉間に皺を寄せていると、近くで待機していたキッドが声を上げた。

 

 

「有象無象が集まったところで止められるワケねェだろ、相手は元とはいえ大将だぞ。」

 

「そんな事は分かってる!!」

 

睨んでくるシキの怒気を軽くいなすとキッドは甲板へと向かって行き、キラーもその後に続く。

 

 

「どっちにしろおれ達がぶっ潰すんだ、関係ねェ!!

そうだろ!?キラー!」

 

「あぁ、その通りだキッド…!」

 

意気揚々と歩みを進める二人のやる気溢れる姿に、腹ごしらえだと肉をかじっていたルフィが笑う。

 

 

「ンモ…ゴクンッ!

よし、おれも行ってくる。

サンジ達は待ってろ、すぐに薬取ってくるから!」

 

先に進んでいたキッドとキラーの横をすり抜けてルフィは甲板へ飛び出していった。

 

 

「おい!?抜かしてんじゃねェよ、バカザル!!」

 

「おれが先だぁ~~!!」

 

勢いのままに甲板から飛び降りたルフィにキラーは驚きの声を上げながら、その背中を見送る。

 

 

「まだ上空だぞ!?」

 

「くそっ…行くぞキラー!!」

 

「いや、だからまだ上空だと言ってるだろキッド!?」

 

騒がしいルーキー達のやり取りに毒気を抜かれたのか、はたまた呆れて怒りが収まったのか威圧感が和らいだシキが一歩を踏み出す。

 

 

「ジハハハハ!!

ガキ臭ぇやり取りしやがって…」

 

未だに騒いでいるキッドとキラーの横を通り抜けて、シキは船の先頭に立ち。

そして、そのまま宙へと身を投げた。

 

 

「だが一番乗りはおれだ、麦わらァ~~!!ジハハハ!!」

 

「お前も張り合うのかよっ!!」

 

キッドとキラーを置いてドレスローザの港へと飛んで行くシキに思わずDr.インディゴが突っ込むが、その言葉はシキに届く事はなく、船はゆっくりと港へと近付いて行く。

 

先に飛び出して行った麦わらのルフィと金獅子のシキに遅れて船は着陸すると、やっとだとキッドがキラーを連れて飛び出してしまい、その後に続く形でブルックとロビン、ウソップが立ち上がる。

 

 

「じゃあ、私達は薬を探してくるわ。

ゾロ達は船番頼むわね。」

 

「コソコソしながらの薬探しなら任せろ!」

 

「ちょっとウソップ、それ胸張るところ!?」

 

少し呆れような声を出しながらも信頼の眼差しを向けるナミに三人は任せろという様な表情で返すと、ルフィ達とは逆の方向へと足を進めるのだった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

数時間前まで暴れていた金獅子海賊団がすっかり静かになった港付近の広場を見下ろして、ラオGはティーカップに口をつけていた。

 

 

「流石は…というべきか。

元海軍大将を引き入れるとは百獣もなかなかやるようじゃの。」

 

「あぁ、レオヴァは最高にイイ男だ。

青キジが百獣に入ったのもきっとレオヴァの持つ光に心惹かれたからさ。」

 

ラオGの独り言のような呟きにスーツ姿(・・・・)のセニョール・ピンクが笑みを溢しながら言葉を返すと、近くの椅子に腰かけていたディアマンテが笑う。

 

 

「ウハハハハ!!

ピンク、相変わらずお前はあれ以来まるで信者だなァ!?」

 

「信者というと聞こえが悪いが…

おれは本当に心から感謝してるんだ。」

 

しみじみと言葉を溢したセニョール・ピンクにラオGが少し険しい顔になる。

 

 

「……全くお前は…“王”が誰なのか忘れた訳じゃあるまいな?」

 

「勿論、分かってるさ。

“王”は若だ。それはちゃんと理解してる。

……しかし、だからと言ってレオヴァに感謝しちゃいけねェなんてこと無いだろ?」

 

「ピンク、お前は昔から…」

 

ラオGが小言を並べようとした時だった。

凄まじい冷気が肌を震わせる。

 

思わず三人が視線を広場の方へ移すとそこには青キジこと、クザンと相対する形で麦わらの帽子をかぶった男がいた。

そして、続くように空から降って来た男を見てディアマンテ達は怒りに顔を歪めた。

 

 

「「「金獅子のシキ…!」」」

 

腰掛けていた三人は戦闘態勢に移ると、港付近の広場へと急ぐのだった。

 

 

 

一方その頃。

 

降って来た2人の男を前にクザンはサングラスの奥の瞳を僅かに細めていた。

 

 

「あらら……情報としては聞いてたけどマジで手を組んじまってるワケね。」

 

ガシガシと軽く頭をかいたクザンは目の前に立つ2人の強者に意識を向ける。

 

 

「ジハハハハ…青キジィ!

