俺がカイドウの息子…?   作:もちお(もす)

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ー前書きー

【挿絵表示】

↑質問箱にて、レオヴァの手配書がどんな感じか見てみたいとリクエスト頂きTwitterに上げたもの。
一応、私が書いたのは色々ある中の1つのイメージなので各々好きな様に手配書を想像して頂けたら嬉しいです~!
※レオヴァの顔がガッツリ出てるので、自分でレオヴァのイメージがあるから崩したくない!という方はスルーして頂けたら助かります!

────────────────────────────────


海軍召集、再び

 

 

 

レオヴァ達の帰国に合わせて、ワノ国にて大々的な宴が催されていた。

 

 

「てめェら、今日は無礼講だ!

好きなだけ飲んで騒げ!!ウオロロロロロ!!」

 

「「「「ウオオオオ~~!!」」」」

 

上機嫌なカイドウの宣言により、宴会フロアにいる部下達が一斉に騒ぎ出す。

 

楽しげなドンチャン騒ぎが下のフロアから響いてくる事に笑うレオヴァへ、カイドウが酒を手渡す。

 

 

禁酒(・・)は終わったんだろ?

今日は飲めレオヴァ!」

 

「ありがとう父さん。

久々だ、酔わねェよう気を付けて飲むとするか。」

 

「ンな気にする事ァねぇだろう。」

 

ドカッと隣に腰掛けたカイドウにレオヴァが小さく笑っていると、クイーンがお汁粉片手に口を開いた。

 

 

「カイドウさんが気にすんなっつーと、説得力あるよなァ~…」

 

「おい、ボール野郎!!」

 

「クイーンの兄御ッ!!」

 

思わず溢れたクイーンの呟きに過剰に反応する二人にカイドウとレオヴァは揃って笑う。

 

 

「シリュウとバレットも飲めよォ?

お前らの幹部任命祝い(・・・・・・)でもあるんだからなァ!!」

 

豪気に笑うカイドウから少し離れた場所に座るシリュウとバレットはそれぞれの反応を返す。

 

 

「あぁ、ここで出る酒はどれも美味いからな…」

 

「…………」

 

木のジョッキを手にニヤリと笑うシリュウと反対に、バレットは無言で腕を組んでいる。

 

そんな様子を気にする事もなく、カイドウはレオヴァの造った酒の中でも一番気に入っているものをゆっくりと口にする。

 

 

「クイーン…!

そう言や、今日はいつものはやらねェのかァ?」

 

「もちろん、やるぜ!カイドウさん!

今日も最高に盛り上げて来るんで!!」

 

ポーズを決めるクイーンを見て満足げに笑うとカイドウは肘掛けに体重をかける。

 

 

「ウオロロロロロ…

なら、たまには下で見るのも悪くねェかァ?」

 

「えっ!?

カイドウさん宴会フロアまで来るんスか!?」

 

「父さんが行くならおれも久々にクイーンの公演(ライブ)を下で見るか。」

 

「レオヴァも!?

マジかよ……テンション上がるぜェ!!!

おい、てめェら!次のおしるこ寄越せ!エネルギーチャージだ!!!

 

「…チッ……どうみても、もうオーバーチャージだろうが。」

 

ハイテンションにお汁粉をかき込む姿に悪態を吐いたキングの言葉に、数名が酒でむせていたがクイーンは気付かずにカイドウとレオヴァに向き直る。

 

 

「これ食ったらソッコーで準備するぜ!!

