才覚溢れる凡夫   作:神無明夜

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お久しぶりです。
最近iPadmini買いました。



混ぜるな飲めん

 

 

〜休日・朝〜

 

約束の休日、平日よりも遅い時間に軽めの朝食を流れていくニュースを眺めながら食べる。

チラッと右上の時刻を見ると時刻は9時20…あ、今21分になったな。

我が家から集合場所のファミレスまではのんびり歩いて4、50分程度。集合時間が11時30分、10分前には着いておきたいから、余裕もって10時過ぎに出るか。

 

女性の場合、出発まで残り40分程度となると慌てるんだろうが俺からすれば十分余裕のある時間だ、なんならゆっくりトイレに座れる。

 

頭の中で雑な朝の予定を組みたてながら口の中に残ったトーストをコーヒーで流し込む……うん、美味い。

食べ終わった食器を台所の流しに運び水に浸しておく、洗うのは…帰ったらでいっか。父、母は両方共仕事で朝から家にいない。多分帰ってくるのも俺が先になるだろうから置いててもバレないバレない。

 

流しに食器を運んだその足で洗面所に向かう。

少し髪を濡らしてドライヤーで乾かしながら寝癖とか整える、そこにうっすらとワックスをシャシャシャーって適当にして準備完了。

 

腕時計を確認するとあと30分以上余裕がある。

暇だしソシャゲのログボ回収でもしながら待つとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ファミレス付近〜

 

時刻は11時24分。入相真尋、絶賛走行中である。

まさか家の鍵が行方不明になるとは思わなんだ、てっきりいつもの玄関の箱に入れてると思ってたんだが。学校のカバンに入れっぱなしだったとは、我ながら不注意な男だ。

 

で、結局見つけた頃には走ったら間に合うくらいの時間になっていた。

 

 

「ハッ、ハッ、ハッ……ッハ、ハッ、ハッ」

 

 

あー、絶対明日筋肉痛だ。嫌だなぁ…座ったり立ったりするときの痺れるような痛さが特に嫌だなぁ…

 

目的のファミレスの入口で止まれるよう息を整えながらスピードを落としていく。

時間は11時27分、5分前行動は無理だったみたいだ。ガラス越しに外から店中を見てみると冬弥と瑞希はもう来ているみたいだ、杏の姿は見えないが……

 

少し急いで中に入り皆の元へ向かう、どうやら杏はまだ来ていないらしい。なんだか少しだけ損した気分になった。

 

 

「2人ともおはよ。すまんな、少し遅くなった」

 

「おはようございます先輩。俺と暁山も今来たところなんで大丈夫ですよ」

 

「おはよ〜、まだ集合時間じゃないしね。ほら、11時28分」

 

 

瑞希が指さす方向にある時計は確かに28分。それでも誘った側の人間としては、何となく先に到着しておきたかった。

 

どうやら2人も本当にいまさっき着いたばかりらしい、たまたま近くで合流したのでそのまま一緒に来たようだ。

 

と、ふと外に見知った髪飾りをつけた黒髪が靡いているのが見えた。

 

時刻は11時29分。白石杏、絶賛全力疾走中のようだ。

勢いを殺さず店内へ入りこちらに駆け足、そのまま瑞希の隣の席に滑り込む。

 

当然瑞希はその勢いをモロに受けるわけで……

 

 

「え、ちょ、ちょっと杏!止まっ……グヘッ」

 

「セーフッ!!はー、危なかった。時間は…30分ジャスト!」

 

「隣で1人、ダメージ的にアウトになってるけどな。おはよ杏」

 

「白石、もう少し余裕を持って行動した方がいいぞ」

 

「あっはは…ごめんごめん、ちょっと準備に時間かかっちゃってさ。瑞希もごめんね?大丈夫??」

 

 

どうやら杏の方も何かあったらしい、とりあえず全員来たのでドリンクバーと飯を頼もう。食パン1切れのエネルギーはさっき使い切った。

 

冬弥がメニューを取ってくれたがどうやら2つしかないようだ。まぁ、ファミレスとかって普通2つだよな。

 

 

「先輩、一緒に見ましょう。そっちの方が早いですよ」

 

「ん、それもそうだな。みんなドリンクバーはいるだろ?」

 

「もちろん!……あ、今マロンフェアやってるんだ!」

 

「……先輩、ボクもお願い」

 

