俺がカイドウの息子…?   作:もちお(もす)

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ー前書きー
懸賞金額の増加は少し低めになってます!
(2年後には上がるというのを視野にいれていますので…)

そして、レオヴァの異名は“百雷の”に決定しました!!
アンケートに投票して下さった方々、そして格好いい案を下さった方々!本当にありがとうございます!!
アンケートの回答は勿論
ご感想やコメント、ここ好き一覧など
凄く励みになっております!!ありがとうございます!




広がる波紋

 

 

 

 

 

偉大なる航路(グランドライン)”後半、新世界にて。

 

 

 

緑生い茂る綺麗な丘の上に、ひとつの大きな墓標が建てられていた。

そして、その周りには溢れんばかりの花が添えられている。

 

 

大きな墓標の前には2人の男が立っており、その後ろには何百もの今は亡き白ひげを慕う海賊達がずらりと並んでいた。

 

 

墓標の前で僅かに涙ぐむ男……マルコはゆっくりと口を開いた。

 

 

「まさか…カイドウ、本当にお前が数日でこんな立派な墓を建ててくれるとは思ってなかったよい…

個人的に色々と百獣海賊団には思う所もあったが…まずは礼が先だな……ありがとうよい。」

 

軽く頭を下げたマルコをカイドウは横目で見ると、口をへの字に曲げた。

 

 

「…止せ、てめェらに感謝される謂れはねェ!

白ひげのジジイには借りがあった、それだけだ。」

 

そうぶっきらぼうに告げたカイドウの顔を見て、マルコは眉を下げる。

 

 

「それでも…だよい。

おれ達だけじゃオヤジの亡骸を運ぶ事すら(まま)ならなかった。

……もしあの時、アンタらが運んでくれなきゃ今頃海軍によって晒し首にされてたかもしれねェ…」

 

静かに話すマルコの言葉を聞き終えるとカイドウは後ろで待機していたレオヴァを手招きした。

 

脈絡のない行動になんだ?と首を傾げるマルコの横をレオヴァは通り抜け、カイドウを見上げる。

 

 

「レオヴァ、この島は重要なナワバリか?」

 

突拍子もない問い掛けにレオヴァは困惑する仕草もなく、ハッキリと答える。

 

 

「いや、景色が良いというのと珍しい木がある無人島だ…という理由でナワバリにしたんだ。」

 

「……なら、この島を気に入ってんのか?」

 

「いや、もう木は移植させているし景色の写真もある。

……おれは父さんが望む通りにして欲しい。」

 

やろうとしている事は分かってるという風に微笑むレオヴァにカイドウも一瞬小さく笑うと、マルコへと体を向けた。

 

 

「おい、マルコ。

おれ達にはこのナワバリはもう必要ねェ。

……墓も島もてめェらの好きにしろ。」

 

カイドウの言葉の意味に気付くとマルコは大きく目を見開いた。

 

 

な…!?

ナワバリをおれ達に譲るって言うのかよい!?

 

驚きに声を上げたマルコへカイドウは背を向ける。

 

 

譲るなんざ言ってねェ。

もう要らねぇからくれてやるってんだ!

島をどうするも、てめェらの勝手にしやがれ。

……行くぞ、レオヴァ!」

 

「あぁ、父さん!

では、マルコ……おれはこれで失礼する。

例の話のモノは海岸に運ばせてあるから、好きにしてくれ。

……父さん、ワノ国に戻るのか?」

 

「そうだ!

レオヴァはジャックの所か?」

 

「あぁ、早く工事を…」

 

 

カイドウ、レオヴァ!?

ほ、本当にいいのかよい!!?

