俺がカイドウの息子…?   作:もちお(もす)

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前回感想にてレオヴァと同じカイドウさん過激派がいらっしゃりニッコリさせて頂きました|^▽^){カイドウさんがNo.1)

たくさんのご感想ご意見ありがとうございます!
本当に1日5回しかgood押せないのがつらい……!

後書きまで読んで下さってる方もありがとうございます(*´-`)
今回の後書きは少しの補足と
一番最後に質問であった今後の引き入れ予定キャラのネタバレあるので嫌な人はお気をつけて!







下準備

 

 

ここ最近カイドウから任された仕事に押し潰されていたクイーンの機嫌は最底辺だったが、今やその影もないほどの上機嫌っぷりだ。

 

のし掛かっていた面倒な仕事はレオヴァの帰還により全てなくなり、好きな時に好きなだけおしるこを食べられる生活がクイーンの下へと戻ってきた。

 

 

鼻歌まじりにおしるこを抱えたクイーンがレオヴァの部屋の襖をあけると

そこには目当ての人物ではなく、最近入った子どもがいた。

 

 

「ア"? お前レオヴァの部屋でなにしてンだァ…?」

 

「……レオヴァさんに待ってる様に言われて…」

 

 

クイーンに睨まれた新人は困ったように眉を下げた。

 

沈黙が流れる二人の間に戻ってきたレオヴァの声が届く。

 

 

「クイーン、早かったな」

 

「お、レオヴァ~!

ったく、呼んどいて居なくなるなよな~

おれ様に頼みっつうから来たんだぜ?」

 

「あぁ、すまない

電伝虫(でんでんむし)たちの調子を見に行ってたんだ

で、頼みなんだが……今度の遠征にドリィを連れて行って欲しいんだ」

 

「新入りを?

てか、そいつ戦えんのかよ…」

 

「問題ない

元々使えていた見聞色の強化と武装色の習得まではいったんだ

あとは実践で武装色の練度を上げさせてやりたいんだが……

おれは内政で出られないだろう?」

 

「へぇ~……覇気くらいは使えんのか

んじゃまぁ、レオヴァの頼みだしイイぜ!

おい、足引っ張んなよ新入りィ~……!」

 

「頑張ります…」

 

「…………レオヴァ~…なんか、こいつ暗くね…?」

 

「少し内気な性格でな…

……ドリィ、大丈夫だ。

クイーンは気の良い奴だから、そんなに堅くなるな

 遠征の土産話楽しみにしてるぞ?」

 

「は、はい! レオヴァさん!」

 

 

ドレークの返事を聞くとレオヴァはクイーンと少し予定を話した後、休む間もなく次の仕事へと向かった。

 

 

 

 

 

 

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レオヴァはここ最近で一番忙しかった。

 

ワノ国中に"電力"を普及させるための機械開発に実験

そして開発後の運用範囲から利益の計算……使わせる者の選定。

 

それと同時に普段から行っている村や工場への顔出しに、小さな問題の解決

国民のメンタルケアや病気の治療

船員のローテーション管理と相談役に加え、遠征の物資の配分や賞罰の采配。

 

他にも世界各国の情報収集に人員確保の為の情報分析

ワノ国内の情報操作に守護隊の行う学舎の指導及び教科書作りなど

 

さらにはカイドウも望む組手のための施設の建設

…即ち闘技場の建設作業。

 

 

これらを同時進行するレオヴァは文字通り休む間もなく動き回っている。

 

そして、今日もまたギチギチに詰めた予定をこなし、研究所へと戻っていった。

 

研究所にて開発した様々な物を眺めながらボソリと呟く

 

 

「テレビも必要か…」

 

おもむろに紙に案や構造の走り書きを始めたレオヴァの下へキングが食事を持って現れた。

 

 

「……レオヴァ坊っちゃん…」

 

 