レオヴァ、ちゃんとカイドウさん引っ張って来いよ!?」

 

「ふふふ、分かってるよクイーン。」

 

いつも通り和やかな風景を横目に幹部達は酒を進めるのだった。

 

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

宴も終盤に差し掛かる頃。

 

ドンチャン騒ぎが殆ど聞こえない場所でバレットは空を見上げていた。

 

雲一つない綺麗な夜空がいっぱいに広がっているが、それを見てもバレットの表情は険しいままだ。

 

その険しい表情の理由は数時間前の幹部任命にある。

 

カイドウがバレットの今までの功績と実力を考慮して幹部にすると言い出したのだ。

 

そのまま突然の事に困惑するバレットを置いて話は進んで行き、新しい幹部の称号“先鋒長(せんぽうちょう)”に任命されたのである。

 

 

すぐに異議を唱えようとしたバレットだが、レオヴァと交わしたカイドウを立てると言う約束を思い出し口を閉ざす他なかった。

 

まだ割りきれていないバレットにとって、幹部という称号は複雑なモノなのだ。

 

 

そんな事を考えながら一人夜風に当たっていたバレットの背に声がかかる。

 

 

「バレット、探したぞ。」

 

声の方へ振り返ると、穏やかに微笑むレオヴァが立っていた。

真っ直ぐこちらへ歩み寄ってくると、隣に立ったレオヴァが口を開く。

 

 

「…賑やかなのは合わなかったか?」

 

「それは此処に来てから毎日だ、嫌でも慣れる。」

 

目も会わせずに言葉を返して来たバレットにレオヴァは苦笑いを溢すと、言葉を続ける。

 

 

「ふふ、そうか。

……なら、幹部任命の件だな?」

 

「…………」

 

黙ったバレットを見て、やはりこの件かとレオヴァは眉を下げる。

 

そのままレオヴァは言葉を続けずに、静かにバレットと同じく月を見上げた。

 

 

暫くの穏やかな沈黙のあと、バレットの口が動いた。

 

 

「………おれはお前と契約して、此処にいる。」

 

静かな声にレオヴァはバレットの方を見やる。

 

 

「あぁ、それは分かってる。」

 

「……幹部の称号を受けりゃ

おれが此処にいる意味が変わってくる(・・・・・・・・・・・・・・・・・)。」

 

「…そうだな。」

 

月を眺めていたバレットが、一呼吸置いてレオヴァの目を見た。

 

 

「レオヴァ、お前との契約に総督を立てるってのがあったから騒ぐ真似は止したが……おれは“先鋒長”を名乗る気はねェぞ。」

 

キッパリと宣言したバレットの言葉にレオヴァは笑った。

 

 

「構わねェよ、バレット。

名乗るも名乗らねェも好きにすりゃいい。

お前はおれの“部下”じゃねェんだ。」

 

「……本当に、いいんだな?」

 

意外だと目を見開くバレットにレオヴァは穏やかに微笑んだ。

 

 

「おれとバレットは“対等”な関係だろう。

お前が“先鋒長”を自ら名乗りてェと思えるまで無理に名乗る必要はねェよ。」

 

「…一生、そう思う時が来なかったとしてもか?」

 

「そうだなァ……それはそれで良い。

何を名乗るも、何を背負うもバレットの人生だ。

おれはそれを尊重してェと思ってる。」

 

 

想像とは違う事を言うレオヴァにバレットは大きく(まばた)きをする。

想定外の答えに小さく困惑するバレットに構わず、レオヴァは微笑みながら言葉を続ける。

 

 

「まぁだが、バレットに“先鋒長”としておれと来て欲しいってのは本音だ。

おれは欲しいモンを諦めるって思考はねェ。

お前にもおれの宝(百獣海賊団)を背負いたいと思ってもらえるよう、全力を尽くそう。」

 

不敵に笑ったレオヴァにバレットは少し面食らっていたが、徐に口を開いた。

 

 

「……それはおれに勝ち続けて、初めて実現出来ることだって分かってんのか?」

 

「勿論だ。

負けるつもりも諦めるつもりもねェ。」

 

「…欲のねェ野郎だと思ってたが……」

 

また新しく発見した一面にバレットが言葉を溢すと、レオヴァがその言葉の先を見て返事を返す。

 

 

「それが海賊だろう?バレット。」

 

邪気なく笑うレオヴァにまたバレットの古い記憶が呼び覚まされる。

 

 

「……てめェ“()”自分勝手な野郎だな…」

 

バレットの言葉にレオヴァはまた笑う。

 