 

楽しげに会話しながら飛び去って行った親子にマルコは叫ぶが、その頃には既に遥か上空へと消えてしまっていた。

 

唖然とするマルコや海賊達は暫く小さくなっていく龍を眺めていることしか出来なかったが、この場に居ない筈のエースの笑い声にハッとしたように其方を見た。

 

 

「相変わらずだな、レオヴァは!」

 

「「「「エース…!?」」」」

 

「エース、お前……もう大丈夫なのかよい?」

 

「おう。

…みんな、心配かけた。ごめん!!」

 

あのマリンフォードでの事件以降、自責の念に囚われ荒れていたエースの姿はそこにはなかった。

 

そのことに驚いた顔になっている周りに少し申し訳なさそうな顔をしつつも、エースは白ひげの墓の前へと歩みを進める。

 

そして、一輪の大きな白い花を供えると目を閉じた。

 

 

数秒の沈黙の後にゆっくりと目を開けると、エースはマルコを振り返る。

 

 

「遅くなっちまったけど、オヤジに花をと思ってさ…」

 

少し気まずそうに頬をかくエースにマルコの瞳が驚きから、優しいものに変わる。

 

 

「……乗り越えたんだねい、エース。」

 

「…あぁ、少し…

でも、まだやっぱりオヤジが居ないと思うと…辛ェし、自分が許せねェ…」

 

顔をうつ向かせたエースにマルコの表情が心配そうなものに変わる。

 

しかし、エースはバッと顔を上げると強い瞳で口を開いた。

 

 

「だけど、レオヴァに言われたんだ。

“後悔に囚われて自分に残ってる大切なものを見失っていいのか?”ってさ…

……それで気付いたんだ。

オヤジが守ってくれた命を、オヤジの宝であり…おれの宝の為に使おうって。

おれ、絶対仲間を……家族を守れるぐれェ強くなる!!

 

表情にも声にも覇気の戻ったエースの姿にマルコと海賊達は瞳にうっすらと涙を滲ませながらも笑った。

 

 

「っ……エース、頼もしいねい!」

 

嬉しそうに微笑みながらマルコはエースの肩をポンッと叩く。

 

それを皮切りに海賊達が一斉にエースへと駆け寄って行った。

 

 

「うおぉ~!エース!!くそ心配したじゃねェか!!」

 

「グスッ……エース"、良か"った"!!お前、自殺しち"まいそ"うな顔して"たからっ……おれァ、おれァ心配でよぉ~!」

 

「エース"隊長っ…!お"れ"も!お"れも強く"な"ります"っ!!」

 

もみくちゃにされているエースの瞳にも涙が滲んでいたが、それには皆が気付かぬ振りをした。

 

 

 

偉大であり愛する“白ひげ(オヤジ)”はもう居ない。

 

どんなに辛く悲しくとも、時は流れる。

 

立ち止まることが許されない厳しい世界だからこそ、マルコやエース達の様な残された人々は支え合い、前を向いて歩いて行くしかないのだ。

 

 

 

泣いているのか笑っているのか分からない状態になりながら抱き合っている“白ひげ海賊団(息子たち)”を包むように、丘からは穏やかで暖かい風が吹いた。

 

 

 

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あれから3週間が過ぎ去り、マリンフォードで起きた歴史を揺るがすほどの大事件はすでに全世界へと知れ渡っていた。

 

しかし、その後更新された懸賞金額に伴い新たな手配書が発行されたことで、再び百獣海賊団は世間を騒がすこととなる。

 

 

 

あのインペルダウンを脱獄。

数多の被害を出し、今回のマリンフォードの事件でも大暴れしてみせた姿には衰えは見られず。

さらにはあの百獣海賊団に加入したとみられており、今後も新たな騒動を巻き起こすであろう危険人物である。

 

百獣海賊団(・・・・・) “鬼の跡目”ダグラス・バレット

懸賞金額、20億3000万ベリー。

 

 

政府を裏切り、大戦に参加した元看守長。

快楽殺人を(おこな)った異常者であり、今回百獣海賊団のレオヴァをインペルダウンで手引きしたとみられている。

それにより被害も倍増したと見て間違いはないだろう。

 

百獣海賊団(・・・・・) “雨の”シリュウ

懸賞金額、5億1000万ベリー。

 

 

百獣海賊団の幹部であり、バレットと共に大将を相手取った実力は侮れぬというのが政府の見解であり、獣型で破壊しながら進む(さま)は、まさに古代種を体現した姿であった。

 

百獣海賊団 “異竜”X・ドレーク

懸賞金額、3億2200万ベリー。

 

 