 

瑞希も何とか復活したみたいで杏とメニューを見ている。……どうやら脇に食らったらしい、痛そ。

 

どうやら冬弥と杏は決まったらしいが瑞希はまだ悩んでいる。ちなみに俺はカツ丼の定食だ。

 

 

「何と何で悩んでんだ?」

 

「ん〜、グラタンにするかオムライスにするかで……ポテトは確定なんだけどね」

 

 

ポテトは確定なんだ……みんな好きだもんな、ポテト

 

 

──────

 

 

結局オムライスに決めたらしく店員さんに注文。

ドリンクバーを3人に任せ俺は荷物番だ。

 

 

「はい真尋さん、これどーぞ」

 

「おう、ありがとな」

 

 

戻ってきた杏が渡してくれたのはメロンソーダ、なんでもいいとは言ったが随分と子供っぽいのをチョイスしたな……美味しいから好きだけど。

受け取って一口、口に運べばそこに広がる炭酸の──「………ッん!何これ!?まっず!!」

 

 

「いぇーい!大成功〜!!」

 

「おお、まさかここまで上手くいくとは」

 

 

瑞希と杏の仕業らしい、てか何入れたこれ?どうやったらこんなに苦くなるんだ?ニガリか?ニガリでも入れたか??

 

 

「……何入れたんだこれ?」

 

「メロンソーダとノンシュガージンジャーエールだよ、ねぇねぇどんな味する?」

 

「……まず口に入れた瞬間は一瞬メロンソーダの香りがする、でも舌に触れた瞬間強烈な苦味が口いっぱいに広がる。正直ジンジャーの味は全くしない……てか冬弥、止めてくれても良かったんじゃないか?」

 

「すいません先輩、どれにするか悩んでいて…気がついたら混ぜてました」

 

 

ドリンクバーをどれにするか悩む冬弥…すげー想像しやすいな、横から彰人とかに勝手にボタン押されてそう。

あとこれは瑞希と杏に飲ませよ、てか飲め。

 

結局4人全員一口は飲みその形容しがたい苦味に悶えていたところに料理が来た。どうやら同時に注文したのもあるのか全部同時に到着した。

 

 

「真尋さん箸取ってください」

 

「あれ〜、先輩、おしぼり2個使ってない?」

 

「あ、済まない。俺が2個持っていた」

 

「なんで真っ先に俺を疑ったんだ……はい、箸。いただきます」

 

 

カツ丼のカツにかぶりつき味を噛み締めていると瑞希が全く料理に手を出していないのが目に映る。

 

 

「どうした瑞希、食べないのか?」

 

「ボクって猫舌でさ。熱いのダメなんだよねー、あ、ポテトはみんな食べてもいいから」

 

 

ほー、瑞希は猫舌だったのか、見た目の雰囲気とか性格とかも相まって本当に猫っぽいな。

 

お言葉に甘えてポテトをひょいひょいと口に運ぶ。

何これめちゃうまい、ここのポテトこんなに美味かったのか……手が止まらんな

 

横を見ると冬弥もモソモソとポテトを頬張っていた。こいつは多分美味しいと無言で食べ続けるタイプだな、何となくわかる。

 

 

「ちょっと〜!先輩と冬弥くん食べ過ぎ〜、ボクの分ちゃんと残しておいてよね?」

 

「わかってるわかってる、このカリカリしたやつは全部貰うからそれ以外は全部残しとくよ」

 

「俺は皮が着いているやつだけ貰おう」

 

「それ2人が好きなだけでしょ!?」

 

「「よくわかったな」」

 

「ハモるな〜!!」

 

「ケチャップの方が美味しい…」

 

 

うん、打てば響くとはまさにこの事だな。にしても冬弥もなかなか…今後はもっと仲良くなれそうな気がする。杏はずっと何につけて食べるか模索しながら食べてるしな。

 

 

「とりあえず、食べ終わったら出発するぞ」

 

 

3人からの返事を聞きつつ自分のカツ丼を食べきることに専念する。

 

 

「先輩、デザートも食べていい?」

 

「食べ切れる分だけにしとくんだぞ」

 

「はーい」

 

『『親子か……』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜フェニックスワンダーランド入口前〜

 

 

「おお、すげーな」

 

 

