才覚溢れる凡夫   作:神無明夜

10 / 11
お久しぶりです。
資格試験落ちました。
ポジティブダンスタイム常設にして欲しかったです。




「気が付いたらお互い呼び捨て」位が丁度いい

着々と年の暮れに向かっている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。特に用事もない俺は溜まりに溜まった積みゲーの消化に勤しんでいる。

 

やはり死にゲーは長期休暇にやり込むに限る。時間が許す限りトライアンドエラーを繰り返すこの快感、雑魚敵が雑魚じゃないという矛盾を抱えたゲーム、もちろん中ボスやボスも容易であるはずもなく、慣れるまではサンドバッグにされ敵の動きを覚えるところから始まる。

そんなこんなで「戦国に忍ぶ」狼を操作している訳だがやはり難しい。3日目で弦ちゃん倒したのは早い方なのか……?

 

 

今晩の25時、ニーゴさんのチャンネルで歌動画が上がるらしく、「ちゃんと不備なくアップされているかのチェックを行う」との事だ、ほとんどいつもの作業のと変わらんと踏んでいる。

 

という訳で、25時までは狼さんを操って忍びの掟を全うしたいと思う。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

〜24:45〜

 

 

ようやく「蝶の幻をぶっ飛ばす不思議な豆の力で攻略」したところでいい時間になってしまった。ぶっ通しでやってまだエンディング1個も見れてないのは俺が下手なのか難しすぎるのか……

 

とりあえずゲームは一旦置いといてナイトコードにログインする。

少し早いが誰かしらいるだろう、と入ってみるとKと雪さんの二人がいた。

 

とりあえずボイチャ入るか

 

 

《Somaさんがボイスチャットに参加しました》

 

「こんばんは」

 

「あ、Somaさん。こんばんは」

 

「Kは作業してるのか?」

 

「ついさっき夜食を取りに行くって」

 

「夜食か……俺もなんか食べようかな」

 

「何か取ってくる?」

 

「いや、さすがに一人で待たせるのはあれだしKが帰ってくるか誰か入ってきたらにするよ」

 

「そっか、ありがとう」

 

「「……」」

 

 

今思えばAmiaはともかくとしてK以外と2人っきりになる機会があまりなかったので何を話せばいいかよくわからん。

そもそも俺、雪さんのことあまり知らんから共通の話題もわからん。音楽の話でもするか?でもジャンルによって色々あるしなぁ……

 

 

「Somaさんは音楽以外の趣味って何かあるの?」

 

 

意外なことに雪さんの方から話を振ってくれた。普段の印象だと人の話を聞くに徹する人だと思っていたから驚いた。

しかし趣味か…読書くらいしかないな、最近読んだ本の話でもするか。

 

 

「読書だな。最近は歴史物ばかり読んでる」

 

「そうなんだ、私も本はそれなりに読むけど趣味って呼べるほどじゃないかな。読むとすればミステリーものが多いし」

 

「雪さんは趣味とかあるのか?」

 

「アクアリウムかな?」

 

「へぇー、何か飼ってたりするのか?」

 

「……何も入れてないの。水と少しの水草だけ」

 

「水草水槽ってやつか?いいじゃん、オシャレっぽいし」

 

「ふふ、そうかもね」

 

「それに、水って見てるだけで吸い込まれそうな魅力あるしな」

 

「……そうだね、自分まで透明になっていくみたいな、そんなに不思議な感じがあるよね」

 

「詩的だな、さすが作詞担当」

 

「ふふ、ありがとう」

 

 

《Amiaさんがボイスチャットに参加しました》

 

 

「やっほー、おつかれー」

 

「おつかれ様、Amia」

 

「おつかれ」

 

「Kは作業中?」

 

「夜食取りに行ってる」

 

「なるほど、Kと言えばココ最近は『インスピレーションが……溢れてくる!!』って言いながらいつにも増してバリバリ曲作ってるよね」

 

