ガンダム・ビルドライジング   作:ガリアムス

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第6話の御時間です






Ep,6 激闘王・ダイガンダム

慶と順太郎がガンプラの箱に勤め始めてから、早くも3日の時間が過ぎ去った。

 

午後5時半、ガンプラの箱。夕方時にも関わらず、店内には学生服姿の少年少女や若者、二十代~三十代程の客層で賑わいを見せている。

 

「いらっしゃいまぜ!!ガンプラの箱にようごぞ!」

 

店内の入口。星那兄弟が製作したガンプラ達が飾られ、回転台で回っているショーエリアにやって来た三十代後半の男性客を、新人店員の1人であり、現在此の付近の見廻りにやって来ていた順太郎が、笑顔で挨拶を行う。

 

「お、新人さんか。此処の品揃えには何時も助けられてるよ」

「ありがとうだよ!これからも皆様の要望に答えられるように、頑張りますだ!」

 

元気な笑顔で頭を下げる順太郎。客を見送った後、自分の持つ無線機に通信が入る。声の主は春日だった。

 

『順太郎君、慶君!至急、レジエリアに来てくれ!』

『分かりました、直ぐに向かいます』

「了解だよ!」

 

トタタタタと急ぎ足で向かうと、其処には慶が居て、レジで対応している春日が居た。レジにはズラリと十五人程の人が並び、

 

「順太郎君は並んでる人の整理、終わったら國弘さんの手伝いをお願い!慶君は会計を頼む!!」

「はい!」

「分かっただ!」

 

慶が春日の隣のレジに立ち、順太郎は並んでいた列を均等に分け終えるや、店長代理の援軍に向かうべく、急ぎ足でレジエリアを後にした。

 

「いらっしゃいませ!」

「お会計は━━━━」

「ありがとうございました!」

 

レジの回転率が上がった事で客を次々と捌き、10分後には一段落し、慶と春日は大きく息を吐く。

 

「ふぅ…慶君、ありがとう。此処から先は俺がやるよ」

「分かりました」

 

レジエリアから出、店内の見回りに入ろうとした慶の無線機に、明人からの連絡が届く。

 

『慶さん。今日の仕事が終わったら、少し御時間頂けますか?』

 

━━━━━━━━と。

 

 

*********************

 

 

午後9時5分、ガンプラの箱・機動戦士ガンダムAGEエリア……

 

「明人君、さっきの連絡の事だけど……」

 

レジ籠に『AGE-1 フルグランサ』と『AGE-3 オービタル』、加えて『ガンダムバルバトス第6形態』に『シュバルベ・グレイズ(マクギリス)』が入った其れを腕に通し、レジエリアに足早に向かう慶。其の隣には、此の店の店長代理を務める星那(ほしな) 國弘(くにひろ)の弟にして、彼が溺愛している星那(ほしな) 明人(あきと)が居た。

 

「はい。慶さんは明後日のシフトはお休み何ですよね?僕も其の日は休みで…もし慶さんで良ければ、一緒にGBNで遊びませんか?」

 

明人からの誘いに、慶が断る理由もなく。

 

「良いよ。其れじゃあ、セントラルディメンションのメインロビーで待ち合わせしようか」

 

即決の答えに明人の目が輝き、心無しか後ろに束ねた栗色の髪が、嬉しさをアピールする子犬の尻尾のようにブンブンと揺れている様に見えた。

 

そんな2人がレジに付くと、膨れっ面にムスッとした表情の國弘と、気不味い雰囲気の順太郎が居る。

 

「あ、あの~…國弘、さん?」

「いーなー、いーなー、いーなー、いーなー!明人とGBNが出来てさー!いーなー、いーなー、いーなー!」

 

慶が問い掛けるも、國弘はそっぽを向きながらキットの会計を行っていた。明人は知っている━━━國弘がこうして駄々を捏ねるような言い方をするのは、恩人であれども、此方を差し置いて大切な弟と親密に接している事に対する羨望や嫉妬やらと、真面目に本気で心配しているのだという事を。

