ヒト型ポケモンと画面のトレーナー   作:鉄血

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第ニ話

どうやら、俺は本当にポケモンの世界に来てしまったらしい。

テレビを見れば、トレーナー同士のポケモンバトル、コンテストなどが多くやっていた。

俺が住んでいるのはシンオウ地方のフタバタウン、いわば最初の街だった。

 

「・・・ポケモンか」

 

昔ゲームでよくやり込んでいた。

ある日を境に俺はポケモンを止め、他のゲームに熱中するようになってからやっていなかった。

だが、一つこの世界で気になる事が俺にはあった。

 

「ヒト型って何だよ。擬人化したポケモンかよ」

 

普通だったら有り得ない現実に俺は目を閉じる。

 

「アイツらが居たら楽しかっただろうな・・・」

 

かつてやっていた頃の手持ちポケモン。

 

メタグロスの“レイ“。レントラーの“レオン“。ボスゴドラの“ティーガー”。サーナイトの“サナ”。グレイシアの“ユキ“。ガブリアスの“ロゼ“。後はまあエンペルトの“エンペラー”やムクホークの“ダイヤ”もいるがともかく、アイツらと一緒だったら面白かっただろうな程度に、俺はベッドに潜り込んだ。

 

と、その時だった。

 

─────待ってますよシンジこのほとりで─────

 

「っ!?」

 

突如頭の中にそう言った言葉が流れ込んできた。

 

待ってる?俺を?シンジこで?誰が?

 

俺は疑問を頭に浮かべる。俺を待つ奴。誰だ?誰が待っている?

俺は真夜中、母親と父親が眠っているすきに家を抜け出し、シンジこに向かった。

月明かりに照らされて暗闇の道を俺は歩く。

4歳の子供はこんな事を絶対にしないだろうと思いながらも、真っ直ぐと目的地へと向かった。

 

そして歩いて10分くらいしただろうか。俺はシンジこの岸にもうすぐ到着すると言うところで足を止めた。

 

「・・・だれかいる?」

 

岸に六人の人影があったからだ。

 

男性二人、女性四人。

その六人はそれぞれ奇抜な格好をしていた。

 

「何だよ。アイツら・・・」

 

コスプレ・・・だろうか?一人の男は西洋の鎧とマント、そして角がついたフルフェイスヘルムをつけている。目の部分は青い宝玉のような目をヘッドホンをつけた16か17歳くらいのポニーテールの少女へ向けていた。

もう少し近付いてみると、彼らの話声が聞こえた。

 

「“レイ“。本当に主は来るのだろうな?もし嘘なら・・・」

 

「何度も言わせないでくれませんかね?マスターは来ますよ。“ティーガー”私の計算は完璧ですからね。ええ」

 

彼らの呼び名に俺は聞き覚えがあった。嘘だろ、ありえないと俺は疑いながらも彼らの話を黙って聞いていく。

 

「でもよー。リーダーがここに来るなんてありえねぇだろ?待ってもずっと来なかったんだぜ?」

 

黒髪の青年がそう言って彼女を見るが、その横で水色の少女が言う。

 

「うっさい。黙って“レオン“。私はずっと待ってたの。この機会・・・逃すわけにはいかないっ!」

 

水色の少女が興奮気味にそう言うと、“彼女の頭に耳がある“のに気付く。

よく見れば、青年の方にも“尻尾が生えていた“。

 

こいつら人間じゃない。俺は身を翻そうとした時。

パキリと枝を踏んでしまった。

 

「・・・誰だ!!」

 

鎧男がそう言って此方に視線を向ける。

 

「・・・やべぇ!?」

 

ギラりと睨みつけられたその目に俺は逃げ出した。

木々を草むらをかき分け、俺は逃げる。あいつ等から。

 

逃げる。

 

逃げる。

 

足を擦りむき、傷ついても俺は走った。

 

と、俺の背中から─────

 

「この匂い・・・もしかして、ボス?」

 

「─────っ!?」

 

振り袖、と言ってもいいのだろうか?スカート状になった足部分の布面積に、腰には大きな帯が巻かれている。

その髪は長く黒かったが、前髪の部分だけが黄色く染まっていた。

 

「くっ、来るな!?」

 

「わっと・・・お姉さん流石に傷つくよ?」

 

俺はがむしゃらに手を振り回すが、彼女は余裕そうにヒョイヒョイと躱していく。

 

「ロゼさん。怖がらせてはいけませんよ。主様が怖がっているではありませんか」

 

「あれ?そうなの?なんかわたしが悪者みたいじゃん」

 

緑髪の女性がドレスを着たままこの森をゆったりと歩いてくる。

そんな彼女をよそに俺はまた走り出す。

 

何なんだよ、コイツら。一体何なんだよ!?

 

俺は走る。走り続ける。と、その時だった。

 

「ガッ!?」

 

急に見動きが取れなくなる。まるでかなしばりにあったかのように身体が動かない。

と、そんな俺の前からポニーテールのヘッドホンを付けた少女が歩いてくる。

まるで、溜息をするかのような口調で独り言をグチグチと呟いて言った。

 

「まったくですねぇ。それじゃあ逃げるに決まってやがりますよ?ティーガー?分かってます?」

 

「・・・すまない」

 

鎧男の謝罪を彼女は聞かずに、黒髪の青年に視線を向けていった。

 

「レオンはナイスですね。ユキが暴走しかけてましたから止めて頂いて感謝ですよ」

 

「だったらコイツをどうにかしろ!?」

 

黒髪の青年は羽交い締めにした水色髪の少女を見ながら叫ぶ。

 

「離して!レオン!私はっ、まだ!ユウキに!伝えてないの!」

 

「うっせぇ馬鹿!」

 

暴言を吐く青年と暴れる彼女にポニーテールの彼女は自分の後ろにいる二人に言った。

 

「二人とも誘導お疲れ様でしたね。無事にマスターに会えましたよ」

 

「そう言うならさー、もっとボスとイチャイチャしてもいいよねー?サナちゃんも思わない?」

 

「私は別に構いませんよ。ほらレイさんがキレてますから止めて置いたらどうです?」

 

「此処でブッ殺してやりましょうか?今なら花火にしてやりますよ?」

 

物騒な言葉を吐く彼女に、振り袖の女は言った。

 

「花火にされるのはやだなー。するのはいいけど」

 

自分を放置して置いて勝手に喋る六人に、俺は言う。

 

「・・・だよ」

 

「どうしました?マスター?」

 

「何なんだよ!?お前らは!?俺になんのようかよ!?」

 

俺の叫びにポニーテールの彼女は言う。

 

「まあ、そうですね。そう言いますよね。予想通りです。じゃあ貴方の質問に答えましょう」

 

彼女はそう呟き、口を開く。

 

「YESですよ。私達は貴方に会うために此処に来たんですよ。何年も待ちましたからね。こうして会うのを楽しみにしていましたよ。マスター」

 

「ま、マスター?」

 

彼女の口から出てきた言葉ソレは誰かを主人と見ている言葉だ。

誰が彼らのマスターなのだろうか。

と、隣で緑髪の女が彼女に言う。

 

「誰が、私達の主様か困惑しているようですよ」

 

「ああ、そういう事ですか。どおりで話が合わない訳です。仕方ありませんですね」

 

彼女は溜息を吐いて、ガシガシと頭を掻く。

そして彼に対して口を開いた。

 

「“貴方が私達のマスター“って事ですよ。ユウキ」

 

「お、おれ?」

 

彼女の言葉に俺の困惑するような言葉が周りに響いた。

 

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