「確かに最近は気合が入ってるね」

 

「俺も色々聞かれたからな、男性視点が欲しいとかコードの相談とか……そのおかげで敬語も抜けたけど」

 

 

Kは基本的に通話にいるからさっきも言った通り二人っきりになる機会がそれなりに多かった。

と言っても挨拶だけしてお互いミュートのままそれぞれ全く別の作業してることが大半だった気がする。

 

……お腹すいてきたかも、なんか取ってくるか

 

 

「俺もちょっと食べれる物取ってくる」

 

「いってら〜」

 

 

……さて、何かあったかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「お、センパイおかえり〜」

 

「こんばんはSoma」

 

「こんばんは、Kも帰ってきてたのか」

 

「KとSomaさんは何を持ってきたの?」

 

「私はカップラーメン……ねぎ塩カルビ味って書いてある」

 

「俺もカップラーメン、味はカレー だな」

 

「……あんまりこの時間に食べるのは良くないかもね」

 

「いや〜、雪さんの言う通りなんだけどこの時間に食べるのは罪悪感も含めて美味しいんだよな」

 

 

《えななんさんがボイスチャットに参加しました》

 

 

「ちょっとみんな聞いて!?」

 

「どうしたのえななん?また弟くんに図星突かれて拗ねちゃった?」

 

「図星じゃないし!!」

 

『『『『図星突かれたんだ……』』』』

 

 

えななんのマシンガントークをBGMに音が乗らないようにミュートにして麺を啜る、麺の固さは固めが好きなので少し早めに食べ始める。お、久々に食べるとめっちゃ美味い。

 

Kも食べているようで同じようにミュートにしている、というかねぎ塩カルビってどんな味だよ……気になりすぎる、今度食べてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに25時数分前に、〆に冷凍ご飯とチーズ入れてリゾットにしたらAmiaとえななんに「それは犯罪ッ!!」と怒られた……美味しかったからまたするけど。

 

 

「ん、そろそろ時間だね」

 

「一番上に……あった、これだな。うぉ、クソデカカウントダウン、耳潰れる」

 

「あっはは、音量大きいからちゃんと下げとかない━━っぉ!ミミガーッ!!」

 

「ミミガーって聞いたことあるような……」

 

「豚の耳を使った沖縄料理の一つだね」

 

「コリコリしてて美味しいらしいな、食べてみたい」

 

「始まるよ」

 

 

ミミガートークに花を咲かしているといつの間にか曲が始まった。

 

 

 

 

 

 

その後はなんら問題も無く動画は終了。高評価もすごい勢いで付いている……さすがは天下のニーゴ様やで。

それと同時に俺のお仕事もここで終了、最後に挨拶してグループから退出した。

 

 

 

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それから数日後の昼間、年も明けのゴタゴタなんかも終わって久々にコタツでぬくぬく死にゲーをしていると携帯に年明けぶりの通知が鳴った。

 

 

=========================

 

mizuki☆:『ニーゴのみんなで打ち上げ行くんだけどセンパイ今日暇?』

 

マヒロ:『暇』

マヒロ:『行ってらっしゃい』

 

mizuki☆:『いやいや、センパイも行くんだよ?この前の曲の打ち上げなんだから』

 

マヒロ:『マジか……行けたら行くわ』

マヒロ:『てか打ち上げやるんだな。正直そういうイメージなかった』

 

mizuki☆:『それ来ないやつじゃん!』

mizuki☆:『打ち上げに行くようになったのは最近なんだ』

mizuki☆:『本当に暇そうだから勝手に参加にしとくよ』

 

マヒロ:『何時?』

 

mizuki☆:『いつも通りなら16時、変更あったら連絡するね』

 

マヒロ:『おk』

 

=========================

 

 

 

……待てよ、打ち上げってことはオフだよな?ニーゴの方々とリアルで会う……………………無理かもしんない。

 

