髪飾りのような綺麗な赤い角を携えた美人は鬼ヶ島の一室にて侍女に囲まれながら、初めて身に纏う着物を楽しそうに選んでいる。
そして、気に入ったモノを選び終わるとすっと立ち上がった。
「うふふ……みんな着替えを手伝ってくれて、ありがとう♡」
そう言って軽く手をゆらゆらと振りながら礼を言うと、4m以上はあるであろう背の高い美女は部屋の外で待っている人の下へと向かった。
廊下を進んで少し
彼は相も変わらず部下の相談に乗りながらも仕事を進めている。
仕事熱心な彼に美女は笑う。
「レオヴァ様、今日はお休みだと仰ったのに……
またカイドウ様に怖いお顔をされてしまいますわ。」
自然な
「…ブラックマリア、もう着物を選び終えたのか。
だがこの程度、仕事には入らないから気にしないでくれ。
それにしても良く似合っているな。
黄金の髪が黒い着物に良く映えていつもにも増して綺麗だ。」
「あら、もう……レオヴァ様は本当にわたしを喜ばせるのがお上手なんだから♡」
レオヴァの言葉に照れて赤くなった頬を隠すようにブラックマリアは顔を
部下達はそのブラックマリアの艶やかな所作に目をハートにして固まる。
「では、準備も出来たならワノ国を案内しよう。」
「はい。
レオヴァ様と国を回れるなんて……わたし幸せ…♡」
「ふふ……ブラックマリアもおれを喜ばせるのが上手だな?」
「うふふふ……レオヴァ様ほどじゃないわ」
微笑み合いながら言葉を交わす二人を邪魔せぬ様にとヒョウ五郎は部下達を別の仕事へとつかせるべく動いた。
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ブラックマリアはレオヴァ達との楽しい時間を終え、与えられた広くきらびやかな部屋で寛いでいた。
宴で正式に百獣海賊団に入団することが発表され、同時に“真打ち”への任命までも行った。
新しい仕事も与えられ、てんやわんやな1日だ。
しかし、ブラックマリアは疲れなど一切感じていなかった。
カイドウとレオヴァに仕えられる!
その喜びが溢れるばかりで、新しい環境や仕事に不安など覚える暇すらない。
そう、ブラックマリアは心底カイドウとレオヴァを愛しているのだ。
だが、それは恋愛感情ではなかった。
憧れや信仰に近い愛情である。
なぜ、彼女がここまでカイドウとレオヴァに溺れているのか……
それは彼女の人生の分岐点で負った、“歪み”が一つの理由であった。
彼女は生まれてから、ほどほどに貧しく、この世界では在り来たりな不幸な人生を歩んでいた。
生きていく為ならば、あらゆる手段を幼い彼女は尽くした。
暫くは順調に進んでいた日々であったが、彼女には少し珍しい特徴があった……それは角と身長である。
彼女の身長は成人する時には5mを優に超えていたのだ。
いくら美しいと言えど、5mを超える長身の彼女を側に置こうと言う者はなかなか現れなかった。
だが、少しずつ荒む彼女の心の支えになる男が現れた。
彼女は初めてその男に恋をし、恋人となった。
付き合ってから男は、金が無くなれば愛してるから金をくれと頼み、浮気がバレればお前だけを愛していると言って謝った。
彼女は辛く悲しい気持ちを押し殺しながら、自分を好きだと言ってくれる男を信じ続けた。
それから、彼女は知らずに食べた悪魔の実の力で蜘蛛となってしまう。
周りの人間に恐ろしい怪物だと襲われ、逃げ惑いながらも八つの脚を必死に動かし、男の下へと向かった。
……彼ならば愛してくれると信じていたのだ。
だって、彼はいつも“愛してる”と言ってくれていたから。
しかし、彼女を見た男が放った一言は残酷であった。
『ば、バケモノじゃねぇか……!!』
男は叫ぶと、彼女に向かって腰から出した銃を二発放った。
その男の行動は彼女の中の何かを切るには十分過ぎる衝撃を与えた。
彼女は逃げ惑う男を糸で縛り上げ、拳を振るった。
『なんでッ……ねぇ、アンタ……わたしを好きって言ったじゃないか!
