ハンターになったらモテると思っていた【完結】   作:皇我リキ

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ハンターになったらモテると思っていた

 夢を見た気がする。

 

 

 俺は倒れていて、誰かが俺に背中を見せるように立っていた。

 その誰かは視線だけを俺に向けると、満足そうに笑ってからまた前を向く。

 

 

 立派なハンターになったな。

 そんな事を言って、その誰かは───兄は、真っ直ぐに歩いていった。

 

 俺は手を伸ばさない。

 意味がないと知っているから。今俺が何をしたって、その手が届かない事を知っているから。

 

 

 だから俺は───

 

 

「ツバキ! ツバキ!!」

 聞こえる声に耳を傾ける。

 

 

「───まぁ、見てろって」

 ───今は、この手を離さないように。

 

 

「俺はハンターになってモテまくるからな」

 前に。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 目が覚めた。

 

 

「ナニコレ、怪奇現象? 妖怪の仕業?」

 一番初めに視界に映ったのは、俺を心配してずっと手を握ってくれていた幼馴染ではなく───

 

「なんで三バカは天井で芋虫みたいに吊り下げられてるの?」

 ───縄で縛られて天井に吊り下げられている三人のバカである。

 

 

 あまりにも面白過ぎる絵面に、俺は一瞬で目が覚めたのだった。

 

 

 

「───とりあえず、生きてたかぁ」

 知らない───というかあまりにも面白い天井を見ながら目を覚ました俺は、看病してくれていたらしいカエデに事の経緯を説明してもらう。

 

 マガイマガドを撃退した後、俺はアオアシラに襲われる事なく狩場でポツンと倒れていたらしい。

 

 アオアシラと友情が目覚めたなんて事はないだろうが、元々人間なんてモンスターからすれば取るに足らない生き物だ。

 俺のあまりの貧弱さに殺しておく選択をされなかったのだ、とネガティブな考えで思考を放棄する。

 

 

 ───曰く、アオアシラも消耗していたのでそこら辺に倒れてる生き物に関わってられる余裕がなかったのかもしれない。なんて話をこの後いつか何処かで聞いた。

 

 

「……とりあえず、カエデもジニアも無事なんだな」

「うん。……本当、本当にツバキが生きてて良かった。ごめんね、私……私……」

「いや、全員無事だったんだからそれで良いだろ。この話はめでたしめでたし───」

「───良くない」

 俺の声を遮る野太い声。

 

 恐る恐る振り向くと、そこには三バカを天井から吊り下げた張本人───里長の姿が視界に映る。

 

 

 俺は三バカに里長をなんとかしてもらって、里を抜け出して大社跡に向かった。

 それは里から出る事を禁止した里長の決めた掟を破った事になる。

 

 最悪、里から追放という事も覚悟していた。

 

 

「……ツバキよ」

「殺さないで」

 俺は泣いて謝る。

 この人の方がマガイマガドより怖い。

 

 

「よくぞ成し遂げた」

 里長はそう言って、俺の事を強く抱きしめる。身体中の骨が軋む音がした。

 

「褒めてくれてるのか怒ってるのか分からない!! 死ぬ!! 痛い!!」

「どっちもだ!」

「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」

 俺の悲鳴に、ビーミの母から「此処は医者の家ですよ! 静かにして下さい!」と注意が入る。

 

 

 狩場で倒れていた俺は、カエデとツバキに助けられて里まで戻ってきたらしい。

 その後医者であるビーミの両親の家まで運ばれた訳だが、色々な人がそこには集まっていた。

 

 里長やゴコクのじっちゃん。

 ウツシ教官は元々そこで寝ていたし、ヨモギやイオリなんかも俺の事を心配して見に来てくれている。

 

 

「何故か私の家がパーティ会場みたいになってる!」

「てかお前達はいつまでぶら下がってんだ」

 人が人を呼び、里中の人が集まりかけているビーミの家。そんなビーミを含めた三バカは未だに天井に吊り下げられていた。

 

 