国内有数の人気テーマパーク、彼の鳳財閥が運営しているらしく休日はもちろん平日でもかなりの客数が入園しているらしい。

そして本日も例外なく大繁盛なようで入口付近にもそれなりに人が集まっている。内心人混みに若干げんなりしつつ何となく深く息を吸う。

 

 

「おーい、早く中入ろうよ!」

 

「ほらほら!冬弥も真尋さんも置いてきますよー!!」

 

 

そんな俺とは違い元気溢れる2人は先にゲートの方に走っていった。置いていかれる訳にも行かないので冬弥と一緒に園内に向かう。

 

 

「先輩、大丈夫ですか?」

 

「ん?ああ、大丈夫大丈夫、ちょっと人混みに萎えてただけだから。体調悪いとかでは無いよ」

 

「そうですか、なら良かったです。もししんどくなったりしたらすぐに言ってくだいね」

 

 

オカンな冬弥に心配されまくりながら司に貰ったチケットを使い無事園内へ、中はまさにザ・テーマパークって感じで観覧車やらジェットコースター、メリーゴーランドにコーヒーカップのなんか回すやつなどなど、思いつく限りのアトラクションが満載だった。

 

先に入っていった瑞希と杏は……いた、どうやらパンフレットを取ってきてくれたみたいだ。なんて有能、普段もそれくらいいい子なら補講も受けずに済むのにな

 

 

「先輩今なにか失礼なこと考えなかった?」

 

「んや別に?それよりどうする、今が1時過ぎだから次のショーの公演まで1時間くらいある、それまでどこかまわるか?」

 

「私ジェットコースター乗ってみたい!」

 

 

杏いわく、ここのジェットコースター……『フェニックスコースター』は最近かなり有名らしくそれ目当てで来る人もいたりいなかったりするくらいには人気らしい。

 

それは確かに1回くらいは乗っておきたいのでみんなで乗ることにした。

 

 

──────

 

 

それなりの列を並び終えいざ乗車、順番的に冬弥と一緒に1番前の席に。

座席に座り安全バーを下ろす……なんかドキドキしてきた。高いのとかそこまで苦手なわけじゃないけどちょっと怖い。徐々に高度が上昇していき緊張感が張り詰めてくる……が、後ろに座ってる瑞希と杏がキャイキャイ叫んでるのでなんか逆に安心してきた。

やけに静かな冬弥はと言うと高い場所から見る景色に少し見とれているみたいだ。

 

それに習って何となく当たりを見下ろしてみるとショーに使うようなステージがあるのを発見、誰かいるようで何か動いてる。よーく目を凝らして見てみると……

 

 

「あ、司だ」

 

「!どこですかか?」

 

「ほら、あそこ。木に囲まれたステージでなんかやってるやつ」

 

「く、こっち側だと微妙に見えない…」

 

「そんな必死にならなくても、後で目の前でみれるんだからさぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!!!」

 

 

『反転』『加速』『強風』『浮遊感』『圧迫感』

 

いつの間にやら頂上に着いていたジェットコースターが一気に降下、色んな情報が頭ん中に入ってきて逆に頭ん中空っぽにならそうだった。そんなせいか一瞬だけ、

 

『そういえばジェットコースターにかかるGは3G〜5Gって聞いたことあるな……そもそもGってなんだ?』

 

というどうでもいい思考が頭をよぎったが1秒足らずで現実に引き戻された。

 

縦に斜めに横に上下に、グワングワンガクンガクンなりながら何とか終着点へ。

 

フラフラした足取りで近くのベンチに座り込む。

 

 

「……先輩」

 

「……なんだ?」

 

「俺、ジェットコースター苦手かもしれないです」

 

「奇遇だな冬弥、俺もだ」

 

 

後輩との絆が深まるのを感じながら自身の新たなる一面を文字通り頭の先から足のつま先まで全身で味わい尽くした。

隣で多少グロッキーになっている冬弥を後目に後ろに座っていた2人を確認すると、どこからか取りだしたポップコーンを二人で食べながら楽しそうに話していた。

 

 

「めっ〜ちゃ楽しかった!!」

 

「うん!特にあの後連続で3回転するところとか、ボク楽しすぎて手あげちゃったもん!!」

 

「私はやっぱり最初の90度以上越えの急斜面!さすがのスピードでめっちゃ楽しかった!!」

 

 