 

「否定は出来ねェなァ。」

 

あまりにも穏やかに流れる時間に、居心地が悪くなったバレットは鬼ヶ島の中へ戻るべく歩き出した。

 

 

「戻るのか、バレット?」

 

「……もう、酔いは醒めた。

レオヴァ、貴様も酔いを醒ましてから戻って来い。

また鬼ヶ島が壊れちゃあ、面倒だろうが。」

 

「ふふ、そうだな。

ちゃんと酔いを醒ましてから戻るとする。」

 

夜風に舞うレオヴァの髪を視界の端に捉えながら、バレットは宴会フロアへと足を踏み入れるのだった。

 

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

─── 時は遡り、ワノ国で宴会が開かれる少し前。

 

 

新しく建設途中の海軍本部にて、多くの海軍将校達が集められていた。

 

 

平和を守る名だたる面々が座する正面のボードの前にはあと数ヶ月で元帥ではなくなる(・・・・・・・・)男、センゴクと特徴的な髪型とグラサンが目を引く男、ブランニューが立っていた。

 

このブランニューは海軍本部にて少佐を務め、今回の報告会の司会進行に抜擢された優秀な男である。

 

 

「ブランニュー、始めてくれ。」

 

「はい!

…では、これより緊急会議を開始したいと思います!!」

 

ブランニューの宣言によって、漂う緊張感が増して行く。

 

 

「皆さんご存じの通り、

2回目のマリンフォード奪還作戦の準備中に百獣海賊団による奇襲を受けました。

たまたま居合わせたクザン大将によって、最悪の事態は免れましたが……多くの海兵を守る為にクザン大将と数十名の将校が重傷を負い、大量の物資も海の藻屑と化しました。」

 

再び起きた悪夢を再確認した将校達の表情は暗い。

 

 

「まずは今、世間を騒がしている問題の海賊団……百獣海賊団の面々の懸賞金と簡単な詳細から復習(さら)って行きましょう。」

 

言葉と共にブランニューは電伝虫を利用したプロジェクターを起動させ、手に持っていた手配書をかざす。

 

 

「まず、一人目。

ディアス海戦のA級戦犯として指名手配され、その後百獣海賊団の傘下へ加わって以降急に頭角を現し

“ゴルゴルの実”と言う悪魔の実の能力で百獣海賊団を更に勢い付かせたと思われる男です。

一度目のマリンフォード奪還作戦では数分(よう)したとは言え島を囲むほどの黄金の障壁を展開させた事実は、奴の能力の熟練度が生半可なものではないと物語っています。

百獣海賊団、近衛隊隊長“首はね”スレイマン!!

懸賞金額3億500万ベリー!!!

 

「奴は確か、能力が覚醒していた…!」

 

「黄金を無限に沸かせる力を手に入れても尚、なぜ海賊をしているのかが疑問だな……」

 

どよめく将校達に構わずブランニューは次の手配書を手に取る。

 

 

「続いて、二人目は…

あの“オペオペの実”の能力者であり、政府の人間に対する数々の残虐な行動から危険視されている一方で

一部の民間人から“神の使い”だと信仰に近い感情を向けられていると言う情報があり、あらゆる方面で危険な人物(・・・・・・・・・・・・)だと認めざるを得ない男。

百獣海賊団、近衛隊隊長“死の外科医”トラファルガー・ロー!!

懸賞金額3億1000万ベリー!!!

 

「こ、コイツは…!!」

 

「…あの悪魔が…神の使いだと!?」

 

大きく写し出されたローの顔に数名の将校が青ざめる中、ブランニューは険しい表情で続ける。

 

 

「まだまだ、こんなものではありません…!

三人目はその美貌からは想像も出来ぬ暴力性を持ち、8メートルを越える姿で暴れる様はまさに鬼女。

ある時を境にワノ国から出てくる事は少なくなりましたが、この女もまた間違いなく危険人物でしょう。

百獣海賊団、飛び六胞 ブラックマリア!!

懸賞金額4億5000万ベリー!!!