「ツー君が里を抜け出せたのは三人のおかげ───というか、三人のせいでツー君が里を抜け出してしまった訳だからね。里長は凄く怒ってる訳だよ」

「「「ジニア様ーーー!」」」

「なんだお前生きてたのか」

「酷い」

 いつも通りの腹立つ顔。

 

 三人が未だに天井にぶら下がってる理由を説明してくれたジニアは俺の寝ているベッドの横に座って、一度大きく息を吸う。

 

 

「……助けてくれてありがとう、ツー君」

「……いや、俺は結局倒れてて二人に助けられたじゃねーか」

「それでも、マガイマガドを追い払ってくれたのはツー君なんだよ。僕達には出来なかった事を、ツー君は成し遂げてくれた」

「……偶々だよ」

 死ぬ気はなかった。

 

 けれど、確かな自信があった訳じゃない。

 ただ、がむしゃらに出来る事をしただけで。

 

 

「……だから俺は、もっと頑張る。頑張らないとな」

「ツー君……。あはは、流石だね」

 俺はまだとても未熟なのだろう。

 

 誰かを助けるとか、約束を守るとか、そんな事を自信を持って言える人間じゃない。

 だったらそうなれば良い。

 

 

 死ぬのが怖い。

 

 走るのがちょっと早いだけで、俺は貧弱だ。

 

 虫は気持ち悪いし、モンスターは怖い。

 

 武器の振り方はまだ難しくて、俺は知らない事が多過ぎる。

 

 

 だけどそれでも、俺は頑張ろうと思った。その理由は───

 

 

 

「ちょっと歩くか」

「大丈夫なのかい?」

「色んな人と話したいからさ。お礼も言わなきゃいけないし。……カエデにも言わないといけない事があるしな」

「そっか」

 気が付いたら居なくなっていたカエデを探す為に、俺はベッドから起き上がる。

 

 身体は思っていたより無事なようだ。

 歩く度に身体の何処かが軋む音がするが多分気のせいだろう。どっちかというと里長の()()の方が痛い。

 

 

「よ、教官」

「やぁ、愛弟子」

 少し歩いて、俺はウツシ教官の寝ているベッドに向かった。

 

 彼は珍しく静かにしている。

 本当は怪我が酷いのかもしれない。まともに戦ってない俺でも分かるが、マガイマガドはとても恐ろしいモンスターだ。

 

 いつかあのモンスターと本気で戦う事になるのなら、ウツシ教官よりも強くならないといけない。

 それは本当に頑張らないといけないだろうな。

 

 

「二人を助けてきたんだね」

「なんとか、な。教官のおかげだよ」

「愛弟子が素直……。俺は嬉しい!!」

「声がデカい。少し抑えろ」

「愛弟子がいつも通り!!」

 この人もいつも通り。

 

「……そんでさ、教官」

「なんだい? 愛弟子」

「今回の件で、俺は自分の力不足を思い知った。……マガイマガドだって結局倒した訳じゃない。……教官!」

 俺は背筋を真っ直ぐにして、教官に頭を下げる。

 

 そんな俺を見て教官はどんな顔をしているのだろうか。俺には分からない。

 

 

「……またこれからも、ご指導の程宜しくお願いします」

「愛弟子……。あぁ!! 勿論だ!!」

 だからやかましい。

 

 まぁ、それでこそウツシ教官だ。これからも宜しくお願いします。

 

 

「里長、コゴクのじっちゃん」

 家の外に出ると、何故か周りでは出店が開いていたり完全に祭りの雰囲気だった。何が起きてるのよ。

 

 そんな中で二人を見付けて、俺は───

 

 

「───すみませんでしたぁ!!」

 ───スライディングしながら土下座をする。

 

 

 里長の命令を無視した。

 さっきは途中で終わってしまった話だが、ケジメは付けないといけない。

 

 

「む、ツバキ」

「もう身体は良いんでゲコか?」

「あ、はい。俺は思ってたより丈夫みたいで。マガイマガドの攻撃も、最後以外はそんなに……」

「いや、さっきバキバキと音を鳴らして抱擁されておったでゲコ」

 心配するのそっちかい。いや分かるけど。

 