目線はこちらへ移しながらも手は一向に止まる気配のないレオヴァに溜め息を漏らしたキングは発案書や設計図などが山のように積み重なった机の隣にワゴンを並べ仁王立ちをした。

 

 

「持ってきたんだ、食ってもらわねぇと困る」

 

 

腕を組んで見下ろすキングにレオヴァは眉を下げる。

 

 

「手間をかけさせて すまなかった

これが終わったら食べるから、そこに置いて…」

 

「駄目だ。今、おれの目の前で食べてもらう…!」

 

 

レオヴァの言葉が全て終わる前に、珍しくもキングの言葉が割りいった。

 

 

「………キング…おれはまだ仕事中なんだが?」

 

「だからなんだってんだレオヴァ坊っちゃん

百獣海賊団のNo.2が1日1食なんざ許されねぇだろう」

 

「……昼は鈴後で貰ったもんを食った、今日は2食だ」

 

「ほぉ? レオヴァ坊っちゃんは、たかがミカン2つ程度が1食に入ると…?」

 

「…なんで知ってんだ………」

 

「聞かなくとも、どいつもコイツもレオヴァ坊っちゃんの話ばかりだからな

昨日もろくに食ってねぇことも判ってんだ…

そんなモン後にして飯を食ってくれ」

 

「…もう少しで頭の中にあるモノをまとめ終わる」

 

「……はぁ…たまにカイドウさんに似て変な所で意見を聞かなくなるのはどうかと思うがな」

 

「父さんは構わねぇだろう、おれたちの上に立つ人なんだ

あの人が望むことは全て確実に実行されるべきだ」

 

「レオヴァ坊っちゃん、それは当たり前のことだろ

……おれが言ってんのは"変な所"で頑固って話だ

 

まぁ、おれが"わざわざ"運んだ飯がどうしても食いたくねェってんなら仕方がないが…

まさか食ってくれねぇなんてこたァねぇよな…レオヴァ坊っちゃん…?

もしそうなら…レオヴァ坊っちゃんには悪いが、火の粉がそこの紙束に飛んじまっても責任とれそうにねぇなァ……」

 

「……わかったキング、おれが悪かった

 先に飯にするとしよう」

 

「流石レオヴァ坊っちゃんだ、話が早くて良い」

 

 

 

勝ち誇ったような目でレオヴァを見ると近くの机にワゴンの上のものを移動させる。

 

どんどん美味しそうな料理が運ばれてくる机の前に移動し、観念したようにレオヴァは箸を手に取った。

 

 

「……いただきます」

 

「どうぞ、レオヴァ坊っちゃん」

 

 

キングに見られながらもレオヴァは次々と皿を空にしていく。

 

 

「…最近は忙しさに拍車がかかってると聞いたが、そんなに急いでやるべき事なのか?」

 

「言うほど忙しくはないぞ?」

 

「……食事の時間も取れない状態が忙しくねぇと?」

 

「…明日(あす)からは気を付ける……

多少忙しくはなったが、早急にこの案を実現させておきたいんだ」

 

「理由を聞いても?」

 

「今やってる人材育成は完全に形になれば村を任せられるようになる

電力の普及や電気タンクも民衆の心を掴むのに使える

なにより生活を助けるものは"百獣海賊団"から出る事が重要なんだ

……一度便利になった生活を手離すのは難しい事だろう?」

 

「今を乗り越えればレオヴァ坊っちゃんの時間が取れるようになって、尚且つ更なる民衆の掌握にも繋がると……」

 

「あぁ、少しの手間で今後が楽になる

……クイーンから聞いたが、おれが父さんと遠征に行っている間面倒な事が多かったんだろう?