 

「あの騒動の女か…!」

 

「……私は初めて見ました。」

 

会話を挟む将校達を横目に、ブランニューは次の手配書に目を通す。

 

 

「…では、続けます…四人目と五人目は同時に。

幼い頃より百獣海賊団にいることが確認されていた姉弟で、若いからと油断出来ぬ実力と狂暴性を併せ持ち

特に姉は民間人含め多くの被害を出しているという報告が上がっています。

弟の方は民間人への被害は少ないにしろ、政府の人間への攻撃性は姉に劣らず…!

更には1回目のマリンフォード奪還作戦でも甚大な被害をだしています!

百獣海賊団、飛び六胞 うるティ!!

懸賞金額4億ベリー!!

同じく飛び六胞 ページワン!!

懸賞金額3億ベリー!!

 

「このガキ共はあの時の!?」

 

「この若さで1億を軽く超えてくるか…!」

 

「早めに摘まなければ!

放っておけば四皇に対処する上での強大な障壁になりかねんぞ!?」

 

動揺が隠せない将校達を見て手が止まるが、センゴクの目配せによってブランニューは新しい手配書を手に取った。

 

 

「……次は六人目です。

少年と呼べる年齢の頃から長く百獣海賊団に所属していながら、民間人への被害はまったくない男ですが、海軍との戦闘においては手が付けられぬ暴れっぷりを見せており

一度目のインペルダウンへの襲撃事件でもマゼランを足止めするなどの大きな役割を果たすだけでなく、二度目の襲撃にも現れ…!

そのまま、あのマリンフォードでの事件ではバレットと共に大将を相手にしながら生き延びた実力は侮れません!

百獣海賊団、飛び六胞“異竜”X・ドレーク!!

懸賞金額3億2200万ベリー!!!

 

「異竜…か。」

 

「ワシは昔から奴は危険だと目をつけていたのよ!」

 

難しい顔をする将校達を視界に捉えながらブランニューは次に移るべく、一度渇いた喉を水で潤した。

 

 

「…ふぅ……失礼しました。

それでは、七人目に参ります。

元は海賊団の船長という立場でありながら、ある日から百獣の幹部として表舞台に上がり、瞬く間に名を馳せた男。

動物(ゾオン)系古代種の能力由来の巨体を生かした目にも止まらぬ突進で多くの殉職者が出ており、更にはあの海賊らしい振る舞いで市民へ恐怖を与えているに違いありません…!

百獣海賊団、飛び六胞“盛っ切りの”ササキ!!

懸賞金額4億9000万ベリー!!!

 

「4億っ…!

元船長というのは伊達ではない…か。」

 

「いち、幹部でこの金額とは…」

 

目を見開く将校達の姿にセンゴクは無理もないかと、眉を下げる。

 

そんな絶望感漂う部屋の空気に負けじと、ブランニューは深呼吸をし言葉を続けた。

 

 

「続いて、八人目の男は素性が不明(・・・・・)

突然百獣海賊団の一員として現れ、規格外な強さと冷淡さでどんどん懸賞金額を跳ね上がらせました。

最近露になりつつある、百獣が関連したと思われる(・・・・・・・・・・・・)幾つもの暗殺事件や誘拐事件でも主犯を務めていると思われます。

海賊と言うより暗殺者を連想させる男の危険性はこれ以上語るまでもないでしょう。

百獣海賊団、飛び六胞“飛沫(しぶき)の”フーズ・フー!!

懸賞金額5億ベリー!!!

 

「…もう、一人で既に大物海賊の額だぞ!?」

 

「はぁ、目眩がするわ……」

 

ついに頭を抱え始めた将校達にブランニューは更に非情な現実を突き付けねばならない事に、一瞬躊躇いを見せた。

 

しかし、流石は司会進行に選ばれた男である。

躊躇ったのはほんの一瞬だけで、すぐに口を開いた。

 

 

「……皆さん、此処からが本番と言っても過言ではありません!

