ゆ、夢か……? いや、夢じゃあない……!!
……たくさんの感想本当にありがとうございますっ…!
前回もしっかり誤字ってしまっておりました
報告してくださる方はきっと聖人なんだろうなぁ……
誤字脱字報告、感謝です!
※今回の話しにでる小半刻とは昔の時間の単位の事で、だいたい30分のことです(本来は季節により上下するらしいです)
朝からワノ国の民は皆喜びに溢れている。
なんてったって、今日はワノ国1
あの、レオヴァ様が百獣海賊団
"
カイドウ様を補佐するっつーことは事実上、百獣海賊団の2番目に偉い人ってことだろ!?
そして今日、花の都にレオヴァ様が来て正式発表されるんだ。
俺は親分に必死に頼み込み、なんとか休みを手に入れた!
…けどそりゃ、みんな同じらしい
見たことねぇほど都は人で溢れかえってる。
夕方から行われる任命式が楽しみでならねぇよ……!!
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~ある村にて~
村人たちは集まりどよめいていた。
何故なら目の前に見たこともないようなご馳走
そして薬や織物まで山のようにあるのだから。
どうして平民には手の届かない物たちが目の前に積まれているのか……
村人たちは動揺を隠せずザワザワと騒がしい。
しかし、村人の集まりの中にいた老人がついぞ声を上げる。
「こ、これは……いったい……
なんだってこんな
「買う……?
わはっはっは…!! 違うぞ?
これは、いと素晴らしき
「……はぁ……れおう"ぁ…様……?」
「そうだ!
本日は、レオヴァ様が百獣海賊団・総督補佐官という名誉あるお立場に立たれる素晴らしき日……!
もちろん総出でお祝いしようと皆が意気込んでいた!
しかし……!
お優しいレオヴァ様は
それどころか我々民の為に祝いの資金を使うと仰られたんだ……!!!」
高々と語る編笠村の男の言葉に、村人たちは驚きを露にした。
レオヴァ様といえば、カイドウ様のご子息……
そんな身分の高い方が
「……偉い奴ってのは祝い事はハデにやるんじゃないのか…?」
「あぁ……オロチがまさにそうだろ」
「え、いや……どういうことだ?」
「なぜレオヴァ様って人のお祝いでワシらに食料が…」
「薬まであるぞ…! おれの息子の傷を手当てできる!」
「……怪しいだろ………なんでおれら平民なんかに…」
いつまでもザワつく村人たちに編笠村の男はまた語りかける。
「お前たちの動揺はおれにも分かる……
だが、聞いたことぐらい有るだろう
レオヴァ様が編笠村、鈴後…そして九里をお救いになった話を……!!
おれはその編笠村から来た!
あの話は全て事実……おれがこうして生きてるのもレオヴァ様が手を差しのべて下さったおかげなんだ!」
「……編笠村の村人か」
「聞いたことあるわ…!
オロチの圧政に潰れかけてた編笠村を助けたって……」
「鈴後に現れた蛮族たちを明王と
「知ってるぞ!
そのあと村の復興も手伝ったって話を絵巻物で読んだんだ……!」
「じゃ、じゃあ……ほんとにこの食料に薬…貰えるのか?」
困惑で覆われていた村人たちの瞳に光が宿る。
しかし、一人の若者が声を上げる。
「なぁ、待ってくれ編笠村の人!
これを受け取ったら……おれたちはレオヴァ様って人になにか要求されるんじゃないのか…?
……それにおれたちだけ、なんて怪しすぎる!!」
若者の言葉に他の村人は止めに入る。
「お、おい!よせよ!
あんま失礼なこと言っちゃいけねぇ!」
「そうだ!……それにうちのガキは昨日も飯を食ってねぇんだ…
……なにを要求されたって構わねぇ!
このままじゃ、どちらにせよ飢え死んじまう!」
「おれの息子の怪我には薬がいるんだよ……!
どんな理由でおれらの村が選ばれたんであれ、今はこの施しを頂こう……!」
騒がしくなった村人たちに困った顔をしながら編笠村の男は止めに入る。
「あんたら落ち着いてくれよ!
このレオヴァ様からの食料たちはワノ国中に配られてんだ
あんたらだけ特別ってわけじゃねぇさ」
その言葉に村人は目を見開いて問いかける。
「え……ワノ国中!?」
「け、けどそんなの凄い金がかかるだろ!?」
「そんな大金……どうやって?」
「レオヴァ様はお祝いの資金だけじゃ皆に配れねぇと
ご自分のお金を使ってまで、ご準備して下さったんだ…!!」
「自分の金を……」
「金持ちは金使わねぇって話は嘘か!?」
「わざわざ下人なんかの為に…」
「驚く気持ちもわかる…!