おれが少し離れてた間に随分と邪魔してくれたみたいじゃねェか!!」

 

「おれは仲間の薬欲しいんだ!

邪魔するならぶっ飛ばす!!」

 

「っとに、レオヴァも面倒な仕事を任せてくれたモンだよなぁ。」

 

深い溜め息を吐くとクザンはゆっくりとサングラスを外してジャケットの胸ポケットへ差し込んだ。

 

 

「……ま、どんな理由であれ民間人巻き込むような作戦は実行させらんねェでしょ。」

 

先制攻撃を仕掛けたクザンの冷気を麦わらのルフィと金獅子のシキは素早く躱す。

それを見て後方へ飛び退くとクザンは地面に手を着けた。

 

 

氷河時代(アイスエイジ)

 

一瞬で瓦礫の山を氷の壁に変えたことで街の中心部への道を閉ざしたクザンだったが、空を見上げて小さく唸る。

 

 

「これで増援の兵が街へ攻め入るのは防げるとしても。

……いやぁ、空を飛べる相手(・・・・・・・)って良い思い出ないのよ、おれ。」

 

「なら、トラウマを増やしてやるぜ。青キジィ!!」

 

両足に取り付けられている刀を器用に使いこなしながら攻撃を繰り出すシキにクザンも圧されることなく対応していく。

 

こうして港広場では強者同士のぶつかり合いが始まったのだった。

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

クザンとシキ達の戦闘が始まった頃。

 

ドレスローザの地下にある工場がざわついていた。

 

 

「な、なんだべ!?今の音…」

 

「やっぱり地上で何か起こってるんだ!」

 

「幹部達も焦ってたみたいだし、チャンスじゃねェか?」

 

そう言ってひそひそ話をしているのは人間ではなく、オモチャ(・・・・)達だった。

 

 

「んだけんど、チャンスつったって出るルートも分からねェべ?」

 

「そんなの幹部達がいつも入ってくる扉から出ればいい話だろ!」

 

呆れたようなジェスチャーをするオモチャに訛っているオモチャが苛立ったように睨みを利かせていると、腕の長いオモチャが止めに入る。

 

 

「んなことしてる場合か!?

みんなで力を合わせる場面だろーがよォ!」

 

「うっ…それはそうだけんども……」

 

「コイツとぼくは合わないんだ!」

 

可愛らしいオモチャの姿で言い合う彼ら。

なにを隠そう、実は元は人間だったのである。

 

しかし、ドンキホーテファミリーに所属しているとある人物の能力でオモチャに変えられてしまっていたのだ。

 

 

 

それは約1ヶ月ほど前の話だった。

 

ドレスローザのコロッセオにて、トーナメント戦が開かれるという話が彼らに舞い込んだのだ。

しかも、その優勝賞品は“大地を揺るがす力が手に入る実”だと言う。

 

その噂を聞き付けた彼らは我先にとドレスローザへ急ぎ、すぐにトーナメントへの参加登録を済ませた。

 

各々がそれぞれの思いを胸に全力でトーナメントへ挑んだ。

 

勝ち抜き形式でオモチャにされた彼らは他を圧倒しながら勝ち進み、ついに最終戦を迎えるまでに至ったのだ。

 

そして、決勝戦もサバイバル形式であった。

勝ち残った者達とチャンピオンで何でもありの戦いをし、最後に立っていた者が勝者という実に単純なルールである。

 

だが、その日だけは少し違った。

主催者側はチャンピオンではなく、特別な参加者を代わりに出すと宣言した。

 

勿論、彼らは反論はしなかった。

チャンピオンだろうが誰だろうが、自分が勝ち残る。

そう覚悟を決めていたからだ。

 

 

そうして、最終決戦当日。

コロッセオに彼らが並ぶと、特別参加者が現れた。

 

その男は青緑色の軍服に身を包んでおり、イヤーマフと長髪が印象的な大男であった。

 

その場にいた誰もが、その男の名を知っていた。

 

男がコロッセオに降り立つと、腕章が日の光を浴びてキラリと輝いた。

 

 

『……ひゃ、百獣海賊団の先鋒長っ…バレット!?』 

 

誰かの叫び声がその場に響いたかと思うとコロッセオ内は今までにないほどに歓声と熱気に包まれる。

 

 

『すげぇ!?あの百獣の!?』

 

『彼ってレオヴァ様の側近なんでしょう!?』

 

『今日仕事休んでまで来て正解だったぜ!