普段学校で司や類と一緒にいるせいかコミュ力高いと思われることがよくあるが実際そんなことは無い。事実、学校の友達は生徒より先生の方が多い。

そんな俺がニーゴのK、雪さん、えななんの女性3人とオフで会う……

 

 

「無理だな」

 

 

死ぬ、100%死ぬ。

 

……なんで脳死いいよしちゃうかなぁ俺、予定が空いてたらだいたいノータイムでいいよって言っちゃう癖治さないと。

 

とりあえず着替えるか。いい機会だしパジャマ生活ともおさらばしよう。

グッバイお気に入りのクタクタパジャマ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜とある大きめの交差点〜

 

時刻は15時35分。今回はいつしかの反省を生かし余裕を持って家を出たので、歩きながらファミレスに向かっている。

ふと視界の端に目立つ白髪……銀髪?が目に付いた。というかふらついてる、貧血か?

 

「……大丈夫ですか?」

 

「その声……もしかしてSoma?」

 

「え、あ、はい。……いや、はいって言っちゃダメじゃん俺、一応隠してんだから」

 

「ふふっ、間違いなくSomaだね。大丈夫、Kだよ?」

 

「Kか!通りで聞いた事のある声だと思ったよ。それより大丈夫か?具合悪そうに見えるが……」

 

「大丈夫だよ、ちょっと太陽が眩しすぎて目を慣らしてただけ」

 

「…ちなみに何日ぶりの外出?」

 

「……………………2」

 

「2日か、だったら全然健康的なほうだな」

 

「あ、いや……2週間ぶり……………………です。」

 

「…とりあえず日陰から出ろ」

 

「も、もうちょっと待って。そうしたら目が慣れると思うか「3秒前〜、2〜、1〜」ま、待って!急にそんな明るいところに出たら目が潰れちゃうから……!」

 

「ゆっくりでいいから、とりあえず出てみろ」

 

 

とりあえず日向に出してみるとプルプルと震え出した。なにこれ面白…失礼、可愛いな。

 

とりあえず目を瞑ってるので今のうちに交差点を通過させる。途中チラッと目を開けては「おぅっ?!」とアザラシみたいに鳴いていたが気にせず引っ張った。

 

 

「……死ぬかと思った」

 

「死なないって。でもまぁ、冬場でこれなら夏は本当に死ぬぞ……」

 

 

しかし落ち着いてKの容姿を見ていると、どこかで見たことがあるような、ないような?

 

……あ、思い出した。CD買いに行った時にたまたま会った星乃さんと見つめ合ってた子だ。

と言ってもKは俺のこと覚えてないだろうし、リアルで初対面なのは変わりないな。

 

 

「あれー、奏にセンパイじゃん?なになに、いつの間に仲良くなったの?」

 

 

ちょっと前の記憶を呼び起こしていると、ここ最近では聞きなれた明るい声が耳に届いた。

 

 

「あ、瑞希。わたしもさっき会ったばっかりなんだ」

 

「交差点の近くでフラフラしてる人がいたからな、声を掛けたらたまたまKだったんだよ……というか本名奏って言うんだな」

 

「フラフラって…もしかして奏、また太陽が眩しすぎて日陰に逃げてたとか?」

 

 

どうやら外に出る度にこれをやっているようだ。

やたらと日陰の位置を完璧に把握していたのも頷ける。

 

 

「ちょっと待ってね、え〜っと……あった!奏、はいこれ」

 

「これって……折り畳み傘?」

 

「日傘になるタイプのね!それがあれば少しは自主的に外に出るんじゃないかな〜って思ってね」

 

 

ニヤニヤしながらもちゃんと思いやりの気持ちが溢れている瑞希からのプレゼント。それに対して嬉しそうに、でもどこか困ったように微笑みみながら感謝を告げるK…もとい奏さん。

 