同じく百獣海賊団幹部であったが、今まで目立った事件などはなかった。

しかし、今回の事件にて“白ひげ”の遺体を奪い同時に白ひげ海賊団の残党の逃走を手助けした件の主犯である。

10隻近い軍艦を奪い、それで白ひげ海賊団の残党を逃がしたとみられている。

最近、発覚した話では数年前のインペルダウンの事件にも深く関係している可能性が高い。

 

百獣海賊団 “死の外科医”トラファルガー・ロー

懸賞金額、3億1000万ベリー。

 

 

百獣のカイドウの懐刀であり、今回のマリンフォードでの事件にて火災と言う甚大なる被害を出した男。

この男の能力によりマリンフォード内の建物は全焼したものと思われる。

冷徹な性格とその能力から更なる危険視が必要だと政府は判断した。

 

百獣海賊団大看板 “火災の”キング

懸賞金額、14億9000万ベリー。

 

 

同じく百獣のカイドウの懐刀であり、今回のマリンフォードでの事件にてウイルスを用いて疫災を引き起こした張本人。

マリンフォード内での火災に割いた人員や逃げ遅れた町人達は全てこの男のウイルスによって倒れていったと思われる。

マッドサイエンティストであり、現状では科学者としても危険な存在であると政府は認識している。

 

百獣海賊団大看板 “疫災の”クイーン

懸賞金額、14億2000万ベリー。

 

 

またも同じく百獣のカイドウの懐刀であり、政府が行ったマリンフォード奪還作戦(・・・・・・・・・・・)にて猛威を振るった。

数名の飛び六胞という幹部を指揮しながら前線にて暴れる奴の行動により、上陸して数時間と持たずに奪還作戦の為に編成された兵は撤退を余儀なくされた。

 

百獣海賊団大看板 “旱害の”ジャック

懸賞金額、11億7000万ベリー。

 

 

 

そして、あの戦争に乱入するだけでなく赤髪海賊団を押し返し、最終的にマリンフォードを陥落させた主犯2名。

 

百獣海賊団総督補佐官にして、あのカイドウの実子とされている。

インペルダウンをバレットと共に破壊し元帥と赤髪海賊団幹部に重傷を負わせた危険人物であり、今まで情報を消し続けていたと思われる用意周到さも含め、その存在はあまりにも危険と言わざるを得ない。

更にあの“ワノ国”を支配下に置いている手腕も無視できるものではないだろう。

 

百獣海賊団総督補佐官兼ワノ国の王 “百雷(ひゃくらい)”のレオヴァ

懸賞金額、20億6000万ベリー。

 

 

近年どんどん勢力を拡大させている百獣海賊団の総督であり、今回の事件にて英雄ガープに大きな怪我を負わせ、赤髪海賊団の団員達とその船長シャンクスを撤退させるほどの暴れッぷりを見せた“超”危険人物である。

最強生物という名の通りの規格外さを持ち、その凶暴性は他に類をみない。

まさに“百獣の王”であり、その暴れ姿は既に人ではなく“獣”である。

 

百獣海賊団総督 “百獣の”カイドウ

懸賞金額、48億1110万ベリー。

 

 

 

以上が政府によって下された最終決定であり、世に出回る事となった手配書の懸賞金額である。

 

 

一度に、ひとつの海賊団からこれだけの人数の懸賞金が上がるという事例が異例中の異例だと言う事も然ることながら、その上昇した金額の値も人々をおおいに驚かせた。

 

 

その中でも特に話題を呼んだ男こそ、“百雷のレオヴァ”であった。

 

七光りだの、病弱だのと噂がひとり歩きしていた男がインペルダウンを壊滅的なまでに破壊し、あのダグラス・バレットを従えた。

と、いうだけでも晴天の霹靂(へきれき)である。

 

にも関わらずだ。

更にはマリンフォードにて元帥であった仏のセンゴクを圧しきり、赤髪海賊団の幹部をも撤退させたと言うではないか。

 

今まで百獣の息子は“非”戦闘員であると信じきっていた者達は驚きのあまりひっくり返り、レオヴァの実力を信じていた者や知っていた者達は今さらかと笑みを溢した。

 

 

そうして世間に“百雷のレオヴァ”は間違いなく、あのカイドウの息子である…と認識されるようになった。

 

 

この世界を震撼させた事件はあらゆる国や島、海賊達に様々な感情を抱かせていたのだが

当事者達がそれを知るのは、まだ暫く先の話である。

 

 

 

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──マリンフォードでの事件から暫く後のワノ国にて。

 

 

朝刊を手にしたクイーンは、その中にある1枚の手配書を手にすると、嬉しげに口角を上げた。

 

 

「おいおいおいおい~!?