「な、なんとか……」

 俺は苦笑い気味に顔を上げる。

 

 すると、里長が申し訳なさそうな顔で俺に手を伸ばしているのが見えた。

 俺はその手を取って立ち上がる。

 

 

「ツバキよ」

「……は、はい」

「俺が間違っていたのかもしれんな」

「……そ、そんな事は」

「これを受け取れ」

 そう言って、里長は背中に背負っていた太刀を俺に向けてきた。

 

 子供の頃、その太刀が欲しいなんて事を里長に言った事があった気がする。

 その太刀は里の宝のような物で、代々受け継がれている物だ。

 

 

 そんな物、()()今の俺に受け取る資格はない。

 

 

「……それは受け取れない」

「む、何故だ。俺はお前を、真のハンターとして認めたぞ。よくぞ……よくぞ二人を助け、無事に戻ってきた」

「違うんです。……俺はまだ、ハンターじゃない。本当にがむしゃらにやって、なんとか奇跡的に戻ってきただけなんだ。……だから()()、その太刀は受け取れない」

「そうか」

 俺の返事を聞いて、里長は満足気に太刀を背中に背負う。

 

「ツバキはこれからどうするんでゲコ?」

「そりゃ、勿論。……ハンター修行っすかね」

 その太刀を、ちゃんと受け取れるハンターになるまで。

 

「……ハンターになれ、ツバキ。そうすれば、この度の件は水に流す事にしよう」

「ありがとうございます、里長」

 二人と話し終えた後、俺は一番お礼を言いたい人物を探して里を歩き回った。

 

 彼はヨモギと一緒に談笑していて、俺の姿を見るや手を振ってくれる。

 

 

「ツバキさん! 身体は大丈夫なんですか?」

「その質問今日無限に聞く事になるのか? イオリ」

「あはは、そうやって軽口が出てくるのなら大丈夫なんでしょうね」

 里でオトモを世話してくれているイオリ。

 

 彼がオトモを俺に譲ってくれなければ、二人を助ける事は出来なかった。

 それにジニア曰く、倒れていた俺を探してくれたのはオトモの二匹らしい。

 

 それにずっと俺の修行に付き合ってくれたイオリには、感謝してもしきれない。

 

 

「この通りムキムキよ。お?」

 イオリに返事をすると、その背後からガルクとアイルーが顔を覗かせる。この二匹、お前達か」

 

「おー、俺のオトモよ。こんな所にいたのかー。よーしよしよしよし」

 二匹を抱きしめて頭を撫でる。

 嫌がらずに応じてくれるオトモ二匹がなんとも愛おしい事か。

 

 

「二匹共ツバキさんの事ずっと心配してたんだよ。ツバキさん、ちゃんと二匹に名前をつけてあげて下さいね」

「……いや、でも良いのか? あの時はほぼ勢いでタダで譲ってくれなんて言ったのに」

 二人を助ける為とはいえ、イオリにはかなり無茶振りをした。それはヨモギやロンディーネさんも同じだが。

 

「良いんですよ。だって、出世払いですもんね?」

 凄い笑顔でそう返事をしてくれるイオリ。

 

「そうだよツバキさん! ツバキさんも、もっと凄いハンターになって私の茶屋で沢山お団子を食べていってよね!」

「私も、君が真のハンターになる時を楽しみにしているよ。その時は、是非贔屓してくれたまえ」

 イオリと話していたヨモギも、突然真横に現れたロンディーネさんも。俺はきっとこれからも、色んな人に助けて貰うのだろう。

 

 本当に恵まれているのだと思った。

 

 

 その後、俺は自分の両親に顔を出して自分の無事を知らせる。

 兄貴の事もあるし、両親には気苦労をこれからも掛けるかもしれない。けれど俺は絶対に戻ってくると、両親に約束をした。

 

 

「……カエデが見付からない」

 両親や道行く人々に聞いて回っているのだが、肝心なカエデが見付からない。

 

 俺は彼女に言わないといけない事がある。

 ずっと彼女を騙して、彼女を危険な目に合わせた。

 