 

「兄さん兄さん。今日一緒に寝てあげるから。お願い……拗ねないで?」

 

丸い瞳の上目遣いで兄を見つめる明人。其の表情は慶と順太郎に一瞬、彼が女の子に見える程の破壊力を秘めており。其れを見た國弘の表情は、途端に優しさを帯びて、だらけきった顔になった。

 

「あー!あー!あー!明人は本当に可愛いなぁ!!」

 

キットを袋に入れて慶に手渡した矢先、彼は明人に飛び付いて、雪見だいふくの餅皮のような白い頬に自分の頬を擦り寄せる。兄弟の周囲に、他を寄せ付けないフィールドが張られる…そんな感覚を青年達は抱く。

 

「慶、ごれば……」

「…そうだね」

 

空気を察した2人は小さな頭を下げてから、ガンプラの箱を後にした。兄弟の時間を邪魔してはならないと思いながら………

 

 

*********************

 

 

2日後……GBN・セントラルディメンション、メインロビー。約1週間振りにログインしたケイは、手を握っては開いたり、腕や足を回したりしながら、軈て大きく深呼吸をし、真っ直ぐ前を見た。

 

「久しぶりだな、GBN」

 

小声で呟く。リアリティ溢れる電脳世界に対する新しい発見や出会いへの期待と、未だに馴れない自分であって自分ではない感覚が入り交じり、何とも言えない心情になる。

 

「えっと、明人君のダイバー姿のインキュバス風のダイバーは何処に居るかな……」

 

キョロキョロと周囲を見渡しつつ、ロビー2階に続く階段を上る。と、彼の視界に映ったのはインキュバス風のダイバーである明人こと、ダイバーネーム『アキト』。

そして臍の辺りまでチャックが開かれた、ラベンダー色の髪にスーツと赤いボレロを羽織り、ムキムキの腹筋と胸元を見せる強烈なダイバーが話していた。

 

「……もしかして、あの人が『マギー』さんかな?」

 

順太郎から教えて貰ったマギーというダイバーと、目の前に居るダイバーは特徴が全く同じだった。

 

「あ!ケイさーん!僕です!アキトです!」

 

アキトが気付いたようで、此方に手を振って小走りに近付いてきた。

 

「やぁ、アキト君」とケイも手を振りながら、其の後ろを歩いて来ているダイバーに視線を移した。

 

(……デカい)

 

少し離れていても大きいとは感じたが、近くに立つと改めて身長差を実感するには十分。このダイバーの身長は軽く見積もっても180cmは優にあり、ケイは頭1つ分抜かれている。

 

「あら、アキト君のお知り合いかしら?」

「はい、マギーさん。僕が初心者狩りに襲われた時に助けてくれた、恩人のケイさんです」

 

実際に初心者狩りを倒したのは、自分とカンタではなく、『魔骨の戦皇(ボーン・ヒーロー)』ことフランシスなのだが…思いながら、ケイはマギーに挨拶をする。

 

「初めまして。ケイと言います」

「初めまして、ケイ君♪私はマギー、ヨロシクね♪」

 

バチコーン!とSEが聞こえてくるような、強烈なウインクに少しだけ引いてしまう。その後、ケイは2人とフレンド登録をし、彼はマギーに問う。

 

「あ、その…マギーさんは初心者ダイバー達に、GBNの案内人をボランティアでやっているダイバーだと、フランシスさんや友人から聞きました。其れは本当でしょうか?」

「えぇ、本当よ。GBNを楽しく遊んで貰いたいから、お姉さんは頑張ってるの♪」

「ケイさん、マギーさんはフランシスさんと同じように、初心者狩りをしているダイバーに灸を添えたり、レクチャーをしてくれているんですよ」

 