好きだと言ってくれたからわたしは我慢してっ…ずっと稼いだ金も時間も……
なぁ、好きだろう? わたしの事……愛してるよね?』
泣きながら拳を振り続ける。
暫くすると虫の息になった男が命を乞うように囁く。
『ゴホッ……ぁ、いして、る……だから…も、う』
『……愛してる?
わたしを愛してるのかい?』
『…あぁ……ぁ…て、る』
その言葉にブラックマリアは花のように可憐に微笑んだ。
そう、この時から彼女の“歪み”が出来たのだ。
自分を好きだと言った男を完全に自分の支配下に置くという歪み。
裏を返せば男を信頼できないと言うブラックマリアの心の傷の様なものでもあった。
そのままブラックマリアは男の屋敷を住み処に、どんどん
増えていく
悲鳴の混じる愛の言葉に囲まれながらブラックマリアは生活していた。
そんな生活を数年続けていたブラックマリアだったが、ある海賊を獲物にしようと襲ったのが全ての始まりであった。
糸をぐるぐると巻き付け、引っ張って帰ろうとしたブラックマリアは今まで感じたことのない恐ろしい気配に身震いした。
『おい、そりゃあ……レオヴァの気に入ってる新入りだぞぉ…ウィック…
殺してねぇだろうなァ?』
恐る恐る振り返ると、そこには自分よりも巨大な大男が酒瓶を片手に立っていた。
本能的に危機を察知したブラックマリアは糸を出し、大男の視界と動きを制限すると、その場から逃げ出すことに全てを注いだ。
しかし、海賊を繋いだ糸を切らずに逃げようとした為に、大男の鋭い拳が横腹を貫いたのだった。
『ウィ…ック…っとに、この新入りぃ…手間かけさせやがってェ!!ヒック…』
酒気を纏っている大男は糸でぐるぐる巻きにされている部下に怒鳴ると、そのまま糸を手で掴み引き摺るように持ち帰った。
……そう、カイドウは酔っていた為気付いていなかったのだ。
その引き摺っている部下に絡んでいる糸にはブラックマリアも付いている事に。
それからのブラックマリアは目が回るほど騒がしい日々であった。
まず、一度寝て酔いが醒めたカイドウに
『……オイ、おれの部屋で何してやがる。
さっさと出てかねぇか!
おれは今からレオヴァと飯なんだぞ。』
と、気を失っているうちに引き摺って連れてこられたのにも関わらず、怒鳴られるという理不尽な目に合い。
更に騒ぐカイドウの声に駆けつけたスレイマンに暗殺者だと誤解され殺されそうになり、またその騒ぎを聞き付けたうるティの登場により一層収拾が付かない状態になった。
ブラックマリアは訳がわからず混乱することしか出来ない。
ついに騒がしい部下達に痺れを切らした寝起きのカイドウが天井をぶち壊すという暴挙に出た時だ。
『おはよう父さん、朝早いのに随分と賑やかだな?』
と場にそぐわない穏やかな声にブラックマリアは振り向いた。
その青年の登場により混沌と化したカイドウの寝室は落ち着きを取り戻す。
落ち着いた部下たちの視線を一斉に浴びる事になったブラックマリアは気まずさに視線をさ迷わせた。
そんなブラックマリアの心情を知らずか親子は呑気に話し始める。
『……で、父さん
この女はどこで拾って来たんだ?』
『拾った覚えなんざねぇぞ……
確か……昨日そこの新入りを回収しに行ったんだったかァ?』
『何故、研修中の部下を回収しに行って父さんの部屋に女が……
すまないが、そこのお前…事情を話してもらえるか?』
青年は困ったように眉を下げながらブラックマリアに事の顛末を聞いた。
ブラックマリアは逆らっては大変な事になると、全てを正直に話した。
その後、青年……レオヴァと数人の部下たちを屋敷に招いたり、カイドウの酌をしたりと謎に親交が深まっていきブラックマリアは何故こうなったのかと首をかしげた。
しかし、百獣海賊団は居心地が良かった。
お転婆少女うるティは
『背が高いのもめちゃ可愛いナリよ!