 彼女はずっと俺を信じていてくれたのに、俺はずっと嘘をついている。良い加減に、この嘘を告白しないといけない。

 

 

「あ、ヒノエさんにミノトさん!」

 道行く先で、二人を見付けて声を掛けた。二人にもお礼を言おうと思ったのだが、二人はお互いに目を合わせると、ビーミの家の方に手を向ける。

 

 

「ツバキさん、おかえりなさいませ。私達は何も言わずとも、ツバキさんを信じていましたよ」

「ツバキさんの探している方は、戻れば会えると思います」

 二人に導かれるように、俺は自分が寝ていたベッドを目指した。

 

 竜人族の双子。

 なんとも不思議な二人である。

 

 

 

「お、解放されたか」

「ジニア様が助けてくれたんです!」

「ツバキ君、私達を好きなように使って放置するんだもん!」

「ツバキングのせいであたし達酷い目にあったんだかんな!?」

「いや、それはすまんすまん」

 屋内に戻ると、解放された三バカが文句を行ってきた。嫌がらせのつもりだったのだが、ジニアめ余計な事を。

 

 しかし───

 

 

「三人共、ありがとうな。三人のおかげで二人を助けられた」

 三人はバカだが、最高の友達である。

 

「な、なんだよツバキング。藪から棒に」

「私達はジニア様の為に動いただけなんだからね!」

「そうです感謝してください! 私達に感謝して下さい!」

 もしお前達が困ったら、絶対に助けてやるからな。

 

 

「カエデ」

 そんな三バカをスルーして、俺のベッドに腰掛けていたカエデに声を掛けた。

 彼女は特別な反応は見せずに、首を横に傾ける。

 

 どうやら居なくなっていたのは、普通に里を歩いて自分の親と話していたからだとか。

 

 

「……言わなきゃ行けない事が───」

「私も!!」

「───カエデ?」

 俺が話し掛けると、カエデは身を乗り出して口を開いた。顔が近い。恥ずかしいからやめて。

 

「な、なんだ?」

「……私ね、ツバキは本当に凄いハンターなんだって。ずっと思ってたの」

「……そうか」

 そうだよな。バレるよな。

 

 俺から言わなくても、そもそも凄いハンターであるカエデにとって俺はあまりにも不恰好だ。

 俺がハンターじゃない事なんて───

 

 

「───でも、ツバキは凄いだけじゃない! 物凄い!! 最強のハンターだったのね!!」

「は?」

 あれ? 

 

 

 何を言ってるんですかこの人。

 

 

「あっははははは」

 笑うなジニア。

 

「あの、カエデさん?」

「まさかあのマガイマガドを倒しちゃうなんて!!」

 いや倒してない。アオアシラ手伝って撃退しただけ。

 

「私ずっと思ってたのよね。ツバキは凄いだけのハンターなんかじゃないって。ジニアを助けに行かないって言ったのも、ツバキはちゃんと考えて準備してから行こうとしていただけなのに。私は早とちりして一人で勝手に行動してツバキに迷惑を掛けちゃった。……本当にダメなハンターね、私」

 いや全然ダメじゃない。お前が行かなかったら俺は行かなかったらね。あの時は何も考えてないしなんなら逃げようとしてたからね。

 

 

「私、本当にまだまだだわ。これからも頑張るから……出来たらツバキに、私の修行を手伝って欲しいの!!」

「えぇ……」

 どうしてこうなってしまったのだろう。俺は頭を抱えて考え込んだ。

 

 

 虫が怖い弱虫の俺。

 けれど、そんな俺を慕ってくれる大切な幼馴染。

 

 俺はどうしたら良いのか。

 

 

 俺は何を頑張れば良いのか。

 

 

 何を理由に頑張れば良いのか。

 

 

 ちょっとだけ、分かった気がする。

 

 

 

「───んぅぅ、分かった!! 俺がお前を導いてやる。なにせ? 俺は里一番のハンターだからな!! 任せろ!!」

「ツバキ……。ありがとう!!」

 俺はハンターという仕事が嫌いだ。

 

 