今やってる事を一通り終えれば全部やりやすくなる

キングの分の内政を楽に出来れば趣味の時間も増やせるだろう?」

 

「…お優しい"レオヴァ様"が、おれのアレを後押しして良いのか?」

 

「構わねぇ

おれにとって大切なのは父さんとキングやクイーンたち…百獣海賊団だけだからな」

 

 

いつもとは違う種類のレオヴァの微笑みにキングはマスクの下の口角を上げ、背の炎を揺らめかせた。

 

 

 

 

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オレがレオヴァさんに拾われてから1年と数ヶ月が経った。

 

 

レオヴァさんは言うまでもなく優しいのだが、

意外だったのはカイドウさんも良く人を褒める人だった事だ

遠征で多くの敵を倒した時、珍しい物をレオヴァさんにと手渡した時

カイドウさんは豪快に笑いながら褒めてくれた。

 

『ウォロロロ~

なかなかやるじゃねぇか……!』

 

『これをレオヴァに…?

お前は良く気が利く奴だなァ、レオヴァも喜ぶ…!』

 

カイドウさんの強くて豪快な所をオレは更に好きになった

流石はレオヴァさんの尊敬する人……懐が深かった。

 

 

この1年数ヶ月でオレはたくさんのモノを貰った。

 

たくさんの美味しい食事、やり甲斐のある仕事、気の合う仲間

暖かい居場所、レオヴァさんという家族

全て失ったオレは欲しかった全てを貰ったんだ。

 

百獣海賊団こそ、オレの全てを懸けるべき場所だ。

 

 

レオヴァさんは戦闘だけでなく、内政も素晴らしい腕を持っていた。

事実、オレが来た時よりもワノ国は発展している。

 

この2年でオレが知っているだけでも

テレビ、救急ヘリ、学舎(まなびや)、スマシ、冷暖房機など

生活を豊かにする物を次々とレオヴァさんは作り普及させている。

 

"電力"というエネルギーをオレはよく知らないが

そのエネルギーのお陰でテレビや救急ヘリ、冷暖房機などが動くらしい。

 

ワノ国の人たちは皆がレオヴァさんを尊敬し、信頼していた

オレも同じ気持ちだから彼らの想いはよくわかる。

 

他にもオレは休みの時は編笠村や鈴後、九里へと赴き村人たちの手伝いもしているのだが、ここでオレはレオヴァさんの昔の話を聞いた。

人々を助け、導く彼の話はオレの心に深く刻まれた。

 

 

 

ただ彼は優しいだけの人じゃないとオレは少し前に気づいた

……いや、レオヴァさんがそう言う面を見せてくれ始めたと言うのが正しいだろう。

 

あの人は手の中にいる人間には際限なく優しい

それこそ優しさだけで人間を駄目に出来そうなほどに……

 

だが、その優しさに付け上がり手の中から出るような事があれば今までが嘘のように冷たく処理される。

 

初めて現場を目撃した時はオレは夢を見ているのではないかと思ったが、全て現実だった。

 

 

あの時、それを知ったオレは恐怖に震えた。

やっと見つけたレオヴァさんと言う"オレの全て"に捨てられるかも知れない恐怖……

一度知ってしまった暖かい居場所が失くなる事が何よりも怖かった。

 

 

それからオレは元々頑張っていた遠征での戦闘に今まで以上に参加し、死に物狂いで敵をなぎ払った。

 

自ら戦闘を始めることも増え

以前とは比べ物にならないほど覇気を鍛えた。

 

絶対にオレはレオヴァさんに必要ないと思われたくなかった……!

 

 

しかし、無茶な戦闘は覇気を鍛えるのには向いていたが身体はすぐに悲鳴を上げた。

結局、オレは遠征先で深傷を負ってしまったのだ。

 

なんとか目標の物は手に入れ、相手を倒しはしたが

自分も重症という体たらく……

 

ワノ国への帰路の途中オレは不安からほとんど寝ることも出来ず、怪我もろくに手当てせずにいた。

 

 

そしてワノ国に着き、ボロボロになった体を部下に支えられながらレオヴァさんの下へ謝りに行ったとき

出会って初めてレオヴァさんの顔から表情が消えた。

 

 

纏う雰囲気もいつもの暖かく優しいものではなく

重々しいプレッシャーを感じるものへと変わっている。

 

 

部下もそんなレオヴァさんを初めて見たのか動けずにいるようだ。

意を決したものの、震える唇からは弱々しい声しか出なかった

 

 

『れ、レオヴァさん……すま、ない…もうヘマは……ガハッ』

 

 

最後まで言いきる前に限界を迎えている体は血を吐いた。

 

レオヴァさんの部屋を汚してしまった……!