九人目は存在そのものが“災害”と称される百獣のカイドウの三人の腹心の一人です。

10年以上前からまだ幼いにも関わらず、その強さは他の海賊達よりも頭一つ抜きん出ており

記憶に新しい一回目のマリンフォード奪還作戦では最前線で暴れるこの男に我々はどれだけ苦汁を飲まされたか…!

さらには2回目の奪還作戦の準備中にも現れ、暴虐の限りを尽くし多くの海兵の命を奪っています!

百獣海賊団、大看板“旱害の”ジャック!!

懸賞金額11億7000万ベリー!!!

 

「お、大看板…!」

 

「まだ26なんだろう!?

その若さで、あの百獣の腹心とは…」

 

多くの言葉を失う将校達に向けて、センゴクが口を開く。

 

 

「……旱害のジャックの脅威は実力と狂暴性だけではない!

奴は恐ろしい執念を秘めている。

あの一度目のマリンフォード奪還作戦。

確かに大将は居なかったが、我々と百獣海賊の人数差は10倍は優に越えていた。

にも関わらず、失敗に終わったことの最大の理由は奴にある!

無尽蔵に思える体力は無論。

奴は撤退を始めた海軍の軍艦が確実に沈むまで追いかけてきた。

……誰が予想できる?

守りきった陣地を維持することを優先するのが普通だ。

だが、奴は……敵を根絶やしにすることを優先した…!!

その執念こそが危険だと私は考え、奴の懸賞金額の上乗せを嘆願したのだ。」

 

センゴクの口から語られた内容に、将校達はゴクリと息を飲んだ。

言葉が出ないとは、まさに今の彼らの事だろう。

 

 

「……すまない。

続けてくれ、ブランニュー。」

 

「はい…!お言葉をありがとうございます、センゴク元帥!

では、十人目を…

同じく“災害”に称されるカイドウの腹心の一人。

動物(ゾオン)系古代種の能力が危険なのは言うまでもないですが、ウイルスという非道な武器を使用して今まで数えきれぬ被害を出しています!

その人道に反する武器の(むご)たらしさは言葉にするのも(はばか)られるほどです…

科学者としても海賊としても野放しにすれば新たな悲劇を生み続けるでしょう…!

百獣海賊団、大看板“疫災の”クイーン!!

懸賞金額14億2000万ベリー!!!

 

「あ、あの非道な兵器を使う巨漢か…!」

 

「奴の武器は世に出ていい物ではない!!」

 

怒りを滾らせる将校達の言葉にブランニューもあのマリンフォードでの光景を思い出し、強く頷く。

 

そして怒りで震える手を無理やり動かし、ブランニューは最後の“災害”の手配書を電伝虫の前にかざした。

 

 

「続く十一人目は幹部の中でも屈指の残忍さと機動力を持つ男です。

何十年も前からカイドウと行動を共にし、破壊を繰り返す姿は見た目の恐ろしさと相まって“悪魔”と表現しても、なんら差し支えないでしょう…!

実例を上げるなら、十年以上前にカイドウが起こした息子を巡った騒動にて

大きさも設備も当時最先端だった海軍基地を破壊し、そこにいた海兵数名に耳を塞ぎたくなるような拷問を行った事実もあり……未来ある若い海兵をイタズラに壊すなどという非道、到底許せることではありません!

百獣海賊団、大看板“火災の”キング!!

懸賞金額14億9000万ベリー!!!」

 

「例のあの事件か……新兵だった彼の姿は本当に見るに堪えないものだったな…」

 

「そんな事件があったなんて!

奴らは人を何だと思っているの!?」

 

悔しさに拳を握る者や唇を噛む者がいる中、ブランニューはまた怒りに震えそうになる声を無理やり平常に戻しながら言葉を続けた。

 

 

「次の十二人目は新たに百獣海賊団に加入した男です。

監獄という閉ざされた空間で自らの私利私欲を満たす為だけに囚人を斬りつづけ、マゼランによって刑を言い渡されただけでなく

政府を裏切り、百獣海賊団を監獄内に手引きしたと思われる人物!