けどよ…レオヴァ様って御方はそういう方なのさ……
いつだって民を想ってくださる…」
編笠村の男のしみじみとした言い方からは嘘は感じられなかった。
それに国中に広がる噂でレオヴァという男の悪い噂を聞いたことのある村人などいない。
最初に声を上げた老人が編笠村の男の前に行き、深々と頭を下げる。
「……ありがたい……!!
その食料たち、ぜひ頂戴したい…!」
頭を下げる老人を必死に編笠村の男は上を向かせる。
「おいおい……!爺さんよしてくれ!
おれはレオヴァ様に頼まれて運びに来ただけださ
それに貰ってくれりゃ、おれも嬉しいんだ
なによりレオヴァ様がお喜びになる……!
……っと!忘れてた!」
老人に優しく声をかけ終わると、何かを探す様に自分の着物をさわり……懐から綺麗な貝を取り出した。
村人たちは見たこともない貝を不思議そうに見ている。
「編笠村のお人……それは…なんだい?」
「これは
「とーん…だいある……?」
「レオヴァ様から頂いたモンでな!
なんと……これに入れた音を好きな時に流せるんだよ…!」
「貝に音を…? そんなモンがあるのかい?!」
「おおう!おれも初めてみた時は驚いたさ!
……で、この
「レオヴァ様からのお言葉……?」
「……なにを言われるんだ?」
「どんなお声なのかねぇ…?」
「まぁまぁ、いいから聞いてくれよ
…よし、流すぞ~!
『……え~と……よし、レオヴァ様!どうぞ!』
『…はじめましてだな、おれはレオヴァと言う
本日より百獣海賊団の総督補佐官という役職につかせてもらう者だ。
祝いの日と言ってくれる皆の優しさと、共に歩んでくれる民に報いるべく…なにか出来ないかと考た結果、食料など物資を配ることに決めた。
今回配る食料はおれが遠征で手に入れた物と編笠村、鈴後、九里で栽培された物だ。
おれの自慢の民たちの作る野菜や果物は絶品だ
ぜひ堪能してほしい』
『へへ…!レオヴァ様、絶品なんて褒めすぎですよ……!』
『ふふふ…本当のことだろう?
お前たちが汗を流し頑張ってくれているからこそ素晴らしい食べ物たちが出来るんだ……いつもありがとう』
『そんなッ…!もったいねぇお言葉っ……!
おれもっと、もっと頑張りますぜ!』
『まったく、働きすぎだぞ?
ちゃんと休んでくれ……体を疎かにするな』
『そりゃレオヴァ様もですよ!!
働き詰めで……心配ですよ…』
『おれは良いんだ、上に立つ者が皆の為に
……いけない、話がずれた』
『レオヴァ様っ……
と…そ、そうでした…!
では、続きをお願いいたしやす!』
『あぁ、……今日くらいは満足いくまで腹を満たしてほしい。
薬や着物も好きなように使ってくれ
……これからおれはワノ国中の民が飢えずにすむ様に努力するつもりだ
信じられない者が大半だろう……信じてくれとは言わない。…口でならなんとでも言えるからな。
だからこそ、おれは行動で示す……見ていて欲しい。』
以上だ!……間におれとレオヴァ様の会話が入っちまってるが、それは気にしないでくれ!へへへ…
とにかく、そういうワケだから物資は好きに使ってくれよ!」
レオヴァの言葉を聞き終わった村人たちは呆然とした。
思っていた数倍…幼さの残る声
そして上に立つ者として
どれもが今まで一度として体験したことのない事だった。
「これが……レオヴァ様…」
「編笠村のお兄さんはただの農家なんだよね……?
なんで、レオヴァ様はこんなに平等に…優しく接してくださるんだい?」
「オロチはおれらを人とも思ってねぇのに
…共に歩む民か…おれらも、レオヴァ様には民だと思ってもらえんのかな……!」
「……ずいぶんと若ぇ声だぁ…ワシの孫くらいか?」
「とっても優しい話し方をする人なのねぇ~…」
「おれたちが飢えずにすむように努力……努力なんて言葉を偉い人がおれらに使うなんてよ……」
皆、驚きと感激を口々に洩らしていく。
「レオヴァ様のお優しさが少しでも伝わっておれは嬉しいぜ……!