二度と見れねェぞ、こんな豪華なマッチは!!』

 

『先鋒長のバレットと言やぁ、あの“水難事故”のヒーローじゃないのか!?』

 

自分を応援する声で溢れている観客席には見向きもせず、バレットはコロッセオの彼らへ向き直る。

 

その佇まいだけで強さを悟った挑戦者達はそれぞれの反応を示しながら、開戦のゴングを聞いたのだった。

 

 

こう言った経緯で、ここ数年間であっという間に知名度を上げた猛者バレットへ挑んだ彼らだったのだが、その手が勝ちを掴むことはなかった。

 

そして、敗れた彼らを待っていたのはドフラミンゴファミリーによる勧誘と言う名の脅しであった。

 

部下になるのならば歓迎するが、ならないのなら敗者に希望はないと思え。

そう宣言された彼らだったが、屈するような事はしなかった。

 

確かにバレットには負けたが、ドフラミンゴファミリーに負けたワケではない。

進む道を縛られるなど御免だった。

 

と、いうような反抗を続けた結果。

彼らはドフラミンゴの怒りを買い、オモチャに変えられ労働力として無理やり働かされていたのである。

 

 

 

「おれはジジィと弟も探さなきゃならねェ……

お前ら脱出する気ねェならどけやい!!」

 

喧嘩していた二人のオモチャの間に割って入ると、腕の長いオモチャと共に13とお腹に書いてあるオモチャは出入口と思われる扉の方へトコトコと歩き出した。

 

 

「お、おれも行くべ~~!?」

 

「ちょっと待て!!ぼくも行かないとは言ってないだろ!」

 

後を追うように喧嘩していたオモチャ二人が走り出したのを見て、周りの数人のオモチャも歩き出す。

 

 

そんなオモチャ達の背中を、濁ったような瞳のオモチャ達は静かに見送るのだった。

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

オモチャ達が秘密裏に脱走を謀っていた頃。

ドレスローザに潜入していた二人組も動き出していた。

 

 

「もう!サボくん勝手に行かないでよ!!」

 

頬っぺたを膨らませて怒っていますとアピールする可愛らしい見た目の女性の名はコアラ。

 

そして、その女性にサボと呼ばれる男こそ。

あの革命家ドラゴンの右腕、参謀長サボであった。

 

 

「そんな事よりあれ見ろよ。

金獅子のシキに…麦わらのルフィ(・・・・・・・)

最近海を騒がせてる海賊達が同盟を組んだってのは本当の話だったみてェだ。」

 

「そんなことって言い方ないでしょ!

…でも、確かに……あれは不味いかも…」

 

そう言って遠方に見える常識外れな戦場へ目を向けたコアラは不安げな顔になるが、サボの表情に陰りはない。

 

 

「前にコロッセオに百獣海賊団のバレットが来たと聞いた時から怪しいと思ってたが…今回青キジが来た事でほぼ確定だな。」

 

「んん~…七武海が四皇と繋がってるなんて思わなかったけど、色々見ちゃったしなぁ…

でも、どうやって百獣海賊団と繋がり作ったのかはまだ謎だね。」

 

「あぁ。

けど、そこの繋がりも万国の地図(・・・・・)ってヤツも気になるけど、一番は武器工場だ。

ここの港から出る武器は世界中の“戦争”を助長してる。

それを止めるのがおれ達の最優先事項だ!!」

 

「わかってるよ、サボくん!」

 

力強い返事を返して来たコアラにサボはにっと笑いかけると、激しい戦闘音に背を向けてドレスローザの城へと向かって歩き出した。

 

 

そうして、下調べした城への潜入経路を順調に進んでいた二人は思わぬ人物との再会を果たす。

 

それは資料室と思わしき部屋にサボとコアラが入った時だった。

 

 

「っ……ロビンさん!?」

 

思わず声を上げてしまったコアラの視線の先にはニコ・ロビンがいたのだ。

 

まさかこんな所で顔を合わせることになるとは思わなかったと、ロビンに抱き付くコアラの後ろでサボも僅かに驚いた顔になる。

 

 

「サボにコアラ…どうしてドレスローザに?」

 

そう言って首を傾げるロビンに2人は目的を告げた。

 

その後、手短に事情を説明し終えた2人にロビンは成る程と小さく頷いてみせる。

 

このドレスローザ王国が武器の密売に関わっている可能性が高いこと、百獣海賊団との繋がりがあるかもしれないと言う事やドンキホーテファミリーが“insect ver.”と“beetle ver.”というSMILEの工場を持っているらしいという事を一通り聞き終えたロビンは思考を回転させ、2人に自分の持っていた情報を提供することにした。

 

 

「……実は私たち…ドフラミンゴの武器工場を壊して来た所なのだけれど。」

 

「えっ!?