うん、完全に蚊帳の外だ。でもそれでいい、なんなら壁になって存在消したい、見守り隊隊長になりたい。

 

 

「とりあえず、早くファミレス行こうよ!ほらしゅっぱーつ!!」

 

「あ、ちょっと瑞希…!」

 

 

駆け足でファミレスに向かった瑞希の後ろを、さっそく貰った日傘を差し、駆け足のつもりだろうがどう見ても周りの人が歩くペースと同じくらいの速度しか出ていない奏さん。

それを見て、『なんか青春物のワンシーンみたいだな〜』なんて思いながら俺もファミレスに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ファミレス〜

 

時刻はだいたい16時。今目の前には奏(呼び捨てでいいって言われた)とえななんと思われる人と雪さんと思われる人が、横には瑞希が座っている状態だ。

ちなみにあの後は、奏(呼び捨てでいいって言われた(大事な事なので2回言いました))の体力的に小休憩を一旦挟んでから普通に3人で歩いた。

 

 

「とりあえずなにか頼もうよ、ボクはコーラと山盛りポテト!」

 

「わたしはウーロン茶」

 

「私もそれにしようかな」

 

「コーヒー、ホットで」

 

「私は……あ、この季節限定のパフェにしよっと。それとホットレモンティー」

 

「えななん前も季節限定の映えチョイスしてなかった?」

 

「いいでしょ別に、みんな決まったんだから早くボタン押してよ」

 

「はいはい」

 

 

オンでもオフでもこの2人の掛け合いが何ら変化することは無い事に妙な安心感を覚えながら、オフで初対面なえななんと雪さんに目を向ける。

 

 

「はじめまして……では無いのか?いや、でもオフで会うのは初めてだし…」

 

「あぁ、なんか安心した。あんた完全にSomaね、ちょっと緊張してたのがバカらしくなるくらい想像通り」

 

「改めて初めまして、雪こと朝比奈まふゆです。」

 

「ご丁寧にどうも、入相真尋です。あとえななんに対してはその言葉そっくりそのままお返しするぞ」

 

「ちょっと、それどういうことよ……まったく。あ、東雲絵名。よろしく」

 

「わたしも改めて。宵崎奏、よろしく」

 

 

うん、3人ともオフで会うとイメージにピッタリ当てはまる感じの人達だな。これなら危惧していた一言も話さずに「ッスー……自分用事あるの忘れてました。すみません今日はお先に失礼します。」とならずに済みそうだ。

 

軽い自己紹介の終わるタイミングで注文していたものが届いた。『寒かったから暖かいの飲みたい』という単純な思考でろくにメニューも見ずに頼んだコーヒー様だ。

 

 

「それじゃあ、今回もお疲れ様の意を込めて!カンパーイ!!」

 

「いや、ホットコーヒーとホットレモンティーに乾杯を要求するな……って無理やりぶつけに来るなこぼすだろ!ねぇ、やめて?ほんとにこぼれるからやめて!?」

 

「2人は本当に仲がいいね」

 

「え、どこが?どう見てもいじめ1歩手前だぞ?ほら見ろ、今だって虎視眈々とこちらを狙ってる目をしてるぞ!?」

 

「あっはははは!!ごめんごめん、センパイのリアクションってついいじめ……いじりたくなっちゃうんだよね。ほら、ボクのポテト食べていいから許してよ」

 

「あんた今完全にいじめって言ったじゃない……あ、上手く撮れたかも。早速アップしちゃおっと」

 

 

マジでオンでもオフでも何一つ変わんない気がしてきた……むしろ物理的被害が増えている気がする。

仕方ない、またポテトのカリカリのやつだけ全部食べ尽くすか。

 

あ、そういえば……

 

 

「打ち上げって具体的に何するんだ?」

 

「集まって話すだけだよ?」

 

「へー、それはまたなんで?」

 

「みんなのことをもっとよく知りたかったから」

 

「そうか、いい打ち上げだな」

 