…はっ…いけねぇ!
おれはレオヴァ様の任命式を見てぇからそろそろ行かせてもらう!」
「ちょ、ちょっと待って編笠村のお兄さん!」
「そうだよ!レオヴァ様の任命式っていったいどこで……!」
「おれらもお会いしてぇよ……」
「あー……任命式は都で開かれるんだよ…」
「……都じゃあ…無理だねぇ……」
「残念だ……」
「ま、まぁみんな!行けなくてもそれぞれでレオヴァ様をお祝いしようぜ!」
「そうね……死ぬまでにお会いしてみたいわねぇ…」
暗い村人を励ます様に編笠村の男は言う。
「今日夕方か夜に空を見上げりゃレオヴァ様を見れるかもしれねぇさ!」
だが、皆わけがわからず首をかしげた。
「そ、空……?」
「あぁ!レオヴァ様は特別なお力を持ってらっしゃるんだ!
そのお力で、見たこともねぇような神々しい
今日の式の後、ワノ国の空を飛ぶって話を聞いたんだよ
だからきっと空を見上げてりゃレオヴァ様を見れる!」
「雷のお鳥様……?」
「レオヴァ様はそんなお力まであるってのか……!?」
「そりゃ一度は見てみたいな~!」
「ママ!夜おきてていい?」
「良いわよ。 一緒にお星さま見ながら待ちましょう!」
レオヴァが見れるかもしれないと喜ぶ者や、不思議な力に驚く者。
様々な反応ではあるが、皆の心の中は今日の夜空を待ち遠しむ気持ちで溢れていた。
「それじゃあ!」
手を振り都へ急ぐ編笠村の男を村人たちは笑顔で見送った。
これだけの食料があれば今日だけと言わず、しばらく飢えることはないだろう。
着物や薬を大切そうに抱える村人たちの顔は、今までにないほど喜びで彩られていた。
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任命式を控えるレオヴァの下にクイーンがおしるこの鍋を抱えながら近づいてくる。
「よォ~!レオヴァ~~!
ついに、任命式だなァ……!
カイドウさんもスゲェ張り切ってるぜ!!」
カイドウの機嫌が良いおかげで暇を手に入れたクイーンは満面の笑みを浮かべながらレオヴァの正面に座った。
レオヴァも他でもないカイドウから直々に役職を与えられた事を心から喜んでいる。
「任命式で直接父さんから言葉を貰えるのが楽しみだ…!
………またあんこを飲んでるのか」
「あんこって……
これは お・し・る・こ…!!!
ただの小豆とは、ぜんっぜん違ぇからァ……!!!」
「そ、そうか。悪かったな
……が、その量は多すぎないか?」
「わかってくれりゃ良いぜ!
あと、これは少ない方の鍋だからな?
あと4つ分作らせてる……!
ああ~!早く来ねぇかな~おしるこ~~!」
早くも何も既に鍋を抱えてるじゃねぇか……!
という一言をレオヴァは飲み込んだ。
クイーンはおしるこの事となると面倒だというのをレオヴァは良く知っていた
わざわざ藪をつつく真似はしない。
「……で、クイーンは何してるんだ?
おれに何か用でもあったのか?」
「ん、そうそう!
レオヴァの任命式だってのに派手にやらねぇのもったいなくね?って話しに来たんだよ…!
大々的にいこうぜ!
これって、言っちまえばレオヴァのお披露目会みたいなところもあンだろ?
こんなに質素な式じゃ馬鹿な
クイーンのいう通り、今回のレオヴァの任命式はあまりにも予算がかけられていなかった。
任命式と言っても城の前の広間で部下たちを隊列させ、そこにカイドウとレオヴァが現れ任命する。
……それだけなのだ。
ワノ国の一般的常識では
身分の高い者たちがなにか大衆の前でする時は、部下だけでなく花魁であったり、きらびやかな装飾を施した服や道具をふんだんに使い自分の財力と権力を示すものだ。
にも関わらずレオヴァは
舞台を作るわけでもなく、見目のいい女も使わず
本当にただ任命を皆の前でするだけ。
クイーンはレオヴァの為に派手で、尚且つ誰もが驚く様な式を用意してやりたかった。
が、任されたのはキングだった。
最初は納得いかずにキングと揉めたがカイドウからの指示でしぶしぶ引き下がった。
なんだかんだ言いはしたが、キングならばまぁまぁな出来にはなるだろうと考えていたクイーンだったが蓋を開けてビックリしたのだ。
盛大に祝うべき事をキングは簡素……いや、みすぼらしくしてしまっていたのだ。
当然、クイーンはそれを知るや否や楽しみに待っていたおしるこを置き去りに、キングの下へ向かい文句をつけたが……それはレオヴァの意思だと言い返されてしまった。
納得いかないクイーンは出来上がったおしるこ鍋片手にレオヴァの下へ問いに来たのだ。
「クイーンの言う通り、これはお披露目の意味もある
……第一印象は人間関係を築く上で大切だからな」
「だったらもっと派手にいこうぜ…!