ど、どういうこと!?なんでロビンさんが?」

 

大きく瞳を見開いたコアラに今度はロビンが事情を説明をする。

 

ドフラミンゴの研究施設兼工場を破壊して来た事。

百獣海賊団とドンキホーテファミリーはほぼ間違いなく繋がっているだろうという事や、仲間達がその施設で原因不明の異常な状態に陥っていること。

 

そして、その同盟の作戦と仲間を治す薬の為にこの国に来た事を端的に伝えた。

 

すると、サボとコアラはロビンからの情報ならば百獣海賊団とドンキホーテファミリーが繋がっているのは間違いないのだろうとお互いに顔を見合わせる。

 

 

「ありがとう、ロビンさん。

その情報スゴく助かるよ!」

 

「いいの。

それよりもし薬やその情報を見付けたら私に教えて欲しいのだけれど…」

 

「「もちろん!!」」

 

笑顔で返してくる二人にロビンも微笑みで返した。

 

 

「情報収集なら私たちも同じだし、ロビンさんは私と行動する?

どうせサボくんは勝手に単独行動しちゃうから。」

 

「それもそうね。

一緒に行動しましょう、コアラ。」

 

「うん!」

 

仲良さげに書類棚へと向かって行った二人に一瞬なにか言いたげな顔をしたサボだったが、くるりと踵を返した。

 

 

「…じゃあ、おれは地下に行くからな!」

 

「行ってらっしゃい!

騒ぎを起こしてバレるような事しないでね!絶っ対だよ!!」

 

「おう、心配すんなって!」

 

足取り軽く遠ざかって行く音を聞きながら、コアラは不安げに眉を下げた。

 

 

「……本当にわかってるのかなぁ、サボくん。」

 

「うふふ、相変わらず仲良しね。」

 

変わらない2人にロビンは小さく笑みを溢しながらも、書類の文字を頭にインプットしていくのだった。

 

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

所変わり、百獣海賊団の空船(・・)にて。

 

石化を解かれたモネは背筋に伝う嫌な汗を感じながら、座り心地の良いソファーに腰かけていた。

 

 

「……そうか。

と言う事はやはり預けていた工場は完全に駄目になった訳か。」

 

モネの座っているソファーの目の前にあるスクリーンの中で、着物を着た男が残念そうな声を出したことで焦りは加速する。

 

今現在ヴェルゴは目を覚ましていないらしい。

管理を任されていた自分は話を聞く為に治療されたが、ヴェルゴは助けて貰えるか分からない状況なのである。

 

ただでさえルーキー達に百獣海賊団から預かっていた工場を破壊され、イネットも連れ去られたという最悪の状況だ。

これ以上スクリーンに映る男、レオヴァの機嫌は損ねられない。

そうモネは考えていた。

 

自分が死ぬのならば問題ない。

だが、若様や妹達に迷惑がかかる事は避けなければならない。

 

緊張とプレッシャーで震えそうになるが、モネは無理やりその震えを押さえ込んだ。

そして、深々と頭を下げる。

 

 

「……申し訳ありません。

全て私の管理不足による失態なのです。

罰は私が受けます!ですので、どうか…!」

 

悲痛な、心からの言葉だった。

この声にスクリーン越しにレオヴァが返事を返す。

 

 

「…罰はお前が受けると?」

 

「はい。」

 

一瞬の迷いなく答えたモネの姿にレオヴァの目がそっと細められる。

 

 

「そうか。

あの工場は百獣海賊団の技術力の結晶だと知っていて尚、1人で罰は請け負う…と。

それだけの覚悟があるのか、それともあの工場はその程度(・・・・)だと軽く見ているのか。」

 

「っ……軽くみてはいません!

私の命1つで代価になるような施設ではなかったことは重々承知しています!!

ですが、若様には落ち度はありません。

全て管理し、守れなかった私に非が…!」

 

必死に訴えるモネをじっと見つめると、レオヴァは少し考える素振りをみせた後口を開いた。

 

 

「……いや、すまなかった…モネ。

試すような真似をしてしまった。」

 

「…試、す?」

 

悲壮感漂う雰囲気のままキョトンとした顔になるモネに、レオヴァは先ほどとは打って変わって優しい声で話を続ける。

 

 

「実はモネが共犯なのではないかと言う疑惑があったんだが……その様子ならウチの部下の早とちりだったんだろう。

ドフラミンゴの為に覚悟を決めた姿をおれは信じる事にした。」

 

「私が…共犯……?