 

色々あったんだろうな、瑞希も『打ち上げに行くようになったのは最近』ってチャットで言ってたし。その上理由が『みんなのことをもっとよく知りたい』なんて色々ありまくったのか……今もまだ途中なのかはわからんが複雑なのはよく分かる。

だからこそ首は突っ込まない、深くは踏み入らない。部外者が出しゃばったらろくなことにならないからな。

 

 

「ということでSoma…真尋さんについても色々知りたいと思うんだけど……いいかな?」

 

「真尋でいいよ、多分同い年だし。そうだな…特に面白い話もないから何をどう話したものか」

 

「なんでもいいよ、例えば音楽を始めたきっかけとか」

 

「きっかけは父親だな、音楽関係の人間で家に機材とか防音室とかがあったから自然とな」

 

 

そんな調子でニーゴメンバーの質問に答えるという形式で何かと色んな質問に答えて言った。

中でも母親が精神科の医師だという話題に食い付きが案外良かった。

 

 

「へぇ、もしかして先輩の特技って母親譲り?」

 

「直伝。仲の良い人かかなり気になった人しかやらないようにしてるけどな」

 

 

多分なんちゃって読心術のことだろう。実際瑞希はかなり気になった人だ。

 

 

「何、その特技って?」

 

「目を診たらある程度どんな感情抱いてるか分かるっていうやつ」

 

「せっかくだからえななんも見てもらったら?」

 

「へぇ、ちょっと面白そう。ねぇ、やって見せてよ」

 

「お、いいぞ」

 

「「……」」

 

「「…………」」

 

「「………………」」

 

「……ね、ねぇ。まだ?」

 

「………………『好奇心』と『不安』が半端なくて他が見えん」

 

「見えんって……センパイ!ボクの時はあんなにビシバシ当ててきたじゃんか」

 

「あれは揺さぶりかけた感じだったし、問いかけに対しての反応とか本当はどう感じてるかを見抜く、みたいな感じだったしな。今回とは訳が違う」

 

 

正直いきなり目をじっと見られたら『不安』とか『嫌悪』とかでだいたい埋まっちゃうからよくわかんない( 。∀ ゚)

 

とはさすがに言えないのでそれっぽいことを言っといた。

 

 

「なんかボクだけハズレ引いたみたいな気分で嫌なんだけど……あ、そうだ!じゃあセンパイが質問してそれに答えるのは?」

 

「だったら、多少は分かると思うが」

 

「よし、決定!じゃあ奏に質問どうぞ!!」

 

「え、わたし?えななんじゃなくていいの?」

 

「それにいきなり質問って言われても真尋さんも困るんじゃ……」

 

「なんで俺を誘ったんですか」

 

「あんたいきなりド直球ね!?って、私の番ほんとにあれで終わりなの!?」

 

 

おお、やはりえななんにはツッコミの才能があるな。目指せ、全ユニット芸人化計画(謎電波)

 

失敬、謎電波受信はこの辺にして。

まふゆさんの心配を裏切るようで悪いが、実は前々から気になっていることがあった。

「なぜ俺なのか?」「他にも適任がいたんじゃないのか?」

聞こうかとも思ったがそれではまるで依頼を受けたくないみたいなニュアンスで取られかねないから聞いてこなかった。

 

 

「……きっかけは真尋も知っての通り瑞希の動画だよ。そこから気になって歌の動画を色々聞いてみたんだけど、真尋の歌は他の人からは感じられないナニカがあったんだ。それが凄く貴重で特別なものに思えて。それを知りたいって思ったから真尋にお願いしたの」

 

 

『尊敬』『興味』『感謝』……そんなに真っ直ぐな言葉をそんなに真っ直ぐな感情で向けられたら、俺は…俺は…………

 

 

「センパイ………………何照れてんの顔キモイよ?」

 