あ、でもわたしのが可愛い!!』
と言いながらブラックマリアに甘いおやつを分け与えた。
仕事人間スレイマンは
『……まぁ、趣味嗜好は人それぞれだ。
カイドウ様とレオヴァ様に害がないのであれば好きにすれば良い。』
そう言ってブラックマリアの糸でぐるぐるになった獲物達を見ても軽蔑することはなかった。
酒を飲みながら豪気に笑うカイドウは
『ア"ァ"…?
別に構わねぇだろう。
勝者には敗者を自由に出来る権利がある!
だから…おまえのそれを否定できんのは、おまえより強い奴だけだ。
ウォロロロロ……悩むなんざ馬鹿らしいだろォ!』
と、ブラックマリアの今までの行いや迷いを笑い飛ばした。
珍しい木彫りを嬉しそうに眺めるレオヴァは
『ん?……ふふ、なら角は父さんや、おれとお揃いだなブラックマリア。
ジャック?……あぁ、ジャックのアレはマスクに着いてるんだ。
おれと父さんと同じ角が欲しいと言うから任務の褒美に、おれが作った。
……まぁ、一人ひとり色んな人生がある。
お前の過去は知らねぇが……今を好きにやれりゃ良いんじゃないか?』
と優しく笑い、ブラックマリアの角も人生も肯定した。
百獣海賊団には本当に色んな人々がいた。
魚人族にミンク族、巨人族までもいるのだ。
今までの小さな世界で培ったブラックマリアの価値観は大きな改革を迎えた。
そして、カイドウとレオヴァとの時間がブラックマリアに癒しを与えたのだ。
まず、カイドウは良くも悪くもブラックマリアへ無関心であった。
けれど、落ち込んでいたり無理をすれば声をかけてくれる。
『…そこにいると邪魔だ、具合悪ぃなら寝とけ!』
このぶっきらぼうな優しさがブラックマリアには暖かかった。
それにブラックマリアを女としてではなく、一人の戦闘員としてありのままを見てくれることも嬉しかったのだ。
そして、レオヴァは更に桁違いに優しかった。
小さな変化や、細かい事にも気付きブラックマリアを労った。
まるで底無し沼のようなレオヴァの作り出す心地のよい暖かさにブラックマリアはどんどん惹かれていったのだ。
しかし、何よりもブラックマリアにとって魅力的だったのは二人の圧倒的な強さだった。
全てを破壊する圧倒的な力と隙のない素早い動きに敵の先を行く戦略。
まさに二人で完成形と言わんばかりの親子の戦闘はブラックマリアの心に深く刻まれた。
強さに対する憧れからくる信仰心と、本当に暖かく接してくれる事への嬉しさ。
様々な感情が溢れた。
カイドウとレオヴァだけでなく、皆が暖かいこの場所に……百獣海賊団に居たいとブラックマリアは願ったのだった。
結果、ブラックマリアは自分の歪みを前向きに受け入れつつも、大好きな人々と生きていく事になった。
レオヴァから手渡された新しい仕事の内容が書かれた書類を読みながら微笑む。
「うふふふ
遊郭の運営…カイドウ様とレオヴァ様の為に、わたし頑張っちゃうわ♡」
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小話
【ジャックのマスク】
任務を終えワノ国へと向かう船の中の自室でジャックは夕飯を待っていた。
そして、指示した時間通りに運ばれてきた食事に満足げに頷く。
食事を運んだコック達はメニューを軽く説明だけすると、そのまま部屋を素早く出ていった。
そう、ジャックはあまり大人数で食事はしないのだ。
良く開催される宴もカイドウやレオヴァにキング、クイーン……他にローやドレークなと幹部数名だけだ。
他の部下達は大広間でどんちゃん騒ぎしている。
しかし、人と食事をするのが嫌な訳ではない。
ただ、不特定多数との食事が少し好きではないだけだった。
実際、カイドウとレオヴァの食事に呼ばれた時には、一日中そわそわしているとクイーンは証言している。
兎に角、ジャックは船の船室にてゆっくりと食事を楽しむべくマスクを外した。
しっかりとした歯応えのジューシーなゾウ肉ステーキに豪快にかぶり付きながら、ふとジャックは昔を思い出した。
「そう言や……カイドウさんとレオヴァさんがマスクくれた時も、このメニューだったな…」
あれは数年前の事だった。
ジャックはカイドウの命令により
クイーンと共に敵対している海賊を、そいつらのナワバリごと消し去る仕事に向かっていた。
元々、その海賊たちはチョロチョロと動き回りクイーンを苛立たせていたこともあり、見るも無惨な最期を迎えた。
危なげなく任務を終えたクイーンとジャックは帰りの船でなんとなしに欲しい物の話をしたのだ。
ジャックから欲しい物はあるのかと聞かれたクイーンは考える素振りを見せた後に、予想外な物を欲しがった。
『金は腐るほどあるからなァ……欲しいモンか…金で買えねぇモンっつうと~?