百獣海賊団、“雨の”シリュウ!!

懸賞金額5億1000万ベリー!!!

 

「薄気味悪い奴だとは思っていたがな…」

 

「この裏切りは許されざる行為ですよッ!」

 

シリュウへの感情を口々に溢す将校達の気持ちを察しつつもブランニューは新たな手配書に手を伸ばし、一度咳払いをしてみせる。

 

 

「ゴホンッ!

十三人目も同じく新たに百獣海賊団に加入した男です。

……奴の危険性はここにいる全員が知っているでしょう。

たった一人でバスターコールを発動させた、この一言が奴の規格外さをもの語っていると言えます…!

誰かに従うような男だとは思えませんが、どうであれ百獣海賊団に加入したのは揺るぎない事実です。

百獣海賊団、“鬼の跡目”ダグラス・バレット!!

懸賞金額20億3000万ベリー!!!

 

「奴の作り出す損害は計り知れんぞ!?」

 

「脱獄によってこれから生まれる被害は想像もつかん…」

 

手配書を愕然とした表情で見やる将校達と同じような思いで、ブランニューは今回の会議の大本命である残りの二枚の手配書を握る。

 

 

「……進めさせて頂きます。

十四人目…もう、奴を知らぬ者などいないでしょうが…

数多くの噂が独り歩きしていた男でしたがインペルダウンでの騒動とマリンフォードの事件にて、奴の本性が明確なものになりました。

あの凶暴な姿はまさに生粋の戦闘狂。

この事実だけでも危険性は計り知れないのですが、奴は周到さも兼ね備えています…!

二度目のマリンフォード奪還作戦へ向けて準備を進めていた場所を特定し、奇襲を仕掛けてくるという行動と情報の速さも脅威であり

…一対一で大将を相手取り、撤退させた実力……間違いなくあの化け物の血を引いています!

百獣海賊団、総督補佐官“百雷の”レオヴァ!!

懸賞金額20億6000万ベリー!!!

 

「…もっと早く対処すべき相手だった!」

 

「そもそも、何故こんなにも百雷のレオヴァの情報は少ないんだ?」

 

「貿易と言うものに手を出しているという事も危険視すべきじゃないか?」

 

小声で近くの者と意見を交わし始めた事で、少しざわつく将校達へブランニューが声を上げる。

 

 

「百雷のレオヴァに対しての意見交換の時間は後程取らせて頂きますので、お静かに願います!

……それでは最後、十五人目です。

最強生物、この言葉がピッタリと当てはまる男は一人だけでしょう。

ナワバリにした島々からは“明王”や“カイドウ様”、“龍神様”と奉られているようですが、これらは恐怖による支配だと思われます!

一刻でも早くこの恐怖で支配されている人々を救う為に、奴を止めなければなりません。

政府などに対する略奪や侵略、あらゆる暴虐を尽くす姿はまさに“鬼”!

百獣海賊団、総督“百獣の”カイドウ!!

懸賞金額48億1110万ベリー!!!

 

「っ……気がめいるな…」

 

「48億…このまま行けば“白ひげ”や“ロジャー”に追い付くんじゃないのか!?」

 

一人の将校の叫びにセンゴクが反応を示す。

 

 

「そうだ。

現時点で、生きている海賊達の中でもカイドウの懸賞金額は頭一つ抜けている!

このまま行けばあのロジャーに追い付くどころか……追い抜く可能性すらあるだろう…」

 

「そんなッ!あの“海賊王”を追い抜く!?」

 

「あ、あり得ませんよ…」

 

「確かに…危険性だけならば正直、カイドウは群を抜いている……」

 

困惑や動揺、強い焦燥感。

様々な反応を見せる将校達にセンゴクは言葉を続ける。

 

 

「そうならない為に情報を共有し、あらゆる意見を交換したく思い

私は今回の緊急会議を開催したんだ!