「キモイとか言うなよ!?大体なんだよ奏!なんでそんなにいい子なの!?聖人君子かお前は!!真っ直ぐすぎるだろ!!!守護(まも)るぞッ!!!!」

 

「うぇ?!えっと…ご、ごめんなさい?」

 

「奏、多分これ謝らなくていいと思う」

 

 

えななんの言う通りだ、どうか謝らないでくれ。でも瑞希は謝れ。

 

 

「ふぅ、よし。落ち着いたからラスト行くか」

 

「……最後はまふゆだね」

 

「「…………」」

 

 

え、何?なんか空気重くなったんだけど?俺悪いことしてる?やっぱり奏に謝った方が良かった??

 

 

「真尋さん?何聞いてくれても大丈夫ですよ」

 

「あ、あぁ。じゃあ…………『最近楽しかったことって何かあるか?』」

 

 

うわぁ、超無難な質問しちゃった。まふゆさんも困ってるじゃん、やらかしたかなぁこれ。今からでも違うのにしようかなぁ……て言うかさっきからほか三人がすっごく静かなんだけど?え、君たちなんでそんなに真剣なの?何?ガチで聞いちゃダメなやつだったの!?

 

 

「あ、あ〜…答えずらいなら別の「強いて言うなら学校の友達に勉強を教えてたことかな?」」

 

 

 

あ、良かった。ちゃんと答えてくr………………………………………………………………………

 

 

「……………………ちょっと御手洗に」

 

「あ、うん。行ってらっしゃい」

 

 

 

………………なんだ()()

 

 

 

 

 

 

 

〜other side〜

 

「……やっぱり嘘ってバレたかな」

 

「まぁ、『何かヤバいもの見つけた』って顔してたわね」

 

「でも良かったのまふゆ?真尋に気付かれるかもしれないよ」

 

「……ん、センパイから?」

 

 

 

『ちょっと来て貰えるか?話がしたい』

 

『おっけー』

 

 

 

「ごめん、ボクもトイレ!」

 

「あ…行っちゃった」

 

「まぁ、バレても特に何かが変わるって訳でもないし。私はどっちでもいいかな?」

 

「あんたね…こっちの気苦労も知らないで」

 

「……?なんで絵名が苦労するの??」

 

「……本ッ当にそういうところは今でも嫌い」

 

「あっはは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜真尋side〜

 

「センパイ、大丈夫?」

 

「……()()はなんだ?」

 

「あ〜、因みに何考えてるかわかったの?」

 

「何にも診えなかった」

 

「それってそんなに慌てる事なの?何も考えてないだけなんじゃ」

 

「だとしたらまふゆさんは廃人か悟り開いてるかの二択だ。とりあえず色々教えてくれ、というかお前知ってて診せたな?」

 

「うん、センパイなら何かわかるかなって。これでも()()してるんだよ?」

 

「いつか()()して貰えるように頑張るよ」

 

「…………で、まふゆのことなんだけど」

 

 

その後瑞希から所々を掻い摘んだ説明を聞いたが……下手すれば瑞希よりも複雑な状態だ。

みんなして沈黙するのも頷ける。

 

 

「……とりあえず戻るか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかえり二人とも」

 

「たっだいまー」

 

「ただいま」

 

 

うっわぁ、気まずい。特にまふゆさんがもう感情無くなってるぅぅぅぅ。隠す気ZEROじゃんか……

しゃーない、こっちも腹を括るか。

 

 

「あー、ゴホン。まふゆさん?」

 

「……なに?」

 

「雰囲気的にある程度予想は着いてそうだから単刀直入に。通院しろ」

 

「……どうして?」

 

「はっきりいってそれは完全に心の病だ、それも重度のな。……それと、一応確認だが感覚器官に異常があるとかはないか?鼻が利かないとか耳が聴こえない……はないか」

 

「……味がわからない」

 