どうすれば良いかわからずオレは狼狽えた。

 

支えてくれる部下の顔からも血の気が引いており、震えが伝わってくる。

 

合わせる顔のないオレは思わず下を向いた。

 

 

『……なぜ怪我をしっかりと手当てしねぇ…!!』

 

レオヴァさんの聞いたことがないほど怒気を含んだ声に、反射的に顔を上げると目の前に立っていた。

 

 

一人で歩くことが出来ないオレを部下から受け取ると部屋のベッドへ優しく寝かせた。

 

ベッドが汚れるからと起き上がろうとするオレの肩を軽く押さえ付けて睨む。

 

 

『ドリィ……動くな!

これ以上の出血はまずい、大人しく寝てろ

おれは今から輸血用の道具を取りにいくが安静にしてろ

絶対にだ、わかったな…!』

 

凄い剣幕で言われたオレは力なく頷き返した。

 

 

『お前たち、ドリィを見ておけ

起きようとしたら必ず止めろ……必ずだ』

 

普段よりも口調のキツいレオヴァさんに二人の部下は首が取れるのではないかと言うほど素早く頷いた。

 

返事を確認するやいなや、気付くとそこにはレオヴァさんの姿はなかった。

 

この時オレは初めて怒った姿を見たせいで気が動転してレオヴァさんが何故怒っているのか理解していなかった。

 

5分も経たないうちにレオヴァさんは部屋に戻って来るとオレの身体の怪我の手当てをすごい早さで終わらせ、輸血を行ってくれた。

 

痛み止めも流れるような手付きで飲ませてくれる。

 

重々しい雰囲気とは違い、優しく思い遣りを感じる所作に困惑するオレや部下を気にせずに今度は怪我とは関係ない身体部分の汚れを濡れタオルで落とし始めていた。

 

こんなことまでレオヴァさんにさせられないと思ったオレは止めようと声を出した。

 

 

『レオヴァ、さん……こんな、汚れを……アンタが…やらないでください』

 

『黙って大人しく寝ていろ』

 

『すいませ、ん……おれ、相…討ちに

…もう、負け ません…つぎは、役に……』

 

『…はぁ………お前は…』

 

 

オレの言葉を聞くとレオヴァさんの重々しい雰囲気は消え去った。

代わりに呆れたような顔でオレを見ていた。

 

なんと言えば良いのかわからず目を泳がせていると

二人の部下にレオヴァさんは声をかけた。

 

 

『お前たち、遠征帰りに悪かったな

ドリィの怪我を見て気が動転してしまったんだ…

もう治療も出来たから戻って休んでくれ』

 

『へい!ではお任せしやす!』

 

『ドレークさん、お大事に…

それじゃ、レオヴァ様…失礼しやす!』

 

 

いつもの雰囲気に戻ったレオヴァさんに安堵したように笑うと、二人の部下は下がっていった。

 

二人が出ていくとレオヴァさんはオレの顔の汚れを落としながら話しかけて来た。

 

 

『ドリィ…お前が本当のおれを見てから無茶ばかりし始めたのは知ってる

……お前の望むおれじゃないと、嫌だったのか?』

 

 

オレはその言葉に泳がせていた目を見開き固まる。

 

嫌……?

オレがレオヴァさんを嫌だと思う筈がない…!