そんなっ!私は若様を裏切るような真似は絶対にしません!!」

 

「あぁ、今のやり取りでおれもそう感じた。

……威圧的な態度を取ってすまなかった。」

 

スクリーン越しに軽く頭を下げるレオヴァの姿にモネは慌てるが、当の本人は普通に会話を再開し始めた。

 

 

「まず先に宣言させてもらうが、今回の件でおれは麦わらの一味とその同盟以外を責めるつもりはない。」

 

「ほ、本当ですか…?

けれど、私の失態は…」

 

俯くモネにレオヴァは励ますような声色で話しかける。

 

 

「モネ、お前のあれは失態には入らない。

施設内の監視記録を確認した部下から聞いた話ではイネットの勝手な研究を止めようとして、暴走した実験動物で被災したんだろう?

責められるべきはイネットの方さ……全く本当に忌々しい奴だ。

寧ろ、止めようとしてくれた事に感謝しているくらいだ。

本当に管理者として素晴らしい判断だった。」

 

「ぁ…ありがとうございます。」

 

体に入っていた力が僅に抜けたモネにレオヴァは笑いかけると、入り口の方へ声を投げた。

 

 

「……もう、入って来てくれて構わないぞ。」

 

その言葉に答えるように扉が開くと室内に、隣の部屋で眠っている筈のヴェルゴが入って来る。

 

何がなんだか分からないと目を見開くモネの心情を察してか、レオヴァが説明を始めた。

 

 

「実はモネの石化を治す前にヴェルゴを治していたんだ。

2人を疑う様な真似をして本当にすまなかったと思うが、念のため一人ずつ尋問の様な形を取らせて貰った。

……ヴェルゴも腰かけてくれ。」

 

「あぁ、失礼する。」

 

モネの隣に腰かけたヴェルゴを確認して、レオヴァは一度お茶を飲むと話を続ける。

 

 

「これで2人への疑惑は晴れた訳なんだが、これからが本題だ。」

 

本題という言葉に2人に緊張感が走る。

 

 

「麦わらの一味とその同盟はパンクハザードを爆破後、ドレスローザへ向かった。」

 

「なに!?」

 

「何故!?」

 

驚く2人に神妙な顔でレオヴァは更に続ける。

 

 

「ドレスローザ王国に麦わらの一味と金獅子海賊団、その同盟達が攻撃をしかけていると連絡が来たんだ。

無論、おれとて黙っているつもりはない。

現在ウチの第弐師団隊長を向かわせてあるが…

ヴェルゴとモネ、お前達はどうしたい?」

 

突然のレオヴァからの問い掛けに食い気味に2人は声を上げた。

 

 

「ドフィの下へ行かせてくれ!!!」

 

「若様のお側に!!!」

 

2人の力強い答えにレオヴァは笑みを返す。

 

 

「そう言ってくれるだろうと思っていた。

流石はドフラミンゴが自慢する程の部下達だ。

……では、そのままドレスローザへ送らせよう。

移動中の船の中ではウチの規定とササキ(・・・)に従ってくれ。」

 

レオヴァの言葉に2人は同時に頷くのだった。

 

 

 

 




ー補足ー

・船待機組
ナミ、ゾロ、フランキー、チョッパー、カン十郎、モモの助

・突入組
ルフィ、ロビン、ブルック、ウソップ
キッド、キラー
シキ、シキの部下数千人


サボ:エースが死んでいないので記憶戻っておらず。
ただ、ルフィの存在はロビンから聞いてるので知っている。

セニョール:レオヴァに恩があるらしい。
原作のベビー服ではなく、黒スーツ姿。

万国の地図:なぜ万国の地図というワードが…?


ササキ:潜水艇に乗っていたうるティとページワンからヴェルゴとモネを預かっていた。
レオヴァから、二人はドレスローザへ行きたがる筈だと指示を受けていたので既に向かっている状況

うるティ:引き渡しが完了したので一時、ワノ国へ帰還中。
レオヴァに怒られなかった処か、褒められたのでご機嫌。
帰るまで暇なのでトネグマとアクセサリー作りする約束してルンルン。

ページワン:同じく帰還中。
レオヴァから怒られずにすんでホッとしているが、次は失敗が無いように気を付けようと自分の頭の中で反省会を開いている。
自分で自分に失敗した罰としてナチョス1ヶ月禁止令を出すかと神妙な顔で悩んでいる。

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