なんでそんなに元気なんだ……降りる時だって、俺ら以外の乗客もそれなりにグロッキーな状態になっていたがこの2人だけはスっと立ってスタスタスターって歩いていくんだからホントびっくりした。

今だってパクパクとポップコーンを口に運ぶ二人を隣で冬弥が信じられないものを見る目を向けている。

 

とりあえず、今は少し動けそうにない……

 

 

 

 

 

あれから少し休憩を挟んでショーを行うステージに向かうことにした。

主に休憩と待ち時間のせいで思ったより時間を取られてたが時間的には丁度いいので良しとしよう。

 

木々の中にある道を歩いていると一際開けた場所に出た。

そこには恐らく今回司たちがショーを行うであろうステージが待っていた。多少傷んでいたりはするが不快感はなくそれどころか味がある雰囲気を感じさせるいいアクセントになっている。

 

現在は開演時間の10分前だが前列の席は類が言っていた通りほぼ満席。できるだけ近くで見たかったが仕方がない、今回は真ん中くらいの席に座るとしよう。

 

 

「私こういうショーを見たりするの初めて!文化祭の時も風紀委員で行けなかったし」

 

「そうか、白石は司先輩の雄姿をまだ見た事がないんだったな。よく見ておけよ」

 

「冬弥は相変わらずだな」

 

「文化祭のやつはすっごい面白かったよね!今回も楽しみ〜!」

 

「……!司先輩が出てきた!!そろそろ始まるぞ」

 

 

冬弥の声で視線をステージの真ん中に戻す

 

 

「皆様!本日は我が『ワンダーランズ×ショウタイムズ』のステージに────」

 

 

舞台袖から出てきた司が挨拶をしてくれている。こうして見るのは2度目だが序盤はしっかりと常識的で理解できるんだけどな……

 

 

──────

 

 

「ふはははは!行くぞ!」

 

 

という司の掛け声とともに落雷、一応上を見て天気を確認するが晴れ。舞台袖をチラッと見ると類が恐らく遮光レンズが入っているであろうサングラスをかけながら何やら装置をゴチャゴチャしていた。

 

今のところ『ドローン』『ロボット』『発光』『雷』等々、かなりハチャメチャなショーになっている。そして何より凄いのがハチャメチャなのに惹き込まれる魅力が溢れていることだ、正直訳分からんがめちゃくちゃ面白い。

 

中盤を超えいよいよクライマックスへ、序盤の常識はとっくにどこかに行ってしまったがリアリティ溢れる演出のおかげか手に汗握る展開となっている。

 

ここから一体、どうなるんだ……!!

 

 

──────

 

 

時間にして30分程度のショーを終えたワンダーランズ×ショウタイムズに拍手喝采が贈られる。

 

他の3人もかなり楽しめたようで特に冬弥はずっとショーの……というか司の感想を呟いている。

 

 

ショーも終わった事だし声くらいはかけておこうと思いステージに視線を向けると、何と司と類がバルーンアートを子供たちに配っていた。

さすがの体力だな、今行っては邪魔になってしまうだろうからやめておくか

 

 

「あ、バルーンアートだ!かわいい、ボク貰ってこよ〜っと」

 

「司先輩が作ったバルーンアート!?ぜひ貰わねば!!」

 

 

と思ったが約2名が駆けて行ってしまった、杏の苦笑いと顔を合わせながら本日のスターの元に向かう

 

 

「お疲れ様司、かっこよかったぞ」

 

「ふはははは!当然だ、何せ今日の俺はスーパー!スターだからな!!」

 

 

よくわからんが調子いいことはわかった。

 

 

「おやおや真尋くん、僕に労いの言葉は無いのかい?」

 

「類もお疲れ様、ドローンとか雷とか全部お前の発案だろ?」

 

「あっはは!もちろんだとも、上手くショーに組み込めていただろう?」

 

「ああ、最高だったよ。次も期待してる」

 

 

その後は次のショーの準備があるらしく2人とは別れた。18時には片付けも終わっているらしいので、それまでは園内を4人で楽しむとしよう。

 

 





メロンソーダにノンシュガージンジャーエールは実体験です。クソまずいです。コーラにカルピスは美味しいです。

因みに日本のジェットコースターで90度以上の急降下は一つだけみたいですね。私ジェットコースター無理なんで乗れませんけど。

一気に複数人そろうと会話が難しいですね。精進します。

続けれたら頑張ります。
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