The Gate Wars (旧:銀河共和国軍、彼の地にて斯く戦えり)   作:ウエストモール

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オリジナル兵器
〇共和国軍兵員輸送機/装甲兵員輸送機
ユブリキアン・インダストリーズ社製の兵員輸送機。簡単に説明するのなら、共和国軍版のK79-S80帝国軍兵員輸送機。前面にはAT-TEと同じ種類の対人レーザー砲が2門、後部の上面には2連装レーザー砲が1基装備されている。



没になった話
旧第6話


 

 その日の夜、アルヌス基地を目指して3機のリパブリックガンシップが避難民キャンプ付近を飛行していた。先頭の機体は炎龍の頭部を、後方の2機は共同で炎龍の胴体をワイヤーで吊り下げて運んでおり、その亡骸はガンシップのライトで照らされている。そして、その様子を見ている者がいた。それは第3偵察隊が保護したエルフの少女、その名もテュカであった。

 

「あれって、炎龍?」

 

 テュカの脳裏には、白い鎧の兵士が放った爆発する大きな鏃?による攻撃で倒れている炎龍の姿が浮かぶ。

 

「本当に炎龍は死んだんだ・・・お父さん、早く帰ってきて・・・」

 

 そして、彼女はあの時のことを思い出す。それはエルフの集落に炎龍が襲来したときのことだ。

 

 燃える集落、精霊魔法で強化した矢を炎龍に放つエルフの戦士達、攻撃を物ともせずに暴れまわる炎龍、次々と死んでいく戦士や友人達、そして私を逃がそうとするお父さんの姿・・・

 

「君はここに隠れているんだ。いいねっ!」

 

 あの時お父さんは、そんなことを言って私を井戸の中に投げ込んだ。直後に一瞬だけ見えたのは、お父さんの背後に巨大な炎龍の顎が広げられ、牙を剥こうとする光景だった。

 

「あ・・・・!」

 

 もう1つ思い出したことがあった。私が1度目を覚ましたとき、助けてくれた白い鎧の兵士達に、他の生存者について聞いた。しかし、返ってきたのは生き残りは私しかいないという返答だけ。その返答を聞いたとたん、私は気絶していた。

 

「やっぱり死んじゃったのかな・・・」

 

 信じたくないけど、状況から考えるとお父さんが死んでしまったのはほぼ確定だった。お父さん、会いたいよ・・・

 

〈テュカ・・・・・〉

 

「え?」

 

 突然、お父さんの声が聞こえてきた。私は部屋の中を見渡すが、その姿を見ることはできなかった。

 

〈テュカ、私はすでに肉体を失い、精霊に生まれ変わった。だから、私を見ることはできない〉

 

「やっぱりお父さんは・・・・」

 

 お父さん本人がそう言っている以上、死んだという事実を認めるしかなかった。

 

「私、お父さんがいないと・・・」

 

〈大丈夫だ、テュカ。私は肉体を失ったが、精霊に生まれ変わった。私は常に君の傍にいる。テュカ、エルフ族の諺を忘れていないだろうね?〉

 

「精霊と共にあらんことを・・・」

 

〈そうだ、精霊は常にエルフと共にある。だから、私が君から離れることはないよ〉

 

 その言葉を最後に、お父さんの声は沈黙してしまった。

 

「ありがとう、お父さん。私、頑張るから・・」

 

 常に私の傍にはお父さんがいる。それに、今は魔導士のレレイや神官のロウリィ、優しい白い兵士達という仲間がいる。私はもう1人じゃない。

 

 

 特地への共和国軍派遣からしばらく経った頃、銀河では共和国軍に対して追及する動きが見られるようになっていた。

 

 当初、共和国軍の派遣に対して大半の共和国市民は賛同しており、批判的だったのはクローン大戦時代から存在する反戦団体くらいのものだった。しかし、しばらく経って市民達は考えた。

 

「侵略者に対して報復するのは当然だが、逆にこちら側が侵略者になっているのではないか?」

 

 そこを、反戦団体が煽動する形で追及が始まった。なお、この煽動の裏には連合が大きく関わっているという説もある。

 

 そして、煽動によって大きく動き出したのは、共和国と連合の元老院双方に議席を持っている星々の議員連中、反戦派議員の団体といった勢力であった。その最中、とある連合寄りのメディアによってホロネットに流されたニュースがあった。

 

『共和国軍の失態!?民間人被害者130名!?』

 

 そのニュースが流れてから、毎日のようにコルサントの共和国軍事作戦センターや駐屯地をデモ隊が囲み、元老院では議員達による追及が行われた。だが、パルパティーン議長は焦ること無く答弁を行った。