「味覚障害か、となると嗅覚にも何かしら……そこら辺は耳鼻咽喉科だからよくわかんないけど原因は間違い無くストレスだよな。

因みに味覚が感じなくなった時期とかってわかったりするか?あとストレスの原因として思い当たる事とか。他には……」

 

「……ねぇ」

 

「なんだ?」

 

「なんでいきなりカウンセリング始めてるの?」

 

「ぶふっ!」

 

「ちょ、瑞希汚い」

 

「ご、ごめん。まふゆがボクと全く同じこと言ったからつい」

 

 

空気読んで黙っていてくれた三人が話し出した。正直黙ってるから怒ってると思ってめっちゃ怖かった。

 

 

「同じこと……瑞希もこれされたの?」

 

「うん、それもセンパイに初めて会った日にね」

 

「真尋、初対面でそれはどうかと思うよ?」

 

「うわ、奏に言われるとすんごい刺さる」

 

「て言うか真尋、もしかして会う人みんなにこんなこと……え、もしかしてあたしにも?」

 

「あ、えななんには何もしないぞ」

 

「なんかムカつくッ!!」

 

 

シリアスがどこかに行ってしまったが正直俺としてはありがたい。正直シリアスてまふゆと話してると怖くて泣きそうに……ぐすん

 

 

「まぁ、通院しろなんて言ったがしてないってことは相応の理由があるんだろ?例えば……親が認めそうにないとか」

 

「……認めないだろうね、『私たちの子が精神的に参ってるなんてありえない』なんて言いそう」

 

 

当たっちゃったよ。てか気のせいかちょっと笑ってる?『絶望の底からこんにちは。ダークネススマイル・まふゆ』しちゃってる?

 

 

「…………まぁ、ニーゴのメンバーの前ではその感じなんだろ?だったら思ったこととか感じたことを全部口に出してみてくれ。さっきの『なんでいきなりカウンセリング始めてるの?』なんか百点だ。

思ったことを口に出す、誰かに聞いてもらうってことをできる環境があるんだし利用しとけ。

あとこれはまふゆ以外になんだが『なんで分からないんだ!?』とか『いい加減にしろ!!』みたいなことは言わないようにしてくれ。本人が一番それについて悩んでるんだ。勉強してる時に勉強しろって言われるようなもんだムカつくだろ?

というわけで、まぁなんの責任も負えないけどいつか治るといいな」

 

「「「おぉ〜」」」パチパチパチパチ

 

 

なんか拍手貰って照れくさくなっちゃったが実際大事な事だと思ってる。アウトプットすることで自分が何を考えているのかを自覚できる……みたいな事だと思う。多分、恐らく、きっと、maybe……

 

 

「……真尋」

 

「お、なんだ?」

 

「なんでそこまで気を使ってくれるの?」

 

「ん〜……気になったから?」

 

「……それだけ?」

 

「それだけ」

 

「…………そう」

 

 

なんかわからんがまふゆも今の質問で納得してくれたらしい。ウーロン茶をちびちび飲み始めた。

 

 

 

 

その後は特に何かがあったとか言うわけでもなく、おすすめのアーティストの話やシンプルに好きな食べ物や飲み物、動物と言った先程のシリアスはどこに行ったんだと言わんばかりの他愛もない話で盛り上がったが、冬場特有の早めの日没似合わせて解散となった。

 

 

気が付いたらまふゆのこと呼び捨てになってたな……なんか恥ずかしい




因みに主人公君はまふゆを診てからはずっとビビってます。
正体不明って怖いもんね仕方ないね。

シリアスは求められてないし私自身が求めてないので程々で打ち切りました。
ギャグ最高。よってえななんはツッコミ役に鍛えていきます。

奏は大明神です。いつか神社建てましょう。

なんか知らないけど1万字行ったんで色々削りました。

続けれたら頑張ります。


まふゆの親は別に医者じゃないという天啓(感想)を頂いたので修正致しました。感想をくださってありがとうございます。
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