・今回は短めになります
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ビルドライジング・フォースネスト……現在、此の一室は一言で現すならば、御通夜ムードの渦中に在る。
理由はワールドランキング187位の強者であり、ダイバー達に『
其の結果、フォースの一員でエースたる存在、愛機に『MS斬りの悪魔』の二つ名を持った和装撫子侍のダイバールックの女性アズキを失う事となり、ヒノワ以外の全メンバーはテーブルに座ったまま無気力感に苛まれ、己の非力さで気持ちが深く沈んでいるのである。
「み、皆、大丈夫…?」
はわわといった表情で、ヒノワが此の沈み暗くなりきった空気を打破すべく、声を挙げた。
初めは皆、ヒノワのお陰で少しだけ明るい顔になるも、時間が経つに連れて表情はゆっくり暗くなり、最後には「「「………はぁぁぁぁ~~~」」」と溜息を溢して、元に戻ってしまう。
と、そんなフォースメンバーの中で一際落ち込んでいたケイが、ポツリと言葉を溢す。
「俺のせいだ……」
「ケイ、さん……?」
「俺がもっと頑張っていれば……アズキさんを失う事は無かった筈なんだ…。俺が……もっと慎重にフォース戦を受けてれば、こんな事には……」
1人、己の責任だと更に自責の念を重ねるケイ。そんな青年に、ラルクは椅子から立ち上がるや己の胸に手を当てて言った。
「ケイ、其の責任はお前1人のもんじゃない。俺にも其の責任がある。俺も、GBNのダイバーやフォースの事を、もっとよく、深く広く調べ、知識として記憶するべきだった。ジオンガーZならどんな相手にも勝てるかも知れないと、心の何処かで驕りが在ったとも思う。本当に済まない」
ケイを含め、皆に謝罪と共に頭を下げるラルク。
「ぼ、ボクも……!リューナイトとダイドラゴンではなくて、最初からダイガンダムで行くべきでした…。攻撃の手数や、対応出来る局面が少なくなる事を恐れてしまい、ダイドラゴンを叩かれて何も出来ませんでした!」
「本当にごめんなさい!」と立ち上がり、頭を思い切り下げたアキトはテーブルの角に額をぶつけてしまい、腫れた場所に手を当てながら、涙目になっている。
「アキト!?大丈夫か、待ってろ今冷やすからな!?」
アイテムボックスから凍結した保冷剤とタオルを取り出し、ラルクはネスト内に設置された水道水で濡らし、保冷剤をくるんでアキトの額に優しく当てていた。
「オラも同じだよ、ケイ!オラがもっどオールレンジ兵器を使いごなぜでだら、結果は変わっだがもじんねぇ!オラの練度不足にも責任はあるだ!もうじわげねぇ!」
「皆様だけの責任では有りません。私は狙撃手でありながら、フォースの中で一番最初にトラム様に撃墜されました。皆を勝利に導くどころか、戦犯に等しい醜態を晒した事、深く御詫び申し上げます」
カンタがケイの前で土下座を行い、ミシェルは皆に深く頭を下げて謝罪の言葉を述べる。
「オレ…皆と一緒に戦いたい。アズキを、トラムから取り返して、また皆が笑えるように……したい!」
フォースメンバーを見ていたヒノワも、心の奥底から湧き出した熱い想いを、自らの言葉に変えてケイに放つ。
「皆……」
「ケイ、オラたづ皆で強ぐなろう!滅茶苦茶強ぐなっで、トラムざんを見返じでやるだよ!」
「ケイ!」「ケイさん!」「ケイ様!」と、仲間達の声が、彼を暗闇から引き上げ、顔が前に向けるように励ましている。
そんな皆の言葉にじんわりと涙が込み上げ、溢れそうになった其れを腕で拭い、ケイは宣言した。
「っ…………あぁ!このまま終わってたまるか…!次は俺達が勝つ!ビルドライジングの目標は、『打倒、ソード・ブリンガー・レヴ』!
