シンプルな部屋に青年が一人、 机に齧り付いてノートに何かを書いていた
黒髪で、片眼が長い髪で隠れており何処か優しげな瞳をした青年
21歳、彼女なし
「よし、出来た………」
そう言いながらボクは書いていた何かを持ち上げる
「これがボクがこれからやりたい事!………まぁ、一個は無理かな」
そう言いながらは外を眺める
太陽が輝き、青い空が広がる
そんな大空を鳥達が羽ばたいていく
そんな様子を見ては笑いながら先程のノートを閉じる
「冷蔵庫、もう何も無かったな………」
そう思い、携帯と財布をもって外に出る
沢山の人達が行き来するこの街、駒王町
親が用意してくれたボクが新しく過ごす場所
一人暮らしは少し不安だったけど、今は充実している
父さんも母さんも妹も心配性で、一週間に一度は手紙を寄越してくれる
こんなボクは、まだ働いてない……まぁいわゆるニートって奴かな?
アハハ、少しだけへこむなぁ
まぁ、子供の時のお小遣いとかお年玉は貯金してたからお金は沢山あるんだけどね
こんなボクにまぁ、彼女なんて出きるわけなくて
こうして年齢=彼女ない歴になっちゃったんだけど
そう考えながらスーパーの食品コーナーで食材を選ぶ
このじゃがいもは少し早いから、こっちの奴にして
こっちのお肉が安いし状態も良いし、今日はカレーでも作ろうかな
そう考えながら他の食材を買っていく
車は持ってないから、父さんや母さんみたいに1ヶ月分とか買ってこれないんだけどね
免許は取ったんだけど、今となっては無駄でしかないな
ふと会計レジの近くにある小さな猫の置物のような物に目を引かれた
みると『白猫の御守り』と言うらしい
何のご利益があるか分からないけど、今のボクには必要ないかな
そう思いながら他の食材を買おうと移動しようとしたのだが、どうもあの御守りが頭から離れない
「なんか、引かれるなぁ……よし」
思いきってその置物を手に取る
思ったより値段は安いし、せっかくだし買おう
そう思いながらレジで会計をして買い物袋に買ったものを入れ外に出る
外に出ると数人がチラシのような物を配っていた
移動しようとしたらボクもチラシを貰ったので内容を読んでみる
【貴方の願い事、叶えます】
その文字と魔方陣のような物が描かれていた
普通の人なら怪しいみたいな事を思い捨てたり
破いたり、無視するような物から
何故かボクは目が話せなかった
夕方、一日が終わっていくのを部屋の窓から眺める
取り敢えず今日の晩御飯を作らないと
そう思いながら立ち上がり、昼に買ってきたスーパーの野菜や肉を冷蔵庫から取り出して切る
カレーは全部の具材を同じような大きさで煮込めば味が均等になるらしい
その事を頭に思い浮かべ、炒めた野菜と肉に水を入れてを煮る
やっぱり、羨ましいな学生って
あの時にボクもああしておけば、そんな後悔が後を絶たず頭の中に残っちゃうんだよな
本当に、あっと言う間だからな
学校生活
そんな風に思いながらカレーのルゥを入れてかき混ぜる
先程のノートに書いた項目、その一番上にあったもの
それは『彼女がほしい』
「でも、今さらボクに彼女のなんて出来るわけ無いのに…………なに書いてんだろ、ボク」
その時だ、頭の中に昼に貰ったチラシが過った
『貴方の願い事叶えます』
「試してみるのも、良いのかもな。やらないより、やった方が良いに決まってるし」
そう言ってボクはカレーの火を止める
後は少し置いておいて暖め直せば美味しいカレーが出来るし
そう思いながら、ボクはリビングにあのチラシを置く
あれ、でもどうやるんだろこれって?
取り敢えずチラシの近くにスーパーで買った白猫様のお守りを置いて紙に振れてみる
どうか、5日間で良いので
ボクに、彼女を下さい
可愛くて、優しくて
笑顔のステキな、彼女を下さい
なんて、ちょっと無理かな?
「何やってんだろ、ボク」
そう思いながら立ち上がり、ご飯を食べる準備を進めようとした
その時だ、チラシの魔方陣が光だした
「うわ!?」
思わず尻餅を着く
お尻がいたい
すると目の前にはいつの間にか、小さな女の子がいた
白い髪に、小さな身長、無表情な
まるでさっき近くに置いた白猫様のお守りがそのまま女の子になったかのような
そんな少女だった
「あなたが私の依頼主、ですか?」
そう、問いかける少女にボクは頷く事しか出来なかった
まだ頭の中が混乱してる、目の前の子は?
てか本当に魔方陣から出てきたのか?
「私は悪魔の塔城 小猫です。先に注意しておきますが、私たちへの依頼は必ず対価を払わなければなりません」
「え、悪魔!?」
思わず驚いてしまう、どちらかと言うと目の前の少女は悪魔と言うより天使に見えたから
「えっと、ボクは大空 翔一。所で対価って何を支払えばいいの?寿命とか?宝石とかの類は持ってなくて………」
「対価は必ずしも金品でなくても構いません、物でも構いませんがお金でもお菓子でも大丈夫です」
表情を変えずに話す少女に思わず感心してしまう
「そ、そうなんだ………」
「はい。それで、貴方の願い事は?」
「と、塔城小猫さん。ボクの願い事なんですけど………」
「はい」
「今日から5日間で良いので、ボクの彼女になってください!!」
そう言ってボクは頭を下げた
「……はい?」
すると彼女の目がまるでゴミを見るような冷たいものに変わっていく気がした
「…………ロリコンの変態」
「ち、違うんだ!!君だから頼んだんじゃなくて、元々5日間だけ彼女になって欲しいって思ってて願い事をしたんだ!そしたら君が出てきて、とにかくボクはロリコンじゃ無いから!」
必死に説明するがかえってこれでは怪しまれるのではないかと考えてしまう
「対価は?」
「えっと5日間で、毎日夜に1日分の対価として貴方に支払います、でも銀行に行けてないので取り敢えずこれでも良いかな?」
そう言ってボクは父さんから送られてきた女の子に人気なお菓子の食べ放題のお店のチケットを差し出す
父さんが言うには中高生の女子に人気らしい
女の子と言えばお菓子かなと安直な考えで、出してみたんだけど
だ、大丈夫なのだろうか…………
見ると、塔城小猫さんの口が微かに笑っているように見えた
その時だ、ボクは何故か胸が熱くなった気がした
「はい、対価は受けとりました。明日からよろしくお願いします、翔一さん」
その後、取り敢えずデートとかの時間や場所を伝えるためメールアドレスを交換したのだった
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