ぜひ、色んな視点の話が聞きたい。

共にこれ以上の百獣の暴挙を防ぐための案を出してくれ!!」

 

「「「「はいっ!センゴク元帥!!」」」」

 

そうして、センゴクを中心に百獣海賊団への対策会議が幕を開けたのだった。

 

 

 

 





ー補足ー
バレット:カイドウのことは総督呼びしている。
レオヴァにカイドウさん呼びとカイドウ総督呼びの二択を迫られた為、苦肉の策であるが
ちゃんと、総督呼びしている辺り律儀さが伺える。
一応、“先鋒長”という新しい地位が作られるぐらいにはカイドウからも目を掛けられている。

先鋒長:カイドウがバレットの為に作った幹部の称号。
レオヴァ専属の特攻隊長と言う意味合いで作られた。

シリュウ:近衛隊隊長に任命されたのだが、レオヴァの指示により今はまだ専属の部下がいない。
今後のシリュウの変化によっては専属の部下が持てるかも…?

ブラックマリア:懸賞金が原作より低いのは、2年前である為。
ワノ国でばかり仕事をしているので、懸賞金あがり難いかも…?

フーズフー:同じく懸賞金額が原作より低い。
理由は2年前だからと言うのと、まだ関わった暗殺・誘拐事件の全容が解明されていない為。
今後、それがバレたらまたグッと上がる。
(政府の人間に目を付けられているので、基本的の懸賞金額が高いというのもある)

[バレットへの印象など]

カイドウ:曖昧な立場にあるバレットの為に、良かれと思い新しい幹部の座を用意した。(幹部になれば立場も安定するし雑用もやらずに済むだろうと言うカイドウなりの計らい)
“レオヴァと契約しているだけ”というスタンスについても前向きであり、自分にとってのキング達のように“レオヴァ自身の懐刀”になる事を望んでいる。
あと単純に細かいこと関係無しに強い奴は好き。

キング&ジャック:おれのカイドウさんだぞ!と内心バチバチにキレてた兄御と、おれのレオヴァさんだぞ!と表立ってキレてた弟分。
バレットは仕事は真面目にやるので、2人からの仕事振りなどの評価は高いが感情は別問題である。

クイーン:カイドウさんとレオヴァに対しての口の聞き方ァ…!!とは思うが、同じ大看板の二人よりかは荒れてない。
ちゃっかり仕事押し付けられる相手ゲットとか思ってる。
(レオヴァが選んだのでそもそもあまり文句ない)

ベポ:メカ!?カッコいい…!!と変形状態のバレットの周りではしゃぎ回ってたら掴まれて投げられたのがトラウマ。空中でレオヴァにキャッチされたので無傷。
(バレットからしたら危ないし邪魔なのでソフトに掴んで近くのレオヴァにパスしただけなので、かなり気は使った方である。)

ササキ:レオヴァさんが連れてきた=悪い奴じゃねェ!
カイドウさんが認めた=仲間!
という思考回路で酒飲もうと誘ったら断られたのでトボトボと帰路についた。本当に気のいい奴である。

うる&ペー:姉が既に5回喧嘩を売って、5回とも力付くで追い返されている。(結構建物に被害出てる)
そろそろレオヴァに注意されるのではと弟の方がハラハラするという謎現象。

ホーキンス:おそらくバレットから一番まともだと思われている男。
そんなに会話した回数が多いわけではないが、お互いに適度な距離を保てているな…という認識。
ホーキンス自身もバレットは仕事を真面目にやっているので悪い印象はない。


ー後書きー
今回は前に感想欄で、他の幹部の懸賞金が知りたいとのお言葉を頂いたのでそれにお答した回になっております!
少し前にも懸賞金額関係の回があったので少し頻度が早かったかもですが、新世界編行く前にまとめたかったと言うのもあり…!ご了承下さいまし!
それと、会議風にしたらいいのでは?と御意見下さった方の参考に会議風にさせて頂きました…!アイデアをありがとうございます~!

下記、質問箱にて様々なご質問などを下記にて募集しております!
https://peing.net/ja/hmln_ss_motio
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