俺達はトラムさん達に勝って、アズキさんを必ず取り戻すっ!!!!」
『『『応ッッ!!!』』』と右手を拳に変えて、天に掲げたビルドライジング。彼等は此所からダイバーとして、フォースとして強くなっていく………
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「では早速……フォース『ソード・ブリンガー・レヴ』を倒し、アズキを取り戻す為の今後の予定を組み立てるぞ、皆」
ホワイトボードをテーブル前に置き、ラルクがペンを用いて白紙の板面に『①、課題・問題点』『②、解決策』『③、やるべき事』と記入する。
「ソード・ブリンガー・レヴとリベンジする為、先ずは先のフォース戦で俺達の浮き彫りとなった課題を、言っていきたいと思う。
先ずは俺自身の事から言ってく。先ず『ジオンガーZの空宙域下での機動力』の問題だ。ジオンガーZは地上戦で無類の強さを発揮し、宇宙でも支障無く戦えるよう作ったが、トラムとの戦いでは彼女の機動力に圧倒されて、何もさせて貰えなかった。
これに関しては『追加兵装』を製作・装備すれば、解決に持っていける。ジオンガーZの強化だけでなく、皆の役に立つ物にするから期待して欲しい」
皆が説明しやすいように、率先して手本を示したラルク。其れに続くように、アキトが自分の課題と解決策、そして其れに至る為の道を話す。
「ボクは、ダイドラゴンとリューナイトの分離・合体による幅広い戦い方をしようとしました。でも、トラムさんにダイドラゴンを倒されて、其れが出来ませんでした。
ボクのやるべき事……其れはダイガンダムに『追加武装を取り付け』、そして『ダイガンダムの兄弟機と一緒に戦う』事です」
ダイガンダムに兄弟機が居る事に、ラルク以外のメンバーは驚き、目を丸くする。トラムに敗れこそしたものの、単機で敵陣を叩くに十分な力を持つダイガンダム。
其れと同じ様な能力を持つ存在が居る…。戦力の大幅増強が見込めると、ケイは内心喜んでいたが、アキトは少し間を空けて「ただ…」と、一拍置いて『問題点』を話す。
「其の兄弟機はダイガンダム『以上』の力を持っていますが、余りにも強過ぎる力でボクの言うことや操作を殆ど効いてくれません。その上、勝手に『合体』して暴走状態になってしまって……」
唐突にとんでもない発言がアキトの口から飛び出して、ケイとカンタは「「ちょっと待って!?」」と、ほぼ同時にツッコミを入れる。
「え、ダイガンダムはアレで『完全体』じゃないの!?まだ何か隠し玉があるの!!?」
「まだかっぢょよぐなるんが!?オラ、其の姿を見てみだいだよ!!!!」
「ダイガンダム…もっと強くなるの…!!」
「はいはい皆、取り敢えず椅子に座ってくれ」
興味津々に聞き迫る3人に、あわわ…とアキトは若干引き気味になり。そんな青年達をラルクが落ち着かせ、元の位置に戻す。
「コホン……私の課題はやはり『敵に見付かり、真っ先に叩かれる』事にありますわ。今回、トラム様との戦いで浮き彫りになり、其所を突かれました。ですので、アルケインに『ステルス能力を付与』しつつ、更にスナイパーライフルにもチューニングを施して『隠密と狙撃特化のガンプラ』に仕上げてみせます」
「オラば『遠隔武装の熟練度』が低すぎる事だ。FDCバインダーの操作にもだづいだり、暴走しまぐりで皆に迷惑をがげぢまったよ……。だがらオラ『遠隔武装装備機体専用の特訓場で』猛特訓してくるべさ。バインダーも再調整し直じて、反応速度を今まで以上に上げられるようにするだ」
「オレは、早く…自分のガンプラが、欲しい!皆の為に、一緒に戦いたい!」
ミシェル、カンタが各々の課題と解決策を述べて、ヒノワが望みを言った後、最後にケイが自分の課題を挙げた。
「俺の課題……其れは『実戦経験が乏しい』事。相手がどんな行動で、どんな攻撃を行うのか。其れに対し、俺はどう動き、どう対処すれば最善なのかが、まだまだ分からない。其れと『自分が本当に得意とする武器や戦い方、戦略が全く確立出来てない』事も課題だと思う。
GBNのダイバー達…特に上位層に居るダイバーは、そう言った要素を既に持ってて、戦いの一瞬一瞬で選択しながら勝利を掴んでる。
……俺の目標は『GBNで唯一無二のダイバーに成る』事だ。其の目標に近付く為に、自分のスタイルを確立する為に、俺は『新しいガンプラ』を作る。そいつは『拡張性と汎用性に重点』を置いて、武装のカスタマイズで可能性を無限に広げ、己の限界を超えていく。そんなガンプラを作るつもりだ」
己の課題、解決策、やるべき事……其れ等を語り終えて、ラルクはフォースメンバー全員に告げる。
「ソード・ブリンガー・レヴへのリベンジは、簡単に出来る事じゃない。其れでも、今の俺達は自分の成すべき事が解っている。其所へ向かう道筋も見えている。
ならば、其の道を全力で走り抜ける。どんな努力も怠らずに、自分に出来る全てをやりきった時、其の時初めてビルドライジングはソード・ブリンガー・レヴとの戦いのスタートラインに立つ事が出来る」
そう言い切ったラルクは、ケイに「〆の号令を頼むぜ、リーダー」と言い、彼は真っ直ぐに前を向き、仲間達の顔を一目見て、号令を放つ。
「フォース・ビルドライジング!これよりアズキさんの奪回の為に、トラムさんと彼女のフォース、ソード・ブリンガー・レヴへのリベンジに向けて、フォース全体での修行を開始します!」
打倒、
此所から始まる、リベンジ