「そんな訳でまずはお勉強だ! お前はバカ過ぎる!!」

「え、酷い!!」

 モンスターは大きいし危ない。怪我をしたら痛いし、毎日の鍛錬はとても大変そうである。高い所から平気で飛び降りるし、石ころが当たったくらいの衝撃で爆発する樽を持ち歩いたりするのは正気を疑う光景だ。

 

 

「あと俺も、虫が苦手だから俺が教える代わりにカエデも翔虫とかの事を俺に教えなさい!!」

「あ、うん。それは良いけど……。ツバキが翔虫までちゃんと使えたら、私本当に追い付けなくなっちゃうわね」

 デカい虫とも仲良くしないといけないし、変な物も時には食べたりする。あと簡単に死ぬ。

 

 

「ジニア! お前も笑ってないで手伝え!」

「うん、分かったよツー君」

「三バカも!! 外で見てるイオリ達も、教官もな!!」

 ところで、ハンターになったらモテるって聞いた。

 

 

 

 

 約束を守るとか、友達を助けるとか。

 そんな事を口にして動ける程、俺は格好良くない。

 

 だったら別の理由で動けるようにすれば良い。自分を騙してでも、自分の本当の気持ちを貫き通す為に。

 

 

 俺はモテたい。

 だからハンターになる。それで良いじゃないか。

 

 

「俺が里一番のハンターじゃーーーい!! ほら、全員俺を敬え!! モテろーーー!!!」

 ハンターになったらモテると思っていた。

 

「「「きゃーーー、ジニア様ーーー!」」」

 しかし現実は厳しいものである。

 

 

 

 

 

 

 ☆ ☆ ☆

 

 時が経って。

 

 

 家で寝ていた俺は、イオリから譲り受けたオトモガルクの鼻に突かれて目が覚めた。

 ソイツの名前を呼びながら頭を撫でてやると、ガルクは気持ち良さそうに目を細める。

 

 ふと、家の出口に誰かの気配を感じて俺はその気配に視線を向けた。

 

 

 そこには、何故かヒノエさんとミノトさんが立っている。ここ人の家なんですけど。

 

 

「あらあら、気づかれてしまったわミノト」

「無念です、ヒノエ姐さま」

 無念ですじゃねーよ不法侵入だからね。ジニアに限らず我が家はフリーパスか。

 

「完全に気配を消していたのに……」

「完璧な忍び足だったのに……」

 だからそれ不法侵入だからね。

 

 

「さすがは、カムラの里でも指折りのツワモノ……」

 そんな褒められると照れますよ。

 

 

「まだまだわたくしたちは修行不足のようです」

「いや不法侵入の修行はしなくていいからね」

「……え? 勝手に入ってきちゃダメ?」

「当たり前だろ!!」

 普通に泥棒だわ!! 

 

「いやですわ。同じ里のよしみ、家族のようなものじゃないですか」

「俺も二人の家に不法侵入してお風呂を除いてやろうか!?」

「……そんな事より、里長があなた様をお呼びです」

「そんな事より!? 今そんな事よりと───里長が?」

 里長の名前が出てきて、俺は一旦息を整えた。それならそうと早く言って欲しい。

 

「支度が済んだら、出発いたしましょう」

 マガイマガドとの戦いから時が経って、俺は色々な人の手伝いもありなんとか人並みのハンターとして認められる事になる。

 

 

 今日やっと、里長から真にハンターとして認めてもらう日が来たのだ。

 

 

 

 これから先、きっと色々な事が起きるのだろう。

 

 マガイマガドとの決着もまだ着いていない。

 里を襲うと言われている、百竜夜行の謎もまだ解けていない。

 

 

 でもそれはまた、別の話。

 

 

 

 

「───さて、一狩りいきますか。な、二人とも」

「行こう、ツバキ!」

「そうだね、ツー君」

 俺はその日、ハンターになったのだった。




これにて完結です。
読了ありがとうございました。お昼頃に活動報告にてあとがたりを置いておきますので、お時間あれば是非覗いてみて下さい。


感想評価等貰えると今後の活動の励みになるので、お願いします。
それでは、約半年間の短い間でしたが、お付き合い頂きありがとうございました。
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