レオヴァの奴、このおれ様より懸賞金高くなってんじゃねェかァ!!

ムハハハ~!生意気じゃねェかよォ~~♪」

 

言葉とは裏腹に小躍りし始めたクイーンの手からキングは手配書を奪い取る。

 

 

「だぁ!?キング、てめェ返せ!!

今からそれコピーして鬼ヶ島中にバラ撒くんだからよォ!!」

 

「……20億6千万ベリーだと…?

レオヴァ坊っちゃんなら30億でも少ねェってのに…無能な政府どもが…!!」

 

自分の言葉を無視して怒りに目を開くキングから手配書をクイーンは奪い返すと口を開いた。

 

 

「一回の騒動で10億以上もあがりゃ上々だろーが!

今後もレオヴァの凄さはどんどん知られてくんだ、すぐに30億なんざ超えるっつーの!!」

 

「うるせぇぞ、肉団子野郎。

そんなこと、いちいち言われなくとも解ってる。」

 

「~~っ!

マジでお前一回殴らせろ!!!」

 

「退け、おれはレオヴァ坊っちゃんから黒ひげ(・・・)の件を任されてる。

てめェと違って暇じゃねェんだ。」

 

今にも掴みかかって来そうなクイーンの手をドヤ顔で振り払うとキングは歩き出し、姿を変え何処かへと羽ばたいて行く。

 

クイーンはその後ろ姿へ向けて暫く罵倒を飛ばしていたが、気持ちを切り替えたようにコピー機のある部屋へと歩き出すのだった。

 

 

 

 

 

一方、鬼ヶ島の城の中。

 

 

朝刊をバオファンから受け取ったカイドウは挟まれていた手配書を1枚ずつ眺めていた。

 

そして、一番後ろにあったレオヴァの手配書に気付くとカイドウの表情が明るくなる。

 

 

ウオロロロロロ…!!

おい、ササキ!これを見ろ!!」  

 

自慢げな表情で手配書を突き付けてくるカイドウを、報告書を出しに来たササキは見上げた。

 

そして、その手配書を見るとササキの表情もパアッと明るいものへと変化する。

 

 

…カイドウさんコレって!!

 

満面の笑みで手配書と此方を交互に見上げてくるササキを見て、更にカイドウの表情は自慢げなものになっていく。

 

 

「そうだ…!!レオヴァの新しい手配書だ!!

ウオロロロロロ…!なかなかの額だろう!?」

 

「流石はレオヴァさんだぜ!!

なァ、カイドウさん!

レオヴァさん帰って来たら宴やるよな!?」

 

ササキの問いに、カイドウは当たり前だというように頷いた。

 

 

「レオヴァの好きな“大水蟹(おおみずがに)”は季節を逃しちまったが……“大黒鮪(おおぐろまぐろ)”ならまだ手に入る時期だ!

それを用意して、マリンフォードからレオヴァが戻って来たら宴にするぞ!!」

 

「じゃあ、カイドウさん!

食材の確保はおれに任せてくれ!

おれの“海部隊”は漁が得意な奴が多いんだ。」

 

「そういや…確かに前の宴の時もお前のとこの部下が珍しい魚を取ったとレオヴァが言ってたなァ……

よし、ササキ!お前に任せる。

レオヴァの為の食材だ……絶対にしくじるなよ!!」

 

「もちろんだぜ、カイドウさん!!」

 

意気揚々と返事をするとササキはさっそく食材を手に入れる為に部屋を後にした。

 

その後ろ姿をカイドウは見送ると、またレオヴァの手配書に目を落とす。

 

 

そこには前の写真とは違い、勇ましいレオヴァの姿とカイドウ自身の背が写っている。

 

自分と背中合わせで戦っていた時の姿だと、カイドウは満更でもなさげに笑う。

 

 

「ウオロロロロロ…

やっと、政府共がレオヴァの凄さに気付いたってワケか。

……だが、レオヴァはこれからもっとデケェ男になるぞ!