この式じゃ第一印象で見くびられちまうだろ?」
「そうだな。
見栄や金を気にするような華族や士族はおれを下に見る様になるだろうな
だが、民を思う者や町人たちからの考えは違ってくる筈だ
……その為に、全ての村や町に贈り物を届けさせてるわけだしな」
「あー…………え、そういう事かよ…!?
なんだよレオヴァ…最初から言っといてくれりゃ
おれもゆっくり おしるこ食ってたのによ~!」
「ふふふ……すまないな
その話をしている時、クイーンは遠征に行っていたから言いそびれたんだ」
「っとによォ~
てかキングもそれならそう言えよ……!!
あの野郎……絶対わざと言わなかっただろ……!」
「おれが人前でこういう話はしないでくれと頼んだからな
あまり喧嘩はよしてくれ」
「どうだかな~……あいつマジで性格悪ぃからなァ……
ま、レオヴァの考えはわかったし良いわ!
でも言われてみりゃ確かに"馬鹿"を見つけるのにも使えそうだし
……レオヴァもなかなか性格悪ぃな~?」
「人聞きの悪い言い方は止してくれ。
……ただおれは民の為に資金を使いたかっただけ、そうだろクイーン?」
「ムハハハハハハ~!!
そうだな!"レオヴァ様は民想い"だからなァ……!」
「ふふ…そういう事だ。」
任命式の件に納得がいったクイーンの
レオヴァはそれをなんとも言えない顔をしながら眺め
任命式までの間、クイーンと雑談を続けるのであった。
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1日の終わりが近くなり日は沈み、辺りは暗くなり始めていた。
しかし、都にある城の前は大勢の人で溢れかえっている。
城前の広場へ続く大通りにも人は溢れ、少しでもカイドウとレオヴァを見ようという意志が感じられる。
「はは!やっとだ!
そろそろ任命式ってのが始まる時間だぜ!」
「楽しみだなぁ!」
「おれ実はレオヴァ様見たことあるんだ
鈴後に行った時なんだけどよ!」
「本当かよ!? 羨ましいぜ!
ま、おれも今日見れるけどな
あ~!はやく始まらねぇかな!」
「明王様って龍になるらしいが本当かよ?」
「さぁ? あの処刑の時に龍になって飛んでったって話は聞いたぜ?
けどトンでもなく強いってのはきっと本当だ!
おれは遠目で見たことあるがあん時は腰抜かしたからな……」
「ええ……?そんなにかよ…」
「あ~!くそ!
前に陣取りたかったのによ……!
これじゃレオヴァ様にお会いできねぇよ…」
「落ち着けって!
……けど、確かにこの距離じゃお会いできねぇよな…」
「カイドウ様にもおれァお会いしてぇのによぉ!」
「しょうがねぇよ……
今日は目出度い日なんだ問題起こすのは止そうぜ」
「……そうだな…」
「面白そうだし見てくか!」
「いいな!
おれもカイドウって奴がどんな奴か見たかったんだよ
強いっての本当かわかんねぇもんなぁ」
「ははは!たしかに!
レオヴァってのもガキだろ?
ちょっと見て、そしたらかわいい花魁にでも会いに行くか~!」
「そうしよう!」
カイドウとレオヴァを待ちわびる人々の下に大きな音が届く。
広間の前に整列していた百獣海賊団の者達が隊列を変えると
二人の対照的な大男が現れる。
「よォ~!お前らァ~~!