優しい人も居るのだなと思いながら、ふと彼は思う。自分はGBNで、まともに『バトル』をしたことが無いことを。前回のログイン時、アキトを助ける為に初心者狩り連中相手に割って入ったが、今のままでは次に自分が標的とされた場合、抵抗出来ずにやられる可能性が高い。1戦でも経験を詰んでおけば、いざという時に役立つだろう。

 

「マギーさん、俺まだログインして2回目で…バトルもまともにしたことが無いんです。それで…『チュートリアルバトル』は、何処で出来るんでしょうか?」

 

其の言葉を聞いたマギーは、まぁ!と言った具合に目を輝かせる。

 

「チュートリアルバトルは、1階にある総合受付で出来るわ。NPDのオペレーターさんに話し掛ければ、コンソール画面が開くから、其の中の『初めてのバトル』を選んで受注すれば完了よん♪」

「ありがとうございます」

 

ペコリと御辞儀と共に礼を述べたケイ。するとアキトが、彼の服の袖を軽く引いて言った。

 

「僕も…一緒に良いですか?……また初心者狩りに襲われた時、ちゃんと戦えるように…なりたいです。」

「アキト君………。分かった、一緒に頑張ろう」

「!…はいっ!」

 

そうと決まれば話しは早く、マギーと共に総合ロビーへ移動したケイとアキトは、ミッション『初めてのバトル』を受注して、出撃の為に格納エリアへとワープしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、そんな2人の姿を『数人の人影』がロビーの何処からか眺めており。彼等がミッションを受注し、格納エリアに移動したのを見計らって、コンソール画面のメッセージ送信ボタンを押した。

 

其の瞳に悪意の焔を宿しながら………

 

 

*********************

 

 

セントラルディメンションのカタパルトから射出されたケイとアキトの機体は、チュートリアルバトルが行われるエリアへ向け、空を駆けていく。

 

ケイの機体はドッズライフルの代わりに、先日完成し今回が初陣となる『デュアルドッズキャノン』を装備した『ガンダムAGE-1 ノーマル』。

 

一方、アキトの操る機体はBB戦士━━所謂『SDガンダム』の部類に入る存在にして『LEGEND BB 騎士ガンダム』をベースに、ランスとマントをオミットして装甲の形状と、色彩を変更し竜騎士風のテイストを全面に押し出したガンプラである『リューナイト』。

 

そしてリューナイトを乗せて飛ぶのは、巨大なる一頭の『ドラゴン』であり。其の独特なフォルムと変わった形状の尻尾を持つ、童話に出てくるような古の四足歩行の竜。右肩に巨大な砲筒を、左肩に六角形型のバックパックを背負っている。

 

アキト曰く━━━━『リューナイトを主と認めた、雄々しき不沈竜。其の名をダイドラゴン』…と言うらしい。

 

「アキト君のガンプラ達、独創的な感じがするね。其れに凄くカッコいい」

『ありがとうございます!兄さんの作品からインスピレーションを貰って、自分で作ったんです。其れと凄い『ギミック』があるんですよ』

 

見る限り剣と盾のみの正統派の騎士スタイルを貫くリューナイトは、大きな盾に納める金の剣を抜剣し、天に掲げる姿は、まさに勇者といっても差し支え無い。

 

『このまま進めば、チュートリアルバトルのフィールドに着くわ。2人とも頑張って!』

 

マギーからの声援を受けて、気合を入れるケイとアキト。しかし其の時、ケイの耳に『無数のガンプラ達の声』が届いたのだ。

 

━━━━━見つけた!

━━━━━総員突撃!いけいけ!

━━━━━ヒャッハー!

