彼女の言った言葉に、俺は呆然と呟く。
そんな俺を見て、彼女は呆れながら言った。
「まだ分からないんですかね?貴方は私達のトレーナーですよ?しっかりしてくれませんかね?」
「な、何で俺なんだよ?てか、お前らは一体なんだよ!?」
俺の言葉に鎧男が言う。
「我々はポケモンです、主。まぁ俗にいうヒト型というものですが」
「ポ、ポケモン!?」
ヒト型のポケモン。
滅多に現れないという人の形をしたポケモンだと、彼は言う。
「ボス〜もしかして・・・お姉さん達の事忘れちゃったのー?」
隣の振り袖モドキを着た女性がそう言う。
「・・・忘れた?」
俺は彼女達を知っている?ただ忘れているだけ?
俺は彼女達について思い出すように考える。と、ふと彼等の会話で名前を言っていた事を思い出した。
レイ、ティーガー、ロゼ、レオン、ユキ、サナ。その言葉に俺は彼女達が何者なのかを知った。
「・・・もしかして・・・“メタグロス”?」
俺の言葉にポニーテールの彼女はヘッドホンを外して言う。
「よりにもよってそう言います?普通。ちゃんと名前で言ってくれませんかね?マスター」
「そうか・・・そうだな、“レイ“」
彼女の言葉に俺は彼女の名を呼ぶ。その声にレイは若干、呆れながらも俺に言った。
「ええ、やっと気付きやがりましたか。中々鈍感ですねぇ、私達のマスターは」
彼女はそう言って腰に手を当てる。
「・・・悪い。気づかなかった」
「まぁ、気づいただけ良しとしましょう。ねぇ、皆さん?」
レイはそう言って周りを見渡すと、周りにいる彼等も口々に言う。
「ええ、主様が思い出してくださってとても嬉しいです」
サナがそう言って微笑む。
「やっと思い出したのね。全く世話が焼けるわ」
「世話焼けんのはテメェだけどな」
「余計な事言うな!?」
ユキとレオンの会話に俺は苦笑する。
「主が私達を思い出してくれただけでも恐縮です」
ティーガーがそう言って頭を下げる。
よく見れば、ティーガーの兜はボスゴドラそのままで分かりやすかった。
「ボスが思い出してくれてお姉さんとても嬉しいよー。ギューしてあげるね!」
「ちょっ!?ロゼ!?」
ロゼはギューと抱き締めながら俺を撫で回す。彼女がガブリアスというのは分かっているが、人間の時の彼女に抱き締められるのは少々心臓に悪い。
「・・・ロゼ?今からマスターに話があるんで離してもらってもいいですかねぇ?」
レイが若干、頬を引き攣らせながらロゼにそう言うが、ロゼは文句を言うようにブーたれる。
「ええー、いいじゃん。ちょっとくらいさー。それにボスも嫌がってないし、別にいいよね!」
ロゼはそう言ってその豊満な胸をユウキに押しつける。
「あらあら。よかったわね主様」
「おーおー、男冥利に尽きるってもんじゃねぇか。リーダー」
「ユウキはヤッパリああいったのが・・・・」
「よかったですな。主」
サナ、レオン、ユキ、ティーガーはそれぞれ口々にそう言って
俺達を見守る。
そんな俺達にレイは諦めたように俺に言う。
「もういいです。このまま話続けますね。マスター。貴方は“私達を使ってチャンピオンになる“つもりはありませんかね?」
「チャンピオン?ポケモンチャンピオンになれって言うのか?」
俺はレイの言葉にそう返答し、彼女は首肯する。
「ええ、“マスターがチャンピオンになって下されば、私達も都合がいい“ので。それで、どうします?」
彼女はそう言って俺を見る。
何か目的があるように見えるが、俺も元の世界に戻るという目的がある。俺はレイの提案を飲んだ。
「・・・分かった。やる」
俺はレイの返答にそう答え、レイは安心したように手を叩く。
「それはよかったです。では、行きましょうか」
「行くって、何処に?」
「ジムですよ?他に何があるんです?」
彼女はそうサラッと答えるが、俺は彼女に言った。
「ごめん。今は無理」
俺の言葉に彼女は目を丸くするが、すぐに納得したように溜息を吐いた。
「何故って思いましたが、そう言えばそうでしたね。ポケモンジムに出られるのは10歳からで、マスターの今の年齢は4歳でしたもんね」
彼女はそう言えばそうだったとまた溜息を吐き、髪を少しくしゃくしゃとかき乱す。
「えー?じゃあ、ボスはまだ旅に行けないのー?」
「さっきからそう言ってますよ」
ロゼの反応にティーガーは呆れながらそう言う。
「ま、仕方ねぇんじゃねえか。それがルールなら守るしかねぇだろ」
「アンタ、変な所で律儀よね?」
「ある程度は弁えてるつもりだっての」
ユキに対して、レオンはそう答える。
「それで?レイはどうするつもり?後六年。私達はこの場所に居る訳にもいかないし・・・」
サナの言葉に対してレイは言った。
「それに対しては大丈夫ですよ。策はありますので」
「策?」
俺の疑問にレイは答える。
「ええ。まぁもっとも、正直に言って誰でも思いつくような作戦ですけどね」
彼女はそう言って、ニヤリと口を歪めた。
プロフィール
レイ
分類 てつあしポケモン
タイプ はがね / エスパー
高さ1.6m
重さ550.0kg
特性クリアボディ
ユウキのポケモンの内のエース。見た目はポニーテールの赤い瞳を持った高校生くらいの女性であるが、本人曰く、性別がないから見た目とかどうでもいいらしい。
ユウキをこっちに連れてきた張本人であり、黒幕。
自称天才と言っている変人ではあるが、実力はあるので皆のまとめ役として指揮している。
口調にですね、やがりますか、ですかね、と言っているが、本人は口癖だと言ってる。
ユウキを元の世界に帰さない一人でもある。