お待ちかねの任命式の時間だ!」
奇っ怪なサングラスをかけた大男
── クイーンの呼び掛けに大衆が答える。
「「「「うおおぉーー!!」」」」
「やっとレオヴァ様に……!」
「待ってたぜーー!」
「明王様ぁ~!!」
溢れかえった人々の大歓声にクイーンは楽しげに笑い
キングは鬱陶しそうにマスクの下の顔を歪めた。
響きつづける歓声に答えるかのように空の雲が蠢き出した。
暗くなり始めていた空に突然眩い光が走り雲が消え去る。
雲一つない大空に神話に出てくるような大きく勇ましい龍と
その龍に寄り添って羽ばたく黄金の巨鳥が現れた。
都に集まった人々は呼吸も忘れその現実とは思えない光景を見ていた。
圧倒される人々の前に龍と巨鳥が降り立つ
そして黄金の巨鳥の放つ輝きに民衆が
髭を蓄えた逞しい御仁と側に立つ凛々しい少年の姿があった。
確かな自信を宿した瞳と黒い髪、そこから伸びる猛々しい角が二人が親子であることを物語っているようだ。
いまだ声も出せずに見入ってしまっている民衆に
カイドウの力強い声が響く。
「ウォロロロロロロ~!
おめぇらよくぞ集まった!!
今日は他でもねぇ…おれの自慢の息子、レオヴァを総督補佐官に任命するめでてぇ日だ!
他にも言いてぇこともあるが、時間もねぇ……早速任命式開始だァ!!
今、この瞬間からァ…!!
レオヴァをこの百獣海賊団の総督補佐官に任命する!!!
異議のある奴ァ前へ出ろォ!」
カイドウの宣言に止まっていた民衆は動き出す。
「「「レオヴァ様万歳~~!!!」」」
「おめでとうございますレオヴァ様ぁ!!」
「レオヴァ様にしか勤まらぬ素晴らしき役職よ……!」
「カイドウ様!異議などあろう筈がございませぬ!!」
「キャ~!レオヴァ様~!」
「ハハハハ~!こりゃ目出度い……!」
「うおぉお~!やったぜ!レオヴァ様ァ……!」
「流石はカイドウ様!わかっていらっしゃる…!
レオヴァ様にこそ相応しい地位だ……!」
レオヴァの任命を喜ぶ声で溢れかえる民衆にカイドウは満足そうに口角を上げた。
「ウオロロロロロ!!
異議はねぇようだなァ…!
よし、レオヴァ!
お前からも何か言ってやれ」
カイドウに促されレオヴァは民衆へ向け一歩前に出る。
「皆、ありがとう
おれは この総督補佐官という役職に恥じぬ働きをすると誓う…!
そして、これからも皆と歩んで行きたい
……付いてきてくれるだろうか?」
レオヴァの問いかけに鎮まったはずの民衆の熱が上がる。
「「「「もちろんです!レオヴァ様……!!」」」」
「何処までも付いて行きまする…!!」
「レオ坊!死ぬまで付いてくに決まってんだろう!」
「ずっと…!貴方に付いていきます……!」
「この身すべてをレオヴァ様の為に!!」
「う、うぅ……レオヴァさ"ま"~!生涯を"か"けてっ……つ"いていきます"!!」
レオヴァは民衆の声を聞くと、微笑みで返した。
「 今日初めておれを見た者、初めて知った者も多いだろう。
だからこそ、その皆の心にある疑問や不満を消すと誓おう!
…これからのおれの行動を見ていて欲しい!
そうすれば今感じているモノの答えが出るはずだ
以上だ、話を聞いてくれて感謝する…ありがとう 」
レオヴァを知らなかった者たちは息を吞んだ
子どもだと侮っていた者たち、所詮は噂だと思っていた者たち。
皆、その堂々とした所作と民衆に対する心遣いに度肝を抜かれた。
レオヴァはそれを知ってか知らずかカイドウと共に大空へと飛び立ってしまった。
この一瞬の任命式の話はすぐに他の人々へと伝わっていき
そして、その話と共にレオヴァが町や村に物資を送った話も広がっていく。
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─── 任命式から数ヶ月
オロチは焦っていた。
当初の予定では任命式でレオヴァは恥をかくハズだったのだ。
舞台もない、綺麗な女もいない、装飾もない
きらびやかなモノなぞ何一つとしてなかった。
それに時間においても最小限しか与えなかった。
『城の前を何時間も占領されるのは困る……!』
『そうか
では、オロチ殿……どれくらいなら良いだろうか?』
『そうだなぁ………
どうだ? まさかこれ以上とは言うまいなぁ…?