 

確かに最初の印象とは変わったが、レオヴァさんがオレに手を差し伸べてくれた事実は揺るがない

 

なにより本心からレオヴァさんに大切にされるカイドウさんやキング、クイーン、ジャックが心から羨ましく思えた。

 

 

オレはレオヴァさんの言葉を否定するべく口を開いた。

 

 

『レオヴァさんは、レオヴァ…さんだ

嫌だな、んてこと……あり得ない』

 

『なら、何故そんな不安定な状態になったんだ』

 

『役に、立ちたくて……おれも、

アンタの、信頼が…欲しかった……もう用無しになるのは、嫌だ』

 

『……おれが"うっかり"で信用してない奴に素を見せると思うのか?』

 

『………え……それは、レオヴァさん…

…いや……そんな、はず…おれなんかを……』

 

『ドリィ、お前は実力があって優秀だが

その卑屈すぎるのは直らないな…』

 

『っ……おれ…ほんと、に?』

 

『見ただろドリィ

…もし、おれからの信頼がないならお前は死んでる

 そうだろ?』

 

 

そうだ

レオヴァさんは思慮深い性格……オレが不要品ならもう消されてるはずだ。

なにより、うっかりで目撃させるような人じゃない。

 

レオヴァさんの特別に入れていたことにオレは嬉しさのあまり微笑んだ。

切れた唇が痛むが勝手に表情筋が動いてしまう。

 

オレの顔を見たレオヴァさんはまた大きな溜め息をついた。

 

 

『まったく……

ニヤつく前に心配をかけた事を謝らねぇのかドリィ?』

 

『ふ、ははっ……すまな、い……レオヴァさん…!』

 

『死ぬのはずっと先まで後にしろ

"今後必ず"おれにはお前が必要なんだ』

 

『っ! あぁ、もちろん……アンタに、死ねと言われ…るまで、生きるさ……!』

 

『おれがお前に死ねと言う未来は来ないが……

ふふ…まぁ元気になったなら良い』

 

『おれの人生で…いち、ばん…元気になった…よ、レオヴァさん!』

 

『ならもう無茶は二度とするなよ?

…おれは仕事に行くが、ドリィは暫く寝ていろ』

 

『わかった…あり、がとう……レオヴァさん』

 

優しい笑顔でオレの肩をぽんと軽くたたきレオヴァさんは仕事へと向かって行った。

 

 

この一件以来、オレは卑屈な考え方を止めるよう努めた。

彼からの信頼を受けられるオレを否定することは彼を否定することにもなる。

それだけは駄目だ、彼を否定することは許さない。

 

 

しかし、性格が簡単に変えられるはずもなく

オレはぐるぐると思考の迷路にハマっていた。  

 

そうなったオレの隣にレオヴァさんはあの時のように座り、背をさすると優しく声をかけてくれる。

 

 

『慢心はよくない事だ、足をすくわれる。

だが自信は必要だ……自分を認めることは大切なんだ

 ドリィ、お前は戦闘の腕は良い

ただ精神面の脆さが心配だ、それさえ克服出来れば……

大丈夫だ……おれやお前の部下たち、村の皆だって何があってもドリィの味方だ

おれと一緒に少しずつでいい……自信をつけて行こうな』

 

 

この言葉を胸にオレは遠征で結果を出し、少しずつ自信を持てるようになった

もう、卑屈で役立たずなオレは存在しない。

 

存在するのは強靭な百獣海賊団の"ドレーク" だ

 

オレが百獣の旗に捧げるのは勝利のみ……!

 

 

自信を手に入れたオレは部下たちと次の遠征へと赴いた。

 

 

 

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カイドウとキングが外のナワバリについて話しているとクイーンが慌ただしく現れた。

 

 

「カイドウさん悪い、遅れた……!!」

 

「クイーンか、よく来た……!

気にするな、ちょうど今キングとの話が終わった所だ」

 

 

申し訳ねぇ~!と叫ぶクイーンにカイドウは気にするなと豪気に笑う。

 

クイーンが座ったのを見計らうとキングが報告書を手にした。

 

 

「じゃあ、カイドウさん

レオヴァ坊っちゃんからの報告書を読ませてもらうが…」

 

「ウォロロロ…!