 

「アキト君、何か此方に来てる!」

『えっ、どういう━━━━』

 

直後、SEED系列のビーム達が2人の乗るガンプラに飛来する。

 

『わあぁっ!?』

「くっ…!何処のどいつだよ!?」

 

シールドを前にし、蛇行しながら回避するケイのAGE-1 ノーマル。其のツインアイが捕捉したのは、黒いストライクガンダムや真っ白なインパルスガンダムを含んだ、『機動戦士ガンダムSEED』と『機動戦士ガンダムSEEDDESTINY』の機体達。

 

ケイとアキトは見覚えがある。━━━━彼等は『アキトを袋叩きにしていた所を、ケイとカンタの介入により阻まれ、そしてフランシスによってボゴボコに〆られた』連中だった。

 

『見つけたぜぇ~!初心者共がぁ!』

『一週間前の怨み!今此処で晴らァす!』

 

怨唆の声を張り上げながら、重火器で弾幕を張りつつ、ぐいぐいと距離を詰めてくる。足を止めれば、其の瞬間に蜂の巣にされかねない勢いに、怖じ気付きそうになってしまう。

 

『ケイ君!アキト君!今すぐリタイアしなさい!』

『マギーさん!分かりまし…え!?』

 

マギーの声で、アキトがコンソール画面にある『緊急帰還ボタン』を押し、ディメンションからの脱出を試みようとした。だが、どんなに押しても『反応が全く無い』。救援ボタンを叩いても、エマージェンシーの信号が『飛ばない』。

 

『何で救援信号が飛ばないの?!どうしてリタイア出来ないの!?何で…!』

『まさか……!あの子達『DDツール』を使ったのかしら!?』

『DDツールって、あの…!?』

 

アキトとマギーが驚愕の声を上げる中、ケイは悟る。自分達は敵が持つ『DDツール』によって、逃げられないデスマッチに囚われたのだと。選択肢は2つ、このまま指を加えて大人しく倒されるか、逆に相手を全て倒しきるか以外、残された道は存在しない。

 

そしてケイは大人しくやられるのを待つ等、絶対に出来ない人間であった。

 

「やるしかないッ!」

 

砲火の中でシールドを構え、デュアルドッズキャノンを守りながら、AGE-1 ノーマルは砲撃態勢を取る。狙うは敵陣中央部分、挟撃される可能性もあるが反撃の福音を鳴らすには、四の五の言っている暇は無い。

 

双砲門にエネルギーが蓄積し、異なる回転の合体砲撃が敵の陣形に風穴を穿つが、其れが引き金となり、より一層の弾幕が2人を襲う。

 

「アキト君!」

 

盾を構えながら、必死にリューナイトを動かしてダイドラゴンを守るアキトに、ケイは通信を入れた。

 

「状況は最悪だ。でも、俺には分かる。君と、君が作ったガンプラの『ギミック』を使えば、この状況をひっくり返す事が出来る!

 

リューナイトにダイドラゴンが!『1つになりたい』って叫んでる!!」

 

ケイには『ガンプラの声』を。延いては『創作物の声』を聞ける異能がある。事実、リューナイトとダイドラゴンはアキトに向けて、こんな声を放ち続けていたのだ。

 

━━━今こそ、1つに!

━━━ワレラノチカラヲ、ヒトツニ!

 

1つになる……其れはアキトのガンプラが『真の実力』を発揮する為に備えた『ギミック』。其れを使えば、目の前の大群を倒しきれる可能性も出てくる。

 

『ッ………分かりました!ケイさんを信じます!』

 

少年は覚悟を決め、そして叫んだ。

 

 

 

 

リューナイト!

 

ダイドラゴン!!!

 

 

ヘッドコンバイン!!!!!

 

 

 

 

 

リューナイトが、ダイドラゴンが。天へと高く昇り、其の身を変形させていく。

 

ダイドラゴンの胸部が開き、前足が降り畳まれて強靭な両足へと変わり。

 

尻尾は割れて手腕と転じ、後ろ足は両肩を守る装甲に。開かれた尾元は、SDガンダムが余裕で収まる空間が生まれる。

 

頭部は首元が折れて背中に付き、胴体は180度回転。巨大な砲筒が左肩に、六角形のバックパックが右肩に収まった。

 