 

「今回報道された民間人の被害者は、戦闘ではなく災害によるものとなっております」

 

「それはどのような災害ですか?その災害と共和国軍の関係は?」

 

「報告を受けている限りでは、大型のクリーチャーに襲われている現地の民間人を救助するために偵察隊が武器を使用したと聞いております」

 

「そのクリーチャーとの戦いに民間人が巻き込まれたのですか?」

 

「いえ、全ての被害は大型クリーチャーによるものです。一応、そのクリーチャーに関しては偵察隊によって討伐されております」

 

「なるほど。では議長、以前質問した際にあなたは民間人の被害は無いとおっしゃった。何故、このような被害が出ているにも関わらず、発表しなかったのですか?」

 

「以前の質問は、異世界の国家との交戦に限る話だと認識しておりました。次からは同様な事態が起こった場合、その都度発表を行うつもりであります」

 

「では、もう1つ質問です。生存者の方々は現在どのようにしていますか?」

 

「生存者に関しては周辺の集落や都市に避難していると聞いております。ただ、身寄りの無い年寄りや怪我人、孤児については共和国軍が保護しております」

 

「なるほど、当事者が・・・・では議長、その保護している当事者から話を聞かない訳にはいかないですよね?生の声を聞かない限り、我々は報告を信用することができません」

 

 こうして、参考人として現場の指揮官と現地人の代表が元老院に召集されることになった。

 

 

数日後 避難民キャンプ

 

 第3偵察隊に、とある任務が命じられた。それは、イタリカという都市へ向かう避難民達を護衛することだった。彼らがイタリカに向かう理由は、丘に墜落している翼竜の鱗や爪を売るためである。

 

 避難民達は、何とか自活したいと考えていた。そこで、丘に墜落している翼竜の死体に目を付けた。翼竜の鱗や爪は武具の材料になるだけでなく、それなりの値段で取引されている。共和国軍に相談したところ、自由に持っていっていいとの返答があったため、避難民達は戸惑いながらも鱗や爪を回収したのだ。

 

 イタリカへと向かうのは、レレイとテュカ、ロウリィの3人である。全員、この世界の基準では大人に分類されているため問題はない。ちなみに、レレイは15歳、テュカは165歳とのことで、ロウリィに関しては、何故かレレイに首を全力で振って教えるのを拒否されたため、恐ろしい程上の年齢だと予測された。

 

 なお、避難民の中には中年代が3人と高齢者が2人いるが、高齢者は体力の問題で、中年代は全員が怪我をしていることからイタリカに行かないことになっていた。

 

 今回、護衛に当たって第3偵察隊はとあるビークルを支給されていた。それは、装甲兵員輸送機。最新のビークルであり、装甲ランドスピーダーよりも高い防御力を誇っており、武装として前面にはAT-TEのものと同じ対人レーザー砲が2門、後部の上面には2連装レーザー砲が1基装備されている。編成として、装甲兵員輸送機1、装甲ランドスピーダー1、汎用ランドスピーダー1となっていた。

 

 さて、取引しようにも、大店では小娘が来たところで相手にしてくれないし、小規模の店では支払う金がないだろう。そこで、カトー老師の旧知の仲に商人がおり、イタリカに店を構えているとのことだったため、イタリカに向かうことになったのだ。

 

 やがて、子ども達によって装甲兵員輸送機に鱗や爪の入った布の袋が積み込まれた。護衛対象の面々も乗せて出発しようとした時、基地の方から向かってきたBARCスピーダーが近くで停車した。

 

「ようジーク、あたしもイタリカに同行するよ」

 

 降りてきたのは、ジェダイのリサ・フェレルであった。同行すると言ってきたが、ジェダイが任務に同行するという話はジークも聞いていなかった。

 

「来るとは聞いてませんでしたが?」

 

「あぁ、付いていくのはあたしの勝手だから。あまり気にしなくていいよ」

 

 いや、気にするだろ・・・改めて思うが、本当にこの人ジェダイなのか?ジェダイオーダーも中々の爆弾を抱え込んでしまったようだ。まあ、ジェダイが部隊にいるに越したことはないし、何かの助けになるかもしれない。

 

 こうして、第3偵察隊は再びジェダイと共に活動することになった。彼らは知らない、向かう先で戦いに巻き込まれてしまうことを。

 




○テュカ
いきなり救済されました。精霊がフォースみたいな物になるという事態・・・誰だよこんな設定考えたのは(俺だよ)

○同行するジェダイ
イタリカの戦いにはロウリィが背中を預けられる白兵戦要員が必要でしょ?ライトセーバーで斬られる盗賊達には合掌しましょう

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