何てったって…このおれの息子なんだからなァ!!

 

そう言ってご機嫌に酒を呷り、笑うカイドウの声は部屋の外まで響いていたのだった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

改造が進むマリンフォードにて。

 

 

ジャックの直属の部下であるシープスヘッドは朝刊を受け取り、中に入っていた手配書を見るやいなや走り出した。

 

 

ジャック様ァ~~!!

コレコレコレ!!これ見て下さいよォ~!!!

 

大声で叫びながら走りよってくるシープスヘッドの姿に、レオヴァと打ち合わせをしていたジャックの眉間に青筋が立つ。

 

 

おい、騒がしいぞ!シープスヘッド…!!

レオヴァさんと話してるのが見えねェのか!?

 

常人ならば卒倒するであろう剣幕で睨んでくるジャックを前に、あのお喋りなシープスヘッドも口を閉じたが、少し視界をウロウロさせながらも走る足は緩めていなかった。

 

そして、レオヴァとジャックの前につくと手に持っていた朝刊を丸ごと差し出した。

 

 

「邪魔してスミマセン!ジャック様!!

これを届けようかと!!」

 

「次からは気を付けろ!!

……すまねェ、レオヴァさん。」

 

深々と頭を下げながら渡してくる朝刊をジャックは受け取るとレオヴァに向き直り、申し訳なさそうに一度軽く頭を下げた。

 

それにレオヴァは気にする事でもないと軽く笑って返す。

 

 

「ところで、シープスヘッド。」

 

「へ、へい!

なんでしょうか、レオヴァ様!!」

 

「かなり急いで持ってきたみたいだが……朝刊に何か大きなニュースでも書いてあったのか?」

 

穏やかに訪ねてくるレオヴァに、よくぞ聞いてくれました!とばかりにシープスヘッドの顔に笑顔が現れる。

 

 

「実はその朝刊にレオヴァ様とジャック様の新しい手配書が!」

 

その言葉を聞いたジャックが朝刊を開くと、確かに中には手配書が入っている。

 

ジャックは一枚一枚捲っていくと突然目を見開き、嬉しそうな顔でレオヴァに1枚の手配書を手渡した。

 

レオヴァはその手配書を受け取ると同じく目を見開き、次の瞬間本当に嬉しそうに微笑んだ。

 

 

「流石は父さん…!

48億を超えてくるとは!!」

 

流石はカイドウさんだ!!

レオヴァさん、ワノ国に戻ったら宴を!!

 

良い案だ、ジャック…!

ちょうどワノ国で造ってる酒が完成する頃だしなァ…」

 

2人してカイドウの手配書を前にニコニコと上機嫌で会話を弾ませていたが、ジャックは一番最後の手配書を目にして思わず固まってしまった。

 

突然、固まったジャックにレオヴァが声を掛けるよりも早く、固まった本人が声をあげる。

 

 

レ、レオヴァさん…!!これを!!

 

慌てたように差し出された手配書に目をやり、レオヴァは少し驚いた顔になる。

 

 

「……これは…思ったよりも上がったな…」

 

意外そうな顔をするレオヴァを前に、ジャックはそんなことはないと否定すべく言葉を紡いだ。

 

 

いや、レオヴァさんの懸賞金額だと考えれば20億は当たり前だ!

寧ろまだまだ少ないくらいだ!!…です!

 

興奮のあまり口調がぐちゃぐちゃになり始めているジャックにレオヴァは微笑ましげに小さく笑いつつ、そう言えばと思い出したような顔になる。

 

 

「ジャックの手配書はないのか?」

 

レオヴァの問い掛けにジャックは先ほど見た自分の手配書を渡した。

 

 

「おれも少し上がってました。

カイドウさんやレオヴァさん、兄御達と比べたらまだまだ努力不足だ。」

 

「ジャック、そんな事はない。

お前は百獣の皆が認める実力者だ。

それに、その若さで11億7千万もの懸賞金…

…ふふふ、おれも父さんも鼻が高いぞ!!