剣を盾に納め、リューナイトは盾を背中に合体し、腕と足をくっ付け、ダイドラゴンの開かれた空間へと吸い込まれてドッキング。頭部の甲冑が前に出て、口元をマスクが覆い、其処から白い蒸気を吐き出した巨大なる機神は、初心者狩りの者共の前に躍り出た。

 

アキトは高らかに、其の名を叫ぶ。其れこそが、リューナイトとダイドラゴンの真なる姿、そして自分のガンプラなのだと宣言する為なのだから。

 

 

『激闘王・ダイガンダム!』

 

 

 

*********************

 

 

其れは見るからに、『合体メカ』という一言に尽きる存在(もの)であった。変形したリューナイト、そしてダイドラゴンが其の身を重ねて、1つの機神へと成った姿━━━━━『激闘王・ダイガンダム』。

 

強く、雄々しく、美しく。其の身を彩る塗装は、細部に至る迄、一片のムラが見当たらぬ程に繊細で。各部のディテールやスミ入れ、艶消しや合わせ目処理等、全てが高次元に成されている。

 

 

━━━━━━さぁ、反撃の時だ

━━━━━━今こそ、我等の力を見せよう

 

 

そしてダイガンダムが放つ、アキトの想いに応えんとする声が、見ている此方にも力を与えてくれているかのようだった。

 

『ダイガンダムだと…!?』

『構うな!一斉砲火で沈めちまえ!』

 

下っ派の悪役が吐く台詞と共に、敵はランチャーやバズーカ、ビームライフルといった重火器を用いて、ダイガンダム目掛けて撃ちまくる。

幾度もダイガンダムに直撃し、其の度に爆発と炎が硝煙の臭いと混じり、ディメンションの青空を汚す。

 

だが━━━━━━━━━

 

『………………は?』

『う、そ……だろ……!?』

 

黒煙のカーテンを払いのけ、現れた激闘王の体には、傷所か埃すら付いていなかった。ゲームには『最低値のダメージ』が常に保証されており、どんなに火力が低くとも『1ダメージ』は確実に付くのが『常識』である。

しかしダイガンダムは。初心者狩り連中のガンプラからの攻撃を受けても、ダメージが一切入らず、其の勇姿が汚される事はなかった。

 

変形機体の宿命である、複雑化すればするほど耐久性に問題が現れる現実。其れさえもクリアして、あれだけの強さを手に入れたガンプラ。

國弘が明人の事を、何れ自分を超えられる存在になると言った意味が、ケイには分かった気がした。

 

「何て強さだ…ダイガンダム!」

『まぁ!本当に凄いわぁ、アキト君♪』

 

漸く絞り出したケイの言葉と、イケイケゴーゴーなマギーを他所に、アキトとダイガンダムは特撮でよく見掛ける、大爆発の中をスーパーアーマーで突き進む合体ロボのように前へ行き、其のツインアイに彼等の機体を見定める。

 

そして巨大な腕を、拳を、脚を振るいながら、次々と敵を屠っていく。其の姿たるや無双の化身そのものであった。

 

『うわあああああああ!!!化物がああああああああああああああ!!!』

 

黒いソードストライカーと合体し、漆黒のソードストライクガンダムとなった機体が、ビームを刀身とした巨大な対艦刀を振るう。が、其の一閃はダイガンダムの肩装甲に激突し、あろうことかバギン!と音を立てて砕け散ってしまったのだ。

 

『ビームを纏った対艦刀が折れたぁ!?』

『今度は此方の番!ドラゴンセイバー!』

 

背中に移動したダイドラゴンの頭部が外れて変形し、口から刃が飛び出す。其れを握りて高く、高く振り上げて、力を込めて一閃すらば。

 

PS装甲恐るるに足らず、一刀両断の元にソードストライクガンダムを切り捨て、爆発四散に追い込む。

 

『何だよ…!何なんだよ、お前のガンプラぁあああああああああ!!』

 