最近やっと落ち着いたと言ってたからなァ…

よし、報告を始めろ」

 

 

 

カイドウの一言でキングはレオヴァの報告書を朗読し始めた

 

 

 報告書

【内政A-261】

 

・スマシ普及の完了報告

ワノ国全土でのスマシの使用確認 <済>

国民のスマシの使用法理解度、満足度調査 <済>

└理解度80% 満足度89%

 

 

・電力の普及、支払い制度の確立完了報告

電気タンクの完全版の現地使用確認 <済>

国民への認知度、使用家庭率、満足度調査 <済>

└認知度87% 使用家庭率36% 満足度90%(使用者のみ回答)

 

 

・救急ヘリ、医療施設の成果報告

出生率の増加、乳児の死亡率低下

病気または怪我によるワノ国全体の年間死亡者数の低下

└年間16万6540人 → 年間5万3917人に低下

維持費・人件費・その他費用は利益から賄える範囲である。

なお救急ヘリの設備費は含まない。

 

 

・学舎の設立報告

現時点での教科は4種類であり

それぞれを守護隊の隊員が教えている

計算:足し算やかけ算など

国語:文字習得や読み聞かせなど

道徳:祖国愛や、忠義の美しさ、連帯感など

歴史:ワノ国や百獣の歴史、外海の"一部"の歴史など

 上記の教育を無償で開始。

守護隊のメンバーによって運営

現在4箇所の学舎が開校済み。

 

 

・編笠・鈴後・九里での援助制度、出生届の義務化

出生届の義務化の利点

└人口増加と今後の国民の把握など

援助制度その1

└出生届を提出した家庭へ1年間の補助金の贈呈

[ただし、乳児が死亡した場合はそこで打ち切る]

援助制度その2

└高齢、難病により働けなくなった物への補助金及び世話人の契約補助

援助制度その3

└身分証を発行した者のみかかった医療金の10%が戻ってくる 

 上記の援助制度は村人からの上納金により賄われるため、実質負担はなし。

 

 

・上納金などの内容の詳細

上納金の回収によるメリット

└百獣海賊団の財源及び経済の安定化など

 

相互金

└治安維持や公共物の維持費など

福利金

└援助制度などの権利のための費用

改革金

└発展や環境改善、より良くするための費用

 上記が上納金の詳細である。

その他

水賃、電気タンクの電賃、点検費、品質保証費など

以上が村からの徴収金である

なお、国単位になれば数十倍を見込める計算である。

 

次のページからは……」

 

 

 

「あ"~…ストップストップ……!!

いやマジかよそれ!? 聞く限りクソ良い国じゃねぇか!

なに?レオヴァの奴は住みたい国No.1でも獲るつもりなの?」

 

「うるせぇぞクイーン……!

まだ報告書残ってんだ最後まで黙って聞けねぇのかァ…?」

 

 

「……おいキング」

 

「…なんだ?カイドウさん」

 

「それは後何枚ある」

 

「残りあと11枚はあるが」

 

「…………あとでレオヴァに直接聞く、要点だけ話せ」

 

 

 

カイドウはレオヴァの報告書の内容の多さに頭を抱えたが、それも無理はない。

本来海賊の報告書など航海ルートと、せいぜい何処で何を手に入れたとか、敵を倒したくらいしか書かれていないのだ。

 

キングの様に真面目な性格の男でも1枚で報告書は終わる。

 

それが合計12枚ともなればカイドウの反応も頷ける。

 

 

内容と量にクイーンも引きつった笑みを浮かべる始末だ。

 

 

なんとも言えない雰囲気の中、キングは予めレオヴァから渡されていた要点がまとめられた紙を懐から取り出し読み始めた。

 

 

「この約2年の間でほぼ全ての人間の掌握

スマシ、救急ヘリなどの全土普及、百獣海賊団の印象向上及び武器生産率や種類の増加、工場増築。

レオヴァ坊っちゃんの管理下にある村で、ワノ国入手後に予定の経済実演、法の試用、電力や新しい事業の発足、見込める収入の逆算…など

下準備は完全に整えたってことらしいぞ、カイドウさん」

 

 

「なるほどなァ。そりゃ、こんだけ働いてりゃ休む間もねぇ訳だ…!