 

優しい笑顔でそう言うレオヴァにジャックは一瞬気恥ずかしそうに目を泳がせたが、また真っ直ぐに目を合わせると口を開いた。

 

 

「……おれには勿体ねェ言葉だ、レオヴァさん。」

 

照れたように言うジャックに更にレオヴァの表情は柔らかくなる。

 

 

「勿体ないわけないだろう、ジャック。

全部、おれの本心からの言葉だ。」

 

「っ……ありがとう、レオヴァさん。」

 

嬉しそうな雰囲気を漂わせるジャックにレオヴァはそっと目を細める。

 

 

あまりにも和やかな雰囲気が流れる2人のやり取りに流石のシープスヘッドも空気を読み、キツく口を閉じるのであった。

 

 

 

 

 





『補足』
・ササキ&フーズ・フーは赤髪との戦闘のみだったので、世界政府の目には止まらず懸賞金額が上がりませんでした。(世界政府は百獣幹部vs赤髪の全容をあまり知らない)
・政府はレオヴァがバレットを従えたと勘違いしているのて(実際は契約関係)、レオヴァの方が少し懸賞金額が高くなってます。
・インペルダウンが壊れたのはレオヴァとバレットの戦闘のせいなのですが、政府は“二人で協力して壊した”と勘違いしています。
・この話では“カタクリ”の懸賞金も原作より高くなっています。(今後話で懸賞金額出そうか迷い中ですが、多分書きます)

・マリンフォード奪還作戦について
戦争が終わった3日~5日後の間に海軍によって編成された部隊(軍艦20隻分)がマリンフォードに攻め入ってきた。
しかし、守備を任されていたジャックとページワン、うるティ、スレイマン、そして真打ちとギフターズの活躍により撤退させることに成功していた。
現在はワノ国にて厳選された大工達がマリンフォードを建て変え中。 

・海部隊について
魚人&人魚で編成されており海が苦手な能力者やギフターズを補佐する役割が多い為、戦闘能力が重視されている部隊ではない。
基本的に1人の幹部に1~3部隊まで専属でついている。(任務内容によってフリーの部隊が付いたりもする)
ちなみに空部隊というのもあり、翼のあるギフターズと真打ちのみで編成されていて情報収集などがメイン。

エース:原作のルフィ並に荒れていたが、レオヴァに諭された(説教された)ことで落ち着いた。
まだ“心”が完全に復活した訳ではないが、仲間を守る為に覚悟を決めて立ち上がった。

ルフィ:原作とは違いエースが生きているので精神的なダメージは無し。
エースが挫けていた間は今までの疲れや怪我から何日も寝ている状態だった。

マルコ:一部の荒れている仲間を必死になだめながら新しい船の調達などについてレオヴァに交渉を持ち掛けたりなど、悲しむ間もなく仲間達の為に身を粉にしていた。
エースが復活したことを心から喜んでおり、カイドウとレオヴァへの印象も少し変わった。

レオヴァ:カイドウがエースの事について『いいのか、レオヴァ。せっかく治療してやったのに、あのままじゃ潰れちまうぞ。』と言うので諭しつつ慰めて精神面を回復させた。
悪意でも善意でもない、純粋な気持ちで向き合った為エースの心に響いたと思われる。(その“純粋な気持ち”はカイドウに対してなのだが、気付いてる者はいない)

カイドウ:未だにエースはレオヴァの“友だち”だと勘違いしているので、あまり深く考えずにレオヴァに声をかけた。
それによりエースの大幅な強化が確定したのだが、吉と出るか凶と出るかは誰も知るよしもない…

ジャック:マリンフォードでの大乱戦に参加出来ずに落ち込んでいたのだが、奪還に来た海兵を見事返り討ちにした事でカイドウとレオヴァから褒められて現在はご機嫌。
しかし、バレットは気に食わない。
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