……あ! アレだ、レオヴァお手製の寄生虫とか欲しいよなァ!
マジで最高にCOOLなんだよレオヴァのヤツぅ!
あの掛け合わせのエゲツなさ流石だぜェ…!』
まさかの寄生虫と言うチョイスにジャックはなんとも言えない顔をするが、レオヴァが凄いという事には強く頷いた。
『けど、前に勝手に寄生虫使ったから
クイーンの兄御にはもう渡さねぇって言われてなかったか…?』
思い出したように呟くと、クイーンの流れるような鉄拳が飛んで来る。
ジャックが悶絶している隣で何事もなかったかのように話は進んでいく。
『で? ジャックは何欲しいんだよ。
いっつもレオヴァが褒美やろうとしても断ってるよなァ?』
『そりゃ……おれはカイドウさんとレオヴァさんの役に立てんのが一番嬉しいんで』
『ハァ~~……っとに、だからおまえは“ズッコケ”ジャックなんだ!
んなもん、褒美貰うのも仕事だと思えよォ~』
褒美を貰うことが仕事だと言う言葉にジャックはきょとんと首をかしげた。
全く意味がわからない。
百獣海賊団における褒美とは、仕事を成功させて貰える報酬とは別で更に追加で与えられるモノだ。
それを貰うことも仕事だという意味が理解出来なかった。
意味がわからないと顔に書いてあるジャックにクイーンが呆れたように言う。
『レオヴァは信賞必罰を掲げてんのは分かってるよなァ?』
クイーンの言葉に頷く。
結果を残した者や努力した者には褒美を、決まりを破った者や裏切り者には罰を。
それはレオヴァがずっと徹底している方針だ。
ジャックとてそれは良く理解していた。
『信賞必罰ってのは“賞罰を厳格に行う”ことなんだぜ?』
『げんかく…?』
『ア~…っと、要するに絶対にやるとか必ずってニュアンスでいい。
でだ、良い者には必ず賞を与え、悪い者には必ず罰を与えるってのがレオヴァの方針なのに
褒美を貰わねぇってのはレオヴァの方針に逆ってるのと同義じゃねェ?って言ってンのよおれはァ!』
『っ!……確かに…』
まさに目から鱗である。
褒美を貰わないことが、あろうことかレオヴァの方針に逆らう事だとは!
敬愛するレオヴァの計画や理想は全てを懸けて実現させねばと意気込んでいた自分が、レオヴァの方針であるにも関わらず褒美を望まぬと言う相反する行動を取ってしまっていた事実に酷くジャックは狼狽えた。
そして、そのジャックを見てクイーンはニタリと笑う。
『……そんなワケで!
ジャック、お前この任務での褒美……受け取らねぇなんて言わねぇだろォ?』
『貰う、レオヴァさんから!』
食い気味に答えるジャックにクイーンは満足げな顔をする。
『どうせなら、欲しいモンをレオヴァに頼めよ。』
『頼む?
……クイーンの兄御…レオヴァさん忙しいのに頼むなんて悪ぃよ…』
『今までほとんど貰わなかったんだから
今回からは貰うって意思を見せるためにも何かねだっとけ!』
乗り気でないジャックに畳み掛ける様にクイーンは魔法の言葉を使う。
『普段欲しがらねぇお前が何か言えば “レオヴァが喜ぶ”のになァ……』
『!……レオヴァさんが…』
魔法の言葉で完全に乗り気になったジャックにクイーンは心の中でガッツポーズを決める。
『なに頼むか決めとけ。
んで~…候補とかねぇの?』
『…………欲しいもの…』
必死に眉間に皺を寄せて案を絞り出そうと頑張るジャックを見てクイーンが呆れたように言う。
『なんでも良いからなんかポンッと出るもん言ってみろ!』
『……角?』
『へ? つの……?