……キング、クイーン……今後レオヴァに長期で休みを取らせるぞ」

 

「レオヴァは仕事中毒すぎるぜェ……」

 

「おれもカイドウさんの意見に賛成だが……」

 

「なんだキング、問題でもあんのかァ?」

 

「……当の本人が休みたがらねぇんだカイドウさん…」

 

 

 

キングの言葉にクイーンが珍しく同意を示す。

 

「レオヴァの奴カイドウさんに喜んで貰うのが趣味みてぇなところあるじゃないスかぁ~

……長期間休めなんて言った日には……どんなヤベェ目になるか……」

 

「…この2年カイドウさんと殴りあ……組手を続けてたレオヴァ坊っちゃんは内政の腕だけじゃなく、戦闘の強さも桁違いに上がってる………無理やり休ませるのは至難の技なんだ」

 

 

二人の発言にカイドウが首をかしげる。

 

 

「んなもん、おれが休めって言や休むだろう」

 

 

「休んでるって言いつつ、レオヴァの奴細かい仕事こなしてんスよ……!!」

 

「休みだってのに、レオヴァ坊っちゃんは目を離すと村なり医療施設なりでウチの好感度を上げに行っちまう…」

 

 

「……そんなことしてんのかレオヴァは

ダラけるって考えがねぇことに困る日がくるとは思わなかったが…

よし、おれが細かく休みの日にやっちゃならねぇ事を決めて言っておいてやる……!

キング、やらせねぇこと一覧作っとけ……!」

 

 

「了解した」

 

「カイドウさんが言えばレオヴァも大人しく休むだろ~」

 

 

カイドウはレオヴァの長期休みに合わせて遠征に行こうと密かに企んでいたがキングもクイーンも知る由もなかった。

 

 

 

 




ちょっとした補足
・今回以降はドレークは原作に近い口調(性格?)になる
(元々悪い奴ではないので、部下や村人との関係は良好
レオヴァからは村人たちの相談役も任される)

・品質保証費とは消費税のようなモノで、買い物するときに自動的に回収される。
(品質保証費の回収制度がある)

・いつもはカイドウさんは基本的に報告書は読まずにレオヴァから直接聞いている
今回はたまたまレオヴァが来られない日だった。



以下キャラネタバレ?




仲間に引き入れる基準は"扱いやすさ"と実力を第一に考えております! 
以下、下書き段階で引き入れ予定のメンバー(原作で身内のメンバーは除く)

ドラム医者、シーザー、Mr.3、ダズ、ジンベエです


シャーロット家のみんなが凄い好きなんですが引き入れられる未来が見えない……カタクリさん最高に好きなんですが…最強の家族セコムなので諦めました……女の子最推しブリュレちゃんもセコムだらけで諦めた……別でビッグマムの小説書くかもです。
白ひげのオヤジも好き…マルコも好きでONE PIECEのキャラ最高なんですが
レオヴァは白ひげのオヤジを生かすのを認めないやろなぁ……と断念
トラファルガーはイケそうなので思案中です。
ハンコック姉妹は恋愛要素入りそうなので断念……恋するハンコックの可愛さは最強なんですけどね……
テゾーロも便利能力なので思案中……時間軸間に合うか計算します。

ちなみにティーチは死にます……申し訳ない……
レオヴァが
『人の下に着けない野心家……百獣海賊団がコントロール出来ない能力二つ持ちを生かすな、殺せ。』
と囁くので………あと、私怨が……オヤジの件が……黒ひげ、てめぇは俺を怒らせた!!

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