狂乱して遠距離武装を放つ者、一目散に逃走を謀る者が現れる。大群が瓦解して、態勢が決しようとしている。

しかし、アキトとダイガンダムは逃がさない。

自分を狩ろうとした者達に、一発食らわせてやらねば、また次の被害者が現れる可能性もある。

 

 

『ドラゴンランチャー!』

 

コンソールを操作し、3番スロットの武装を選択。左肩の巨大砲筒たる『ドラゴンランチャー』が稼働を開始し、砲のスピニングバレルが回転しながら、エネルギーを急速にチャージする。左目に宿る、ライフルスコープの機能によって、ダイガンダムは抗う者と逃げる者、其の全てをロックオン。

 

そして━━━━━━━━

 

『アタァァァァァァック!』

 

アキトの声と左のレバーを前に押し出せば、集束されたエネルギーの奔流が幾多の光弾となりて、敵を飲み込み破壊する、ダイガンダムの必殺技『ドラゴンランチャー』は炸裂。

 

連打、乱打、長打。光弾の暴風雨が敵を飲み込み、穿ち貫き、立て続けに爆発四散の末路を辿らせ。軈てケイ達を襲った初心者狩り達は、眼前から消え去った。

 

『激闘!激震!激ッッッッッ勝利!』

 

勝利宣言が如く掲げたドラゴンセイバーに、太陽の光が反射してダイガンダムを照らす。其の雄々しく、そして敵を圧倒する強さに、青年は心を奪われる。

 

「俺も、なれるだろうか……いや、なるんだ。唯一無二のダイバーに……!」

 

其の為にも、山積みになった自分のやるべき事をやっていかねばと、ケイは心に誓う。何時の日か、自分だけの最高のガンプラを、此の手で作れるようにと。

 

そんな青年の純粋な想いが叶うのは、まだ先の話である………。

 

 

 




アキトのガンプラ、其の名を激闘王


ガンプラ紹介


リューナイト:明人が製作したガンプラの1つ。ベースに『LEGEND BB 騎士ガンダム』を使用し、ランスとマントをオミットしつつ、シールドと装甲の形状を変更して竜騎士のテイストを持たせつつ、機動力を高めたガンプラ。

軽量化に踏みきった理由としては、SDガンダムは耐久力に乏しく被弾で大ダメージは避けられない事に加えて、明人自身が重武装機体を得意としていない事が主になっている。

剣と盾というシンプルな武装で構成され、機動力に比重を置いたリューナイトは、搭載されたギミックとダイドラゴンが合わさる事によって、本来の実力を発揮する。



ダイドラゴン:明人が製作したガンプラの1つ。暴竜カイザーワイバーンから着想を得て作り上げられた存在であり、紅白を基調としつつも、爪や角は金、右肩の大砲と左肩のユニットは青と銀の塗装を施した、リューナイトの支援メカ。

単体性能はリューナイトとは真逆で、絶大な攻撃力と圧倒的な防御力に比重を置いた存在にして、アキト曰く『雄々しき不沈竜』の異名を持つ。

これだけでも十分な強さがあるが、ダイドラゴンはリューナイトと共に在る事によって、真なる強さが覚醒するのである。



激闘王・ダイガンダム:リューナイトが顔と胸部へ、ダイドラゴンが四肢と胴体を形成し、2体のガンプラによるヘッドコンバインによって誕生したガンプラ。

リューナイトの機動力と、ダイドラゴンのパワーとディフェンス、2体の出来栄えと一体化による真の完成が合わさった事で機体のステータスが飛躍的に高まり、並大抵の攻撃では傷一つどころか埃すら付かない。

圧倒的なパワーによる格闘戦を行いつつ、武装はダイドラゴンの頭部パーツを変形・口から刃を引き出した『ドラゴンセイバー』、左肩の巨大砲筒『ドラゴンランチャー』というシンプルながらも、理に叶った装備となっている。

また、ダイガンダムはSDガンダム系列とのヘッドコンバインを可能としており、リューナイトの合体を別のSDガンダムに変更する事によって、更なる力が引き出される。
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