(ふんっ……
ワノ国のやつらの前での式など取り止めろ!)』
『……了解した。
オロチ殿の心の広さには痛み入るばかりだ
では、
『あ、え? や、やるのか?
『あぁ、おれの管理している村の皆が楽しみにしていてな
いや、本当にオロチ殿から許可が出てありがたい限りだ』
『許可などっ…!』
『ん? 小半刻ならば良いとオロチ殿は仰ってくれただろう?
……そうだ、オロチ殿も参加なさるか?』
『(こヤツめっ……)
いや、ワシは忙しいからな!
残念だが行けそうにもない……!』
『それもそうか
忙しいオロチ殿のことを考えるべきだった
…申し訳ない……
では、そろそろ失礼させてもらう』
『あ、あぁ!ではな!
くるしゅうないぞ』
そう、確かにオロチは
だからなにも出来ないだろうと高を括っていた。
だが予想と裏腹にレオヴァは自身の能力を使い、光や自身の能力の見た目できらびやかさを補ってしまった。
しかも短い時間の間にレオヴァを初めて見た者達からの関心も手に入れる周到さだ。
……言ってしまえば任命式は大成功だった。
しかし何故オロチは焦っているのか。
実は元々、オロチはレオヴァを良く思っていなかったのだ。
名目上はオロチの土地の管理と言われているが
事実上ヤツは編笠村、鈴後……忌々しい九里を手中に収めている。
それだけなら何の問題もないのだが
奴は手に入れた全ての村を
それはオロチにとって最悪な状態だ。
全ての人々が苦しめば良いと思っているオロチにとって編笠村、鈴後…九里の村人が幸せそうに暮らしているのが何よりも許せなかった。
……自分を虐げて来た者どもに救いがあることが許せないのだ。
それに3つの村は
いや、場合によっては花の都よりも発展しているという捉え方も出来る。
レオヴァを慕う……もはや信者とすら言っても過言ではない勢力すらいる始末。
それに加え、権力欲しさにオロチを囲っている家臣たちはレオヴァに媚を売り始めている。
自分の全てをかけて作り上げたこの地位すら危うい…!
だからオロチは焦っているのだ。
血が出ても爪を咬み続ける将軍の側に控えていた せみ丸がそれを止める。
「落ち着きなすって…オロチ様」
「落ち着いていられるか!!
あ、あのカイドウの息子っ…!
おれを……殺すつもりに決まってる!!」
「……じゃあ、どうするってんです
カイドウの息子であるレオヴァに手を出せば……ただじゃあ済まないでしょう
…それに民衆や…手強い侠客共も黙っちゃいない……今レオヴァの支持率はあの頃のおでんなんて比じゃねぇでしょうな」
「ワシとて、それはわかっておる!!
だから悩んでるんだ……あぁ……どうすれば…
…そうだ……婆さんの能力でなんとかアイツの評価をさげれば……!」
「バカ言うんじゃないよ…!!
わしの能力はバレちまってんだよ?
あの小童…顔に触れるどころか近付くことすらさせないよ!」
「ううむ……確かに
言われて見れば、レオヴァという男…ワシらと一定の距離を保つのが上手ぇ……しかもそれを自然とやってのけちまってる」
「そうじゃ!あやつの警戒心は異常じゃ!!
わしの力じゃ顔を奪うのは至難の技……下手なことをしてバレでもしたら…………」
「っ……な、ならどうする!?
このままではレオヴァはこの国を…ワノ国を良くしちまう!!!
そんな事は絶対にあっちゃならない!そうだろう!?」
黙り込む二人を見てオロチは更に焦る。
「なにか……絶対になにか方法があるはずだ…!
相手はたかだか十代のガキだぞ!?」
必死の形相で叫ぶオロチの下に更に追い討ちをかける様にレオヴァの新たな政策の報告がくるのは
このあと直ぐの出来事であった。
感想でおでん様生存ifの話しがあって確かに面白そう!と思いました!
他にもカン十郎の話しだったり、民衆目線の感想も……!
ONE PIECEの世界観から考えた考察兼感想だったり……もう博識者の方です?としか言い様のないほど濃い感想もありました!
ナチスドイツとか歴史の話を織り込んで感想くださる方々頭良すぎません?読むの楽しすぎてお昼休みが一瞬で溶けました(^^)
本当に貴重なお時間使ってまで感想くださりありがとうございます!
この嬉しさをエネルギーに書き溜めていた案をどんどん固めて行けるよう頑張ります!