裏路地にはドラゴンだろうが神だろうが不死王だろうが何でもかんでも迷い込む。
天使や悪魔なんかは普通に紛れているし、なんなら悪魔に関しては裏路地を根城としている奴もいるぐらいなのだ。
無論、そんな裏路地に流れ着く悪魔の大半が魔界で悪さできないゆえに人間界で悪さを企む悪魔がほとんどである。
世界征服を企む悪魔や大量殺戮をたくらむ悪魔などは大抵は入ってきた瞬間にユウジがボッコボコにして即座に叩き返しているのだ。
だがユウジはそんな大犯罪しか起こさない悪魔のみ叩き返すのだが、盗みや窃盗など小さい犯罪を起こす悪魔を見逃すのである。そんな悪魔たちを追ってとある悪魔が裏路地に拠点を張っているという噂すらあるほどだ。
ユウジ「で?」
???「…なに?」
ユウジ「その悪魔は無口なアウトドア品を売りさばくミステリアスな女ってね。なあ、アザミさんよ。」
アザミと呼ばれた女性は、面倒くさいという表情をしながら、ユウジをみる。
アザミが座っているすぐ側では、テントと一緒に明らかに表で売られているような正規品のアウトドアグッズが並べられている。
しかも、並べている場所は獅子神楽の支配地域の中で最も人が通るところである。(一応、その場所はフリーマーケット市場ではあるが、獅子神楽に申請しないとつまみ出される場所である。)
ほかの、フリーマーケットの屋台を見てみればテントに獅子神楽が発行した…というより作成されたお守り(商売繁盛)が目立つように吊り下げられている。
アザミ「何か用?」
ユウジ「裏路地五丁目75番地に魔界産のキノコが生えたから何とかしてくれ。今うちの人員が足止めしてるがいつまでもつか分からん。」
アザミ「報酬。」
ユウジ「これまで通りの黙認と、10でどうだ?」
アザミ「受けた。」
ユウジ「あいよ。」
アザミ「ひとつ疑問。」
ユウジ「なんだ?ナンパとか彼女とか聞くのは勘弁してくれ。」
アザミ「なぜユウジ、行かない?」
その言葉にあーそういうことかとユウジが言いながら、クスクスと笑い出す。
ユウジ「俺は、キノコが嫌いなんだ。特に、舞茸は許さない。」
アザミ「…美味しいのに。」
ユウジ「昔、友人にしこたま食わされたせいでトラウマなんだよ。満腹だって言ってんのに口にねじ込んできやがってあいつ…」
アザミ「……ご愁傷さま。」
ユウジ「うるせー。とっとと行け行け。」
ユウジが急かすと、アザミが仕方ないなぁと言わんばかりに警棒を持って人混みの中に消えていった。
さらに、抜け目なくいつの間にかアウトドア用具はしまわれており、定休日の看板が立てられていた。
ユウジ「お早いことで…さーて…いつものバーに行くとするか。」