つのって、あの頭から生えてる角の事言ってンのか?』
コクりとジャックは頷く。
クイーンは斜め上過ぎる答えにサングラスの下の目を丸くした。
『角って……なんでまた…』
『カイドウさんとレオヴァさんの角……』
『あっ! えぇ!?
そう言うことかよ!!
ムハハハハ~!!ジャックぅ~、それ絶っ対にレオヴァに頼めよォ!』
『……他のにする…』
大笑いされた事で恥ずかしくなり、拗ねたように部屋に戻ると歩き出したジャックをクイーンの笑い声が見送った。
ジャックの居なくなった部屋でクイーンは鼻歌交じりに呟く。
『レオヴァからの任務はこれで完遂かァ?
それにしても……ムハハハハ!!
これ帰ったらカイドウさんとレオヴァにバラしちまお~♪』
良い土産話ができると悪い顔でクイーンはおしるこを啜った。
大きな一室の上段の
『ジャックのヤツがそんな事を!
ウォロロロロ……何かそれらしいモンでも見繕ってやるか!』
『ふはははは…!!
随分と可愛らしい物を欲しがったなァ?
ちょうどジャックが新しい鉄仮面を探してると聞いて作っている最中だったんだ。
それに角の装飾を施す……ってのはどうだろうか、父さん。』
『そりゃ良い案だ!
なら、その装飾に使う材料はおれが獲って来てやる!!』
『父さん手ずから獲ってきた素材ならジャックも喜ぶだろうなァ…!
ふふふ……渡すのが楽しみだ。』
『ウォロロロ……ジャックは良く働くからなァ
何より、レオヴァが作ったと聞きゃあ飛んで喜ぶだろう!』
ジャックへのサプライズに燃える二人にクイーンも楽しげに笑った。
褒美の授与だと聞き、クイーンと共にカイドウとレオヴァの下へ集まったジャックは思わぬ褒美に固まった。
目の前には、今一番欲しかった口を覆う為のマスクがある。
更に、そのマスクには更に長い角のような装飾までしてあるのだ。
マンモスの牙の様にもカイドウとレオヴァと同じ角の様にも見えるその装飾は
ジャックにとって、そこいらの財宝よりも素晴らしく輝いて見えた。
普段ではあり得ないほど目をキラキラさせたジャックが、カイドウの手からその褒美を恐る恐る大切そうに受け取った。
見るからに喜びにうち震えるジャックを見てカイドウとレオヴァは成功だとお互いを見合って笑う。
『ウォロロロ!!
どうだジャック、気に入ったか?』
『勿論だカイドウさん!!』
『そうか…!
それはレオヴァの手製だからなァ、簡単には壊れねぇから飾らずに使えよ?』
『毎日これ使いますッ!
レオヴァさんもありがとうございます!』
『ふふふ……こんなに喜んで貰えたんだ、作った甲斐がある。
あぁ…そうだ、実はその角は父さんが獲ってきたモノを使ってあってなァ……希少な獣の丈夫な部位を加工したモノだから耐久性も保証しよう。』
『っ! か、カイドウさんが獲ってきたモンを使ってあるのか!?
そんなスゲェ物を……カイドウさん、レオヴァさん…おれ大切に使う…ます!!』
興奮のあまり、昔の様に言葉遣いがちぐはぐになったジャックにレオヴァは優しく微笑み、カイドウは豪快に笑った。
そんな三人を尻目にクイーンはおしるこを啜りながらどや顔で言う。
『ンン~♪
今回も完璧かつイイ仕事をしちまったぜェ……!!』
そんな自分に酔うクイーンの姿にキングは呆れながらも、ジャックの喜び様を見て
『まぁ……今回の件“だけは”良い仕事だったかもな…』
と呟くのであった。
ー後書きなどー
ブラックマリアさんのサンジフルボッコ描写から過去を捏造した結果こんな感じに……
飛び六胞の過去編でるのだろうか……フーズフーは出そうで出なかったので残念です(´・ω・)
(ワンチャンあるかもですが!)
・真打ち
遂に実装されました!
メンバーは
【ドレーク、ロー、スレイマン、ブラックマリア、その他強めの部下】です。
いつもご感想に誤字報告ありがとうございます!!